ビジネス プロセス構築ガイド

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ebXML 参加者ビジネス プロセスの構築

ebXML プロトコル (Electronic Business using eXtensible Markup Language) は、あらゆる場所であらゆる規模の企業がインターネット経由で業務を行うことを可能にする仕様のモジュラ スイートです。ebXML は UN/CEFACT および OASIS でサポートされています。ebXML については、次の URL にアクセスしてください。

http://www.ebXML.org

ここでは、ebXML の参加者ビジネス プロセスについて説明します。開始者ビジネス プロセスには、ebXML コントロールを使用します。これは、会話で ebXML メッセージの送受信を行うメソッドを提供します。

ここでは、BEA Workshop for WebLogic Platform の ebXML 参加者ビジネス プロセスの構築に使用できるテンプレートについて説明します。内容は以下のとおりです。

ebXML 参加者ビジネス プロセスについて

生成される ebXML 参加者ビジネス プロセス ファイルは、ebXML 会話のパブリック参加者ビジネス プロセスを構築するための土台になります。このファイルは、ebXML 参加者ビジネス プロセスの構築に必須ではありませんが、ebXML 開始者ビジネス プロセスと簡単に統合するために必要となるノードおよびビジネス プロセス アノテーションを含んでいます。

生成される ebXML 参加者ビジネス プロセス ファイルは、次の順序でリンクされる以下のノードで構成されています。

表 26-1 ebXML ノード
ノード名
ノードの種類
メソッド名
説明
Start
開始
 
開始ノードの詳細については、「ビジネス プロセスの開始」を参照。
Receive Request
クライアント要求
request
開始者から ebXML メッセージを受信した後、ebXML 参加者ビジネス プロセスを開始する。Client Request ノードについては、「クライアントからメッセージを受信する」を参照。
Respond to Request
クライアント応答
response
応答ドキュメントを開始者に送り返す。Client Response ノードについては、「メッセージのクライアントへの送信」を参照。
Finish
完了
 
ebXML 参加者ビジネス プロセスを終了する。完了ノードについては、「ビジネス プロセスでのエンドポイントの指定」を参照。

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ebXML 参加者ビジネス プロセスの作成

ebXML 参加者ビジネス プロセスのカスタマイズ

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ebXML 参加者ビジネス プロセスを作成するには
  1. まだ作成していない場合は、新しいアプリケーションまたは既存のアプリケーション内の新しいプロジェクトを作成します。
  2. BEA Workshop for WebLogic Platform メニューから、[ファイルArrow symbol新規Arrow symbolその他] を選択します。[ウィザードを選択] ダイアログ ボックスが表示されます。
  3. WebLogic Integration を展開して、[ebXml 参加者プロセス] を選択し、[次へ] をクリックします。
  4. [名前] フィールドに、Java ファイルの名前を入力します。
  5. [ソース・フォルダー] フィールドに表示されたディレクトリ以外の場所に Java ファイルを作成するには、[参照] ボタンをクリックしてターゲット ディレクトリを選択し、[OK] をクリックします。
  6. [終了] をクリックします。
  7. BEA Workshop for WebLogic Platform は新しい ebXML 参加者プロセス Java ファイルを作成し、デザイン ビュー ペインに表示します。

  8. 作業内容を保存するには、[ファイルArrow symbol保管] を選択します。
  9. process.java ファイルを作成すると、Java ファイルの名前が WebLogic Integration Administration Console の [サービス] タブで使用できるようになります。

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ebXML 参加者ビジネス プロセスについて

ebXML 参加者ビジネス プロセスのカスタマイズ

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ebXML 参加者ビジネス プロセスを作成したら、関連する ebXML 会話用にカスタマイズする必要があります。一般的なカスタマイズの作業は以下のとおりです。

実装要件に応じて、参加者ビジネス プロセスに追加のカスタマイズが必要になる場合があります。たとえば、参加者ビジネス プロセスは一般的に、その他のコントロール (ファイル、JMS、またはアプリケーション ビュー コントロールなど) またはサブプロセスを呼び出して、必要なバックエンド統合を実現します。

ビジネス プロセス アノテーションのコンフィグレーション (必須)

生成される ebXML 参加者ビジネス プロセス ファイルでは、次のデフォルト アノテーションを指定します。

ebxmlActionMode="non-default,ebxmlServiceName="eBXML" "protocol-name="ebxml"

これらのプロパティは、ビジネス プロセスの開始ノードを選択したときに表示される [アノテーション] ビューで設定します。次のアノテーションを見直して (必要に応じて) 編集します。

表 26-2 ebXML アノテーション
プロパティ
デフォルト
説明
ebxmlActionMode
デフォルト以外
このビジネス プロセスのアクション モードである。ebXML メッセージのメッセージ ヘッダにある eb:Action 要素で指定される値を決定する。この値は、同じ会話の中で複数のメッセージ交換が行われるときに重要になる。以下のいずれかの値を選択する。
  • default - eb:Action 要素を SendMessage (デフォルト名) に設定する。
  • non-default - eb:Action 要素を、開始者ビジネス プロセス内でメッセージを送信する (ebXML コントロール上の) メソッドの名前に設定する。開始者から参加者にメッセージを送信するためには、この名前が、対応する参加者ビジネス プロセスにあるクライアント要求ノードのメソッド名と一致していなければならない。参加者から開始者にメッセージを送信するためには、参加者ビジネス プロセス内のクライアント コールバック ノードのコールバック インタフェースにあるメソッド名が、開始者ビジネス プロセス内のコントロール コールバック インタフェースにある (ebXML コントロール上の) メソッド名と一致していなければならない。確実に回復できるようにし、かつ、高可用性を実現するためには、non-default の使用を推奨する。
特に指定しなければ、ebxml-action-modenon-default に設定される。
service-name
serviceName
このビジネス プロセスに関連付けられた ebXML サービスの名前である。ここで指定される名前は、開始者側 (たとえば、開始者ビジネス プロセスの ebXML コントロール上の ebxml サービス名) において指定されたサービス名と一致する必要がある。このサービス名をトレーディング パートナに提供する。
protocolName
ebxml
変更しない。

注意 : [アノテーション] ビューが、デザイン ビューに表示されない場合は、BEA Workshop for WebLogic Platform メニューから [ウィンドウArrow symbolビューの表示Arrow symbolアノテーション] を選択します。

ebXML アノテーションの詳細については、 http://edocs.bea.com/wli/docs92/wli.javadoc/com/bea/wli/jpd/EbXML.html を参照してください。ビジネス プロセス プロパティのコンフィグレーションの詳細については、「ビジネス プロセス言語」を参照してください。

名前と引数タイプのカスタマイズ (省略可能)

デフォルトでは、ebXML 参加者ビジネス プロセスには、Receive request というクライアント要求ノードがあり、開始者からの着信 ebXML 要求メッセージを処理します。複数回のやりとりを伴うビジネス プロセスの場合は、開始者からの ebXML メッセージの受信に関係するその他のオペレーションのために、追加のクライアント要求ノードを作成する必要があります。このノードをビジネス プロセスに追加するには、ノード パレットから [ Client Request] を、ビジネス プロセス上にドラッグします。

Client Request ノードを作成したら、request メソッドの場合には、添付ファイルとその Java データ型を着信メッセージに対して指定します。データ型は、着信メッセージの内容と一致する必要があり、次の値のいずれかになります。

表 26-3 データ型
データ型
説明
XmlObject
デフォルト。型なしの XML フォーマットのデータを表す。XML データは、設計時には指定されない。
XmlObject[]
1 つまたは複数の XmlObject 要素を含む配列。
RawData
任意の非 XML 構造化データまたは非構造化データを表す。このデータの MFL ファイルは存在しない (そのため、既知のスキーマはない)。
RawData[]
1 つまたは複数の RawData 要素を含む配列。
MessageAttachment[]
ebXML のビジネス メッセージの 1 つまたは複数の部分を含む配列。メッセージ パートには型なしの XML データ (XmlObject データ型) と非 XML データ (RawData データ型) がある。異なる種類のペイロード (XML と非 XML) を同じメッセージで送信するときに使用される。メッセージ部分の実際の数は、処理されるまで不明なことがある。

注意 : 型付き XML データや型付き MFL データを添付ファイルにすることもできますが、その場合は対応する XML Bean クラス名や MFL クラス名をパラメータ内で指定する必要があります。データ型の詳細については、「データ型の操作」を参照してください。

ペイロードの指定には、以下の制約が適用されます。

ebXML メッセージ エンベロープの取得 (省略可能)

以下の例に示すように、@jpd:ebxml-method タグの message-envelope アノテーションを使用すると、着信 ebXML メッセージのメッセージ エンベロープを取得できます。

/**
*@jpd:ebxml-method message-envelope="{env}"
*/
public void request(XmlObject payload, XmlObject env) {
}
注意 : メソッドで指定されたパラメータの名前と一致する限り、デフォルト値 (env) の名前を変更できます。

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