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B2B Integration 管理ガイド

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高度なコンフィグレーション タスク

この章では、WebLogic Integration の B2B Integration の高度な機能について説明します。また、これらの機能に関する詳細の参照先も示します。この章のトピックは以下のとおりです。

 


高度な機能の概要

ロジック プラグインは、WebLogic Integration の起動時に呼び出される Java クラスです。実行時に、ビジネス メッセージをインターセプト、処理、および出力します。ロジック プラグインに関する高度な機能には、以下のものがあります。

また、WebLogic Integration で提供されている B2B Integration 機能は、トレーディング パートナに対する拡張プロパティの仕様をサポートします。拡張プロパティは、以下で使用できます。

 


ルーティングおよびフィルタ処理の XPath 式

注意: XOCP プロトコルは、このリリースの Weblogic Integration から非推奨になっています。XOCP に代わる機能については、『WebLogic Integration リリース ノート』を参照してください。

ビジネス メッセージのフローを制御するために XOCP ルータおよび XOCP フィルタ ロジック プラグインで使用する XPath 式は、以下の 3 種類に分類されます。

XOCP ハブおよびスポーク配信チャネルで説明されているように、XOCP 配信チャネルは、ハブ配信チャネルまたはスポーク配信チャネルとしてコンフィグレーションされます。ビジネス メッセージがハブ配信チャネルに転送されると、XOCP ルータ ロジック プラグインは、XML メッセージコンテキスト ドキュメントを生成します。メッセージコンテキスト ドキュメントは、会話定義とコラボレーション プロトコル アグリーメントで識別されたとおりに、トレーディング パートナの送信側と受信側に関連付けられたプロパティを捕捉します。定義された XPath ルータ式は、メッセージコンテキスト ドキュメントで捕捉されたトレーディング パートナのセットおよび関連するプロパティから、トレーディング パートナの一部を選択するために、XPath 構文を使用します。選択したトレーディング パートナは、XOCP ビジネス メッセージの意図した受信側です。

次の図では、XOCP ハブ配信チャネルのメッセージ処理およびルーティングの上位レベルの概要を示します。

図3-1 XOCP ハブ配信チャネルでのメッセージ処理


 

受信メッセージがハブ配信チャネルで受信されると、コンフィグレーションされている会話定義およびそれに関連付けられているコラボレーション アグリーメントは、メッセージコンテキスト ドキュメントに含まれる受信側トレーディング パートナを識別するのに使用されます。

たとえば、バイヤとサプライヤの 2 つのロールを定義した Query Price and Availability(QPA)会話定義があるとします。トレーディング パートナ(TP1)では、ハブ配信チャネル tp1-hub-dc が定義されています。他の 4 つのトレーディング パートナ(TP2、TP3、TP4、および TP5)では、スポーク配信チャネル tp2-spoke-dctp3-spoke-dctp4-spoke-dc、および tp5-spoke-dc が定義されています。以下のコラボレーション アグリーメントが TP1 で定義されています。

TP2 からのビジネス メッセージがサプライヤ ロールに送信され、tp1-hub-dc で受信されると、tp1-hub-dc にバイヤ ロールが割り当てられたコラボレーション アグリーメントが識別されます。このコラボレーション アグリーメントを使用して、ビジネス メッセージの受信側トレーディング パートナを識別します。

この場合、XOCP ルータ ロジック プラグイン で生成された XML メッセージコンテキスト ドキュメントには、送信側(TP1)と受信側(TP3、TP4、TP5)の両方の識別情報とプロパティが含まれます。

定義された XPath ルータ式は、このリストからトレーディング パートナを選択するために XOCP ルータ ロジック プラグインによって使用されます。XPath 式で選択されたトレーディング パートナは、メッセージ ルーティング ヘッダーに含まれます。各 Xpath 式は、置き換えられるか、前の式の結果に付加されるようにコンフィグレーションされます。XPath ルータ式の処理方法の詳細については、XPath ルータ式の処理を参照してください。

注意: 処理の過程で XPath ルータ ロジック プラグインによってメッセージコンテキスト ドキュメントの wlc 要素の context 属性が message-router から trading-partner-router に更新され、さらに hub-router に更新されますが、ドキュメントの他の要素は変更されません。つまり、すべての XPath ルータ式は、元々含まれていたトレーディング パートナのセットから選択するために使用されます。

XOCP ルータ ロジック プラグインが処理を完了し、指定したトレーディング パートナにメッセージがルーティングされると、XPath フィルタ ロジック プラグインは、送信ビジネス メッセージごとに XML メッセージコンテキスト ドキュメントを生成します。

XPath フィルタ式が定義されると、XOCP フィルタで生成されたメッセージコンテキスト ドキュメントに対して評価され、ビジネス メッセージをトレーディング パートナに送信するかどうかが決定されます。XPath フィルタ式は、Boolean 型の true または false で評価します。

これらの XPath フィルタ式が評価される順序については、XPath フィルタ式の処理で説明します。

高度な機能の概要で説明したとおり、XPath ルータおよびフィルタ式は、ユーザ定義の拡張プロパティを参照できます(トレーディング パートナの拡張プロパティについては、トレーディング パートナの拡張プロパティを参照)。

XPath ルータ式の処理

XPath ルータ式は、3 種類に分類されます。それぞれの式は、置き換えられるか、前の Xpath 式の結果に付加されるようにコンフィグレーションされます。式は、次の順序で処理されます。

  1. メッセージ XPath ルータ式
    メッセージ XPath ルータ式は、ビジネス メッセージに含まれており、そのビジネス メッセージのルーティングに常に適用されます。

  2. トレーディング パートナ XPath ルータ式
    トレーディング パートナ XPath ルータ式は、送信側のトレーディング パートナに関連付けられており、そのトレーディング パートナが送信したすべてのメッセージに適用されます。

  3. ビジネス プロトコル XPath ルータ式
    ビジネス プロトコル XPath ルータ式は、特定のプロトコルを使用するすべての受信ビジネス メッセージに適用されます。

複数のトレーディング パートナ XPath ルータ式またはビジネス プロトコル XPath ルータ式を定義した場合、ビジネス プロトコル XPath ルータ式の前に、すべてのトレーディング パートナ XPath ルータ式が評価されます。同じタイプの式は、B2B Console にリストされている順番に処理されます。

XPath フィルタ式の処理

WebLogic Integration は、トレーディング パートナとビジネス プロトコルの 2 つのエンティティの XPath フィルタ式をサポートします。式は、次の順序で処理されます。

  1. トレーディング パートナ XPath フィルタ式
    この式は、受信側トレーディング パートナに関連付けられており、そのトレーディング パートナに送信されたすべてのメッセージに適用されます。

  2. ビジネス プロトコル XPath フィルタ式
    この式は、指定したプロトコルを使用するすべての送信ビジネス メッセージに適用されます。

トレーディング パートナまたはビジネス プロトコルに対して複数の XPath フィルタ式を定義した場合、ビジネス プロトコル XPath フィルタ式の前に、すべてのトレーディング パートナ XPath フィルタ式が評価されます。処理は、式が false になるか、すべての式が処理されるまで続きます。同じタイプの式は、B2B Console にリストされている順番に処理されます。

 


XPath ルータ式およびフィルタ式のコンフィグレーション

B2B Console で、トレーディング パートナとビジネス プロトコルの両方に対して XPath ルータ式およびフィルタ式をコンフィグレーションできます。トレーディング パートナに対して XPath ルータ式およびフィルタ式をコンフィグレーションするには、以下の手順を実行します。

  1. B2B Console で、[トレーディング パートナ] ページを開き、[詳細] タブを選択します。2 つの下位タブ [XOCP フィルタおよびルータ] と [拡張プロパティ] が表示されます。

  2. [XOCP フィルタおよびルータ] タブを選択します。このタブ ページが次の図のように表示されます。

注意: XOCP プロトコルは、このリリースの Weblogic Integration から非推奨になっています。XOCP に代わる機能については、『WebLogic Integration リリース ノート』を参照してください。

図3-2 [XOCP フィルタおよびルータ] タブ


 

[XOCP フィルタおよびルータ] タブで、必要な XPath 式をコンフィグレーションまたは順序変更できます。これらのタスクに必要な情報の詳細は、オンライン ヘルプで説明します。「ヘルプの利用」を参照。

上のタブと同じ [フィルタおよびルータ] タブが、XOCP ビジネス プロトコル定義ページの [コンフィグレーション] タブを選択したときに使用できるようになります。2 つのページは、コンテキストのみが異なります。XOCP ビジネス プロトコル定義ページからアクセスするタブは、特定のトレーディング パートナではなく、すべてのメッセージに適用されるフィルタとルータを定義するのに使用します。

追加情報

ビジネス メッセージのルーティングとフィルタ処理、メッセージコンテキスト ドキュメントの構造、および XPath 式の作成については、『B2B Integration ロジック プラグイン プログラミング ガイド』の「ビジネス メッセージのルーティングとフィルタ処理」を参照してください。

 


カスタム ロジック プラグイン

注意: ロジック プラグインは、主に、XOCP プロトコルに基づくハブ アンド スポーク コンフィグレーションで使用されましたが、このリリースの WebLogic Integration からは非推奨になっています。XOCP に代わる機能については、『WebLogic Integration リリース ノート』を参照してください。

ロジック プラグインは、実行時にビジネス メッセージをインターセプトして処理する Java クラスです。各ビジネス プロトコルは、次の 3 つの標準ロジック プラグインに関連付けられています。

次の表では、組み込みロジック プラグインについて説明します。

表3-1 ビジネス プロトコル ロジック プラグイン

プロトコル

処理チェーン

ロジック プラグイン

XOCP

ルータ

XOCP ルータ

XOCP ルータ エンキュー

フィルタ

XOCP フィルタ

RosettaNet

ルータ

RosettaNet ルータ

RosettaNet ルータ エンキュー

フィルタ

RosettaNet フィルタ

cXML

ルータ

cXML ルータ

cXML ルータ エンキュー

フィルタ

cXML フィルタ

カスタム ロジック プラグインは、ビジネス プロトコルに対するルータ処理チェーンまたはフィルタ処理チェーンのいずれかに開発および追加できます。ただし、このような処理チェーンに含めることによって、ロジック プラグインの機能が制限されるとは限りません。カスタム ロジック プラグインは、これら 2 つの種類の処理チェーンのいずれかに関連付けられてはいますが、サービスのルーティングやフィルタリングの実行に必要ではありません。したがって、たとえば、メッセージ コンテキストを検証し、請求処理用の情報を捕捉するためにカスタム ロジック プラグインを開発できます。

ロジック プラグインのコンフィグレーション

カスタム ロジック プラグインを開発したら、ビジネス プロトコル定義ルータまたはフィルタ チェーンにその定義を追加する必要があります。そのために、WebLogic Integration B2B Console を開いて、次の手順を実行します。

  1. 以下のプロパティを指定して、ロジック プラグインの定義を作成します。

    ロジック プラグイン定義を作成するには、次の手順を実行します。

    1. ナビゲーション ツリーから [Logic Plug-Ins] を選択します。右ペインに [Logic Plug-Ins] ページが表示されます。

    2. [新しいロジック プラグインの作成] を選択します。ロジック プラグインのページが表示されます。ページには、必要なプロパティを指定するためのフィールドがあります。

  2. ロジック プラグイン定義をビジネス プロトコル定義に追加し、ルータまたはフィルタ チェーン内でのロジック プラグインの位置を指定します。

    次の節の説明に従って、ビジネス プロトコル ページから手順 2 を実行します。

ビジネス プロトコル ルータまたはフィルタ チェーンへのカスタム ロジック プラグインの追加

ビジネス プロトコル ルータまたはフィルタ処理チェーンにカスタム ロジック プラグインを追加するには、次の手順を実行します。

  1. ナビゲーション ツリーからビジネス プロトコルを選択します。右ペインに、上位レベル タブ([コンフィグレーション] および [メモ])が表示されます。

  2. [コンフィグレーション] タブから、下位の [フィルタおよびルータ] タブを選択します。このタブ ページが次の図のように表示されます。

    図3-3 ビジネス プロトコル用 [フィルタおよびルータ] タブ


     

[フィルタおよびルータ] タブで、使用可能なロジック プラグインを必要に応じて選択および順序変更できます。これらのタスクに必要な情報の詳細は、オンライン ヘルプで説明します。「ヘルプの利用」を参照。

追加情報

ロジック プラグイン API の詳細、およびカスタム ロジック プラグインの開発とデプロイメントのガイドラインについては、『B2B Integration ロジック プラグイン プログラミング ガイド』を参照してください。

 


トレーディング パートナの拡張プロパティ

トレーディング パートナの拡張プロパティを使用すると、トレーディング パートナに関連付けられるデフォルト プロパティを増やし、アプリケーション固有の要件をサポートすることができます。B2B Console で拡張プロパティを追加できます。追加された拡張プロパティには固有の名前が付けられ、ビジネス プロトコル ルータおよびフィルタ ロジック プラグインによって生成されるメッセージコンテキスト ドキュメントに拡張プロパティ セットとして含まれます。

拡張プロパティ セットは、XML ドキュメント内のサブツリーとして取得できるようにリポジトリ内でモデル化されます。XML サブツリーは、組み込みルータおよびフィルタ ロジック プラグインによって生成されるメッセージコンテキスト XML ドキュメントに表示されます。XPath 式は、これらの拡張プロパティを参照できます。指定したトレーディング パートナに関連付けられた拡張プロパティ セットのルート要素は、<trading-partner> 要素ノードの最後の子として挿入されます次の例では、拡張プロパティ セットを持つリポジトリから生成された XML ドキュメントを示します。

<wlc context="message-router">
...
<trading-partner name="ABC International"
email="admin@abc.com"
phone="+1 123 456 7890">
<address>123 ABC Street., Anytown, CA 95131</address>
<extended-property-set name="ABC Contact">
<business-contact>Joe Smith</business-contact>
<phone type="work">+1 123 456 7654</phone>
<phone type="cell">+1 321 654 4567</phone>
<city>Anytown</city>
<state>California</state>
</extended-property-set>
</trading-partner>
...
</wlc>

トレーディング パートナの拡張プロパティのコンフィグレーション

トレーディング パートナに拡張プロパティを追加するには、次の手順を実行します。

  1. ナビゲーション ツリーからトレーディング パートナを選択します。右ペインに、4 つの上位レベル タブ([コンフィグレーション]、[モニタ]、[メモ]、[詳細])が表示されます。

  2. [詳細] タブを選択します。[詳細] タブに 2 つの下位タブ([XOCP フィルタおよびルータ] と [拡張プロパティ])が表示されています。

  3. [拡張プロパティ] タブを選択します。このタブ ページが次の図のように表示されます。

    図3-4 トレーディング パートナの [拡張プロパティ] タブ


     


     

このタブを使用して、必要な拡張プロパティを設定できます。これらのタスクに必要な情報の詳細は、オンライン ヘルプで説明します。「ヘルプの利用」を参照してください。

追加情報

メッセージコンテキスト ドキュメント構造、および拡張プロパティを参照するための XPath 式の作成については、『B2B Integration ロジック プラグイン プログラミング ガイド』を参照してください。

 

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