チュートリアル : Worklist アプリケーションの構築

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手順 2 : 融資処理タスク プランのモデル化およびデプロイ

タスク プランは、タスクを完了するためのビジネス固有のライフサイクルを定義します。融資処理タスク プランは、融資処理に伴う複数のユーザ操作の手順を示します。たとえば、見込み客が融資申し込みを申請すると、融資担当者は、顧客の詳細を確認するタスクを割り当てられ、融資を承認するか、より厳格な審査を行うために融資管理者に転送する必要があります。この手順はタスク プランの一部で、新しい融資申し込みが申請されると、融資担当者が確実にタスクを申請して融資申し込みを処理するようにします。

WebLogic Integration Worklist 9.2 では、Workshop for WebLogic 設計時環境を使用してタスク プランをモデル化し、サーバで実行するためにデプロイできます。タスク プランをデプロイすると、許可されているシステムまたはユーザのエンティティでタスク インスタンスを作成できます。タスク インスタンス、つまりタスクは、タスク プランに基づいています

この手順では、Workshop for WebLogic Platform 設計時環境を使用して、融資処理タスク プランをモデル化およびデプロイします。

融資処理タスク プランのモデル化およびデプロイ

融資処理タスク プランは、Workshop for WebLogic を使用してモデル化します。タスク プランをモデル化するには、以下の作業を行う必要があります。

新しいタスク プランの作成

融資処理タスク プランを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. [パッケージ・エクスプローラー] ペインで Loan_EAR\EarContent フォルダを右クリックし、[新規Arrow symbolフォルダー] を選択します。
  2. [新規フォルダー] ダイアログ ボックスで、フォルダー名に Loan を指定し、[終了] をクリックして続行します。
  3. Loan フォルダを選択し、[新規Arrow symbolTask Plan] を選択します。
  4. [新しいタスク プラン] ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. [新しいタスク プラン] ダイアログ ボックスで、[ファイル名] に loan_approval を入力します (図 3-1 を参照)。
  6. 図 3-1 [新しいタスク プラン]


    新しいタスク プラン

  7. [終了] をクリックして続行します。

融資処理タスク プランのステップの定義

タスク プランは、タスクでの作業時にユーザが実行する必要があるアクションを定義する一連のステップです。Acme Financial の融資処理システムでは、表 3-1 に示すステップを使用します。

表 3-1 融資処理タスク プランのステップ
ステップ名
デフォルトの割り当て先
注意
OfficerReviewPending
loanOfficer
 
ManagerReviewPending
loanManager
 
LoanApproved
 
ステップを完了
LoanRejected
 
ステップを中止

これらのステップを loan_approval タスク プランに追加するには、以下の手順を実行します。

  1. [パレット] ボックスから [ステップ] をクリックし、[*loan_approval.task] タブをクリックしてステップを追加します。新しいステップのデフォルト名は Step# です。ここで、# は、タスク プランの既存のステップ数に応じて増加する数値です。
  2. ステップを再度クリックして、名前を OfficerReviewPending に変更します。
  3. 選択したステップ OfficerReviewPending の [プロパティ] タブで [割り当て手順] をクリックします。
  4. [値] カラムで 新しいタスク プラン をクリックします。図 3-2 に示すように [割り当て手順] ダイアログ ボックスが表示されます。
  5. [追加] をクリックし、[名前] カラムをクリックして loanOfficer を入力します。
  6. [型] カラムでリスト ボックスをクリックし、[Group] を選択します。
  7. [候補リストの処理] リスト ボックスから [DEFAULT] を選択します。
  8. [OK] をクリックします。これで、OfficerReviewPending ステップが loanOfficer グループに割り当てられました (図 3-2 を参照)。
  9. 図 3-2 [割り当て手順]


    割り当て手順

  10. loan_approval.task ファイルに別のステップを追加して、ManagerReviewPending という名前にします。
  11. 選択した ManagerReviewPending ステップの [プロパティ] タブで [割り当て手順] をクリックします。
  12. [値] カラムで 割り当て手順 をクリックします。[割り当て手順] ダイアログ ボックスが表示されます。
  13. [追加] をクリックし、[名前] カラムをクリックして loanManager を入力します。
  14. [型] カラムでリスト ボックスをクリックし、[Group] を選択します。
  15. [候補リストの処理] リスト ボックスから [DEFAULT] を選択します。
  16. [OK] をクリックします。これで、OfficerReviewPending ステップが loanManager グループに割り当てられました。
  17. [パレット] タブから [完了ステップ] をクリックし、[loan_approval.task] タブにドロップします。
  18. ステップの名前を LoanApproved に変更します。
  19. [パレット] タブから [中止ステップ] をクリックし、[loan_approval.task] タブにドロップします。
  20. ステップの名前を LoanRejected に変更します。

すべてのステップを追加すると、[loan_approval.task] タブが表示されます (図 3-3 を参照)。

図 3-3 loan_approve.task のステップ

loan_approve.task のステップ

タスク プランのユーザ プロパティの定義

ユーザ プロパティは、タスク プランの業務固有のデータ要素です。融資処理シナリオでは、表 3-2 に示すユーザ プロパティを定義する必要があります。

表 3-2 融資処理タスク プランのユーザ プロパティ
ユーザ プロパティ名
データ型
LoanAmt
Integer
Name
String
SSN
String
Collateral Assets
String
Notes
String

注意 : ユーザ プロパティはグローバルであり、タスク プランのライフサイクル全体を通じてすべてのステップに適用されます。

ユーザ プロパティを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. [User Properties] タブから [ユーザ プロパティの作成] アイコンをクリックします (図 3-4 を参照)。
  2. 図 3-4 [ユーザ プロパティ] タブ


    [ユーザ プロパティ] タブ

  3. [ユーザ プロパティの作成] ダイアログ ボックスで、ユーザ プロパティの名前に LoanAmt を入力し、[説明] フィールドに簡単な説明を入力します。
  4. [] ドロップダウン リストをクリックし、[Integer] を選択します (図 3-5 を参照)。
  5. 図 3-5 [ユーザ プロパティの作成] ダイアログ ボックス


    [ユーザ プロパティの作成] ダイアログ ボックス

  6. [OK] をクリックして新しいプロパティを実装します。
  7. 表 3-2 に示す他のプロパティについて、手順 1 から手順 4 を繰り返します。

タスク プランのアクションの定義

融資処理タスク プランのすべてのステップ (「ステップを完了」および「ステップを中止」などの終端ステップを除く) に、タスク インスタンスを別のステップに移行させるアクションを含めることができます。権限を有するユーザまたはシステム アクターがこのようなアクションを実行できます。

融資処理タスク プランでは、表 3-3 に示すアクションを作成します。

表 3-3 融資処理タスク プランのアクション
ステップ/コンストラクタ
アクション
必須のユーザ プロパティ
作成されるステップ
OfficerReviewPending
Approve
Notes
Approved
OfficerReviewPending
Reject
Notes
Rejected
OfficerReviewPending
Request Manager Review
Notes
ManagerReviewPending
ManagerReviewPending
Approve
Notes、Collateral Assets
Approved
ManagerReviewPending
Reject
Notes
Rejected

表 3-3 に示すアクションを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. [パレット] タブで [アクション] をクリックし、OfficerReviewPending ステップにドロップします。
  2. アクションの名前を Approve に変更します。
  3. [プロパティ] タブで、[必須のユーザ プロパティNotes] プロパティをクリックします。
  4. [値] カラムで [ユーザ プロパティの作成] ダイアログ ボックス をクリックして [プロパティ Notes] ダイアログ ボックスを開きます。
  5. [必須] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。
  6. [パレット] タブで [接続] をクリックします。
  7. Approve アクションと緑色で表示されている LoanApproved ステップの間に接続を作成するには、[Approve] アクション ボックスをクリックします。
  8. LoanApproved ステップの上にマウスを移動して再度クリックします。Approve アクションと LoanApproved ステップの間に接続が作成されます。
  9. 表 3-3 に示す他のステップについて、手順 1 から手順 8 を繰り返します。

各アクションに接続を作成すると、[アウトライン] タブは図 3-6 のように表示されます。

図 3-6 アクション、ステップ、および接続を含む [アウトライン] タブ

アクション、ステップ、および接続を含む [アウトライン] タブ

タスク プランのコンストラクタの定義

タスク プランには、タスク インスタンスの作成方法を定義するコンストラクタが少なくとも 1 つ含まれています。タスク プランのコンストラクタは、タスク インスタンスの作成に使用された初期データ、および作成されたタスク インスタンスのステップを示します。各コンストラクタには、ステップが関連付けられている必要があります。1 つのタスク プランに対して複数のコンストラクタが存在してもかまいません。

融資処理タスク プランでは、NewLoan コンストラクタを定義します。このコンストラクタは、信用度が低く事前承認がない融資要求が発生した場合に、融資タスクを作成するために使用されます。

注意 : 権限を有するユーザまたはシステム アクターがコンストラクタを呼び出すことができます。そのため、ユーザがデータを入力するかシステムを実行することで、融資タスク インスタンスを作成できます。

コンストラクタをコンフィグレーションするには、以下の手順を実行します。

  1. [パレット] タブで [コンストラクタ] をクリックし、[*loan_approval.task] タブの [コンストラクタ] コンテナにドロップします。
  2. コンストラクタに名前 NewLoan を付けます。
  3. 以下の手順を実行して、[プロパティー] タブで [LoanAmt]、[名前] に値を設定し、[SSN] プロパティを [必須] に設定します。
    1. [プロパティー] タブで [LoanAmt] プロパティをクリックします (図 3-7 を参照)。
    2. [値] カラムで アクション、ステップ、および接続を含む [アウトライン] タブ をクリックして [プロパティ LoanAmt] ダイアログ ボックスを開きます。
    3. [必須] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。
    4. 図 3-7 [プロパティ LoanAmt] ダイアログ ボックス


      [プロパティ LoanAmt] ダイアログ ボックス

    5. [名前] プロパティと [SSN] プロパティについて、手順 a から手順 c を繰り返します。
    6. 新しい融資処理申し込みでは、NewLoan コンストラクタと OfficerReviewPending ステップの間に接続を作成する必要があります。

  4. [パレット] タブで [接続] をクリックして、NewLoanOfficerReviewPending に接続します。
  5. [NewLoan] コンストラクタ ボックスをクリックし、OfficerReviewPending ステップの上にマウスを移動して再度クリックします。
  6. NewLoan コンストラクタを OfficerReviewPending ステップにマップすると、[アウトライン] タブが図 3-8 のように表示されます。

    図 3-8 NewLoan を OfficerReviewPending に接続した後の [アウトライン] タブ


    NewLoan を OfficerReviewPending に接続した後の [アウトライン] タブ

  7. [ファイルすべて保管] メニュー オプションを選択して、先に進む前にアプリケーションを保存します。

タスク プランの検証

タスク プランの設計およびデプロイの最終段階では、必要なエンタープライズ モデルの仕様に従ってタスク プランが機能しているかどうかを検証します。

融資処理タスク プランを検証するには、以下の手順を実行します。

  1. [WorklistArrow symbolタスク プランの実行時に関する検証] をクリックします。
  2. タスク プランが有効になっている場合、[検証結果] ダイアログ ボックスが表示されます (図 3-9 を参照)。
  3. 図 3-9 [検証結果] ダイアログ ボックス


    [検証結果] ダイアログ ボックス

  4. [OK] をクリックして確認します。
  5. [ファイルArrow symbolすべて保管] メニュー オプションを選択して、先に進む前にアプリケーションを保存します。

融資処理タスク プランのデプロイ

融資処理タスク プランのモデル化が完了すると、WebLogic Integration Server にデプロイできます。

融資処理タスク プランをデプロイするには、以下の手順を実行します。

  1. [パッケージ・エクスプローラー] ペインで以前に作成した [Loan_Web] プロジェクトを右クリックし、[実行Arrow symbolサーバーで実行] を選択します。[サーバーで実行] ダイアログ ボックスが表示されます (図 3-10 を参照)。
  2. 図 3-10 [サーバーで実行] ダイアログ ボックス


    [サーバーで実行] ダイアログ ボックス

  3. [既存のサーバーを選択] を選択し、[使用するサーバーの選択:] リストから myworklist サーバを選択して [次へ] をクリックします。
  4. [プロジェクトの追加および除去] ダイアログ ボックスが表示されます。

  5. [構成プロジェクト] リストに Loan_EAR が表示されていることを確認します。表示されていない場合は、[使用可能プロジェクト] リストから Loan_EAR を選択して、[追加] をクリックします。
  6. [終了] をクリックしてサーバでプロジェクトのデプロイを開始します。

サーバにプロジェクトをデプロイするには、ある程度の時間がかかります。タスク プランのデプロイが正常に終了すると、BEA Workshop for WebLogic Platform 内の Worklist User Portal に表示されます (図 3-11 を参照)。

図 3-11 Worklist User Portal

Worklist ユーザ ポータル


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