データベース管理ガイド

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Oracle の使い方

この章では、WebLogic Portal で Oracle データベースを使用するための必要手順について説明します。ここでは以下の内容を扱います。

作業を進める前に、この章全体とリリース ノートを参照してください。この章で説明するタスクはデータベース管理者が実行します。

注意 : WebLogic Portal Oracle データベース ユーザが DBA 権限を持っていると、データベースでエラーとアップグレードの問題が発生します。データベース オブジェクト作成またはアップグレード実行の前、に Oracle ユーザの DBA 権限を取り消し、GRANT CREATE TABLE、CREATE VIEW、CREATE TRIGGER、CREATE SEQUENCE、CREATE SESSION、UNLIMITED TABLESPACE TO <<WEBLOGIC>> の権限に置き換える必要があります。

 


Oracle データベースのコンフィグレーション

以下の手順を実行する前に、「WebLogic Portal のエンタープライズ品質データベース コンフィグレーションの概要」をお読みください。

データベース作成スクリプトによって、ドメイン固有のテーブルがインストールされます。サンプル スクリプトを変更し、各自の環境に必要なデータベース ユーザとテーブルスペースを作成する作業は、データベース管理者と共に行うことをお勧めします。

複数のドメインを使用する場合、または同じ Oracle のインスタンスを使用して複数の環境を実行する場合 (1 つの Oracle から開発やシステム テストを実行する場合など) は、複数のデータベース ユーザが必要です。GroupSpace では、コンテンツ管理リポジトリを追加した場合と同様に、独立したデータベース ユーザが必要です。

注意 : Oracle コンフィグレーション設定はコンテンツ検索のパフォーマンスに影響を及ぼす場合があります。詳細については、「Oracle のコンテンツ検索の応答時間の改善」を参照してください。

Oracle データベースをコンフィグレーションするには

  1. 新規データベース オブジェクトをインストールする場合は、その前にデータベースをバックアップしてください。詳細については、お使いのデータベースのドキュメントを参照してください。
  2. WL_HOME/portal/db/oracle/admin ディレクトリにあるサンプル スクリプトを確認します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  3. サンプル スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更することにより、以下の各データベース スキーマを作成します。
    1. メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、メインの WebLogic Portal ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    2. GroupSpace を使用する場合は、「GroupSpace データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、GroupSpace ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    3. 別個の行動追跡データベースを作成する場合は、「行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成」に示す手順に従います。

 


メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション

メインの WebLogic Portal データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. メインの WebLogic Portal スキーマ用の新しいテーブルスペースを作成する場合は、次の手順に従います。
    1. create_tablespaces.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_tablespaces.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_tablespaces.sql
  2. メインの WebLogic Portal データベースのユーザを作成します。
    1. create_users.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_users.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_users.sql

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=oracle と設定します。
  3. メインの WebLogic Portal データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. oracle.user=@DB_USER@
    oracle.password=@DB_PASSWORD@
    oracle.url=jdbc:bea:oracle://@DB_HOST@:@DB_PORT@;SID=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合は、create_db.cmd をダブルクリックします。
      • UNIX の場合は、create_db.sh を実行します。
      • エラー メッセージが表示された場合は、create_db.log ファイルで詳細を確認してください。

        注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. ドメインの JDBC データ ソース (appsGroupSpaceDataSource を除く) は、デフォルトでは PointBase を指しています。これを、Oracle を指すデータ ソースに置き換えます。これらは、WebLogic Server Administration Console を使用してコンフィグレーションするか、または、提供されているサンプルから選択し、データベース環境に合わせて変更します。BEA がサポートする各データベースおよびドライバ用の jdbc.xml 定義ファイルのサンプル (oracle_bea または oracle_thin など) を WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver ディレクトリから入手できます。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。
  7. パフォーマンスを向上させるために、rebuild_indexes.sql を実行して、インデックスを WEBLOGIC_INDEX テーブルスペースに移動します。
  8. 注意 : これは WebLogic Server の停止中に行います。

 


GroupSpace データベースのコンフィグレーション

GroupSpace データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. GroupSpace スキーマ用の新しいテーブルスペースを作成する場合は、次の手順に従います。
    1. create_tablespaces.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_tablespaces.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_tablespaces.sql
  2. GroupSpace ユーザを作成します。
    1. create_users.sql スクリプトをコピーし、環境および GroupSpace の設定に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_users.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_users.sql

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの groupspace_database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=oracle と設定します。
  3. GroupSpace データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. oracle.user=@DB_USER@
    oracle.password=@DB_PASSWORD@
    oracle.url=jdbc:bea:oracle://@DB_HOST@:@DB_PORT@;SID=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合 :
      • create_db.cmd -database.properties=groupspace_database.properties
      • UNIX の場合 :
      • create_db.sh -database.properties=groupspace_database.properties

        エラー メッセージが表示された場合は、create_db_groupspace.log ファイルで詳細を確認してください。

        注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. appsGroupSpaceDataSource JDBC データ ソース (デフォルトで PointBase を指す) を Oracle を指すデータ ソースに置き換えます。WebLogic Server Administration Console を使用するか、または BEA がサポートする各データベースおよびドライバ用に提供される jdbc.xml 定義ファイルのサンプル (oracle_bea または oracle_thin など) を更新します。この定義ファイルは、WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver から入手できます。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。

 


行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成

他の WebLogic Portal データベース オブジェクトとは別の場所に行動追跡イベントを保存すると、パフォーマンスを向上させることができます。行動追跡の詳細については、『対話管理ガイド』の「イベントと行動追跡の設定」を参照してください。

注意 : デフォルトでは、行動追跡データベース オブジェクトは他の WebLogic Portal データベース オブジェクトと同じデータベースに作成されます。これらの手順を実行する必要があるのは、行動追跡イベント用に別個のデータベースをコンフィグレーションする場合だけです。

行動追跡用の別個のデータベースを作成するには

  1. bt_create_tablespaces.sql ファイルと bt_create_users.sql ファイルを環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  2. 変更した bt_create_tablespaces.sql スクリプトを実行します。
  3. 変更した bt_create_users.sql スクリプトを実行します。
  4. 環境に応じた適切なデータベース ディレクトリ WL_HOME\portal\db\oracle に移動します。
  5. ユーザ WEBLOGIC_EVENT で接続し、次のスクリプトを実行します。
    • bt_create_tables.sql
    • bt_create_fkeys.sql
    • bt_create_indexes.sql
    • bt_create_triggers.sql
  6. パス WL_HOME\portal\db\data\required から次のスクリプトを実行します。
    • bt_insert_system_data.sql
    • bt9_insert_system_data.sql
  7. WebLogic Server Administration Console を使用して、非 XA JDBC データ ソースが行動追跡データベースにアクセスするようにコンフィグレーションします。JNDI 名 p13n.trackingDataSource をそのデータ ソースに関連付けてから、p13n.trackingDataSourcep13nDataSource から削除します。

 


データベース スクリプトと使用上の注意

表 7-1 は、Oracle データベースのコンフィグレーションとそのデータベース内での WebLogic Portal の作成を可能にするスクリプトについて説明します。

表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意
スクリプト名
説明
create_tablespaces.sql
テーブルおよびインデックス テーブルスペースを作成する。既存のテーブルスペースを使用する場合、このスクリプトの実行は不要。メインの WebLogic Portal データベース、GroupSpace データベース、および追加のコンテンツ管理リポジトリには、新規と既存のどちらのテーブルスペースも使用できる。

注意 : このスクリプトのコピーを作成し、編集して、<<WEBLOGIC>> を適切なデータおよびインデックス テーブルスペースに置き換える。また、スクリプトを編集して、DATA および INDEX データファイルの有効なディスクの場所を反映させる必要がある。

メインの WebLogic Portal データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • テーブル データ = WEBLOGIC_DATA
  • インデックス = WEBLOGIC_INDEX

注意 : インデックスは、デフォルトでテーブル データスペースに配置される。rebuild_indexes.sql を実行し、インデックスを再構築して、最初のデータベース オブジェクトの作成後インデックス データスペースに移動する。

create_users.sql
ユーザとパスワードを作成し、デフォルトおよび一時テーブル スペースを設定する。そのユーザに特権を付与する。

注意 : このスクリプトのコピーを作成し、編集して、<<WEBLOGIC>> を適切なユーザ名、パスワード、およびテーブルスペース名に置き換える。

メインの WebLogic Portal データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース スキーマ ユーザ = WEBLOGIC
  • データベース パスワード : WEBLOGIC
  • デフォルト テーブルスペース = WEBLOGIC_DATA
  • 一時テーブルスペース = TEMP

注意 : GroupSpace を使用するには、追加のユーザを作成する必要がある。

GroupSpace リポジトリ データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース スキーマ ユーザ : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • パスワード : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • デフォルト テーブルスペース = WEBLOGIC_GROUPSPACE_DATA
  • 一時テーブルスペース = TEMP

注意 : 追加のコンテンツ管理リポジトリを作成する場合は、そのリポジトリ用に別のスキーマを作成する必要がある。詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照。

rebuild_indexes.sql
WEBLOGIC (スキーマ ユーザ) のインデックスを再構築して、それらを WEBLOGIC_DATA テーブルのテーブルスペースから WEBLOGIC_INDEX テーブルスペースに移動する。
statistics.sql
dbms_utility.analyze_schema を実行して、Oracle オプティマイザに必要なデータベースの統計を計算する。統計を定期的に更新する。また、データベースのデータに重要な変更が発生したときは必ず更新する。
install_report.sql
スキーマ内で作成されたデータベース オブジェクトに関する情報インストール レポートを生成する。
dbsize.sql
データベースのテーブルスペース内の空き領域を示すレポートを生成する。
bt_create_tablespaces.sql
行動イベント追跡用のテーブルスペースを作成する。

注意 : このスクリプトを編集して、有効なディスクの場所を反映するように EVT_DATA_PATHNAME および DATA_FILENAME 変数のパス名を変更する。

bt_create_users.sql
行動イベント追跡スキーマのユーザとパスワードを作成し、デフォルトおよび一時テーブル スペースを設定する。そのユーザに特権を付与する。

注意 : このスクリプトを編集して、スキーマのユーザ名、パスワード、およびテーブルスペース名を変更できる。

使用されているデフォルト値は、次のとおり。
  • データベース ユーザ : WEBLOGIC_EVENT
  • パスワード : WEBLOGIC_EVENT
  • デフォルト テーブルスペース = WEBLOGIC_EVENT_DATA
  • 一時テーブルスペース = TEMP

 


Oracle RAC を使用した WebLogic Portal の使用

この節では、WebLogic Portal で Oracle Real Application Cluster (RAC) 10g を使用するために必要な手順について説明します。

Oracle Real Application Cluster は、Oracle のデータベース クラスタ技術です。RAC は、WebLogic Portal デプロイメントのデータベース層においてスケーラビリティ、高可用性、およびロード バランシングを提供します。Oracle RAC の詳細については、WebLogic Server ドキュメント『WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」を参照してください。

以下の節では、WebLogic Portal で Oracle RAC を使用する場合のさまざまな要件およびコンフィグレーションの選択項目について説明します。以下のものが含まれます。

サポート対象のコンフィグレーション

WebLogic Portal 10.2では、次の Oracle RAC および JDBC ドライバの組み合わせがサポートされています。

データベース タイプ
JDBC ドライバ
注意 :
Oracle 10g R2 RAC (Oracle 10.2.0.1 およびそれ以降の 10.2.x パッチ セット用)
  • Oracle Thin ドライバ 10g
  • Oracle Thin/XA ドライバ 10g
WebLogic Portal 9.2 または 10.2 でのみ、RAC 10g R2 がサポートされています。

WebLogic Platform 10.0 でサポートされているすべてのデータベース コンフィグレーション については、「WebLogic Platform によるデータベースのサポート」 を参照してください。

Oracle RAC 用のコンフィグレーションの考慮事項

WebLogic Portal で使用する JDBC データ ソースのそれぞれについて、次のコンフィグレーションの選択項目を考慮する必要があります。

マルチ データ ソースと Oracle Thin ドライバ

JDBC フェイルオーバとロード バランシングを実装する場合、WebLogic マルチデータ ソースによる実装と、Oracle Thin ドライバに組み込まれたクラスタ対応機能による実装の 2 とおりの方法があります。「WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」に、これらの実装方法の例が記載されています。

WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」で指摘したように、Oracle RAC へのアクセスに Oracle Thin ドライバのみを使用すると、いくつかの制限があります。具体的には、XA サポートと一緒にロード バランシングを使用することはできません。

これに対して、WebLogic マルチデータ ソースでは、XA とロード バランシングの使用が完全にサポートされています。マルチデータ ソースには、フェイルオーバの高速化や自動フェイルバックなどの利点もあります。これらの利点があるので、RAC へのアクセスにはマルチ データ ソースが望ましい選択となります。これ以降、このドキュメントでは、マルチデータ ソースの使用を前提として説明します。

フェイルオーバとロード バランシング

WebLogic Portal データ ソース では、portalDataSourceNeverXA データ ソースを除き、フェイルオーバ とロード バランシングの両方がサポートされています。portalDataSourceNeverXA は JDBC ストアとして使用します。「WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」で説明したように、JDBC ストアのデータ ソースではロード バランシング アルゴリズムを使用することはできません。

XA の考慮事項

WebLogic Portal データ ソースは、p13nDataSourceportalDataSourceNeverXA を除き、XA と XA 以外のどちらの JDBC ドライバも使用できます。 p13nDataSource は、ローカル JDBC トランザクションの場合のみ使用します。portalDataSourceNeverXA は JDBC ストアとして使用します。「WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」で説明したように、JDBC ストアのデータ ソースでは XA 準拠の JDBC ドライバを使用することはできません。

マルチ データ ソースを使用するときには、グローバル トランザクション プロトコル属性のマルチデータ ソース値が、基礎となる物理データソースのすべてに対して同じであることを確認することが必要です。マルチデータ ソースについては、グローバル トランザクション プロトコルの値を以下のように手動で編集するか、

${DOMAIN_HOME}/config/jdbc/${DATASOURCE_NAME}-jdbc.xml

WLST スクリプトを使用してプログラムでコンフィグレーションすることができます。WebLogic Administration Console では、マルチデータ ソースに対してこの属性をコンフィグレーションする方法はありません。

サポート対象のコンフィグレーション

上記の考慮事項を踏まえた上で、サポート対象となる RAC コンフィグレーションを表 7-2 にまとめます。

表 7-2 Oracle RAC を使用するときの WebLogic Portal データソース
データ ソース名
マルチデータ ソース
MD プロトコル
XA ドライバ
XA プロトコル
p13nDataSource
不可
 
False
なし
cgDataSource
ロード バランシング
True
TwoPhaseCommit
cgDataSource-NonXA
不可
 
False
なし
portalDataSource
ロード バランシング
True
TwoPhaseCommit
portalDataSourceAlwaysXA
ロード バランシング
True
TwoPhaseCommit
portalDataSourceNeverXA
フェイルオーバ
False
OnePhaseCommit
appsGroupSpaceDataSource
ロード バランシング
True
TwoPhaseCommit
sampleDataSource
ロード バランシング
True
TwoPhaseCommit

注意 : マルチデータ ソース列が追加された上記の表の値は、WebLogic Portal とともにパッケージ化された JDBC データ ソース コンフィグレーション ファイルと一致しています。

WebLogic Portal で Oracle RAC を使用する手順

Oracle RAC 用のコンフィグレーション手順は、前の節 「メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション」、「GroupSpace データベースのコンフィグレーション」、および 「行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成」で説明したコンフィグレーション手順ときわめてよく似ています。これら 3 つの節には、それぞれ次の 7 つの手順が含まれています。

  1. メインの WebLogic Portal スキーマ用の新しいテーブルスペースを作成する場合は、次の手順に従います。
  2. 注意 : この手順で SQL スクリプトを実行する場合、RAC のいずれかのノードにログインします。RAC 内でのすべての Oracle インスタンスは同じディスク ストレージを共有しているので具体的なノードは重要ではありません。
    1. create_tablespaces.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_tablespaces.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_tablespaces.sql
  3. メインの WebLogic Portal データベースのユーザを作成します。
  4. 注意 : この手順で SQL スクリプトを実行する場合、RAC のいずれかのノードにログインします。RAC 内でのすべての Oracle インスタンスは同じディスク ストレージを共有しているので具体的なノードは重要ではありません。
    1. create_users.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 7-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
    2. 変更した create_users.sql スクリプトを実行します。たとえば、SQL*Plus の場合は次のようにします。
    3. @create_users.sql

      残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  5. ドメインの database.properties ファイルを編集用に開きます。
  6. database=oracle と設定します。
  7. メインの WebLogic Portal データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  8. oracle.user=@DB_USER@
    oracle.password=@DB_PASSWORD@
    oracle.url=jdbc:bea:oracle://@DB_HOST@:@DB_PORT@;SID=@DB_NAME@
    注意 : oracle.url 文字列では、@DB_HOST@ および @DB_NAME@ を RAC 内でのいずれかのノードの hostname と SID に置き換えます。RAC 内でのすべての Oracle インスタンスは同じディスク ストレージを共有しているので、手順 6 で作成されたデータベース オブジェクトを RAC 内にある他のすべてのノードで表示することができます。
  9. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合は、create_db.cmd をダブルクリックします。
      • UNIX の場合は、create_db.sh を実行します。
      • エラー メッセージが表示された場合は、create_db.log ファイルで詳細を確認してください。

        注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  10. ドメインの JDBC データ ソースを (appsGroupSpaceDataSource を除く) を Oracle RAC を指すマルチデータ ソースで置き換えます。
    1. 各 JDBC データ ソースについて、RAC 内の各ノードを指す 1 つの物理データ ソースを作成します。たとえば、p13nDataSource の場合は、それぞれが 1 つの RAC ノードを指す、p13nDataSource-1 から p13nDataSource-N までの物理データソースを作成します。これらのデータ ソースを作成するには WebLogic Server Administration Console を使用します。
    2. または、以下の手順に従い、サンプル jdbc.xml ファイルを WL_HOME/portal/db/jdbc/oracle_thin ディレクトリにコピーし、更新することによりこれらのデータソースを作成できます。

      1) dataSourceName-jdbc.xml ファイルを DOMAIN_HOME/config/jdbc ディレクトリにコピーし、名前を dataSourceName-n-jdbc.xml に変更します。ここで「n」はn 番目の RAC ノードのシーケンス番号を示します。

      2) dataSourceName-n-jdbc.xml ファイルを編集します。@DB_USER@@DB_USER_PASSWD@@DB_HOST@@DB_PORT@@DB_NAME@ を置き換えます。@DB_HOST@ および @DB_NAME@n 番目の RAC ノードの hostname と SID を使用します。

      3) config.xml を編集し、新しく作成したこの JDBC データ ソースを JDBC システム リソース として追加します。

    3. 各 JDBC データ ソースに対してマルチデータ ソースを作成します。このマルチ データ ソースには、上記で作成した物理データ ソースが含まれます。たとえば、上記で作成した p13nDataSource-1 から p13nDataSource-N までのデータソースが含まれる p13nDataSource マルチ データ ソースを作成します。
    4. WebLogic Server Administration Console を使用する場合、同じ名前の既存のデータ ソースを削除してからマルチデータ ソースを作成する必要があります。また、WebLogic Server Administration Console には、マルチデータ ソース用グローバル トランザクション プロトコル属性の値をコンフィグレーションする方法はないので、後で対応する jdbc.xml に属性を手動で追加する必要があります。

      または、以下の手順に従い、対応する jdbc.xml を手動で編集することもできます。

      1) 対応する jdbc.xml ファイルを開き、jfdbc-driver-params 要素、jdbc-connection-pool-params 要素を、そのすべての子要素も含めて削除します。

      2) jndi-name 要素と global-transactions-protocol 要素の間に、以下の 2 つの要素を追加します。のアルゴリズムタイプの値を確認します。data-source-list の値は、基底のすべての物理データ ソースのカンマ区切りリストです。

      <algorithm-type>Load-Balancing</algorithm-type>

      または

      <algorithm-type>Failover</algorithm-type>

      <data-source-list>portalDataSourceAlwaysXA-1、
      portalDataSourceAlwaysXA-2 </data-source-list>

    5. WLST スクリプトは、上記の手順 1 と 手順 2 に説明された手動の手順に代わる方法です。build.xmloraracconf.py、および oraracconf.py.properties のサンプルは、既存の WebLogic Portal ドメインを Oracle RAC データベースを指すようにコンフィグレーションする方法の例を提供します。これらのファイルは、Appendix B のサンプル WLST スクリプトに示されています。このサンプルを使用するには、次の手順に従います。
    6. 1) これらのファイルを DOMAIN_HOME ディレクトリにダウンロードします。

      2) oraracconf.py.properties ファイルを開きます。Database usernames and passwords および ORACLE RAC configuration の両セクションの値を使用する Oracle RAC 環境を反映するように編集します。

      3) コマンド プロンプトを開き、カレント ディレクトリを DOMAIN_HOME/bin に変更します。次のスクリプトを実行します。

      . ./setDomainEnv.sh (または setDomainEnv.cmd)

      4) ant を実行します。

サンプル コンフィグレーション ファイル

コード リスト 7-1 p13nDataSource マルチデータ ソース
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<jdbc-data-source xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90">
<name>p13nDataSource</name>
<jdbc-data-source-params>
<jndi-name>p13n.trackingDataSource</jndi-name>
<jndi-name>p13n.sequencerDataSource</jndi-name>
<jndi-name>cm.sequencerDataSource</jndi-name>
<jndi-name>p13n.leasemanager</jndi-name>
<jndi-name>p13n.dataSyncDataSource</jndi-name>
<jndi-name>p13n.entitlementsDataSource</jndi-name>
<jndi-name>p13n.quiescenceDataSource</jndi-name>
<algorithm-type>Load-Balancing</algorithm-type>
<data-source-list>p13nDataSource-1,p13nDataSource-2</data-source-list>
<global-transactions-protocol>None</global-transactions-protocol>
</jdbc-data-source-params>
</jdbc-data-source>
コード リスト 7-2 p13nDataSource-1 データ ソース
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<jdbc-data-source xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90">
<name>p13nDataSource-1</name>
<jdbc-driver-params>
<url>jdbc:oracle:thin:@rnhp380-c11-23-vip:1521:DBSRAC101</url>
<driver-name>oracle.jdbc.OracleDriver</driver-name>
<properties>
<property>
<name>user</name>
<value>WEBLOGIC_8</value>
</property>
</properties>
<password-encrypted>{3DES}cIUMOgs5Divb+UWlIFgSoA==</password-encrypted>
</jdbc-driver-params>
<jdbc-connection-pool-params>
<initial-capacity>5</initial-capacity>
<max-capacity>20</max-capacity>
<capacity-increment>1</capacity-increment>
<test-connections-on-reserve>true</test-connections-on-reserve>
<test-table-name>SQL SELECT 1 FROM DUAL</test-table-name>
</jdbc-connection-pool-params>
<jdbc-data-source-params>
<jndi-name>p13nDataSource-1</jndi-name>
<global-transactions-protocol>None</global-transactions-protocol>
</jdbc-data-source-params>
</jdbc-data-source>
コード リスト 7-3 p13nDataSource-2 データ ソース
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<jdbc-data-source xmlns="http://www.bea.com/ns/weblogic/90">
<name>p13nDataSource-2</name>
<jdbc-driver-params>
<url>jdbc:oracle:thin:@rnhp380-c11-25-vip:1521:DBSRAC102</url>
<driver-name>oracle.jdbc.OracleDriver</driver-name>
<properties>
<property>
<name>user</name>
<value>WEBLOGIC_8</value>
</property>
</properties>
<password-encrypted>{3DES}cIUMOgs5Divb+UWlIFgSoA==</password-encrypted>
</jdbc-driver-params>
<jdbc-connection-pool-params>
<initial-capacity>5</initial-capacity>
<max-capacity>20</max-capacity>
<capacity-increment>1</capacity-increment>
<test-connections-on-reserve>true</test-connections-on-reserve>
<test-table-name>SQL SELECT 1 FROM DUAL</test-table-name>
</jdbc-connection-pool-params>
<jdbc-data-source-params>
<jndi-name>p13nDataSource-2</jndi-name>
<global-transactions-protocol>None</global-transactions-protocol>
</jdbc-data-source-params>
</jdbc-data-source>

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