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BEA Jolt のしくみ
BEA Jolt は、Java クライアントを BEA Tuxedo を使って構築されたアプリケーションに接続します。BEA Tuxedo はモジュール化されたサービス一式を提供し、各サービスはアプリケーション全体に関連した特定の機能を提供します。
図の「BEA Jolt のアーキテクチャ」 は、BEA Jolt のアーキテクチャ全体の様子および関連する BEA Tuxedo コンポーネントとそれらの相互作用を表示したものです。
この図が示す簡単な銀行業務アプリケーションには、照会、引き出し、振り替え、預け入れなどのサービスがあります。サービス・リクエストは通常、プログラム・ライブラリを呼び出すプログラムとして C 言語か COBOL で記述されます。ネイティブなプログラムからライブラリにアクセスすることは、特定の CPU とオペレーティング・システムのリリースの組み合わせに対応するライブラリをインストールすることを意味しますが、これは Java が、その設計上避けようとしているような状況です。Jolt サーバの実装は Jolt クライアントのプロキシとして動作し、Jolt クライアントに代わって BEA Tuxedo サービスを呼び出します。BEA Jolt サーバは、リクエストを Jolt クライアントから受信し、それらのリクエストを BEA Tuxedo サービス・リクエストにマップします。
BEA Jolt のアーキテクチャ
Jolt サーバ 以下のような Jolt サーバ・コンポーネントは協調して、Jolt クライントのトランザクション処理リクエストを BEA Tuxedo アプリケーションに渡します。
JSL は、Jolt クライアントからの最初の接続リクエストを処理し、Jolt クライアントを Jolt サーバ・ハンドラに割り当てます。
JSH は、ネットワーク接続の管理、クライアントの代理としてのサービス・リクエストの実行、BEA Tuxedo バッファ型と Jolt バッファ型の相互変換を行います。
JREPSVR は Jolt サービス定義を Jolt リポジトリから取り出し、そのサービス定義を JSH に返します。また、Jolt サービス定義の更新や追加も行います。
図 1-2 に Jolt サーバ・コンポーネントと Jolt リポジトリ・コンポーネントを示します。
Jolt サーバ・コンポーネントと Jolt リポジトリ・コンポーネント
Jolt クラス・ライブラリ BEA Jolt クラス・ライブラリは一組のクラスであり、これを Java アプリケーションやアプレットで使うことによって、Java 対応のクライアントから BEA Tuxedo にサービスをリクエストできるようになります。これらの Jolt クラス・オブジェクトにより、BEA Tuxedo トランザクション・サービスにアクセスすることができます。 Jolt クライアント・アプリケーションを開発するときに開発者が知っていなければならないのは、Jolt が提供するクラスと Jolt リポジトリによってエクスポートされる BEA Tuxedo サービスのみです。Jolt は背後にあるアプリケーションの詳細を隠します。Jolt と Jolt クラス・ライブラリを使うために、背後で実行されているトランザクションの詳細や、サービスを記述した言語、バッファ操作、サービスの所在、使用されるデータベース名などを知る必要はありません。 Jolt API は Java クラス・ライブラリであり、Java が提供する利点を備えています。つまり、アプレットは動的にダウンロードされ、実行されている間のみ存在します。その結果、クライアント側でインストールしたり、管理したり、バージョンをコントロールする必要がありません。サービスが変更された場合、クライアント・アプリケーションは次に Jolt リポジトリを呼び出すときに、その変更があったことを知ります。 次の図は、Jolt クライアントと BEA Tuxedo システム間の処理の流れを示します。図中の番号は、表の「Jolt クラス・ライブラリの使用」のアクションの説明に対応しています。 Jolt クラス・ライブラリを使って BEA Tuxedo サービスにアクセスする
次の表で、「Jolt クラス・ライブラリを使って BEA Tuxedo サービスにアクセスする」に示した Jolt クラス・ライブラリを使用して BEA Tuxedo サービスにアクセスする処理の流れを簡単に説明します。
JoltBeans BEA Jolt クライアントを作成するために Java 対応の統合開発環境 (IDE : Integrated Development Environment) で使用される JoltBeans、Java Beans コンポーネントが、今回 BEA Jolt に含まれるようになりました。JavaBeans を使用すると、クライアント・アプリケーションを Web Gain Visual Cafe などの JavaBeans 対応開発ツールのグラフィカル機能を使って作成することができます。 BEA JoltBeans には、BEA Jolt への JavaBeans 対応インターフェイスが用意されています。これにより、コードを記述することなく、フル機能を備えた BEA Jolt クライアントを開発することができます。開発環境のコンポーネント・パレットにある JoltBeans を、作成中の Jolt クライアント・アプリケーションの Java フォーム (複数のフォームも可) へドラッグアンドドロップできます。次に、Bean のプロパティを設定し、アプリケーションやアプレットの Bean に対してイベント・ソースとイベント・リスナの関係をグラフィカルに設定します。通常、開発ツールはイベント発生時に起動するコードを生成します。コードが生成されない場合は手動で生成します。JoltBeans を使ったクライアントの開発では、BEA Jolt リポジトリも使用します。BEA Jolt リポジトリを使用すると、利用可能な BEA Tuxedo 機能に簡単にアクセスできます。 ASP Connectivity for BEA Tuxedo Jolt ASP Connectivity for BEA Tuxedo ツールキットは、Jolt Java クラス・ライブラリに対して拡張された機能です。このツールキットを使うと、Jolt クライアント・クラス・ライブラリを Microsoft IIS (Internet Information Server) などの Web サーバで使用し、HTML クライアントや HTML ブラウザと BEA Tuxedo サービス間のインターフェイスを実現することができます。 Jolt ASP Connectivity for BEA Tuxedo ツールキットは、動的な HTML ページを処理したり、作成したりするための使いやすいインターフェイスを提供します。BEA Tuxedo サービスにアクセスするために Common Gateway Interface (CGI) トランザクション・プログラムの書き方を学ぶ必要はありません。 Jolt サーバと Jolt クライアントの通信 Jolt は Jolt サーバと Jolt クライアント間の通信すべてを BEA Jolt プロトコルで処理します。Jolt サーバと Jolt クライアント・アプレットやアプリケーション間の通信手順は以下のとおりです。
Jolt リポジトリ
Jolt リポジトリは、名前、番号、型、パラメータ・サイズ、パーミッションなどの BEA Tuxedo サービスに関する情報が定義されるデータベースです。リポジトリは BEA Tuxedo サービス定義の中心的データベースとして機能し、新規および既存の BEA Tuxedo アプリケーション・サービスを Jolt クライアント・アプリケーションで利用できるようにします。BEA Tuxedo アプリケーションには、ADD_CUSTOMER、GET_ACCOUNTBALANCE、CHANGE_LOCATION、 GET_STATUS などのサービスまたはサービス定義を数多く持たせることができます。これらの定義の全部またはごく一部だけを Jolt リポジトリにエクスポートすることができます。開発者またはシステム管理者は、Jolt リポジトリ・エディタを使って、これらのサービスを Jolt クライアント・アプリケーションにエクスポートすることができます。
1 つのクライアントにエクスポートされたすべてのリポジトリ・サービスは、すべてのクライアントにエクスポートされます。サービスのサブセットが 1 つのクライアントに必要で、他には必要でないようなケースは、BEA Tuxedo に処理させます。
次の図は、Jolt リポジトリが BEA Tuxedo サービスを複数の Jolt クライアント・アプリケーションに仲介する仕組みを示しています。4 種類の BEA Tuxedo サービスが示されていますが、WITHDRAW サービスはリポジトリに定義されておらず、また TRANSFER サービスは定義されていますがエクスポートされていません。
Jolt 経由で BEA Tuxedo サービスを配信する
Jolt リポジトリ・エディタ Jolt リポジトリ・エディタは、アプリケーション管理者が個々の BEA Tuxedo サービスにアクセスできるようにする、Java の GUI 管理ツールです。Jolt リポジトリ・エディタを使って、サービスの定義、テストおよび Jolt クライアントに対するエクスポートを行うことができます。 注記 Jolt リポジトリ・エディタは、Jolt クライアント・アプリケーションに対するサービスだけを管理します。BEA Tuxedo アプリケーション自体の変更を行うためには使用できません。 Jolt リポジトリ・エディタによって、コードを大量に修正することなく、BEA Tuxedo サービスを Jolt クライアントに拡張および配信することができます。また、BEA Tuxedo サービスのパラメータを修正し、BEA Tuxedo サービスをパッケージに論理的にグループ化し、作成されたパッケージからサービスを取り除くことができます。また、サービスをエクスポートすることで、ブラウザ上の Jolt アプレットまたは Jolt アプリケーションから利用できるようにすることができます。 Jolt インターネット・リレー Jolt インターネット・リレーは、Jolt クライアントからのメッセージを Jolt サーバにルーティングするコンポーネントです。Jolt インターネット・リレーはJolt リレー (JRLY) とJolt リレー・アダプタ (JRAD) から構成されます。JRLY は、Jolt メッセージを Jolt リレー・アダプタにルーティングするスタンドアロンのソフトウェア・コンポーネントです。Jolt リレーは Jolt クライアントと通信するための最低限の設定しか必要とせず、これによって BEA Tuxedo は Web サーバと同じマシン上で実行されなくてもよくなります。 JRAD は、BEA Tuxedo システム・サーバですが、これには BEA Tuxedo サービスはまったく含まれていません。これを JSH および BEA Tuxedo とともに動かすためにはコマンド・ライン引数が必要です。JRAD は JRLY からクライアント・リクエストを受信し、このリクエストを適切な JSH に転送します。JSH からの応答は JRAD に返され、 JRAD は JRLY にその応答を返します。1 つの Jolt インターネット・リレー (JRLY/JRAD のペア) は複数のクライアントを同時に並行して処理します。
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