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WebLogic Integration EDI ユーザーズ ガイド
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EDI の背景情報
この章では、電子データ交換(EDI)、各種の EDI 標準、および BEA の EDI Integration の概要について説明します。この章の内容は以下のとおりです。
EDI の概要
電子データ交換(EDI)は、1970 年代末に米国および西欧で整備された共通のデータ フォーマット標準のセットです。米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)は EDI 標準の X12 セットの作成開始を主催しましたが、その目的は、以下のような特徴を持つ国家的に認められるデータ フォーマットの集合を確立することでした。
この標準の初期の定義を主催した後、ANSI は X12 標準の保守および展開のために Accredited Standards Committee (ASC) を設立しました。結果として生まれた X12 標準では、受注および処理、発送および受領、請求、支払など多様なビジネス トランザクションで使用するためのデータ フォーマットおよびエンコーディング ルールが定義されています。
単一の国際的な EDI 標準を作成する目的で、United Nations/Economic Commission for Europe (UN/ECE) の Working Party on Facilitation of International Trade Procedures により UN/EDIFACT 系の標準が作成されました。EDIFACT の構文は、1987 年に国際標準化機構(ISO)により採用されました。
X12 標準および EDIFACT 標準は、同様な機能を提供します。X12 標準の方が古く、より成熟しています。X12 には、EDIFACT にはまだない機能が用意されています。しかし、こうした用意されていない機能のほとんどは、EDIFACT 標準でも開発中です。
X12 と EDIFACT の主な相違は、基盤となるデータ構造にあります(たとえば、データ要素やデータ セグメント)。X12 および EDIFACT の間に、データ要素の 1 対 1 対応はありません。1 つの EDIFACT データ要素を表現するために複数の X12 データ要素が必要な場合もあります。
アーキテクチャの概要
X12 標準および EDIFACT 標準は、メッセージ要素構造の階層のセットです。各階層の下に、簡単なデータ構造が結合されてさらに複雑なデータ構造を形成しています。各メッセージ構造の階層の上部には、トレーディング パートナ同士で交換される情報単位が配置されます。
データ セットごとに、異なる階層およびデータ構造が定義されています。たとえば、X12 997 メッセージ(Functional Acknowledgement)と X12 810 メッセージ(Invoice)は大幅に異なり、また両者の要件は X12 130 メッセージ(Student Educational Record、つまり成績証明書)の要件とは異なります。
メッセージ構造
各 EDI 標準の基盤には、シンプル データ要素の辞書があります。シンプル データ要素は X12 または EDIFACT 標準で最も小さな名前付き項目を表します。たとえば修飾子、値、あるいは説明などです。
シンプル データ要素には、たとえば次のものがあります。
また、X12 標準はコンポジット データ要素も定義します。コンポジット データ要素はシンプル データ要素のセットで、単一の名前付き項目を表します。たとえば、X12 130 のメッセージでは、1 枚の書類について実行されるアクションの識別にコンポジット データ要素 C002 が使用されます。C002 は 5 つのシンプル データ要素から成ります。各シンプル データ要素は、1 つの必要なアクションを識別するコードです。
データ要素が機能ごとに関連する単位にグループ化されると、データ セグメントと呼ばれます。データ セグメントの例として地理的な位置のアドレスを挙げると、このセグメントには都市名、州または郡の名前、郵便番号、および国コードのデータ要素があります。データ セグメントは X12 のセグメント ディレクトリで定義されています。このディレクトリには、各データ セグメントを構成するデータ要素が必要順にリストされています。
一方、データ セグメントはトランザクション セットにグループ化されます。トランザクション セットは、トレーディング パートナによって交換される情報のセットの最小単位です。これによって、たとえば発注書や送付状のような共通のビジネス ドキュメントが表されます。ほとんどのトランザクション セットは 3 つの領域(テーブルと呼ばれる)に区分されます。各領域が、出力されるドキュメントの一部分と対応します。
図1-1 トランザクション セットの構造
トランザクション セットは出力されるドキュメントを表しますが、EDI トランザクションで交換される情報単位ではありません。類似しているトランザクション セットは、機能グループに分類されます。たとえば、A 社が B 社に 2 つの見積もり要求書(RFQ)と 5 つの発注書(PO)を送信する場合は、2 つの RFQ が 1 つの機能グループにまとめられ、5 つの PO は別の機能グループにまとめられます。その後で、特定のトレーディング パートナ向けのすべての機能グループが、EDI インターチェンジと呼ばれる情報単位にまとめられます。トレーディング パートナ間で転送されるのは、このインターチェンジです。
いつでも利用できる高速ネットワークの到来により、多くの EDI システム リアルタイム EDI インターチェンジへと移行し、各トランザクション セットをトレーディング パートナへ転送する処理は、可能であれば、トランザクション セットが EDI システムに個別の EDI インターチェンジとして到着した時点で行われるようになりました。旧来のシステムでは、トランザクション セットがまとめられて、1 つまたは複数のコンポジット EDI インターチェンジとして転送されました。EDI は電子商取引市場に幅広くそして深く浸透しているので、トレーディング パートナとの間で新旧どちらの状況にも遭遇する可能性があります。
インターチェンジの機能グループは、インターチェンジのヘッダおよびトレーラの内部にラップされます。ヘッダには次の制御情報が入ります。
トレーラによりインターチェンジの末尾が示されます。トレーラにはインターチェンジ内の機能グループの総数が示されるほかに、ヘッダで指定された一意なインターチェンジ制御番号が繰り返されます。
次の図は、以上のすべてが合わさって X12 EDI メッセージを形成する様子を示します。EDIFACT および TRADACOMS のメッセージも、同一ではないものの類似したメッセージ構造を使用します。
図1-2 X12 のメッセージ構造
他の電子商取引標準との相違 EDI 以外の電子商取引標準、たとえば RosettaNet や BizTalk は最新のテクノロジを活用できるように設計されていますが、それらにも制限事項はあります。 一般に、こうした電子商取引標準には以下の要件があります。
さらに、これらの標準は比較的新しいために、一般的には小さな業界セグメントに適用が限定され、使用できるトランザクション メッセージの数も比較的少なくなります。しかし、これらの電子商取引標準は発展の速度が比較的速く、新しい機能も次々と追加されています。
対照的に、最も一般的な X12、EDIFACT、および TRADACOMS などがある EDI は、確立された多様な標準を提供します。これらの標準は多様なトランザクション タイプを提供して、幅広い業界および政府機関のセグメントに対応します。
EDI 標準
現在、主要な EDI 標準は 3 つあります。X12、EDIFACT、および TRADACOMS です。
X12
X12 標準は、ANSI による Accredited Standards Committee(http://www.x12.org/)によって保守されています。この標準は、主に米国およびカナダで使用されています。米国連邦政府は、すべての EDI 実装標準の Federal レジストリを連邦政府で使用されているとおりに保守する目的で、National Institute of Standards and Technology を設立しました。詳細については、Web サイト(http://snad.ncsl.nist.gov/dartg/edi/fededi.html)を参照してください。
X12 標準の新規リリースは、技術的なアップデートと新しい EDI トランザクションが追加された上で定期的に公開されています。
EDIFACT
EDIFACT 標準は United Nations/Economic Commission for Europe(UN/ECE)および国際標準化機構(ISO)によって保守されています(http://www.unece.org/trade/untdid)。EDIFACT 標準は、主に欧州で使用されています。
TRADACOMS
TRADACOMS 標準は、ANA(Article Numbering Association)によって開発および保守されています。TRADACOMS 標準は、主に英国の小売業界で使用されています。
BEA WebLogic EDI Integration のアーキテクチャ
BEA では、BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise!(BEA WebLogic Platform に付属)および BEA EDI Connect for WebLogic Integration(Power.Enterprise! として個別購入が可能)という 2 つのコンポーネントによるオプションの EDI サポートを用意しています。
注意: BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise! は、Power.Enterprise! 3.0 と 3.1 バージョンの両方をサポートしています。
図1-3 は、BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise! および BEA EDI Connect for WebLogic Integration が協調して WebLogic Integration をトレーディング パートナの EDI システムで使用できるようにする図式を示します。
図1-3 BEA EDI Integration のアーキテクチャ
BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise! BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise! は、WebLogic Integration と Power.Enterprise! ソフトウェアの間のゲートウェイを提供します。BEA WebLogic のテクノロジで定義する標準的なアプリケーション統合イベントおよびサービスを使用すれば、BEA WebLogic Adapter for Power.Enterprise! では以下のことができます。
BEA EDI Connect for WebLogic Integration
BEA EDI Connect for WebLogic Integration(個別購入が可能です)は 3 つのコンポーネントから成る一式です。
これらのコンポーネントを使用して、EDI から XML へのドキュメント マップを定義したり、トレーディング パートナとの関係を管理したり、EDI メッセージの送信および受信を処理したりできます。
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