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WebLogic Platform アプリケーションのデプロイメント

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WebLogic Platform デプロイメントの概要

このドキュメントでは、アプリケーションを WebLogic Platform に基づいたプロダクション環境にデプロイする方法について説明します。デプロイメントのためのプロダクション環境およびアプリケーションを準備するために必要な手順を示します。

この概要は、以下のトピックで構成されています。

 


WebLogic Platform アプリケーションについて

このドキュメントで使用される「WebLogic Platform アプリケーション」という用語は、WebLogic Workshop で開発され、WebLogic Platform のすべてのコンポーネントを組み合わせるアプリケーションを表します。たとえば、WebLogic Integration ビジネス プロセスと WebLogic Portal ルール エンジンを組み合わせるアプリケーションは、WebLogic Platform アプリケーションです。同様に、WebLogic Portal アプリケーションを、ワークリスト コンポーネントおよび WebLogic Integration からのデータ トランスフォーメーション機能と組み合わせるアプリケーションも、WebLogic Platform アプリケーションです。

WebLogic Platform アプリケーションは、構造的に、J2EE 仕様に準拠した Web アプリケーションであり、WebLogic Server にデプロイできます。WebLogic Platform アプリケーションは、複数の Workshop プロジェクトを対象とし、以下を含みます。

WebLogic Platform アプリケーションをプロダクション環境にデプロイするには以下が必要です。

  1. Basic WebLogic Platform Domain テンプレートで作成したドメイン
  2. ドメインとは、WebLogic Server の基本的な管理単位です。WebLogic Server ドメインの詳細については、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」を参照してください。

    ドメインを作成するために使用するテンプレートにより、ドメインでコンフィグレーションされる WebLogic Server インスタンスごとの構造を定義します。具体的には、サーバでデプロイおよび実行するアプリケーションの種類を決定します。Basic WebLogic Platform Domain テンプレートに基づいたドメイン内でコンフィグレーションされたサーバでは、完全な WebLogic Platform ソフトウェアがドメインの各マシンにインストールされていれば、WebLogic Platform アプリケーションを含み、WebLogic Platform でサポートされているすべてのアプリケーションを実行できます。

  3. WebLogic Platform アプリケーションの選択可能な割り当てモジュール
  4. WebLogic Integration および WebLogic Portal の特定の割り当て条件 (詳細は本ドキュメントの後述の説明を参照) のために、WebLogic Platform アプリケーションをクラスタ化した環境にデプロイする場合、管理サーバのみに複数のモジュールを割り当て、クラスタにその他のモジュールを割り当てる必要があります。

WebLogic Platform アプリケーションがデプロイされる環境や、アプリケーション自体の特性により、他の考慮事項もあります。たとえば、データベース、セキュリティ、ロード バランサのコンフィグレーションの考慮などです。これらの考慮事項の概要については、「対象環境について」で説明します。

 


開発環境からプロダクション環境への WebLogic Platform アプリケーションのプロモート

この節では、WebLogic Platform アプリケーションのプロダクション環境へのプロモートに関して、以下のトピックを取り上げます。

開発環境とプロダクション環境の比較

WebLogic 開発環境では、開発者が WebLogic Server の単一のインスタンスで、WebLogic Workshop を使用してアプリケーションを作成します。WebLogic Workshop では、自動的にサーバ リソースが生成されることにより、反復的な開発を容易にします。開発環境におけるセキュリティ コンフィグレーションは、通常、無制限です。

対象的に、1 つまたは複数のクラスタ内に複数のサーバがあるプロダクション環境は緊密に管理されます。リソースをコンフィグレーションするため、高度に自動化および管理されたプロセスを構築するための豊富なコンフィグレーション ツールやスクリプトを使用していても、アプリケーションが必要とするリソースを個別に、かつ手動でコンフィグレーションする必要があります。また、セキュリティおよび高可用性はプロダクション環境に重要です。

次の表では、主要な領域での開発環境とプロダクション環境の一般的な相違点を比較します。

表 1-1 主要な領域における開発環境とプロダクション環境の比較 

主要な領域

開発

プロダクション

ドメイン環境

単一ドメイン、単一サーバ、および単一マシン (クラスタなし)

複数ドメイン。複数マシンでクラスタ化したサーバ。サーバ可用性の管理に使用するノード マネージャ。

セキュリティ

匿名アクセスを可能にするデモ用のデジタル証明書を使用した組み込み LDAP

QA およびテスト環境からインポートされたセキュリティ情報の使用。外部 LDAP サーバのユーザとグループの情報。SSL をコンフィグレーションする管理対象サーバ。

データベース ストア

開発マシンに配置された開発者レベルのデータベース (PointBase など)

エンタープライズ レベルのデータベース。

Web プロキシサーバ/ロード バランサ

クラスタ化されていない環境では不要

ロード バランシング、ファイアウォールの背後にある情報へのアクセス、複数のドメインへの安全なアクセスの有効化、およびアプリケーション間の通信に使用。

デプロイメント プロセス

アプリケーションの自動デプロイが有効

WebLogic Server ツールおよびスクリプトによるアプリケーションの自動デプロイメント。


 

2 つの環境間の著しい相違点と、各環境に適したテスト環境により、開発環境からプロダクション環境へのアプリケーションの移動は、次の節で説明されるように、通常、複数の段階を含むプロセスになります。

アプリケーション プロモーション プロセスについて

アプリケーションを開発環境からプロダクション環境へプロモートするプロセスは複雑であり、かなり多くのプランニング、準備、調整、およびテストを必要とします。プロセスは、以下の複数の手順からなります。アプリケーションは、ほかのアプリケーションと統合される 1 つまたは複数の中間環境にデプロイされ、綿密なテストを受けます。そして、拡大されたコンフィグレーション、または、アプリケーション リソースが徐々に分散するコンフィグレーションで実行されます。このドキュメントでは、プロモーション プロセス、またはアプリケーション プロモーションとして、このプロダクション環境への複数の手順からなるプロセスを示しています。

たとえば、プロモーション プロセスには、複数の段階による開発環境からプロダクション環境へのアプリケーションのプロモートがあります。次の図は、アプリケーションを 4 段階で移動するプロモーション プロセスを示しています。

図 1-1 アプリケーション プロモーション プロセスにおける段階の設定例

アプリケーション プロモーション プロセスにおける段階の設定例


 

この節の後述の説明のように、プロダクション システムが正常にデプロイメントされるようにアプリケーション プロダクションをプロモートするには、プロセスをアダプトすることがチームには重要です。

WebLogic Platform でのアプリケーション プロモーションのサポート

WebLogic Platform で、一連の豊富なツールを提供して、アプリケーション プロモーション プロセスをサポートします。このツールを使用すれば、対象のアプリケーション環境の作成およびコンフィグレーション、アプリケーションの構築およびデプロイ、アプリケーションおよびセキュリティ データの伝播などが行えます。これらのツールのほとんどにおいて、使いやすく自動化されたグラフィカル ユーザ インタフェースおよびスクリプト インタフェースの両方が使用できます。スクリプトベースのツールにより、アプリケーション プロモーションを自動的に行うことができます。

ただし、これらのツールによりプロモーション プロセスが簡単に行えますが、包括的なプランの代用として使用することはできません。次の節では、アプリケーション プロモーション プランニングの詳細について取り上げます。

プロモーションのプランニング

開発環境からプロダクション環境へのアプリケーション プロモーション プロセスのプランニングはとても重要です。開発環境からプロダクション環境へアプリケーションをプロモートする方法のプランニングは、プロダクションのデプロイメントを正常に行うために役立ちます。このプランニングは次の 2 つの領域にわたります。

プロモーション プランを作成するために、開発、テスト、プロダクションの各チームのメンバーが共同作業を行う場合は、そのプランにおいて、信頼性のある再生産可能なプロダクション デプロイメントの作成に必要なすべての人員を確保、理解、および支援します。

プロモーション プランには、アプリケーションが開発およびデプロイされる各環境の、セットアップ タスクおよび要件の詳細が含まれます。デプロイメントに関わる項目とアプリケーションのデプロイメントは、プロモーション プランを作成するために連携します。アプリケーション プロモーション プランの作成を容易にするための詳細なチェックリストは、このドキュメントの「デプロイメント チェックリスト」に示されています。

要約すると、プロモーション プランは以下の項目に対応します。

同時に、プロモーション プランは、プロモーションの各段階に関わるチーム メンバーと、各段階でのメンバーの特定の役割、タスク、責任を識別します。

WebLogic Platform アプリケーションをプロダクション環境へプロモートするためのタスクの概要

次の表では、アプリケーションを開発環境からプロダクション環境へとプロモートするために必要なタスクを示します。

表 1-2 WebLogic Platform アプリケーションをプロダクション環境へプロモートするためのタスクの概要 

手順

説明

インストールとネットワークの要件

ドメイン内で使用するすべての対象マシンで WebLogic Platform をセキュアにインストールし、必要なインストールごとにクラスタの製品ライセンスを取得する。ネットワークをセキュアに設定する。詳細については、「インストールおよびネットワーク コンフィグレーション要件のチェックリスト」を参照。

WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション

WebLogic ドメインを作成して、リモートの管理対象サーバを設定する。

プロダクション データベースのコンフィグレーション

RDBMS をプロダクション環境に設定して、データを挿入する。

セキュリティのコンフィグレーション

対象環境を保護して、組み込み LDAP セキュリティ データを対象のデータベースへプロモートする。必要に応じて、前の環境からセキュリティ情報をインポートする。たとえば、ユーザおよびグループの情報、アプリケーションおよびリソースに設定されたポリシーなど。

ロード バランサと Web プロキシ サーバの使用

対象環境にクラスタがある場合、ロード バランサまたは Web プロキシ サーバを使用する。ロード バランサまたは Web プロキシ サーバは、クライアントの接続リクエストを配布し、クラスタ全体にロード バランシングとフェイルオーバ機能を提供する。また、外部ユーザからローカル エリア ネットワーク アドレスを保護することによりセキュリティを確保する。

アプリケーションのデプロイメントの準備

アプリケーションが、異なるアドレスを所有するほかのアプリケーションを呼び出せるように、アプリケーション ファイルを変更して、クラスタ化されていない環境での実行から、クラスタ化された環境での実行へとアプリケーションを変換する。SSL など、新しい環境のセキュリティ要件に準拠する。

アプリケーションのデプロイメント

サーバを起動してアプリケーションをデプロイする。


 

プロモーション プロセスの自動化

アプリケーションをプロダクション環境、または中間段階のいずれかにデプロイする前に、その環境を慎重に管理しながらコンフィグレーションする必要があります。ツールおよびスクリプトを使用してプロモーション プロセスの手順を自動化することにより、以下の利点が得られます。

次の図に、プロモーション プロセスの各段階での自動化の導入方法を示します。図で示すように、自動化のレベルは各段階で増加します。1 つの段階でテストおよび実証されたスクリプトは、次の段階に適用できます。この例では、プロダクション段階が完全に自動化されます。

図 1-2 プロモーション プロセスの自動化例

プロモーション プロセスの自動化例


 

コンフィグレーション テンプレートおよびシェル スクリプトを容易に作成および再利用するために、ディレクトリ構造を全段階で同一にすることをお勧めします。

次の表では、プロセスの自動化で使用できる WebLogic ツールについて説明します。これらのツールは、Ant やその他のシェル スクリプト ツールとともに使用できます。

表 1-3 プロモーション プロセスの自動化に使用される WebLogic ツール 

ツール

説明

WebLogic Scripting Tool (WLST)

インタラクティブまたは実行可能なスクリプトにより、管理タスクを実行し、WebLogic コンフィグレーションの変更を開始する。

BEA の dev2dev サイトから、次の 2 つのバージョンの WLST が利用できる。

  • WLST Offline - 実行中の WebLogic Server に接続しないで、コンフィグレーション ウィザードと同じ機能をサポートしながら、新しいドメインを作成し、既存のドメインを更新できる。WLST Offline の設定方法や使用方法の手順と、ドメイン コンフィグレーション用のサンプル スクリプトが、次の URL にある dev2dev コード サンプル サイトから入手できる。

https://codesamples.projects.dev2dev.bea.com/servlets/Scarab?id=97

  • WLST Online - 実行中のサーバに接続して、管理タスクを実行し、WebLogic Server コンフィグレーションの変更を開始する。WLST Offline の設定方法や使用方法の手順と、WebLogic Server コンフィグレーション用のサンプル スクリプトが、次の URL にある dev2dev コード サンプル サイトから入手できる。

https://codesamples.projects.dev2dev.bea.com/servlets/Scarab?id=13

  • 本ドキュメントに、WLST Offline を使用した主な Platform のデプロイメント手順の自動化例が示されている。

コンフィグレーション ウィザードのサイレント モードのコンフィグレーション

非対話的プロセスとしてコンフィグレーション ウィザードを実行する。コンフィグレーション ウィザードにより、実行前に手動で作成したスクリプトからコンフィグレーションの設定が読み込まれる。

注意 : 本ツールおよび WLST Offline ツールは同等の機能をサポートしている。

サイレント モード コンフィグレーションの詳細については、『コンフィグレーション ウィザードの使い方』を参照。

WebLogic Server コマンドライン インタフェース

WebLogic Server コマンドラインから手動でコマンドを発行して WebLogic Server ドメインを管理する。この方法により、管理コンソールの使用が不適切な場合に、コンソールを使用しなくてもドメインを管理できる。詳細については、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Admin コマンドライン リファレンス」を参照。

Java ユーティリティ

アプリケーションのデプロイや DBMS コンフィグレーションのテストなどの一般的なタスクを実行する。詳細については、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「WebLogic Server Java ユーティリティの使い方」を参照。

Ant タスク

強力なビルド スクリプトを作成する。詳細については、以下を参照。

デプロイメント ツール

アプリケーションやスタンドアロン モジュールを WebLogic Server にデプロイする。詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイメント ツールのリファレンス」を参照。

WebLogic Portal Propagation ユーティリティと Datasync Web アプリケーション

LDAP およびポータル データベース データをプロモートする。詳細については、『WebLogic Portal プロダクション業務ユーザーズ ガイド』の「Propagation Utility の使用」および「Datasync Web アプリケーションの使用」を参照。

WebLogic Integration Bulk Loader

トレーディング パートナ プロファイル、キーストアからの証明書、サービス定義、サービス プロファイルなどのトレーディング パートナ データをインポート、エクスポート、および削除する。詳細については、『WebLogic Integration ソリューションの管理』の「トレーディング パートナ Bulk Loader の使用」を参照。


 

このドキュメントに記載された例は、前述のツールの一部を使用してプロモーション プロセスを自動化する方法を示しています。

 


補足情報の参照先

このドキュメントは、WebLogic Portal、WebLogic Integration など、単一の WebLogic Platform コンポーネントを使用して構築されるアプリケーションのデプロイメントの考慮事項が説明されている、以下のマニュアルで提供される情報を補足するものです。このドキュメントに示されている情報の詳細については、以下のマニュアルで参照できます。

WLST を使用して WebLogic ドメインをコンフィグレーションする方法を示す WLST スクリプトのサンプルについては、https://wlst.projects.dev2dev.bea.com を参照してください。

注意 : 参考までに、サンプル コードおよびユーティリティは dev2dev で公開されています。ただし、これらの製品は BEA によりサポートされていません。

WebLogic Platform ツアーの開発環境からクラスタ化されたプロダクション環境へのプロモートおよび拡張方法については、次の URL にある dev2dev Web サイトの『WebLogic Platform 8.1 での End2End のクラスタ化』を参照してください。

http://www.beasys.co.jp/dev2dev/products/wlplatform81/articles/clusterizing_E2E.html

注意 : ツアーは WebLogic Platform インストール先に含まれています。ツアーの詳細については、『WebLogic Platform ツアー ガイド』を参照してください。

 

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