Worklist の使い方

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Worklist について

WebLogic Integration のワークリストは、WebLogic Platform アプリケーションからヒューマン アクターと対話するためのメカニズムを提供します。ワークリストは、BEA WebLogic Integration の Java プロセス定義 (JPD) コンポーネントを補完することを目的としています。JPD は、自動化されたビジネス プロセスを処理することを目的としており、人間の操作の微妙な差異には直接関与しません。ワークリストは、必要に応じて、ヒューマン アクターを含むように JPD コンポーネントの範囲を拡張します。

WebLogic Integration で使用可能な JPD およびワークリスト コンポーネントは、さまざまなシステム、アプリケーション、およびユーザの統合を可能にします。ワークリストは、タスクをユーザに割り当てる機能を使用することで、人とビジネス プロセスとのやり取りを可能にします。ユーザは、割り当てられたタスクに基づき、タスクの作業を実行できます。これにより、他のユーザに新しいタスクが割り当てられたりシステム イベントがトリガされたりする場合があります。このプロセス フローは、上位のビジネス プロセスによって異なります。

また、ワークリストは、スタンドアロンで使用することもできます。この場合、Worklist User Portal が、ユーザとワークリストとのプライマリ インタフェースになります。ワークリストは、ユーザが、タスクを完了するために必要なステップを完了するのに合わせて、タスクを管理および更新します。

ワークリストを使用すると、タスク プランを通じてタスク フローをモデル化できます。ワークリストの主な機能は以下のとおりです。

タスク プランには、1 つまたは複数のステップを含めることができます。各ステップは、タスクの完了までの個別のフェーズを表します。ヒューマン アクターは、定義された各ステップでタスクのアクションを実行することでタスクを進めていきます。各ステップでは、ヒューマン アクターが選択できる 1 つまたは複数のアクションを定義します。アクションには「作業アクション」が含まれ、そのアクションが実行されたときにタスクを遷移させる次のステップが関連付けられています。このモデルでは、タスクで実行されたアクションによって決定される方法で、定義された一連のステップに沿ってタスクを進めていくことができます。

タスクは、ヒューマン アクターによって割り当てられ、申請されます。また、タスクは、タスクのデータを示す多くのシステム プロパティおよびユーザ定義のプロパティを管理できます。ヒューマン アクターは、タスクのステップが完了したら、(ユーザおよびシステムの) プロパティを指定または変更します。

タスクのステップおよびユーザ プロパティは、タスク プランによって定義され、そのタイプのタスクのすべてのインスタンスに適用されます。タスク プランは、タスク プランの任意のインスタンスを作成する前に、Worklist 設計者によって定義されます。

 


Worklist の主な用語

用語
定義
タスク
完了するために、1 人または複数のヒューマン アクターを必要とする作業の単位を表す。
タスク プラン
タスク プランとは、特定の目的のために定義されたタスク群に共通な、手順、プロパティ、タスク割り当てのルールなどの記述を指す。詳細については、「ワークリスト タスク プランの作成および管理」を参照。
タスク プラン ホスト アプリケーション
タスク プラン モジュールをホストまたはデプロイし、ワークリスト システム インスタンスを介してワークリストを使用する。多くの場合、Worklist アプリケーションは、タスク プラン ホスト アプリケーションでもある。
タスク プラン パス
ワークリスト システム インスタンスによって使用されている、タスク プラン レジストリの抽象的なファイル システム内でのタスク プランの場所を示す階層名。パスは、/Folder1/Folder2/.../FolderN/TaskPlanFileName (拡張子 .task を除く) の形式で、アプリケーションのルート フォルダからの相対パスとして、タスク プラン ホスト アプリケーション内の .task ファイルの場所から派生する。
タスク インスタンス
タスク プランから作成されるタスクのインスタンス。詳細については、『Worklist User Portal の使用』の「Worklist User Portal」の「タスク インスタンスの作成」を参照。
ステップ
タスクがすべて完了するまでのフェーズ。タスクのステップは、タスクのタスク プランによって定義される。タスクのすべてのステップでタスク割り当てを実行できる。詳細については、「ステップ」を参照。
アクション
タスクのプロパティまたは作業状態を変更させる場合がある個々の操作。タスクに定義されている別のステップ (同じまたは現在のステップの場合もある) に遷移させる一部のアクション (作業アクション) もあれば、単にタスクの作業状態を変化させるアクション (割り当てアクション、戻りアクション) もある。詳細については、「アクションと接続」を参照。
ユーザ プロパティ
タスク プランに関連付けられている、名前が付けられた、または型付のデータ値。タスク プランは、タスクの状態の定義に必要なデータを保持するために、多くのプロパティを持つことができる。1 つのタスク プランのすべてのステップは、一連の同じユーザ プロパティにアクセスできる。詳細については、「ユーザ プロパティ」を参照。
システム プロパティ
ワークリストによって、すべてのタスクに定義付けられている、名前が付けられた、または型付のデータ値。一部のシステム プロパティは編集できるが、それ以外のシステム プロパティは編集できない。詳細については、「システム プロパティ」を参照。
割り当て対象
あるタスクまたは特定のタスク プランのタスクで作業する候補者として指定されている、ヒューマン アクターまたはアクターのグループ。
申請者
特定のタスクのステップを完了する責任を負う 1 人のヒューマン アクター。適切な特権を持つユーザは、別のユーザに代わって、Worklist Console からタスクを申請できる。詳細については、『Worklist Console の使い方』の「ワークリスト管理」にある「ユーザのタスクの申請」を参照
管理状態
ワークリスト システムによるタスク インスタンスの現在の処理状況を表す値。アクティブなタスクは通常の操作が許可されるが、中断状態のタスクは操作できない (再開を除く)。エラー状態のタスクは、制限付きで、またはそれらのエラー状態がクリアされた場合に操作できる。詳細については、「管理状態と作業状態」を参照。
作業状態
タスクと、タスクで作業できるヒューマン アクターの現在の関連を表す値。作業状態には、「未割り当て」、「割り当て済み」、または「申請済み」がある。詳細については、「管理状態と作業状態」を参照。
Worklist アプリケーション
ワークリスト システム インスタンスを介してワークリストを使用するアプリケーション。多くの場合、Worklist アプリケーションは、独自のワークリスト システム インスタンス、タスク プラン、およびワークリスト ユーザ ポータルをホストする。この場合、Worklist アプリケーションは、スタンドアロン Worklist アプリケーションと呼ばれる。詳細については、「Worklist アプリケーション」を参照。
スタンドアロン Worklist アプリケーション
多くの場合、Worklist アプリケーションは、独自のワークリスト システム インスタンス、タスク プラン、およびワークリスト ユーザ ポータルをホストする。この定義によれば、スタンドアロン Worklist アプリケーションは、ワークリスト ホスト アプリケーション、タスク プラン ホスト アプリケーション、およびワークリスト ポータル ホスト アプリケーションである。ワークリストのアプリケーションの最も一般的なタイプであり、多くの場合、ワークリストのマニュアルが使用を推奨するアプリケーションのタイプである。
ワークリスト ホスト アプリケーション
ワークリスト システム インスタンスをホストするアプリケーション。ほとんどの場合、Worklist アプリケーションは、ワークリスト ホスト アプリケーションでもある。
ワークリスト ポータル ホスト アプリケーション
ワークリスト ポータルのインスタンスをホストまたはデプロイするアプリケーション。ほとんどの場合、Worklist アプリケーションは、ワークリスト ポータル ホスト アプリケーションでもある。
ワークリスト システム インスタンス
ワークリスト API のインスタンスおよびその実装。ワークリスト システム インスタンスは、ワークリスト システム テーブルをホストするデータベース インスタンスに接続するようにコンフィグレーションされている。ワークリスト システム インスタンスで管理するタスクは、データベース インスタンスに格納されているタスク。また、ワークリスト システム インスタンスを、それ自体のセキュリティ ポリシーや実行時コンフィグレーションなどを使用してコンフィグレーションすることもできる。
ワークリスト ポータル インスタンス
ワークリスト ユーザ ポータルのインスタンス。ワークリスト システム インスタンスと、ワークリストが管理するタスクとの対話のための WebLogic Portal ユーザ インタフェースを提供する Web アプリケーションである。

 


ワークリストのシナリオ

ワークリストでは、Workshop for WebLogic の設計時環境を使用してタスク プランをモデル化し、デプロイしてサーバ上で実行できます。タスク プランがデプロイされると、Worklist Console を使用して、認可されているシステムから、認可されているユーザがタスク インスタンスを作成できます。タスク インスタンスまたはタスクは、タスク プランおよび従業員またはシステムによって実行されるアクションに基づいています

Worklist User Portal は、ワークリスト ユーザ (管理者/設計者以外) に機能を提供し、ワークリスト ユーザが、自身または自身が属するグループに割り当てられているタスクを確認できるようにします。Worklist User Portal を使用すると、ユーザはタスクの申請、タスクでのアクションの実行、およびそれらのプロパティの変更を行うことができます。

一般的なワークリストのシナリオでのさまざまなステージを以下に示します。

  1. 設計者が、設計時環境を使用してタスク プランを作成します。
  2. ワークリストを使用してビジネス固有のシナリオを処理するには、まず組織に必要なタスクを設計し、次にタスク プラン エディタを使用して、タスク プランを作成および編集します。タスク プラン エディタは、タスクに設計されたステップおよびアクションのグラフィカルな表現を提供します。タスク プランは XML ドキュメントであるため、Workshop for WebLogic Platform IDE で、XML エディタまたはテキスト エディタで開いて、タスク プランの詳細を表示することもできます。

    タスク プラン エディタは、タスク プランのステップ、およびそのモデルの個々のステップとアクションのプロパティを定義するための、ドラッグ アンド ドロップ式のエディタを提供します。さらに、その他にも、タスク プランのコンフィグレーションを編集できる、タスク プラン パースペクティブのビューが提供されます。詳細については、「パースペクティブについて」を参照してください。

    タスク プラン エディタを使用してタスク プラン (.task ファイル) を定義したら、サーバにデプロイして、使用できるようにします。

    詳細については、「ワークリスト タスク プランの作成および管理」を参照してください。

  3. 認可されているエンティティが、Worklist User Portal を使用して、タスク プランのタスク インスタンスを作成します。詳細については、「ユーザ ポータルの使用とカスタマイズ」を参照してください。
  4. ユーザは、以下の場所から、自身に関連付けられているタスクで作業します。
    • Worklist User Portal またはカスタム タスク ユーザ インタフェース (タスク プランの任意のステップまたはタスク プラン全体に、カスタム UI が開発されている場合)。
    • Worklist User Portal を使用すると、ユーザは、自身に割り当てられているタスクの確認、タスクの申請、タスクでのアクションの実行、および自身が実行するアクションに関連付けられているワークリストのプロパティ (値) の更新を行うことができます。Worklist User Portal は、ユーザが使用し、管理者または設計者は使用しません。

      Worklist User Portal が特定のタスク プランのニーズを満たさない場合、開発者は、カスタム タスク ユーザ インタフェースを設計およびデプロイし、それらをタスク プラン全体または、タスク プランの任意のステップのみに関連付けることができます。これにより、まったく新しい Web ユーザ インタフェースを無理に実装せずに、必要なユーザ インタフェースを設計できるようになります。詳細については、『Worklist User Portal の使用』の「Worklist User Portal のカスタマイズ」を参照してください。

    • JPD ビジネス プロセス (ワークリスト タスクまたはタスク バッチ コントロールのメソッドを使用)。詳細については、「ワークリスト コントロールの使用」を参照してください。
  5. 認可されているエンティティが、ワークリスト タスク、ユーザ、およびビジネス カレンダーを管理およびモニタします。Worklist Console には、中心的な操作を実行するための複数のモジュールが含まれたナビゲーション メニューが用意されています。詳細については、『Worklist Console の使い方』を参照してください。

ワークリストのサンプル シナリオについては、『チュートリアル : Worklist アプリケーションの構築』を参照してください。

 


パースペクティブについて

Workshop for WebLogic Platform IDE のウィンドウ レイアウトは、パースペクティブと呼ばれ、大幅にカスタマイズできます。パースペクティブの目的は、特定のリソースを持つ特定のタスクを実行するための関連ツールを提供することです。最初のパースペクティブは、Workshop パースペクティブ (ウィンドウの右上に表示される) と呼ばれます。その他にも、複数の有用なパースペクティブが提供されています。パースペクティブは、[ウィンドウ|パースペクティブを開く] を選択して、いつでも切り替えることができます。

Workshop パースペクティブは、Workshop for WebLogic を使用して、Java Platform, Enterprise Edition (Java EE) バージョン 5 のエンタープライズ アプリケーションを開発するための標準パースペクティブです。左側の [パッケージ・エクスプローラー] ビューを使用すると、ワークスペースのプロジェクト/フォルダ/ファイルを移動できます。

ワークベンチの情報ペイン (ビュー) は、移動、分割、並べて表示、重ねて表示、最小化または最大化が可能です。エディタに表示される各ファイルは、最大化したり、最小化してウィンドウの端にアイコンとして配置 (ファスト ビュー) したりできます。メニュー バーおよびツール バーを、追加、削除またはカスタマイズできます。

独自のパースペクティブを作成し、保存できます。ユーザが他のタスクを実行すると、Workshop for WebLogic のパースペクティブも変更されます。たとえば、通常、ページ フローを作成する場合やタスク プランを作成する場合には、異なるパースペクティブを使用します。

Eclipse IDE の機能の詳細については、Workshop for WebLogic Platform IDE から利用可能なオンライン ヘルプから、『ワークベンチ ユーザー ガイド』にアクセスしてください。

パースペクティブの選択

パースペクティブを選択するには、以下の手順を実行します。

  1. 画面の右上にある アイコンをクリックします。[パースペクティブの選択] ダイアログが表示されます。


  2. パースペクティブを選択し、[OK] をクリックします。任意の必要なパースペクティブで作業できますが、タスク プラン、プロセス、およびページ フローは、ワークリストの作業に関連するパースペクティブです。

タスク プラン パースペクティブ

タスク プラン パースペクティブには、以下のビューがあります。

プロセス パースペクティブ

プロセス パースペクティブには、以下のビューがあります。

ページ フロー パースペクティブ

ページ フロー パースペクティブには、以下のビューがあります。

詳細については、Workshop for WebLogic Platform プログラマーズ ガイドの「ページ フロー パースペクティブ」を参照してください


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