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Trading Partner Integration の紹介

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RosettaNet ソリューションの紹介

ここでは、WebLogic Integration で RosettaNet ソリューションを実装する方法の概要を示します。内容は以下のとおりです。

ここでは、RosettaNet ソリューションにのみ関連する情報を提供します。あらかじめ、「はじめに」で説明されている、WebLogic Integration を使用するトレーディング パートナ統合の基本概念を把握しておいてください。また、Trading Partner Integration のチュートリアル (下記 URL から入手可能) の「チュートリアル : RosettaNet ソリューションの構築」では、サンプルの RosettaNet ソリューションについて具体的に説明しています。

 


RosettaNet ソリューションについて

「RosettaNet ソリューション」は、RosettaNet ビジネス プロトコルを使用してトレーディング パートナとビジネス メッセージを交換する WebLogic Integration ソリューションです。ここでは、RosettaNet について説明し、さらに WebLogic Integration での RosettaNet のサポートについて説明します。内容は以下のとおりです。

RosettaNet について

RosettaNet は、企業がインターネット経由でビジネスを遂行するためのビジネス プロトコルです。RosettaNet Consortium (http://www.rosettanet.org) は、独立した非営利コンソーシアムであり、情報技術、電子部品、半導体製造などに関わる主要企業が、産業界全体でプロセスのオープンな規格を作成および実装するために活動しています。それらのプロセスは、参加しているサプライ チェーン パートナの間で使用される eビジネス インタフェースを標準化することを意図しています。RosettaNet Implementation Framework (RNIF) 仕様 (http://www.rosettanet.org/rnif から入手可能) は、RosettaNet Partner Interface Processes (PIP) を実装するアプリケーションのためのガイドラインです。PIP は、トレーディング パートナ間で使用される、eビジネス プロセス規格です。http://www.rosettanet.org に PIP の一覧があります。

RosettaNet について

WebLogic Integration の RosettaNet サポートを利用して独自の PIP を実装する場合は、以下の RosettaNet ドキュメントを必ずお読みください。また、サンプルの RosettaNet PIP 実装を完全に理解するためには、同じく以下の RosettaNet ドキュメントをお読みいただくことをお勧めします。これらのドキュメントは http://www.rosettanet.org/standards から入手できます。

WebLogic Integration の RosettaNet サポート

ここでは、このリリースの WebLogic Integration でサポートされている RosettaNet 機能とサポートされていない RosettaNet 機能について説明します。

サポートされている RosettaNet 1.1 機能および RosettaNet 2.0 機能

WebLogic Integration では、以下の RosettaNet 1.1 機能と RosettaNet 2.0 機能をサポートしています。

表 3-1 WebLogic Integration の RosettaNet 1.1 および 2.0 機能のサポート 

機能

サポート状況 (X=サポートされている)

RNIF 1.1

RNIF 2.0

パッケージ化



  • RosettaNet Objects (RNO)

X


  • RosettaNet ビジネス メッセージ (RBM)、標準マルチパート MIME/ヘッダを含む


X

  • 添付ファイル

X

X

セキュリティ



  • 転送レベルのセキュリティ (HTTP/S)

X

X

  • 悪意ある改変からメッセージを保護する、メッセージレベルのセキュリティ (デジタル署名)

X

X

  • メッセージ プライバシのための標準 S/MIME および暗号化


X

メッセージ処理



  • 重複メッセージの削除

X

X

  • メッセージの永続性

X

X

  • 高レベル ACK

X

X

  • 高レベル再試行

X

X

  • メッセージ ステータスの戻り

X

X

  • 明示的なコレオグラフィ

X

X

パフォーマンスと可用性



  • クラスタ化

X

X

  • 高可用性

X

X

  • 回復

X

X


 

サポートされていない RosettaNet 機能

このリリースの WebLogic Integration では、以下の RNIF 2.0 機能をサポートしていません。

表 3-2 サポートされていない RosettaNet 機能 

機能

サポート

同期応答メッセージ

この WebLogic Integration リリースでは、非同期のシングルアクション アクティビティとダブルアクション アクティビティだけをサポートしている。同期のシングルアクション アクティビティとダブルアクション アクティビティはサポートしていない。

RNIF 2.0 での SMTP 転送の使用

RNIF 2.0 は、HTTP 転送に偏ってはいるものの、転送には依存せず、SMTP 転送の使用例を示すドキュメントを含んでいる。この WebLogic Integration リリースでは、HTTP 転送と HTTPS 転送をサポートしているが、SMTP はサポートしていない。


 

 


RosettaNet の概念

ここでは、PIP を WebLogic Integration に実装する上で必要な RosettaNet の概念を説明します。内容は以下のとおりです。

RosettaNet プロトコル レイヤ

RosettaNet プロトコル レイヤを使用すると、転送、メッセージのパッケージ化、およびセキュリティに関する RNIF 1.1 および RNIF 2.0 仕様に従い、インターネット経由でメッセージを送受信することが可能になります。

WebLogic Integration トレーディング パートナが RosettaNet メッセージを受信すると、転送サーブレットがそのメッセージを RosettaNet デコーダに転送します。RosettaNet デコーダは、プロトコル固有のメッセージ ヘッダを処理し、メッセージを送信したトレーディング パートナを識別し、その RosettaNet メッセージを JMS キューに転送します。WebLogic Integration トレーディング パートナが RosettaNet メッセージを送信すると、RosettaNet エンコーダが送信側 JMS 発信イベント キューからそのメッセージを取得し、転送サービスに転送します。

Partner Interface Processes (PIP)

RosettaNet PIP は、トレーディング パートナがトランザクションの実行中に参加するパブリック プロセスを定義します。PIP は、個々の RosettaNet メッセージ交換のロール、コレオグラフィ、ビジネス メッセージの内容、その他の設計詳細を定義します。たとえば、PIP 3A2 (Query Price and Availability) で定義されるプロセスは、顧客トレーディング パートナが製品サプライヤ トレーディング パートナとともに実行して、顧客が購入しようとし、製品サプライヤが販売しようとする商品の価格と入手可能性の情報を取得するプロセスです。PIP に参加しているトレーディング パートナは、PIP で各自のロールに定義されているパブリック プロセスを実装する必要があり、また、プライベート プロセスおよびビジネス プロセスだけでなく、内部システムもパブリック プロセスに接続する必要があります。

パブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセス

RosettaNet ビジネス プロセスは、パブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセスを分離する RosettaNet 設計方針に準拠しています。パブリック ビジネス プロセスは、トレーディング パートナ間のビジネス メッセージの交換を可能にし、プライベート ビジネス プロセスは、内部のバックエンド システムと対話します。パブリック ビジネス プロセスの PIP 編成方法は標準化され、かつ、高度に構造化されており、プライベート ビジネス プロセスは、各トレーディング パートナの内部環境に合わせて高度にカスタマイズされています。プライベート プロセスは、主に JMS キューをベースとして明確に定義されたインタフェースを経由して、パブリック プロセスと通信します。詳細については、「パブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセス」を参照してください。

PIP 設計パターン

RosettaNet PIP は、次の設計パターンのうちいずれかに従っています。

WebLogic Integration では、RosettaNet PIP は、パブリック ビジネス プロセスとして実装されます。RosettaNet PIP は少数の汎用設計パターンに従っているだけなので、1 つの PIP を実装した後に、その実装をコピーして多少変更する (たとえば、ビジネス メッセージ スキーマ定義とビジネス プロセス プロパティを変更する) ことによって、同様の設計パターンを持つ別の PIP を容易に実装できます。

RosettaNet の設計パターンとコレオグラフィの詳細については、http://www.rosettanet.org にある『RosettaNet Implementation Framework Core Specification』(version V02.00.01) を参照してください。

非同期シングルアクション アクティビティ

非同期シングルアクション アクティビティの設計パターンには、以下のように、送信者からのシングル アクション (ビジネス メッセージ) と、受信者から送信者に返されるシングル アクション (確認、ack-reject、エラーなどのプロトコル応答) が関与します。

  1. 開始者が参加者にビジネス メッセージを送信する。
  2. 参加者は、要求ビジネス メッセージを受信した後、受信確認を開始者に送信する。

この設計パターンは、あるトレーディング パートナから別のトレーディング パートナへの通知のように、典型的な一方向送信 (確認応答付き) です。この設計パターンの一例が PIP3B2 (Notify of Advance Shipment) にあります。http://www.rosettanet.org/PIP3B2 を参照してください。

次の図は、WebLogic Integration においてパブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセスが非同期シングルアクション コラボレーションに関与する動作の一例を示したものです。

図 3-1 非同期シングルアクション アクティビティ設計パターンでのパブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセス


 

このサンプル シナリオでは、メッセージ フローは次のステップで進みます。

  1. 開始者のプライベート ビジネス プロセスが、内部データ フォーマットで通知ドキュメントを作成し、これをパブリック ビジネス プロセスに送信します。
  2. 開始者のパブリック ビジネス プロセスが、その通知ドキュメントを受信し、これを適切な PIP フォーマットに変換して、参加者トレーディング パートナに送信します。
  3. 注意 : 発信メッセージと着信メッセージについては、WebLogic Integration は、RosettaNet ビジネス メッセージの非ペイロード部分 (バージョン、内容の長さ、ヘッダ、デジタル署名など) のパッケージ化を自動処理し、同時に転送レベルのセキュリティとメッセージレベルのセキュリティを自動処理します。

  4. 参加者側では、WebLogic Integration が、RosettaNet ビジネス メッセージを開始者から受信し、着信ビジネス メッセージの内容を検証し、ドキュメントを適切なパブリック ビジネス プロセスに転送するプロセスを処理します。
  5. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが開始者から通知ドキュメントを受信し、受信確認を開始者に送信します。
  6. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが、そのドキュメントを PIP フォーマットから適切な内部データ フォーマットに変換し、これをプライベート ビジネス プロセスに送信します。

あるいは、両方のプライベート ビジネス プロセスがプライベート データ フォーマットから適切な RosettaNet PIP への変換を処理することも可能です。また、プライベート ビジネス プロセスとパブリック ビジネス プロセスが、内部的手段によって、全体のプロセスが成功したかどうかを示すことが可能です。

非同期ダブルアクション アクティビティ

非同期ダブルアクション アクティビティ設計パターンには、以下のように、2 つのアクションが関与します。送信者から受信者へのシングル アクション (ビジネス メッセージ)、受信者から送信者に返すシングル アクション (ビジネス メッセージ)、およびそれぞれに対応する相手へのシグナル (確認、ack-reject、エラーなどのプロトコル応答) です。

  1. 開始者が参加者にビジネス メッセージ要求を送信する。
  2. 参加者が開始者に受信確認を送信する。
  3. 参加者が開始者にビジネス メッセージ応答を送信する。
  4. 開始者が参加者に受信確認を送信する。

この設計パターンは、要求 / 応答アクティビティのように、相互の確認を必要とする、典型的なトレーディング パートナ間二方向 (双方向) 通信です。この設計パターンの一例が PIP3A4 (Request Purchase Order) にあります。http://www.rosettanet.org を参照してください。

次の図は、WebLogic Integration においてパブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセスが非同期ダブルアクション コラボレーションに関与する動作の一例を示したものです。

図 3-2 非同期ダブルアクション アクティビティ設計パターンでのパブリック ビジネス プロセスとプライベート ビジネス プロセス


 

このサンプル シナリオでは、メッセージ フローは次のステップで進みます。

  1. 開始者のプライベート ビジネス プロセスが、内部データ フォーマットで要求を作成し、これをパブリック ビジネス プロセスに送信します。
  2. 開始者のパブリック ビジネス プロセスが、その要求を受信し、これを適切な PIP フォーマットに変換して、参加者トレーディング パートナに送信します。
  3. 注意 : 発信メッセージと着信メッセージについては、WebLogic Integration は、RosettaNet ビジネス メッセージの非ペイロード部分 (バージョン、内容の長さ、ヘッダ、デジタル署名など) のパッケージ化を自動処理し、同時に転送レベルのセキュリティとメッセージレベルのセキュリティを自動処理します。

  4. 参加者側では、WebLogic Integration が、RosettaNet ビジネス メッセージを開始者から受信し、着信ビジネス メッセージの内容を検証し、ドキュメントを適切なパブリック ビジネス プロセスに転送するプロセスを処理します。
  5. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが開始者から要求ドキュメントを受信し、受信確認を開始者に送信します。
  6. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが、その要求ドキュメントを PIP フォーマットから適切な内部データ フォーマットに変換し、これをプライベート ビジネス プロセスに送信します。
  7. 参加者のプライベート ビジネス プロセスが、その要求を処理し、内部フォーマットで応答を作成し、それを参加者のパブリック ビジネス プロセスに送信します。
  8. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが、応答を内部データ フォーマットから PIP フォーマットに変換し、その応答ドキュメントを開始者に送信します。
  9. 開始者側では、WebLogic Integration が、RosettaNet ビジネス メッセージを開始者から受信し、着信ビジネス メッセージの内容を検証し、ドキュメントを適切なパブリック ビジネス プロセスに転送するプロセスを処理します。
  10. 参加者のパブリック ビジネス プロセスが応答ドキュメントを受信し、受信確認を参加者に送信します。
  11. 開始者のパブリック ビジネス プロセスが、その応答ドキュメントを PIP フォーマットから適切な内部データ フォーマットに変換し、これをプライベート ビジネス プロセスに送信します。

シングルアクション アクティビティ設計パターンの場合と同様に、両方のプライベート ビジネス プロセスがプライベート データ フォーマットから適切な RosettaNet PIP への変換を処理することも可能です。また、プライベート ビジネス プロセスとパブリック ビジネス プロセスが、内部的手段によって、全体のプロセスが成功したかどうかを示すことが可能です。

同期シングルアクション/ダブルアクション アクティビティ

RosettaNet では、即時応答が必要となる非同期設計パターンの同期バージョンも規定されています。現行リリースの WebLogic Integration では、同期設計パターンをサポートしていません。

RosettaNet ビジネス メッセージ

WebLogic Integration は、RosettaNet Implementation Framework (RNIF) 1.1 および 2.0 に準拠した、RosettaNet メッセージの送受信をサポートしています。RosettaNet 1.1 プロトコルを使用して交換されるビジネス メッセージを、RosettaNet Object (RNO) と呼びます。RosettaNet 2.0 プロトコルを使用して交換されるビジネス メッセージを、RosettaNet Business Message (RBM) と呼びます。

注意 : このドキュメントでは、RNO と RBM の両方を RosettaNet ビジネス メッセージと呼びます。

RNIF は、PIP を実装するための交換プロトコルを提供します。RNIF では、XML を使用して、トレーディング パートナ サーバ間の情報交換が規定されています。これは、転送、ルーティングおよびパッケージ化、セキュリティ、シグナル、トレーディング パートナ契約などをカバーします。RosettaNet メッセージには、すべての RosettaNet メッセージに共通な要素と、特定の PIP に固有の要素があります。RosettaNet メッセージを一貫した方法で構造化および処理するために、各 PIP にはメッセージ ガイドラインと XML 文書型定義 (DTD) が付属しています。

注意 : WebLogic Integration は、メッセージ送信のための文字エンコードをサポートしています。WebLogic Integration では、すべての RosettaNet メッセージに UTF-8 形式の文字エンコードを使用します。

RosettaNet ビジネス メッセージのコンポーネント

ここでは、RosettaNet ビジネス メッセージのコンポーネントについて説明します。

RNIF 1.1 用 RosettaNet オブジェクト (RNO)

次の図は、RNIF 1.1 用 RosettaNet ビジネス メッセージの各コンポーネントを表します。

図 3-3 RNIF 1.1 用 RosettaNet オブジェクト (RNO) のコンポーネント


 

次の表は、RNO のコンポーネントについての説明です。

表 3-3 RNO のコンポーネント 

コンポーネント

説明

バージョン

RNIF のバージョン (1.1) をバイナリ フォーマットで指定する。

内容の長さ

マルチパート MIME メッセージの長さ (バイナリ フォーマット)。

ヘッダ

以下のヘッダが含まれる。

  • プリアンブル ヘッダ

  • サービス ヘッダ

内容 (ペイロード)

以下のコンポーネントが含まれる。

  • サービス内容—アクションまたはシグナル メッセージを含む。

  • 添付ファイル—オプション。XML データと非 XML (バイナリ) データで構成される添付ファイルを 0 個以上含めることができる。たとえば、Word 文書、GIF 画像、PDF ファイルなどを添付ファイルに含めることができる。各添付ファイルの情報は、メッセージのサービス ヘッダに格納される。

デジタル署名 (オプション)

省略可能。デジタル署名。

  • 署名の長さ (バイナリ フォーマット)。

  • 署名 (PKCS7) (バイナリ フォーマット)。


 

RNIF 2.0 用 RosettaNet ビジネス メッセージ (RBM)

RosettaNet Implementation Framework 2.0 では、RosettaNet Business Message (RBM) の構成が次のように変更されました。

次の図は、RBM のコンポーネントを示します。

図 3-4 RNIF 2.0 用 RosettaNet ビジネス メッセージのコンポーネント


 

次の表は、RBM のコンポーネントについての説明です。

表 3-4 RBM のコンポーネント 

コンポーネント

説明

ヘッダ

以下のヘッダが含まれる。

  • プリアンブル ヘッダ

  • 配信ヘッダ

  • サービス ヘッダ

ペイロード

以下のコンポーネントが含まれる。

  • サービス内容—アクションまたはシグナル メッセージを含む。

  • 添付ファイル—オプション。XML データと非 XML (バイナリ) データで構成される添付ファイルを 0 個以上含めることができる。たとえば、Word 文書、GIF 画像、PDF ファイルなどを添付ファイルに含めることができる。各添付ファイルの情報は、メッセージのサービス ヘッダに格納される。


 

WebLogic Integration による RosettaNet メッセージの非ペイロード部分の処理

WebLogic Integration は、RosettaNet ビジネス メッセージの送受信時に、パッケージ化、転送レベルのセキュリティ、およびメッセージレベルのセキュリティを自動処理するとともに、ビジネス メッセージの非ペイロード部分 (バージョン、内容の長さ、ヘッダ、およびデジタル署名) を自動処理するので、WebLogic Workshop ビジネス プロセスはサービス内容と添付ファイルの処理に集中できます。

RosettaNet ビジネス メッセージの検証

RosettaNet PIP 定義には、PIP で交換されるメッセージに対する詳細な検証ルールが含まれます。これらのルールは、XML 文書型定義 (DTD) の中で示されている検証より大幅に厳格です。必要な検証ルールは、XML スキーマ文書 (XSD) に記載されています。XSD は、World Wide Web Consortium (W3C) 2000 XML Schema Definitions (XSD) スキーマがベースになっています。

WebLogic Integration は、RNIF 1.1 メッセージと RNIF 2.0 メッセージの両方に対してメッセージ検証サービスを提供します。実行される検証は、次の要因によって異なります。

RosettaNet メッセージ検証のコンフィグレーション

これらのオプションを WebLogic Integration Administration Console でコンフィグレーションするには

  1. RosettaNet 用サービスを追加します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「サービスの追加」を参照してください。
  2. このサービスを編集します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「サービスの表示と変更」を参照してください。
  3. [サービスの詳細を表示および編集] ページで、[デフォルトの追加] をクリックします。
  4. RosettaNet ビジネス メッセージの検証オプションをコンフィグレーションします。

RosettaNet メッセージ検証の詳細

RosettaNet メッセージ検証の詳細については、以下のドキュメントを参照してください。

 


RosettaNet ビジネス プロセス

ここでは、RosettaNet PIP を実装する WebLogic Workshop ビジネス プロセスについて説明します。内容は以下のとおりです。

RosettaNet ビジネス プロセス設計のガイドライン

各 RosettaNet PIP の仕様は、高度に構造化されています。この仕様は、ロール、メッセージ コレオグラフィ、ビジネス メッセージ構造、その他の設計詳細を規定します。RosettaNet ビジネス プロセスを実装する場合は、各 PIP ロールの PIP 仕様に準拠することが必要です。したがって、RosettaNet ソリューションのビジネス プロセスを設計する際には、以下のガイドラインを考慮してください。

RosettaNet 開始者ビジネス プロセス

WebLogic Integration では、開始者ビジネス プロセスで RosettaNet コントロールを使用することにより、WebLogic Workshop ビジネス プロセスがトレーディング パートナと RosettaNet 経由でビジネス メッセージおよびデータを交換できるようにしています。RosettaNet コントロールは、開始者ビジネス プロセスにおいて参加者との RosettaNet ビジネス メッセージの交換を管理する場合「のみ」使用します。RosettaNet コントロールは、ビジネス メッセージ、確認応答、およびエラーを送信するメソッドを提供し、また、参加者からの応答を処理するコールバック メソッドを提供します。

ビジネス プロセスでの RosettaNet コントロールの使用方法の詳細については、WebLogic Workshop ヘルプの「RosettaNet コントロール」にある以下のトピックを参照してください。

参加者ビジネス プロセスの概要については、「開始者と参加者のビジネス プロセス」を参照してください。

RosettaNet 参加者ビジネス プロセス

WebLogic Integration では、WebLogic Workshop テンプレート (RosettaNet 参加者ビジネス プロセス ファイル) を使用して、新しい RosettaNet 参加者ビジネス プロセスを簡単に作成できます。このテンプレートは、RosettaNet メッセージ交換のパブリック参加者ビジネス プロセスを構築するための土台になります。このファイルは、RosettaNet 参加者ビジネス プロセスの構築に必須ではありませんが、RosettaNet 開始者ビジネス プロセスと簡単に統合するために必要となるノードおよびビジネス プロセス コメントを含んでいます。また、確認応答、タイムアウト、再試行、エラーなどの標準的なコレオグラフィ パターンも含んでいます。参加者ビジネス プロセスの作成方法については、以下を参照してください。

参加者ビジネス プロセスの概要については、「開始者と参加者のビジネス プロセス」を参照してください。

 


RosettaNet ソリューションの実装タスク

ここでは、RosettaNet ソリューションの実装に関連するタスク全般を、大まかに説明します。内容は以下のとおりです。

注意 : ここでは、RosettaNet ソリューションの実装で「通常」行われるタスクについて、一般的に説明します。RosettaNet ソリューションを実装する処理は、繰り返しが多く、またユーザごとのビジネス要件やビジネス環境によって、範囲および順序が異なる場合があります。

始める前に

RosettaNet ソリューションの実装を始める前に、以下のドキュメントを読み直すことをお勧めします。

RosettaNet ソリューションのプランニング

フェーズ 1 : ソリューションのプランニング」での説明に従って、トレーディング パートナ統合のビジネス プロトコルとして RosettaNet を使用することを決定した後、実装に関連する次の要因を決定することにより、ソリューションのプランニングを行います。

『Trading Partner Integration のチュートリアル』に、さまざまな RosettaNet ソリューションの例が紹介されています。詳細については、「チュートリアル : RosettaNet ソリューションの構築」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs81/tptutorial/rosettanet.html) を参照してください。

RosettaNet ソリューションの構築

RosettaNet ソリューションのプランニングを完了したら、RosettaNet PIP 仕様に従って PIP を実装するビジネス プロセスを構築します。設計時ツールの詳細については、「フェーズ 2 : ソリューションの設計、構築、テスト」を参照してください。RosettaNet ビジネス プロセスの概念については、「RosettaNet ビジネス プロセス」を参照してください。

『Trading Partner Integration のチュートリアル』(http://dev2dev.bea.com/code/wli.jsp から入手可能) の「チュートリアル : RosettaNet ソリューションの構築」では、RosettaNet ソリューションの構築に必要な主要タスクについて具体的に説明しています。

RosettaNet ソリューションを構築するには

  1. BEA WebLogic Platform の Configuration Wizard を使用して、WebLogic Integration ドメイン テンプレートをベースとする新しいドメインを作成します。手順については、WebLogic Platform のドキュメントの『コンフィグレーション ウィザードの使い方』を参照してください。
  2. 仕様およびすべての DTD を含む PIP 配布キットを、RosettaNet の Web サイト (http://www.rosettanet.org/) からダウンロードします。
  3. 必要であれば、DTD を XSD ファイルに変換します。手順については、『Trading Partner Integration のチュートリアル』で「チュートリアル : RosettaNet ソリューションの構築」の「RosettaNet DTD スキーマを XSD スキーマに変換する」を参照してください。
  4. 使用する設計パターンに関連するサンプル PIP 実装を、『Trading Partner Integration のチュートリアル』からコピーします。設計パターンの詳細については、「PIP 設計パターン」を参照してください。
  5. WebLogic Workshop で、新しい PIP に使用するスキーマをプロジェクトにインポートし、スキーマ定義を新しい PIP に変更します。
  6. 新しい PIP 用に、RosettaNet 注釈を変更します。
  7. 必要に応じて、JPD ファイルおよび JCX ファイルの名前を変更し、新しい PIP 実装に従って他のコンポーネントの名前を変更します。
  8. 必要に応じて、「プライベート」ビジネス プロセスの実装を変更します。
  9. 必要に応じて、その他の変更をビジネス プロセスに加えます。
  10. デフォルトの TPM リポジトリ コンフィグレーション (「デフォルトの TPM リポジトリ設定」を参照) とデフォルトのセキュリティ設定 (「デフォルトのドメイン セキュリティ コンフィグレーション」を参照) を使用して ebXML ソリューションをテストします。

注意 : RosettaNet トレーディング パートナへの接続を初めて設定するときは、コンフィグレーションをテスト モードで実行して、このモードによって提供されるデバッグ機能を利用することをお勧めします。Web Logic Integration RosettaNet コンフィグレーションをテスト モードで実行するには、setProperties メソッドの中に次の 2 つの注釈を指定します。

-Set global-usage-code to Test.

- debug-modetrue を設定する

setPropertiesメソッドの詳細については、「RosettaNet Control インターフェース」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/workshop/docs81/doc/ja_JP/integration/java-class/com/bea/control/RosettaNetControl.html)を参照してください。

RosettaNet ソリューションのデプロイ

RosettaNet ソリューションの構築およびテストが完了したら、そのソリューションをプロダクション環境にデプロイします。デプロイメント ツールの詳細については、「フェーズ 3 : ソリューションのデプロイ」を参照してください。WebLogic Integration ソリューションのデプロイ方法の詳細については、『WebLogic Integration ソリューションのデプロイメント』(下記 URL から入手可能) を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs81/deploy/index.html

RosettaNet ソリューションをデプロイするには

  1. 必要に応じて、BEA WebLogic Platform の Configuration Wizard を使用して、WebLogic Integration ドメイン テンプレートをベースとする新しいドメインを作成します。手順については、WebLogic Platform のドキュメントの『コンフィグレーション ウィザードの使い方』を参照してください。
  2. WebLogic Server をプロダクション モードで起動します。
  3. WebLogic Integration Administration Console を使用して、以下のタスクを実行します。
  4. 注意 : トレーディング パートナ情報をすでに開発環境で定義している場合は、その情報を外部ファイルにエクスポートし、そのファイルをプロダクション環境にインポートすることができます。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「管理データのエクスポート」と「管理データのインポート」を参照してください。

    1. トレーディング パートナを TPM リポジトリに追加します。これには、トレーディング パートナ ID に使用される DUNS 番号などの基本プロファイル情報が含まれます。手順については、『WebLogic Integration ソリューションの管理』の「トレーディング パートナー管理」にある「トレーディング パートナ プロファイルの追加」を参照してください。.
    2. 各トレーディング パートナについて、そのトレーディング パートナとのメッセージ交換に使用するプロトコル バインディング (RNIF バージョン 1.1 または 2.0、およびその他の設定など) を定義します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「RosettaNet 1.1 または 2.0 バインディングの定義」を参照してください。
    3. 失敗ロールの PIP 通知を定義します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「RosettaNet バインディングについて、失敗ロールの PIP 通知をコンフィグレーションする」を参照してください。
    4. デプロイメントで使用するサービスを定義します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「サービスの追加」を参照してください。
    5. 各トレーディング パートナについて、各サービスに関連付けられたサービス プロファイル (ローカルおよびリモートのトレーディング パートナのプロトコル バインディングと URL エンドポイント) を定義します。手順については、「トレーディング パートナ管理」の「サービスへのサービス プロファイルの追加」を参照してください。
  5. WebLogic Server Administration Console および WebLogic Integration Administration Console を使用して、デプロイメントのセキュリティを実装します。これについては、「Trading Partner Integration のセキュリティの実装」を参照してください。
  6. プロダクション環境の必要に応じて、ドメインをコンフィグレーションします (クラスタ化、高可用性、ロード バランス、フェイルオーバ、その他)。手順については、『WebLogic Integration ソリューションのデプロイメント』(下記 URL から入手可能) を参照してください。
  7. http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs81/deploy/index.html
  8. RosettaNet ソリューションに関連付けられたアプリケーションやその他の WebLogic Integration リソースをデプロイします。手順については、『WebLogic Integration ソリューションのデプロイメント』(下記 URL から入手可能) を参照してください。
  9. http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs81/deploy/index.html

RosettaNet ソリューションの管理

RosettaNet ソリューションのデプロイが完了したら、通常は、実行時のパフォーマンス、メッセージ ボリューム、リソース使用率、その他の要素をモニタして、ソリューションが最適動作するようにします。モニタ ツールの詳細については、「フェーズ 4 : ソリューションの管理と調整」を参照してください。

トレーディング パートナ統合リソースのモニタ手順については、『WebLogic Integration ソリューションの管理』の「トレーディング パートナ管理」にある以下のトピックを参照してください。

 

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