概要

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データ トランスフォーメーション

データ トランスフォーメーションとは、データをあるフォーマットから別のフォーマットにマッピングして変換することです。たとえば、ある XML スキーマで有効な XML データを別の XML スキーマで有効な XML ドキュメントに変換することができます。また、XML 以外のデータを XML データに変換することもできます。

データ トランスフォーメーションを使用すると、XML、非 XML、および Java の各データ フォーマット間で変換することができます。これにより、データ表現にどのフォーマットが使用されていても、さまざまなアプリケーションを迅速に統合できます。データ トランスフォーメーション機能はトランスフォーメーション コントロールを使用して実行できます。また、コントロールとしてパッケージ化して、複数のビジネス プロセスやアプリケーションで再利用することができます。

以下のセクションでは、データ トランスフォーメーションの概要と、データ トランスフォーメーションの主要な機能について説明します。

 


データ トランスフォーメーションの概要

WebLogic Workshop のビジネス プロセスでは、XQuery 式または eXtensible Stylesheet Language Transformation (XSLT) を使用して XML データを変換することができます。WebLogic Server Process Edition には、既存の XSLT をビジネス プロセスで実行する機能が用意されています。さらに、XQuery を使用してデータ変換を行う新しく簡単な方法も提供しています。XQuery は、単純で馴染み深い SQL に類似の式と、使いやすいデータ マッピング ツールがある、標準ベースのクエリ言語です。

WebLogic Server Process Edition は、高性能なビジュアル データ マッピング ツールの XQuery Transformation Mapper を特長としています。このツールを使用すると、複雑なトランスフォーメーションを簡単に生成することができます。次の図に、XQuery Transformation Mapper を示します。WebLogic Workshop のマッパー機能を使用すると、異なる型のデータを変換できます。さらに、型なしデータを型付き変数に割り当てたり、パラメータ名およびカスタム Java クラスをマップに含めたり、ユーザが編集した関数および構造関係から暗示されるリンクをマップに表示したりすることもできます。

図 4-1 XQuery Transformation Mapper

XQuery Transformation Mapper

WebLogic Workshop では、データ トランスフォーメーションのグラフィック表現からクエリが生成されます。生成されたクエリは、データを変換するビジネス プロセスによって実行時に呼び出されます。クエリは World Wide Web Consortium (W3C) によって定義された XQuery 言語で記述されます。W3C は、XML データのクエリと検索を行うための、ベンダに依存しない言語を提供しています。

データ トランスフォーメーションのために、既存の XSLT を WebLogic Workshop にインポートすることもできます。XSLT は eXtensible Stylesheet Language (XSL) で記述されます。これは W3C によって定義された旧式の言語で、スタイルシートを使用した XML データの変換をサポートしています。WebLogic Workshop で優先されるデータ トランスフォーメーション方式は、XQuery 言語のクエリです。XSL トランスフォーメーションによるデータ トランスフォーメーションは、主に従来のアプリケーションでサポートされます。

 


データ トランスフォーメーションの機能

次の表で、データ トランスフォーメーションの主要な機能について説明します。

表 4-1 データ トランスフォーメーションの機能
機能
プロパティ
データ トランスフォーメーション
トランスフォーメーションをコントロールとしてパッケージ化すると、リソースとして扱い、複数のプロセスおよび統合ソリューションで再利用できる。データ トランスフォーメーションは、入出力のデータ型が XML データ、XML 以外のデータ、Java プリミティブ、Java クラスのどれであっても実行可能。WebLogic Server Process Edition では、複数の入力ソースをトランスフォーメーションに使用できる。また、キー フィールドによる結合、和集合、グループなどの複雑な関係や制約もサポートしている。WebLogic Server Process Edition では、XML 文法のトランスフォーメーションも可能。詳細については、『XQuery Mapper を使用したデータの変換』を参照。
ビジネス プロセスのアクションをデータ トランスフォーメーションに使用する方法を説明したステップ形式のチュートリアルについては、『チュートリアル : 初めてのデータ トランスフォーメーション構築』を参照。
ビジネス プロセスとの統合
WebLogic Server Process Edition では、XQuery または eXtensible Stylesheet Language Transformation (XSLT) で記述されたトランスフォーメーションを使用して、ビジネス プロセス内のデータを変換できる。
WebLogic Server Process Edition では、以下のデータが変換される。
  • 受信メッセージとして受信したデータをビジネス プロセスに変換。
  • ビジネス プロセスからメッセージを送信する前にデータを変換。
  • ビジネス プロセス内のデータを変換。
XQuery Mapper
WebLogic Server Process Edition には、XML、非 XML、および Java の各データ フォーマットの任意の組み合わせ間でトランスフォーメーションを行うための、ビジュアル モデリング ツールが用意されている。WebLogic Server Process Edition では、ドラッグ アンド ドロップ機能を使用してデータ フォーマットを別のフォーマットに視覚的に変換することができる。また、XQuery の関数および演算子の機能も使用する。詳細については、『XQuery Mapper を使用したデータの変換』を参照。
Format Builder
WebLogic Server Process Edition には、非 XML のデータを記述するメタデータを作成できるツールが用意されている。詳細については、『Format Builder』を参照。


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