用途
obtar -Xlabel
は、テープ・ボリュームに事前にラベルを付ける場合に使用します。これにより、テープ上の印刷ラベルをテープに記録されたコンテンツに関連付けることができます。
使用方法
次の手順を使用して、テープ・ボリュームに事前にラベルを付けます。
初めてボリュームを使用するに先立って、一意のIDをボリュームに割り当てます。このIDには、1〜31文字までを指定できます。このIDをテープの外側の印刷ラベル(ボリューム・タグ)に記入するか、事前に印刷したラベルを使用します。
書込み可能なボリュームをアクセス可能な任意のテープ・ドライブに装着します。
Oracle Secure Backupがインストールされている任意のホストから、次を実行します。
root
としてログインするか、デバイスの管理およびデバイスの状態変更(manage devices and change device state)権を備えたクラスに属すユーザーとしてOracle Secure Backupにログインします。
次の形式でobtar -Xlabel
コマンドを実行します。
obtar -Xlabel -Xtag:volume-tag -f tape-device
テープをラベル付けすると、obtar
により、ボリューム・タグとボリュームID間の関連付けが保存されます。ボリューム・タグが外部IDとすれば、ボリュームIDは内部IDです。このボリュームのラベルが表示される場合は、ボリューム・タグも一緒に表示されます。同様に、リストア時にボリュームを選択するよう求められる際、ボリュームIDとボリューム・タグが両方とも表示されます。
構文
obtar -Xlabel::=
obtar -Xlabel [ -Xtag:tag ] [ -Xfamily[:family] ] [ -f device_name ]
意味
obtar -Xlabel
には多くのオプションを指定できます。この項では、使用する可能性が最も高いオプションについて説明します。obtar -Xlabel
のその他のオプションについては、「obtarのオプション」を参照してください。
tag
]ボリューム・ラベルに書き込むボリューム・タグ(バーコード)としてtag
を指定します。Oracle Secure Backupがすでにボリューム・タグを認識している場合や、ボリュームがバーコード・リーダーを備えたライブラリ内にある場合、あるいは読取り可能なバーコードがボリュームに付いている場合は、このオプションは不要です。
family
]device
デバイスの名前を指定します。-f
を省略すると、TAPE
環境変数に設定されたデバイス(設定されている場合)からデータが読み取られます。
例
テープの事前ラベル付け
例4-32では、tape0
に装着されているテープ・ボリュームにタグWKLY58010
というラベルを付けています。
マシンで読取り可能なタグ(バーコード)がボリュームにあり、そのボリュームがバーコード・リーダーを備えたライブラリ内にある場合は、-Xtag
オプションを省略できます。
メディア・ファミリを使用したテープへの事前ラベル付け
ボリュームにラベル付けする場合、必要に応じてボリュームの使用対象を特定のメディア・ファミリに制限できます。この場合、指定外のメディア・ファミリに宛てたデータは、ボリュームに書き込むことができなくなります。
ボリュームのメディア・ファミリを選択するには、obtar
コマンドラインにオプション-Xfa:
family-name
を含めます。
例4-33では、テープ・ドライブrdrive
MMR-2006
のテープにラベルを付け、テープの使用対象をメディア・ファミリINCR
に制限しています。