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Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド
リリース7.0
E05167-03
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TimesTenデーモン・オプションの管理

TimesTenデーモン・オプションは、ttendaemon.optionsファイルを使用して設定および変更できます。これらのオプションの一部は、インストール時に、インストール・プロンプトに対するユーザーの応答に応じてインストーラによって設定されます。

Windowsの場合、ttendaemon.optionsファイルは次のディレクトリにあります。

install_dir\srv\info

UNIXの場合、ttendaemon.optionsファイルは次のディレクトリにあります。

/var/TimesTen/TTinstance/(rootインストールの場合)

install_dir/info/(root以外のインストールの場合)

ttendaemon.optionsファイルで管理される内容は次のとおりです。

この項の後半の内容は次のとおりです。

アドレスをリスニングするデーモンの決定

デフォルトでは、TimesTenメイン・デーモン、サブデーモンおよびエージェントは、使用可能なアドレスを使用してリクエスト用のソケットでリスニングします。すべてのTimesTenユーティリティおよびエージェントは、ループバック・アドレスを使用してメイン・デーモンと通信します。また、メイン・デーモンは、ループバック・アドレスを使用してエージェントと通信します。

ttendaemon.optionsファイルに個別の行で指定する-listenaddrエントリは、指定した値で示される特定のアドレスでリスニングするようにTimesTenデーモンに指示します。このオプションのアドレスには、ホスト名または数値のIPアドレスのいずれかを指定できます。

-listenaddrパラメータは、単一のサーバーに複数のネットワーク・アドレスおよびネットワーク・カードが含まれている場合に存在します。この場合、TimesTenデーモンによってリスニングされるネットワーク・アドレスを、サーバーのネットワーク・アドレスのサブセットに制限できます。これは、デーモンがリスニングする対象となるアドレスを入力することによって行います。次の状態が発生する可能性があります。

TimesTenレプリケーションと-listenaddrパラメータ間に関連はなく、レプリケーションを有効にした場合に-listenaddrパラメータを有効にする必要はありません。-listenaddrが有効になっている環境でレプリケーションを使用する場合は、使用可能なネットワーク・アドレスがレプリケーション・ノードで認識される必要があります。ただし、有効になっている-listenaddrパラメータが存在しない場合でも、レプリケーションは機能します。

ttendaemon.optionsファイルの個別の行に対してデーモンがリスニングを行うアドレスを明示的に指定するには、次のように入力します。

-listenaddr address

たとえば、ループバック・アドレスに対してのみリスニングを行うようにデーモンを制限する場合は、次のように入力します。

-listenaddr 127.0.0.1

または

-listenaddr localhost

これは、ローカル・マシン上のプロセスのみがデーモンと通信できることを意味します。他のマシンからのプロセスは除外されるため、他のマシンとの間でレプリケーションを行ったり、他のマシンからクライアント・アクセス権を付与することはできません。

異なるサブネットに複数のイーサネット・カードがある場合は、-listenaddrエントリを指定してデーモンに接続できるマシンを制御できます。

ttendaemon.optionsファイル内の最大4行の個別の行にオプションおよび値を指定して、リスニングを行う最大4つのアドレスを入力できます。指定したアドレスに加えて、ループバック・アドレスでも常にTimesTenによるリスニングが行われています。

IPv6のリスニング

TimesTenは、SolarisおよびLinuxシステムでIPv6プロトコルをサポートしています。デフォルトでは、TimesTenはIPv4プロトコルを使用します。デーモンによるIPv6のリスニングを有効にするには、ttendaemon.optionsファイルに次の行を個別の行に入力する必要があります。

-enableIPv6

および

-listenaddr6 address

IPv6を有効にするには-listenaddr6オプションを指定します。ただし、-listenaddr6オプションを指定せずに-enableIPv6を指定した場合、IPv6は有効になりません。-enableIPv6オプションと-listenaddrオプションを一緒に指定すると、IPv6ループバック・インタフェースがリストに追加されます。

このオプションが指定されたアドレスには、ホスト名または数値のIPアドレスのいずれかを指定できます。-listenaddrオプションの詳細は、「アドレスをリスニングするデーモンの決定」を参照してください。

1つ以上の-listenaddrオプションが指定されると、デーモンは指定されたIPv4インタフェースに対するリスニングを行い、IPv4ループバック・アドレスがリストに追加されます(ループバック・アドレスが指定されていない場合)。-enableIPv6のみが指定されている場合は、IPv4およびIPv6のすべてのインタフェースに対するリスニングを行います。

-listenaddrオプションと-listenaddr6オプションの両方を指定できます。1つ以上の-listenaddr6オプションが指定されると、デーモンは指定されたIPv4またはIPv6インタフェースに対するリスニングを行い、IPv4とIPv6の両方のループバック・インタフェースが追加されます(ループバック・インタフェースが指定されていない場合)。ネーム・リゾルバが1つの名前に対して複数のIPv4またはIPv6(あるいはその両方)のアドレスを返した場合、デーモンはすべての名前に対するリスニングを行います。

情報メッセージの変更

デーモンは、動作時に、エラー、警告および情報メッセージを生成します。これらのメッセージは、Timestenのシステム管理およびアプリケーションのデバッグに有効です。

デフォルトでは、次の場所に情報メッセージが格納されます。

次のオプションを使用して、サポート・ログおよびユーザー・ログの場所とサイズ、およびシステム上に保存されるファイルの数を指定します。

オプション
説明

-supportlog path

-f path

サポート・ログ・ファイルの場所を指定します。デフォルトのファイルはdaemon_home/ttmesg.log
です。

-maxsupportlogfiles num

TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。このオプションでは、保存するサポート・ログ・ファイルの数を指定します。デフォルトは10です。

-maxsupportlogsize nBytes

サポート・ログ・ファイルの最大サイズを指定します。デフォルトは1MBです。

-userlog path

ユーザー・ログ・ファイルの場所を指定します。デフォルトのファイルはdaemon_home/tterrors.logです。

このパスとして、UNIXシステムではsyslog、Windowsではイベント・ログを指定できます。この場合、出力はシステムのsyslogまたはイベント・ログに送信されます。

-maxuserlogfiles num

TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。このオプションでは、保存するユーザー・ログ・ファイルの数を指定します。デフォルトは10です。

-maxuserlogsize nBytes

ユーザー・ログの最大サイズを指定します。デフォルトは1MBです。

-showdate

UNIXシステムでのみ、すべてのメッセージの先頭に日付が追加されることを示します。

ログ・メッセージの出力場所としてイベント・ログを指定した場合、それらのログを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Windowsデスクトップで、「イベント ビューア」ウィンドウを開きます。
  2. 「ログ」メニューから、「アプリケーション」を選択します。
  3. アプリケーションで生成されるログ・メッセージのみが表示されるようにこのウィンドウを変更します。「ソース」列に「TimesTen」と記載されているメッセージは、Oracle TimesTen Data Managerサービスによって生成されたものです。

  4. TimesTenメッセージを表示するには、メッセージ・サマリーをダブルクリックします。
  5. メッセージ・ウィンドウが表示されます。「Next」または「Previous」をクリックするか、あるいは上矢印または下矢印をクリックして、追加のメッセージを表示できます(表示方法は、Windowsのバージョンによって異なります)。


    注意: ttDaemonLogユーティリティを使用してメッセージを表示することもできます。

UNIXシステムの場合、デーモン・メッセージは、ファイルに記録するなどの様々な方法でルーティングされます。これらのファイルは、残しておくと非常に大量の領域を使用するようになる場合があります。定期的に削除して、ディスク領域を節約してください。

syslog機能を指定してTimesTenデーモンおよびサブデーモンのメッセージの記録するに使用するには、ttendaemon.optionsファイルの個別の行に、次のオプションを追加します。

-facility name

nameに指定できる値は、authcrondaemonlocal0-local7lprmailnewsuserまたはuucpです。

詳細なログ・メッセージを無効にするには、ttendaemon.optionsファイルの-verboseの前に#を追加します。

サブデーモンの生成可能な数の変更

TimesTenは、サブデーモンを使用してデータ・ストアを管理します。TimesTenメイン・デーモンは、必要に応じてサブデーモンを動的に生成します。最大数および最小数を指定して、デーモンが生成できるサブデーモンの範囲を手動で指定できます。

任意の時点で、リカバリ中の失敗した各アプリケーション・プロセスに対するTimesTenプロセス・リカバリに、1つのサブデーモンが必要な場合があります。

デフォルトでは、サブデーモンの最大数は50です。

デフォルトでは、TimesTenは、4つ(最小数)のサブデーモンを生成します。ただし、ttendaemon.optionsファイルの-minsubsおよび-maxsubsオプションに新しい値を指定して、これらの設定を変更できます。

NFSマウントされたシステムを介したデータ・ストア・アクセスの許可

デフォルトでは、TimesTenシステムは、NFSマウントされたシステムを介してデータにアクセスすることはできません。
Linux x86システム(32ビットおよび64ビット)の場合は、NFSマウントされたシステム上のチェックポイントおよびログ・ファイルにアクセスできます。

NFSマウントされたシステムでデータ・アクセスを有効にするには、ttendaemon.optionsファイルに次の個別の行を追加します。

-allowNetworkFiles


注意: TimesTenでは、NFSマウントされたシステムを介したトレース・ファイル、またはユーザー・ログおよびサポート・ログの格納はサポートされていません。

Linuxラージ・ページのサポートの有効化

TimesTenでLinuxラージ・ページのサポートを有効にするには、ttendaemon.optionsファイルに次の個別の行を追加します。

-linuxLargePageAlignment Size_in_MB

Size_in_MBは、/proc/meminfoHugepagesizeの値をKB単位ではなくMB単位にしたものです。

その他のデーモン・オプションの設定

アクセス制御が有効な場合にTimesTenインスタンスへアクセスするユーザーの数を制限するには、ttendaemon.optionsファイルに次の個別の行を追加します。

-maxusers num

Oracleデータベース・インストールの場所(ORACLE_HOME)を確認するには、次のオプションの値を確認します。

-oracle_home path


注意: TimesTenのインストール後にORACLE_HOMEの場所を変更するには、ttmodinstallユーティリティを使用する必要があります。