この項では、アプリケーションがダイレクト・モードでデータ・ストアに接続できないときに確認する事項を説明します。
データ・ストアの作成に使用したTimesTenのマイナー・リリースのみが、そのデータ・ストアへのアクセスを保証されます。TimesTenソフトウェアをアップグレードし、その新しいリリースを使用して、作成済のデータ・ストアにアクセスする場合は、新しいリリースでデータ・ストアを作成します。その後、ttMigrateユーティリティを使用して、古いデータ・ストアから新しいデータ・ストアに表、索引および表データをコピーします。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション・ガイド』のデータ・ストアのアップグレードに関する説明を参照してください。
データ・ストアのアクセス制御が有効な場合は、アクセスするためにCREATE DATASTORE権限が必要です。アクセス権がない場合は、管理者から、GRANT文を使用してCREATE DATASTORE権限を付与される必要があります。
データ・ストアに接続しようした場合に、チェックポイントまたはログ・ファイル、あるいはそれらのファイルがあるディレクトリへの適切なアクセス権がないと、権限が拒否されたことを示すエラーが生成されます。DSNのデータ・ストアに指定されているディレクトリに格納されているファイルに対するファイル・システム権限を確認します。
データ・ストアに対してGroupRestrict属性が設定されている場合は、指定されたグループにリストされていることを確認します。
TimesTenデーモンまたはData Managerサービスが稼働していないときにデータ・ストアに接続しようとすると、TimesTenエラー799「Unable to connect to daemon; check daemon status」が生成されます。
ttStatusユーティリティ(「TimesTenユーザー・エラー・ログを確認する」を参照)を使用して、TimesTenデーモンのステータスを確認します。
DSNの記述で次の操作を実行します。
特定の接続オプションまたはDSN属性の設定の組合せに互換性がありません。たとえば、Loggingが無効である場合、デフォルトの行レベル・ロックの設定(LockLevel=0)は使用できません。互換性のない設定を使用してデータ・ストアに接続しようとすると、アプリケーションにエラーが返されます。
DSNのデータ・ストアおよびLogDir属性に正しいパス名が指定されていることを確認します。また、パス名は相対パス名ではなく、絶対パス名であることも確認します。絶対パス名を指定しないと、パス名は、アプリケーションが起動されたディレクトリに対する相対パスになります。
Windowsの場合、ODBCデータソース・アドミニストレータでのユーザーDSNとシステムDSNの違いに注意してください。ユーザーDSNは作成しないでください。ユーザーDSNは、それを定義したユーザーからしか参照できません。システムDSNはすべてのユーザーが参照できます。特に、WindowsサービスとしてTimesTenアプリケーションを実行する場合、そのアプリケーションはデフォルトでユーザーSYSTEMとして実行され、ユーザーDSNを参照しません。データ・ストアのパス名に、マップされたドライブを使用していないことを確認します。
接続または作成しようとする共有データ・ストアのサイズが、システムに構成された共有メモリー・セグメントの最大サイズより大きいと、エラーが返されます。また、システムが共有メモリー・セグメントをそれ以上割り当てることができない場合もエラーが返されます。
UNIXシステムでは、次のようなコマンドを使用します。
共有メモリー・セグメントは使用可能であるが、小さすぎてデータ・ストアを保持できない場合は、ttSizeユーティリティを使用して、表に必要なメモリー量を見積もり、PermSizeおよびTempSize属性の値を確認して、データ・ストア用に設定されているメモリー量を検証します。永続データ・パーティションと一時データ・パーティションのサイズを設定するためのガイドラインについては、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のデータ・ストアのサイズ変更に関する説明を参照してください。データ・ストアに対して設定されているメモリー量が多すぎる場合は、PermSizeおよびTempSizeの値を小さくします。詳細は、「データ・ストアに割り当てられたメモリーの量を確認する」を参照してください。共有メモリー・セグメントのサイズを大きくするその他のオプションについては、次の説明を参照してください。
システム障害またはアプリケーション障害が原因でデータ・ストアが無効になると、後続の接続によってデータ・ストアがリカバリされます。データ・ストア領域を使い果たしたためにリカバリが失敗した場合は、PermSizeおよびTempSizeの値を現在の値より大きくして、データ・ストアに再接続します。共有メモリーが十分でないためにリカバリが失敗した場合は、システムの共有メモリー・セグメントの最大サイズを大きくする必要があります。
TimesTenの共有メモリーの構成方法の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション・ガイド』のインストールの前提条件に関する説明を参照してください。
共有メモリーをバックアップするのに十分なスワップ領域が必要です。
UNIXシステムの場合は、swapコマンドを使用して仮想メモリーを確認し、システムに追加できます。
Windowsシステムの場合は、「Computer Management Properties」ダイアログ・ウィンドウの「Advanced」タブで、仮想メモリーのサイズを確認し、再設定できます。
TimesTenデータ・ストアに接続されている各プロセスは、1つ以上のオペレーティング・システム・ファイル記述子をオープンしたままにします。ディスク・ロギングが有効である場合、チェックポイントが実行される場合、およびトランザクションがコミットまたはロールバックされる場合は、各接続に対してさらにファイル記述子をオープンすることができます。データ・ストアに接続しようとしたときに、ファイル記述子がすべて使用中であるというエラーを受信した場合は、ファイル記述子の許容数を増やします。ファイル記述子の制限およびファイル記述子の数の変更については、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。