チュートリアル : WLI 8.1 以上および WLI 9.2 アプリケーション ソースの WLI 10.2 へのアップグレード

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チュートリアル : 概要

このチュートリアルでは、BEA WebLogic Integration 8.1 (Service Pack 4 または 5) および WLI 9.2 アプリケーションから BEA WebLogic Integration 10.2 環境にアップグレードする方法について説明します。以下のチュートリアルでは、アップグレードの例として BEA WebLogic Platform 8.1 で作成されたプロセス アプリケーションのサンプルを使用して説明します。

この節の内容は以下のとおりです。

 


チュートリアルの目的と対象範囲

WebLogic Platform (特に WebLogic Integration 8.1 および WLI 9.2) についての深い知識があることを前提としています。このチュートリアルの目的は、導入済みの WebLogic Integration アプリケーションを WebLogic Integration 10.2 にアップグレードできるようにすることです。アップグレード処理では、ソース アプリケーション ロジックの変更は行われず、また、そうした処理を目的としていません。この処理は、導入済みのアプリケーションを Workshop for WebLogic Platform ワークスペースで使用するためのアップグレードのみを行うものです。

アプリケーションを WLI 10.2 にアップグレードするには、次の手順を実行します。

 


前提条件

このチュートリアルを円滑に実行するためには、いくつかの条件があります。たとえば、アップグレードの実行には、WLI 8.1 または WLI 9.2 リリースのアプリケーションがソースとして必要となります。以下に、チュートリアルを正常に行うための要件を示します。

 


インポート ウィザードについて

WLI 8.1 または WLI 9.2 から WLI 10.2 へのアップグレード処理は、インポート ウィザードによって行われます。このウィザードでは、既存の WLI 8.1 または WLI 9.2 アプリケーションのロジックや目的は変更されません。また、ソース リポジトリからアプリケーションが抽出されることもありません。WLI 8.1 または WLI 9.2 のソース情報が WLI 10.2 のソースとプロジェクト モデルに移行されます。ただし、WLI 8.1 または WLI 9.2 Javadoc アノテーションは、WLI 10.2 で特別な処理が必要ないためそのまま保持されます。これらのアノテーションは保持されるため、アプリケーションがアップグレードされた後に必要な手動の処理があれば行います。

インポート ウィザードでは、以下を行うことができます。

 


ソース WLI 8.1 のアプリケーションの作成

このチュートリアルの目的に合わせ、最初に見積り要求アプリケーションを WebLogic Platform 8.1 Service Pack 5 リリースで作成します。Service Pack 4 または 6 を使用して作成されたアプリケーションも、このチュートリアルを使ってアップグレードできる場合があります。

WLI 8.1 で新しいアプリケーションを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. WebLogic Workshop 8.1 で、[ファイル|新規作成|アプリケーション] メニュー オプションを選択します。[新しいアプリケーション] ダイアログ ボックスが表示されます。
  2. 左側のペインから [チュートリアル] を選択し、右側のペインから [チュートリアル : プロセス アプリケーション] を選択します。
  3. [名前] フィールドに sampleApp という名前を入力します。[新しいアプリケーション] ダイアログ ボックスが図 1-1 のように表示されます。
  4. 図 1-1 WebLogic Platform 8.1 での新規アプリケーションの作成


    WebLogic Platform 8.1 での新規アプリケーションの作成

  5. [作成] をクリックします。
  6. WebLogic Workshop の [アプリケーション] ペインから [sampleApp|sampleAppWeb|requestquote|services|AvailProcessor.jws] の順に選択して Web サービス ファイルを表示します。
  7. ファイルをダブルクリックし、[ソース ビュー] を隣のペインに表示します。図 1-2 のような画面が表示されます。
  8. 図 1-2 Web サービス ソースの表示


    Web サービス ソースの表示

  9. 図 1-2 に示すように、強調表示されているソース ビュー内の文字列 (public interface Callback extends weblogic.jws.control.ServiceControl) のうち、weblogic.jws.control.ServiceControlcom.bea.control.Control に置き換えます。
  10. ソース ファイルの先頭から、import weblogic.jws.control.JwsContextimport com.bea.control.JwsContext に置き換えます。
  11. 注意 : weblogic.jws.control.ServiceControl および weblogic.jws.control.JwsContext は非推奨です。WLI 10.2 に正常にアップグレードするには、これらの API をすべての Web サービスに対して置き換える必要があります。
  12. 手順 5 から手順 9 を残り 2 つの Web サービス (PriceProcessor.jws および TaxCalc.jws) に対して実行します。
  13. アプリケーションを保存して閉じます。

アプリケーション sampleApp を使用する準備が完了しました。これで、Workshop for WebLogic Platform 10.2 IDE を使用して sampleApp をアップグレードすることができます。

 


ソース WLI 9.2 のアプリケーションの作成

このチュートリアルの目的に合わせ、最初に見積り要求アプリケーションを WebLogic Integration 9.2 リリースで作成します。このタスクの主たる目的は、WLI 9.2 でアプリケーションを作成し、WLI 10.2 リリースにアップグレードすることです。

WLI 9.2 に既存のプロジェクトがない場合は、WLI 9.2 に新しいアプリケーションを作成する必要があります。そのためには、以下の手順を実行します。

  1. WebLogic Workshop 9.2 で、[ファイル|新規|プロジェクト|WebLogic Integration|プロセス アプリケーション] メニュー オプションを選択します。[プロセス アプリケーション] ダイアログ ボックスが図 1-3 のように表示されます。
  2. 図 1-3 新しいプロセス アプリケーションの作成


    新しいプロセス アプリケーションの作成

  3. EAR プロジェクト名、Web プロジェクト名、ユーティリティ プロジェクト名を入力し、[終了] をクリックしてプロジェクトを作成します。
  4. また、最初の 2 つの手順を省略し、[ファイル|インポート|Workshop 8.1 アプリケーション] を選択して [インポート] ダイアログ ボックスで [次へ] をクリックし、8.1 RequestQuote アプリケーションをワークスペースにインポートすることもできます。
  5. [アプリケーションのインポート] ダイアログ ボックスで WLI 8.1 アプリケーション (アーカイブ ファイル) へのパスを指定して .work ファイルを開き、[次へ] をクリックして [ソースのアップグレード] ダイアログ ボックスでアップグレードの環境設定を行います。詳細については、「アプリケーション ソースのインポート」を参照してください。
  6. [次へ] をクリックしてアップグレードを開始し、[アップグレードのプレビュー] ダイアログ ボックスで待ち状態のアップグレード アクションをプレビューします。[アップグレードのプレビュー] ダイアログ ボックスで [終了] をクリックして、WLI 9.2 へのプロジェクト アップグレードを完了します。
  7. プロジェクトを保存して閉じます。WLI 8.1 アプリケーションが WLI 9.2 ワークスペースに正常にインポートされました。

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