チュートリアル : WLI 8.1 以上および WLI 9.2 アプリケーション ソースの WLI 10.2 へのアップグレード
チュートリアル : WLI 8.1 または WLI 8.5 アプリケーション ソースのアップグレード
この節では、アプリケーション ソースをアップグレードする方法について説明します。内容は以下のとおりです。
このチュートリアルでは、サンプル アプリケーションのすべての側面の検証は行いません。
アプリケーションの概要
このチュートリアルで使用するアプリケーションは、以下の要件を処理するビジネス プロセスを作成するものです。
見積り要求メッセージをクライアントから受信する
見積り要求の受信時にビジネス プロセスを開始する
要求を検証して処理する
見積り要求のステータスをクライアントに送信する
アプリケーション ソースのインポート
この節では、WebLogic Integration 8.1 Service Pack 4 または 5 のアプリケーション ソースを Workspace Studio 1.1 環境で使用できるようにアップグレードする方法について説明します。
[スタート] メニューから [すべてのプログラム|BEA|Workspace Studio 1.1] を選択して、Workspace Studio を起動します。[ワークスペース ランチャー] ダイアログ ボックスが表示されます (図 2-1 を参照)。

図 2-1 に示すように、アップグレード後のアプリケーションの場所を [ワークスペース] フィールドに指定します。このチュートリアルでは、以下に示すように、WebLogic Platform のインストール先ディレクトリにある upgrade
ワークスペースを使用します。
注意 : |
このチュートリアルで継続的に使用する $BEA_HOME は、WebLogic Platform 10.2 のインストール先ディレクトリであるC:\bea\ になります。 |
[OK] をクリックします。Workspace Studio 1.1 が起動します (図 2-2 を参照)。

[ワークベンチ] をクリックして、ワークベンチを表示します (図 2-3 を参照)。

[ファイル|インポート...] メニュー オプションを選択してインポート処理を開始します。[インポート] ダイアログ ボックスが表示されます (図 2-4 を参照)。

図 2-4 に示すように [Workshop 8.1 アプリケーション] をアプリケーション ソースとして選択し、[次へ] をクリックします。図 2-5 に示すように [アプリケーションのインポート] ダイアログ ボックスが表示されます。

[参照] をクリックしてディレクトリ構造を移動し、WLI 8.1 SP5 以上で作成した sampleApp.work
ファイルを選択します。詳細については、「ソース WLI 8.1 のアプリケーションの作成」を参照してください。図 2-5 に示すように、このチュートリアルの sampleApp.work
ファイルは以下の場所にあります。
WLI 8.1 のインストール先ディレクトリからこのサンプル アプリケーションを選択すると、ダイアログ ボックスにアプリケーション内のすべてのプロジェクトが表示されます。これらのプロジェクトは、プロジェクトの隣に表示されるチェック ボックスをクリックして個別に選択し、インポートおよびアップグレードすることができます。ただし、これらのプロジェクトの多くは内部的に依存関係があるため、すべて選択することをお勧めします。
[次へ] をクリックします。[ソースのアップグレード] という環境設定を選択するダイアログ ボックスが表示されます (図 2-6 を参照)。

ダイアログ ボックスに表示されるさまざまなオプションを選択し、環境を設定することができます。これらのオプションを展開すると、図 2-7 のような画面が表示されます。

以下に挙げるように、これらのオプションは機能に応じてカテゴリ別に用意されています。
全般 – エラー処理オプション、および記録するコンテンツの種類を設定する。表 2-1 のように、どちらのプロパティにもデフォルト値を使用します。
表 2-1 全般環境設定
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エラー処理の方法と、その際に実行するアクションを指定する。エラー メッセージは常にログ ファイルに記録されまるが、その通知方法はここでの設定によって決まる。このフィールドには、以下の 3 種類のオプションがある。
エラーをログに記録してアップグレードを続行 (デフォルト オプション)
エラーをログに記録してアップグレードを中断
エラー時にダイアログを表示
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アップグレード処理中に記録するメッセージの種類を指定する。記録するメッセージには、情報、警告、エラーの 3 種類がある。この 3 種類のメッセージは、以下の 3 つのオプションで示される。
情報コメントを含める (デフォルト オプション) - すべての種類のメッセージ
警告コメントを含める - 警告およびエラー メッセージのみ
エラー コメントを含める - エラー メッセージのみ
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NetUI Project Upgrader オプション - [Weblogic J2EE 共有ライブラリの使用] オプションを選択すると、実行時の .jar
ファイルを各プロジェクトにコピーせずに WebLogic J2EE 共有ライブラリが使用可能になります。このオプションは、WebLogic Integration アプリケーションには通常影響ないため、無視してかまいません。デフォルトでは、アップグレード用にはこのオプションはオンになります。
プロパティ ファイル アップグレーダ オプション - [Web コンテンツ フォルダからのコピーされたリソース バンドル ファイルの削除] オプションを選択すると、不要な .properties
ファイルはすべて削除されます。Web コンテンツ フォルダ内のどの JSP ページにも .properties
ファイルが必要ない場合、削除することができます。このオプションは、WebLogic Integration アプリケーションには通常影響ないため、無視してかまいません。デフォルトでは、アップグレード用にはこのオプションはオフになります。
JPD Document Upgrader オプション - [XQ2002 を XQ2004 にアップグレードします] オプションを選択すると、XQuery 文が XQuery 2002 のドラフト バージョンから XQuery 2004 ドラフト バージョンに変換されます。このオプションによって、JPD ノード エディタを使ったインラインでの XQuery 文の解析と 2004 バージョンへの変換が行われるように設定できます。デフォルトでは、アップグレード用にはこのオプションはオフになります。
[XQ2002 を XQ2004 にアップグレードします] オプションは必ず選択してください。XQuery ファイルのアップグレードについては、『XQuery Mapper を使用したデータの変換』の「Upgrading XQuery Code」を参照してください。
JSP ファイル マイグレータ オプション - [BEA NetUI タグを Apache Beehive タグで置き換えます] を選択した場合、WebLogic Integration 8.1 でサポートされる NetUI タグが Apache Beehive 互換の NetUI タグにアップグレードされます。このオプションは、WebLogic Integration アプリケーションには通常影響ないため、無視してかまいません。デフォルトでは、アップグレード用にはこのオプションはオフになります。
注意 : |
プロジェクトまたは選択する JSP を変換し、アップグレードの実行後に Apache Beehive 互換 NetUI タグ イベントが使用されるようにできます。ただし、WLI 10.2 で新しく作成されるすべてのプロジェクトでは、Apache Beehive 互換 NetUI タグが使用されます。 |
[次へ] をクリックします。[進行情報] ダイアログ ボックスが表示されます (図 2-8 を参照)。この段階でアップグレードするアプリケーションが評価され、実行の必要がある (または必要がない) アップグレード タスクの詳細リストが生成されます。

アップグレード処理の完了後、[アップグレードのプレビュー] ダイアログ ボックスが図 2-9 のように表示されます。このプレビュー ダイアログ ボックスには、アップグレード タスクで実行される変更の概要が表示されます。

リストに表示されるアップグレード中の実行アイテムと実行不要なアイテムを確認したら、[終了] をクリックします。[アップグレードのプレビュー] ダイアログ ボックスが更新され、図 2-10 のようにアップグレードの進行状況がダイアログ ボックス下部に表示されます。

最後に、WLI 8.1 アプリケーションからテスト データをインポートします。
[プロジェクト・エクスプローラー] で、SampleAppWeb/Webcontent ディレクトリ内の requestquote フォルダを参照します。requestquote フォルダを右クリックして、[インポート] オプションを選択します。
[インポート] ダイアログ ボックスで、[一般|ファイル・システム] を選択して [次へ] をクリックします。
[ファイル・システム] ダイアログ ボックスの [参照] をクリックして、作成済みの WLI 8.1 アプリケーションの SampleApp/SampleAppWeb/requestquote/testxml フォルダを見つけます。[OK] をクリックします。[testxml] チェック ボックスを選択します (未選択の場合)。[終了] をクリックして、テスト データのインポートを完了します。
アップグレードの終了後、IDE のアプリケーション用ワークスペースの構築が Workshop で行われます。図 2-11 に示すように、インポート処理のログがダイアログ ボックス下部の [問題] ペインに表示されます。また、アップグレード処理のログが [アップグレード] ペインに表示されます。表示される情報の種類は、アップグレードの環境設定ダイアログ ボックスに必要な変更を加えることでカスタマイズできます。表示されるメッセージの種類の詳細については、図 2-6 を参照してください。
注意 : |
このチュートリアルの性質上、[問題] ペインに表示される警告、情報、エラーの種類のメッセージに注意する必要はありません。 |
以下の節では、アプリケーションを WLI 10.2 環境で検証する方法を説明します。このタスクには、アプリケーションの WebLogic Integration ドメインでのデプロイと実行が含まれます。
アップグレード済みアプリケーションの検証
この節では、アップグレード済みアプリケーションの WLI 10.2 環境での検証に必要な手順を説明します。このタスクには、アプリケーションのサーバ上でのデプロイおよびパブリッシュと、その後のテスト値を使った実行が含まれます。
アプリケーションのデプロイおよびパブリッシュ
以下のタスクを実行し、アップグレードが正常に行われたら、アプリケーションのデプロイを実行します。
図 2-12 に示すように、[パッケージ・エクスプローラー] ペインでディレクトリ構造を移動し、[sampleAppWeb|src|requestquote|RequestQuote.java] ファイルを表示します。

RequestQuote.java ファイルを右クリックし、[実行|サーバーで実行] メニュー オプションを選択します。図 2-13 に示すように、[サーバーで実行] ダイアログ ボックスが表示されます。

[手動で新規サーバーを定義] チェック ボックスをオンにして、フォームを図 2-13 に示すように入力します。
[次へ] をクリックします。[サーバーで実行] ダイアログ ボックスが更新され、図 2-14 に示すように、[WebLogic Server の定義] ページが表示されます。

以下の節では、新しい WebLogic Integration ドメインを WebLogic Server に作成します。
Configuration Wizard を使用した WebLogic Integration ドメインの作成
以下の手順を実行し、WebLogic Integration ドメインを sampleApp
アプリケーションのデプロイに備えて設定します。
[サーバーで実行] ダイアログ ボックスの [コンフィグレーション ウィザードを起動して新しいドメインを作成するには、ここをクリックしてください] オプションを選択し、BEA WebLogic Configuration Wizard を開始します (図 2-15 を参照)。

[新しい Weblogic ドメインの作成] オプションを選択し、[次へ] をクリックします。[ドメイン ソースの選択] ページが表示されます。
[Workshop for WebLogic Platform] と [WebLogic Integration] オプションを選択し、[次へ] をクリックします。[管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション] ページが表示されます。
[User name]、[User password]、[Confirm user password] フィールドに weblogic
と入力し、[次へ] をクリックします。[サーバの起動モードおよび JDK のコンフィグレーション] ページが表示されます。
[WebLogic ドメインの起動モード] ペインの [開発モード] を選択します。[JDK の選択] ペインの Sun SDK を選択し、[次へ] をクリックします。[環境とサービスの設定のカスタマイズ] ページが表示されます。
[はい] を選択し、[次へ] をクリックします。[管理サーバのコンフィグレーション] ページが表示されます。何も変更せずに [次へ] をクリックして続行します。
同様に、次の [管理対象サーバのコンフィグレーション]、[マシンのコンフィグレーション]、および [JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ページも変更せずに次へ進みます。[次へ] をクリックして [データベース スクリプトの実行] ページまで移動します。図 2-16 のような画面が表示されます。

[利用できる JDBC データ ソース] のリストから図 2-16 のように [p13nDataSource] を選択し、[スクリプトの実行] をクリックします。正常に実行されると、[結果] ペインに「データベースのロードが完了しました。
」と表示されます。
[利用できる JDBC データ ソース] が再度表示されるため、[cgDataSource-nonXA] を選択し、[スクリプトの実行] をもう一度クリックします。正常に実行されると、[結果] ペインに「データベースのロードが完了しました。
」と表示されます。
[次へ] をクリックします。[JMS ファイル ストアのコンフィグレーション] ページが表示されます。変更を加えずに [次へ] をクリックします。図 2-17 に示すように、[WebLogic ドメインの確認] ページが表示されます。このページには、ドメインのコンテンツと選択したオプションのまとめが表示されます。

何も変更せずに [次へ] をクリックして続行します。[WebLogic ドメインの作成] ページが表示されます。
[ドメイン名] フィールドに名前 (たとえば sample_wli_domain
) を入力し、[作成] をクリックします。ドメイン作成処理が開始されます。正常に作成されると、ドメインの作成ダイアログ ボックスが図 2-18 のように表示されます。

[完了] をクリックしてドメイン作成処理を終了します。
Configuration Wizard を使用してドメインを作成したら、作成したドメインのサーバ上にアプリケーションをパブリッシュするために、図 2-14 の [サーバーで実行] ダイアログ ボックスに戻ります。
[参照] をクリックし、作成した WebLogic Integration ドメイン (sample_wli_domain
) があるフォルダを表示して指定します。ドメインを選択します。このチュートリアルのドメインは次の場所になります。
[サーバーで実行] ダイアログ ボックスで [次へ] をクリックすると、[プロジェクトの追加および除去] ページが表示されます。sampleApp プロジェクトが [構成プロジェクト] カラムに表示されていることを確認します。
[終了] をクリックしてアプリケーションをパブリッシュします。サーバの実行が初めての場合、この処理にしばらく時間がかかることがあります。
アプリケーションのデプロイとパブリッシュが正常に終了すると、IDE にブラウザのペインが開き、RequestQuote.jpd プロセスの [概要] タブが表示されます。
[テスト フォーム] タブを図 2-19 のブラウザのペインでクリックします。

これで、アプリケーションの最後の検証処理を行う準備が整いました。次の節では、アプリケーションを実行する方法について詳しく説明します。
アプリケーションの実行
これが、アップグレード済みアプリケーションの検証と WLI 8.x から WLI 10.2 へのアップグレード処理の最後の手順となります。この節の主なタスクは、一連のテスト値を使ったアプリケーションの実行と、その結果の検証です。
QuoteRequest.xml
ファイルを探して指定します。このファイルには、アップグレード済みアプリケーションの検証に必要なテスト値が保存されています。このファイルは、図 2-20 に示す [パッケージ・エクスプローラー] ペインの WebContent
フォルダ内にあります。

QuoteRequest.xml
ファイルを右クリックして [アプリケーションから開く|テキスト・エディター] を選択し、ファイルの内容を 図 2-21 のように IDE ブラウザに表示します。

ソース ファイルのすべての内容をコピーし、ファイルを閉じます。
図 2-22 に示すように、ファイルの内容を [テスト フォーム] タブの [xml requestXML] フィールドに貼り付けます。
テスト値は、図 2-19 の [テスト フォーム] タブで [参照] をクリックして入力することもできます。次に、C:\bea\user_projects\workspaces\upgrade\sampleAppWeb\WebContent\requestquote\testxml\
QuoteRequest.xml
ファイルを選択して [開く] をクリックします。

[quoteRequest] をクリックして処理を開始します。処理が正常に終了すると、[テスト フォーム] タブが図 2-23 のように更新されます。

これで、WLI 8.1 アプリケーションの WLI 10.2 ワークスペースでのインポート、パブリッシュ、および検証が完了しました。
WLI ソースから作成されたアプリケーションのアップグレード後処理
この節では、WebLogic Integration ソースから作成されたアプリケーションのアップグレード後処理をまとめます。
ソース ファイル タイプが以下のファイルの名前は、.java
拡張子が付くように変更される。
DTF: データ トランスフォーメーション ファイル
JPD: Java プロセス定義ファイル
JCS: Java コントロール ソース ファイル
JCX: Java コントロール拡張ファイル
WLI 8.1 XQuery ファイルには、XQuery バージョン 2002 に属することを示すコメントが付けられて更新される。WLI 10.2 リリースではデフォルトとして XQuery バージョン 2004 が使用されるため、このコメントが XQuery ファイルを識別するうえで役立ちます。
WebLogic Integration に含まれるすべてのコントロールには .java
ファイル拡張子が付けられ、Apache Beehive を使用するために変換される。
WLI 8.1 チャネル ファイルは WLI 10.2 ユーティリティ プロジェクトに移動されるが、変更は加えられない。
アップグレードされたアプリケーションは、アップグレード時に作成されたプロジェクトが付加されて WLI 10.2 ワークスペースに適合するように変更される。この追加の EAR プロジェクトによって、他のプロジェクトが J2EE アプリケーションに一体化されます。