> アダプタの開発 > アダプタのデプロイ

アダプタの開発

     前  次    目次     
ここから内容

アダプタのデプロイ

アダプタを作成したら、エンタープライズ アーカイブ (Enterprise Archive : EAR) ファイルを使用して、アダプタをデプロイする必要があります。EAR ファイルを使用すると、すべてのアダプタ コンポーネントを 1 度にデプロイできるため、この作業を効率的に行えます。EAR ファイルのデプロイは、WebLogic Server Administration Console から実行できます。

この節では、以下の内容を扱います。

 

エンタープライズ アーカイブ (EAR) ファイルの使用

各アダプタは、1 つの EAR ファイルでデプロイされます。EAR ファイルには、デプロイに必要な設計時 Web アプリケーションの WAR ファイル、アダプタの RAR ファイル、アダプタの JAR ファイル、および共有 JAR ファイルが含まれています。この EAR ファイルは、コード リスト 10-1 に示す構造にします。

コード リスト 10-1 EAR ファイル構造 
adapter.ear
     application.xml
     sharedJar.jar
     adapter.jar
     adapter.rar
          META-INF
               ra.xml
               weblogic-ra.xml
               MANIFEST.MF
     designtime.war
          WEB-INF
               web.xml
          META-INF
               MANIFEST.MF

コード リスト 10-2 に、サンプル アダプタの EAR ファイルを示します。

コード リスト 10-2 サンプル アダプタの EAR ファイル 
sample.ear
 application.xml
   adk.jar (shared .jar between .war and .rar)
   bea.jar (shared .jar between .war and .rar)
   BEA_WLS_SAMPLE_ADK.jar (shared .jar between .war and .rar)
    BEA_WLS_SAMPLE_ADK.war (Web application with
         META-INF/MANIFEST.MF entry Class-Path:
      BEA_WLS_SAMPLE_ADK.jar adk.jar bea.jar log4j.jar 
        logtoolkit.jar xcci.jar xmltoolkit.jar)
    BEA_WLS_SAMPLE_ADK.rar (Resource Adapter with
      META-INF/MANIFEST.MF entry Class-Path: 
       BEA_WLS_SAMPLE_ADK.jar adk.jar bea.jar log4j.jar
       logtoolkit.jar xcci.jar xmltoolkit.jar)
	log4j.jar (shared .jar between .war and .rar)
	logtoolkit.jar (shared .jar between .war and .rar)
	xcci.jar (shared .jar between .war and .rar)
	xmltoolkit.jar (shared .jar between .war and .rar)

RAR ファイルと WAR ファイルは共有 JAR ファイルをインクルードせず、<manifest.classpath> 属性を使用して共有 JAR ファイルを参照します。

EAR ファイルでの共有 JAR ファイルの使い方

設計時アプリケーションは、アダプタの SPI クラスを非管理対象のシナリオで使用します。そのため、アダプタの SPI および CCI クラスは、EAR ファイルと同じディレクトリにある共有 JAR ファイルに含まれます。WAR および RAR クラスローダから共有 JAR ファイルのクラスにアクセスできるようにするには、MANIFEST.MF ファイルで、共有 EAR ファイルのインクルードを要求する必要があります。MANIFEST.FM の詳細については、「マニフェスト ファイル」または以下の URL のマニフェストに関する説明を参照してください。 


http://java.sun.com/docs/books/tutorial/jar/basics/manifest.html

BEA_WLS_SAMPLE_ADK.rar ファイルと BEA_WLS_SAMPLE_ADK.war ファイルには、コード リスト 10-3 に示す META-INF/MANIFEST.MF が含まれています。

コード リスト 10-3 マニフェスト ファイルの例 
Manifest-Version: 1.0
Created-By: BEA Systems, Inc.
Class-Path: BEA_WLS_SAMPLE_ADK.jar adk.jar wlai-core.jar
 wlai-client.jar
注意 : ファイル名 MANIFEST.MF は、すべて大文字で表記します。正しく表記しないと、UNIX システムで認識されず、エラーが発生します。

EAR ファイルのデプロイメント記述子

コード リスト 10-4 に、EAR ファイルのコンポーネントを宣言するデプロイメント記述子を示します。この場合、これらのコンポーネントには設計時 WAR モジュールとアダプタ RAR モジュールが含まれます。

コード リスト 10-4 EAR ファイルのデプロイメント記述子 
<!DOCTYPE application PUBLIC '-//Sun Microsystems, Inc.//DTD J2EE Application 1.3//EN'
'http://java.sun.com/dtd/application_1_3.dtd'>
<application>
   <display-name>BEA_WLS_SAMPLE_ADK</display-name>
   <description>This is a J2EE application that contains a sample
      connector and Web application for configuring 
      application views for the adapter.</description>
   <module>
      <connector>BEA_WLS_SAMPLE_ADK.rar</connector>
   </module>
   <module>
      <web>
        <web-uri>BEA_WLS_SAMPLE_ADK.war</web-uri>
        <context-root>BEA_WLS_SAMPLE_ADK_Web</context-root>
      </web>
   </module>
   </application>

アダプタのデプロイは、WebLogic Server Administration Console から実行できます。この手順については、「WebLogic Server Administration Console を使用したアダプタのデプロイ」を参照してください。

 

WebLogic Server Administration Console を使用したアダプタのデプロイ

WebLogic Server Administration Console を使用してアダプタをコンフィグレーションおよびデプロイする手順は以下のとおりです。

  1. WebLogic Server Administration Console を起動します。
  2. ナビゲーション ツリー (左側のペイン) で、[デプロイメントArrow symbolアプリケーション] を選択します。

    3. [アプリケーション] ページが表示されます。

  3. [新しいアプリケーションのデプロイ...] を選択します。

    4. [新しいアプリケーションのデプロイ...] ページが表示されます。

  4. 以下のフィールドに値を入力します。
    • [名前] フィールドにアダプタの論理名を入力します。
    • [パス] フィールドに適切な EAR ファイルのパスを入力します。
    • [デプロイ] フィールドで、チェック ボックスが選択されていることを確認します。
  5. [適用] をクリックして、新しいエントリを作成します。
  6. [Configure Components] を選択します。
  7. 各コンポーネントに個別のターゲットを設定します。

WebLogic Server Administration Console からアプリケーション (またはアプリケーション コンポーネント) をインストールすると、該当するドメインのコンフィグレーション ファイル (/config/DOMAIN_NAME/config.xml。DOMAIN_NAME はドメイン名) にもそのアプリケーションまたはコンポーネントのエントリが作成されます。また、アプリケーションとアプリケーション コンポーネントをコンフィグレーションしてモニタするための JMX Management Bean (MBean) も生成されます。

 

アダプタの自動登録

WebLogic Integration では、アダプタのデプロイ時に、自動登録プロセスが実行されます。自動登録は、アダプタのデプロイメント フェーズで実行されます。このプロセスは、以下の 2 つのいずれかの方法で呼び出せます。

命名規約の使い方

設計時 Web アプリケーションとコネクタのデプロイメントに命名規約を使用することをお勧めします。

EAR ファイルを WebLogic Integration 環境でデプロイするときに、アダプタの論理名をファイル名として使用し、config.xml でファイルを定義します。コード リスト 10-5 に、その例を示します。

コード リスト 10-5 config.xml ファイルへのアダプタ論理名の追加 
<Application Deployed="true" Name="ALN"
      Path="WLI_HOME/adapters/ADAPTER/lib/ALN.ear">
    <ConnectorComponent Name="ALN" Targets="myserver"
     URI="ALN.rar"/>
   <WebAppComponent Name="ALN_EventRouter" Targets="myserver"
      URI="ALN_EventRouter.war"/>
   <WebAppComponent Name="ALN_Web" Targets="myserver"
      URI="ALN_Web.war"/>
</Application>

このコード リストでは、ALN フィールドにアダプタの論理名を入力します。この名前を、<ConnectorComponent> 要素の Name 属性の値として使用してください。

設計時 Web アプリケーションのデプロイメントに ALN_Web という名前を割り当てると、デプロイメントの際に、設計時 Web アプリケーションが自動的に Weblogic Server Administration Console で登録されます。この命名規約は、DBMS およびサンプル アダプタで使用されています。

テキスト ファイルの使い方

webcontext.txt という名前のテキスト ファイルを EAR ファイルのパス名のルート ディレクトリにインクルードすることもできます。webcontext.txt ファイルには、使用するアダプタの設計時 Web アプリケーションのコンテキストが含まれます。このファイルは、UTF-8 フォーマットでエンコードする必要があります。

 

Web アプリケーション デプロイメント記述子の編集

アダプタによっては、イベント ルータの Web アプリケーションで使用されるデプロイメント パラメータを変更する必要があります。たとえば、DBMS サンプル アダプタの場合、対応するイベント ジェネレータで使用されるデータベース URL の変更が必要になります。

この節では、WebLogic Server Administration Console のデプロイメント記述エディタを使用して、以下の Web アプリケーション デプロイメント記述子を編集する方法について説明します。

デプロイメント パラメータ

イベント ルータ サーブレットのパラメータは変更できます。以下のパラメータがあります。

デプロイメント記述子の編集

Web アプリケーション デプロイメント記述子を編集する手順は以下のとおりです。

  1. 以下の URL にアクセスして、ブラウザで WebLogic Server Administration Console を開きます。

    2. http://host:port/console

    この URL で、host は WebLogic Server が稼動するコンピュータ名、port は WebLogic Server がリスンするポート番号に置き換えます。以下に例を示します。 

    http://localhost:7001/console
  2. 左側のペインで、デプロイメント ノードおよびその下の Web アプリケーション ノードを展開します。
  3. デプロイメント記述子を編集する Web アプリケーションの名前を右クリックします。ドロップダウン メニューから、[Web アプリケーション デプロイメント記述子の編集] を選択します。WebLogic Server Administration Console が新しいブラウザに表示されます。

    4. これは、2 つのペインで構成されています。左側のペインには、Web アプリケーション デプロイメント記述子のすべての要素で構成されたナビゲーション ツリーが含まれます。右側のペインには、web.xml ファイルの説明要素のフォームが含まれます。

  4. Web アプリケーション デプロイメント記述子の要素を編集、削除、または追加するには、左側のペインで編集するデプロイメント記述子に対応するノードを展開します。以下のノードがあります。
    • WebApp Descriptor ノードには、web.xml デプロイメント記述子の要素がある。
    • WebApp Ext ノードには、weblogic.xml デプロイメント記述子の要素がある。
  5. Web アプリケーション デプロイメント記述子の既存の要素を編集する手順は以下のとおりです。
    1. 左側のペインのツリーで、親要素を順にクリックして展開し、編集する要素を表示します。
    2. 該当する要素名をクリックします。右側のペインに、選択した要素の属性または下位要素のリストと共にフォームが表示されます。
    3. 右側のペインのフォーム内のテキストを編集します。
    4. [適用] をクリックします。
  6. Web アプリケーション デプロイメント記述子に新しい要素を追加する手順は以下のとおりです。
    1. 左側のペインのツリーで、親要素を順にクリックして展開し、作成する要素の名前を表示します。
    2. 適切な要素名を右クリックし、ドロップダウン メニューから [Configure a New Element] を選択します。右側のペインにフォームが表示されます。
    3. 右側のペインのフォームに、要素の情報を入力します。
    4. [作成] をクリックします。
  7. Web アプリケーション デプロイメント記述子から既存の要素を削除する手順は以下のとおりです。
    1. 左側のペインのツリーで、親要素を順にクリックして展開し、削除する要素の名前を表示します。
    2. 適切な要素名を右クリックし、ドロップダウン メニューから [Delete Element] を選択します。確認ページが表示されます。
    3. [削除] ページで [はい] をクリックして、要素の削除を確定します。
  8. Web アプリケーション デプロイメント記述子の変更がすべて完了したら、左側のペインでツリーのルート要素をクリックします。ルート要素は、Web アプリケーションの *.war アーカイブ ファイルの名前または Web アプリケーションの表示名です。
  9. Web アプリケーション デプロイメント記述子のエントリが有効かどうかを確認する場合は、[検証] をクリックします。
  10. [Persist] をクリックして、編集したデプロイメント記述子ファイルを WebLogic Server のメモリだけでなく、ディスクにも書き込みます。

 

WebLogic Integrator クラスタでのアダプタのデプロイメント

アダプタは、WebLogic Integration クラスタにデプロイできます。クラスタ化された WebLogic Integration 環境におけるアダプタのデプロイメントの詳細については、以下の URL にある『WebLogic Integration ソリューションのデプロイメント』の「WebLogic Integration クラスタについて」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs92/deploy/cluster.html

 

アダプタ インスタンスの再デプロイ

アダプタ インスタンスのイベント接続またはサービス接続を変更した場合は、変更を有効にするためにインスタンスを再デプロイする必要があります。アダプタ インスタンスを再デプロイすると、依存アプリケーション ビューも再デプロイされます。WebLogic Integration Administration Console を使用してアダプタ インスタンスを再デプロイすることができます。詳細については、次の URL にある『WebLogic Integration Administration Console の使用』の「アプリケーション ビュー インスタンスおよびアダプタ インスタンスのサスペンド、再開、および再デプロイ」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs92/adminhelp/ai.html#wp1077583

警告 : アダプタ インスタンスの再デプロイ操作では、アンデプロイおよび再デプロイ時の実行中トランザクションまたはトランザクション リクエストのトランザクション リカバリはまったく保証されません。トランザクションの処理中に再デプロイを実行すると、予測できない動作や、データベースと WebLogic Integration Administration Console の間で不一致が発生する可能性があります。

  ページの先頭       前  次