Oracle Database プラットフォーム・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(x64) B25695-04 |
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Oracle Database for Windowsには、データベース関連の機能を実行する様々なツールがあります。この章では、一般的なデータベース管理タスクの実行に推奨されるツールおよびそのツールの起動方法を説明します。
特に記載のないかぎり、このマニュアルで説明する機能は、Oracle Database Enterprise Edition、Oracle Database Standard EditionおよびOracle Database Personal Editionに共通しています。
この章の項目は次のとおりです。
データベース・ツールとは、データベース管理タスクに使用できるツール、ユーティリティおよび補助ツールの総称です。類似するタスクを実行できるデータベース・ツールもありますが、1つのデータベース・ツールですべてのデータベース管理タスクを実行することはできません。次の項では、特定のオペレーティング・システムで使用できるデータベース・ツールおよび一般的なデータベース管理タスクに使用できる推奨ツールについて説明します。
ほぼすべてのデータベース・ツールは、サポートされているすべてのWindowsバージョンで使用できます。次のツールは、Oracle Database for 64-bit Windowsではサポートされていません。
Oracle Enterprise ManagerおよびそのオプションのManagement Packには、データベースの管理を助ける追加ツールが統合されています。詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』を参照してください。
表2-1に、一般的なデータベース管理タスクの実行に使用できる様々なデータベース・ツールを示します。この表の「推奨ツール」欄にあるツールを使用することをお薦めします。タスクを実行するツールを選択した後、表2-2で、ツールの起動方法を参照してください。
管理タスク | 推奨ツール | その他のツール |
---|---|---|
データベースの作成 |
Database Configuration Assistant |
なし |
データベース・サービスの削除 |
Database Configuration Assistant |
ORADIM |
データベースの起動 |
Oracle Enterprise Managerコンソール |
SQL*Plus |
データベースの停止 |
Oracle Enterprise Managerコンソール |
SQL*Plus |
データベース・パスワードの変更 |
ORAPWD |
ORADIM |
データベース・ユーザーのディレクトリへの移行 |
User Migration Utility |
なし |
データベースの移行 |
情報アップグレード・ツール |
なし |
データベースのアップグレード |
SQL*Plusでスクリプトを実行 |
なし |
データのエクスポート |
データ・ポンプ・エクスポート(EXPDP) |
エクスポート(EXP) |
データのインポート |
データ・ポンプ・インポート(IMPDP) |
インポート(IMP) |
データのロード |
Oracle Enterprise Managerロード・ウィザード |
SQL*Loader(SQLLDR) |
データベースのバックアップ |
Oracle Enterprise Managerバックアップ・ウィザード |
OCOPY |
データベースのリカバリ |
Oracle Enterprise Managerリカバリ・ウィザード |
OCOPY |
データベース管理者およびユーザーの認証 |
Oracle Enterprise Managerコンソール |
Oracle Administration Assistant for Windows |
暗号化および復号化されたOracle Walletの格納(Oracle Advanced SecurityおよびOracle PKI統合) |
Oracle Wallet Manager |
なし |
データベース・ロールの付与 |
Oracle Enterprise Managerコンソール |
SQL*Plus |
データベース・オブジェクトの作成 |
Oracle Enterprise Managerコンソール |
SQL*Plus |
次の説明は、表「」に記載されたツールに関するものです。
データベースの登録時にDatabase Configuration Assistantにより自動的に作成されるデータベースのウォレットは、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以上のサーバーでのみ使用できます。このデータベースのウォレットは、旧バージョンのデータベースでは使用できません。また、Oracle Internet Directoryリリース9.0.4以下でも使用できません。
この項では、それぞれのデータベース・ツールの起動方法を次のカテゴリに分けて説明します。
旧リリースの複数のOracleホームを使用している場合は、旧リリースのOracleホームとの相違点についてOracle Databaseのインストレーション・ガイドの付録「Optimal Flexible Architecture」を参照してください。
Oracle8iリリース8.1.5からは、コンピュータに最初に作成したOracleホームを含む各Oracleホームに、一意のHOME_NAMEがあります。Oracle Administration Assistant for Windowsを任意のOracleホームから起動するには、「スタート」→「プログラム」→
「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」→「Administration Assistant for Windows」を選択します。
信頼できるアプリケーションのみがコンピュータ上で実行されるようにするために、Windows VistaおよびWindows Server 2008ではユーザー・アカウント制御が提供されます。このセキュリティ機能を有効にすると、構成に基づいて、Oracle Database Clientのインストール時に承諾または資格証明を求められます。適切な承諾またはWindows管理者証明書を提供してください。
一部の構成ツールの実行、またはOracleホーム内のディレクトリへの書込みを行うすべてのツールおよびアプリケーションの実行には、管理者権限が必要です。ユーザー・アカウント制御が有効化されており、ローカル管理者としてログインしている場合は、通常どおりにこれらの各コマンドを問題なく実行できます。ただし、管理者グループのメンバーとしてログインしている場合は、Windows管理者権限を使用してこれらのタスクを明示的に起動する必要があります。
管理者権限を使用して実行する必要があるツールは次のとおりです。
Windows管理者権限を使用してWindowsショートカットを作成するには、次のようにします。
Windows管理者権限を使用してコマンド・プロンプト・ウィンドウを起動するには、次のようにします。
ウィンドウを開くと、タイトル・バーに「管理者: コマンド プロンプト」と表示されます。このウィンドウ内から実行するコマンドは、管理者権限を使用して実行されます。
表2-2では、「スタート」メニューから補助ツールおよび他のツールを起動する方法を説明します。これらの製品の使用方法に関する詳細の参照先も示します。
注意 Database Configuration Assistantを使用する場合は、データベース・ファイルが移動または作成されるディレクトリへの読取りおよび書込みアクセス権が必要です。Oracle Databaseを作成するには、管理権限が必要です。管理者グループに属していないアカウントからDatabase Configuration Assistantを実行すると、ツールは操作を完了せずに終了します。 |
注意
Oracle Database 10g Companion Productsをインストールすると、Oracle Wallet Managerは「スタート」メニューから使用できません。コマンドラインからのOracle Wallet Managerの起動方法は、 |
表2-3では、コマンドラインからOracle Databaseツールを起動する方法を説明し、これらの製品の使用方法に関する詳細の参照先を示します。
表2-4に、Windowsの各ツールの起動方法とこれらの製品の使用方法に関する詳細の参照先を示します。
ツール | 起動手順 | 詳細情報の参照先 |
---|---|---|
イベント ビューア |
「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「イベント ビューア」を選択 |
オペレーティング・システムのドキュメント |
Microsoft管理コンソール(MMC)1 |
「スタート」→「プログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」→「Administration Assistant for Windows」を選択 |
オペレーティング・システムのドキュメント |
Oracle Counters for Windows Performance Monitor |
「スタート」→「プログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」→「Oracle Counters for Windows Performance Monitor」を選択 |
「Oracle Counters for Windows Performance Monitorの使用」 オペレーティング・システムのドキュメント |
レジストリ エディタ |
コマンド・プロンプトで次のように入力 C:¥> regedit |
オペレーティング・システムのドキュメント |
タスク マネージャ |
タスク・バーを右クリックし、「タスク マネージャ」を選択 |
「タスク マネージャを使用したアプリケーションとプロセスの監視」 オペレーティング・システムのドキュメント |
ローカル ユーザーとグループ |
「スタート」→「設定」→「コントロール パネル」を選択。「管理ツール」をダブルクリックします。「コンピュータの管理」をダブルクリックします。コンソール・ツリーで、「ローカル ユーザーとグループ」をクリックします。 |
「「ローカル ユーザーとグループ」を使用したユーザーおよびグループの管理」 オペレーティング・システムのドキュメント |
ユーザー マネージャ |
「スタート」→「プログラム」→「管理ツール」→「ユーザー マネージャ」を選択 |
第8章「Windows環境におけるデータベース・ユーザーの認証」 オペレーティング・システムのドキュメント |
1
MMCはOracle Administration Assistant for Windowsを起動すると常に起動されます。 |
この項では、SQL*Loader(SQLLDR
)を使用するときのWindows固有の情報について説明します。
この項では、オペレーティング・システム固有ファイルの処理仕様部の文字列オプション(os_file_proc_clause
)で有効な値について説明します。詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』の第8章「SQL*Loader制御ファイル・リファレンス」のデータファイル形式およびバッファリングの指定に関する項を参照してください。
ストリーム・レコード形式。各レコードはレコード終了記号で終了します。
"str terminator_string"が指定されていない場合、デフォルトのレコード終了記号は、Windowsスタイルのレコード終了記号(CR(¥r)+LF(¥n)の2文字)またはUNIXスタイルのレコード終了記号(LF(¥n)1文字)のどちらかです。最大レコード・サイズは48KBです。
ストリーム形式のデータファイルを処理する場合、SQL*Loaderはレコード終了記号がWindowsスタイルまたはUNIXスタイルのどちらの場合でも、レコード終了記号を自動的に認識します。したがって、通常は使用するレコード終了記号を指定する必要はありません。
ただし、外部表をロードする場合、自動的に認識されるのは、Windowsスタイルのレコード終了記号のみです。データファイルにUNIXスタイルのレコード終了記号が含まれている場合は、レコード終了記号を指定する必要があります。SQL*Loaderを(external_table
オプションを指定して)使用する場合、SQL*Loader制御ファイルのINFILE
行で"str '¥n'"
を指定して、UNIXスタイルのレコード終了記号を指定します。次に例を示します。
INFILE mydata.dat "str '¥n'"
"str x'0a'"
のように(ASCIIベースのキャラクタ・セットであると仮定して)、16進文字でレコード終了記号を指定することもできます。次に例を示します。
INFILE mydata.dat "str x'0a'"
a
の前に0
(ゼロ)が必要です。アクセス・パラメータ・リストとともにSQLを使用して外部表を作成する場合、RECORDS
DELIMITED
BY
句で'¥n'
を指定する必要があります。次に例を示します。
RECORDS DELIMITED BY '¥n'
この場合も16進文字列を使用できます。次に例を示します。
RECORDS DELIMITED BY 0x'0a'
ここでは、xの前とaそれぞれの前に0(ゼロ)が必要です。
固定レコード形式。各レコードの長さはn
バイトです。固定レコード形式では、レコード終了記号は必要ありません。レコードにレコード終了記号が含まれる場合、バイト数n
にはレコード終了記号のバイトが含まれます。
可変レコード形式。文字フィールドの各レコードの長さは、データファイルの各レコードの先頭に含まれています。可変レコード形式では、レコード終了記号は必要ありません。この形式は固定レコード形式より柔軟で、ストリーム・レコード形式よりパフォーマンスに優れています。データファイルを可変レコード形式として指定するには、次のように入力します。
INFILE "mydata.dat" "var n"
この例では、n
で、レコード長フィールドのバイト数を指定します。n
を指定しない場合、この長さは5バイトとみなされます。n
に40を超える数値を指定すると、エラーが返されます。ファイルで文字長セマンティクスが有効な場合も、長さは常にバイト数として解釈されます。これは、ファイルには、文字長セマンティクスで処理されるフィールドとバイト長セマンティクスで処理されるフィールドが混在している可能性があるためです。
配布媒体のディレクトリOracle_Home
¥rdbms¥demo
のulcase1,...ulcase11
には、SQL*Loaderの制御ファイル、データファイル、セットアップ・ファイルの事例ファイルが含まれています。
SQL*Loaderを実行すると、フォーマット・エラーやOracle Databaseエラーの発生によって拒否されたレコードを格納する不良ファイルまたはリジェクト・ファイルが作成されることがあります。不良ファイルを作成するように指定した場合、同じ名前の既存のファイルは上書きされます。必要なファイルが上書きされないよう注意してください。
SQL*Loader制御ファイル(.ctl
)を作成する場合、いくつかの構文および表記規則に従う必要があります。
フルパスの記述では、円記号にはエスケープ文字または他の特殊な処理は必要ありません。二重引用符で区切られる文字列内に一重または二重引用符を使用する場合、使用する引用符の前に円記号のエスケープ文字を入力する必要があります。
SQL*Loader制御ファイルでデータ型を指定する場合、表2-5に示すシステム固有のデータ型のデフォルト・サイズは、Windowsに固有のサイズであることに注意してください。これらのデータ型は、バイト長が同じシステム間の場合のみ正しい結果が得られます。制御ファイルでこれらのデフォルト値を上書きすることはできません。システム間でバイト順序が異なる場合、BYTEORDER
パラメータを使用してデータのバイト順序を示すか、ファイルにバイト順序マーク(BOM)を入れることができます。
システム固有のデータ型 | デフォルト・フィールド長 |
---|---|
DOUBLE |
8 |
FLOAT |
4 |
INTEGER1 |
4 |
SMALLINT |
2 |
1
表内のデフォルトは、INTEGERがサイズなしで指定されている場合のみ正しい値です。INTEGER(n)も使用できます。この場合、nでは、INTEGERフィールドのサイズをバイトで指定します。 |
Windowsのツールを様々な方法で使用して、Oracle Databaseを管理できます。
イベント ビューアを使用して、システム内のイベントを監視できます。イベントとは、ユーザーに通知する必要のあるシステムまたはアプリケーション(Oracle Databaseなど)内の重要な状態変化を指します。重要なイベントについてのメッセージは、作業中のコンピュータの画面に表示されますが、即時に対応する必要のないイベントは、Windowsによって、イベント ビューアのログ・ファイルに記録されます。この情報は、必要なときに表示できます。
イベント ビューアを使用して、次のようなOracle Databaseのイベントを監視できます。
AS
SYSDBA
を使用したOracle Databaseへの接続
さらに、オペレーティング・システムの監査証跡がイベント ビューアに記録されます。
Microsoft管理コンソールを使用すると、ネットワークを集中して管理できます。Microsoft管理コンソールは、管理者がネットワークの管理に使用できるアプリケーション(スナップインと呼ばれる)のホストとして機能します。データベース管理者は、Oracleスナップインを使用して次のことを実行できます。
Oracle Counters for Windows Performance Monitorは、Windowsのパフォーマンス モニタと統合されています。このツールを使用すると、プロセッサ、メモリー、キャッシュ、スレッドおよびプロセスのパフォーマンスを表示することができます。表示されるパフォーマンス情報には、デバイスの稼働率、待ち行列の長さ、遅延、スループットおよびリソースの使用状況が含まれます。この情報は、グラフ、警告およびレポートとして提供されます。
Oracle Counters for Windows Performance Monitorを使用して、次のようなOracle Databaseの主要情報を監視できます。
様々なツールを使用してデータベースのパフォーマンスを改善できます。
関連項目
Oracle Counters for Windows Performance Monitorを使用して、Oracle Databaseのパフォーマンスを監視する方法は、「Oracle Counters for Windows Performance Monitorの使用」を参照 |
Oracle Databaseでは、レジストリと呼ばれる構造に構成情報が格納されます。この構成情報は、レジストリ エディタを使用して表示または変更できます。レジストリにはコンピュータの構成情報が含まれているので、経験の乏しいユーザーがレジストリにアクセスして編集することがないようにしてください。経験を積んだ管理者のみがこの情報の表示や変更を行えるようにします。
レジストリ エディタには、構成情報がWindowsのエクスプローラと同様の形式で表示されます。左側のウィンドウは、キー(またはフォルダ)から構成されるツリー型の形式です。これらのキーの1つを選択すると、そのキーに割り当てられているパラメータと値がウィンドウの右側に表示されます。
CD-ROMから製品をインストールすると、構成パラメータが自動的にレジストリに挿入されます。これらのパラメータは、Windowsコンピュータが起動され、Oracle Database製品が起動されるたびに読み込まれます。これらのパラメータには、次の設定情報が含まれます。
Oracle Databaseの構成パラメータの定義およびレジストリを使用してOracle Databaseの構成パラメータを変更する方法は、第14章「パラメータおよびレジストリの構成」を参照
関連項目
タスク マネージャには、3つのタブがあります。
「ローカル ユーザーとグループ」を使用して、Windows Server 2003、Windows XP、Windows VistaおよびWindows Server 2008上のユーザーおよびグループを管理できます。具体的には次のとおりです。
Windows 2000リソース・キットには、いくつかの診断およびチューニング・ユーティリティが含まれています。
Quick Sliceでは、Graphical User Interfaceを使用して、システムの状況をすばやく把握できます。
プロセス ビューアには、プロセスごとのリソース使用率のサマリーが表示されます。
Process Explorerには、プロセスごとのリソース使用率の詳細が表示されます。
引数としてプロセッサ識別子またはプロセス名を指定すると、プロセスのリソース使用率およびその他の詳細がタスク リストに表示されます。このツールには、プロセスに関連する実行可能ファイルおよびDLLのリストも表示されます。
関連項目
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