データベース管理ガイド

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MySQL の使い方

この章では、WebLogic Portal で MySQL 5.0 データベースを使用するための必要手順について説明します。ここでは以下の内容を扱います。

作業を進める前に、この章全体とリリース ノートを参照してください。この章で説明するタスクはデータベース管理者が実行します。

 


MySQL データベースのコンフィグレーション

以下の手順を実行する前に、「WebLogic Portal のエンタープライズ品質データベース コンフィグレーションの概要」をお読みください。

警告 : MySQL JDBC ドライバは XA と完全な互換性を持たないため、WebLogic Portal では com.mysql.jdbc.jdbc2.optional.MysqlXADataSource の使用をサポートしません。XA を必要とするデータ ソース、および XA を使用可能なデータ ソースは、その代わりに global-transactions-protocol LoggingLastResource とともに com.myself.jdbc.Driver を使用する必要があります。

データベース作成スクリプトによって、ドメイン固有のテーブルがインストールされます。サンプル スクリプトを変更し、各自の環境に必要なデータベース ユーザとテーブルスペースを作成する作業は、データベース管理者と共に行う必用があります。

複数のドメインを使用する場合、または同じ MySQL のインスタンスを使用して複数の環境を実行する場合 (1 つの MySQL から開発やシステム テストを実行する場合など) は、複数のデータベース ユーザが必要です。GroupSpace では、コンテンツ管理リポジトリを追加した場合と同様に、独立したデータベース ユーザが必要です。

MySQL データベースをコンフィグレーションするには

  1. 新規データベース オブジェクトをインストールする場合は、その前にデータベース環境をバックアップしてください。詳細については、お使いのデータベースのドキュメントを参照してください。
  2. WL_HOME/portal/db/mysql/admin ディレクトリにあるサンプル スクリプトを確認します。詳細については、「表 6-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  3. サンプル スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更することにより、以下の各データベース スキーマを作成します。
    1. メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、メインの WebLogic Portal ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    2. GroupSpace を使用する場合は、「GroupSpace データベースのコンフィグレーション」に示す手順に従って、GroupSpace ユーザとデータベース オブジェクトを作成します。
    3. 別に行動追跡データベースを作成する場合は、「行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成」の手順に従います。

 


メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション

メインの WebLogic Portal データベースをコンフィグレーションするには、以下の手順を実行します。

  1. create_database.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 6-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。文字セットの詳細については、「文字セットとソート順の選択」を参照してください。
  2. ユーザ アカウントの作成権限を持つユーザ (通常、ルート ユーザ)で、変更したcreate_database.sql スクリプトを実行します。たとえば、mysql の場合は次のようにします。
  3. mysql -uroot --password=password <create_database.sql 

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=mysql と設定します。
  3. メインの WebLogic Portal データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. mysql.user=@DB_USER@
    mysql.password=@DB_PASSWORD@
    mysql.url=jdbc:bea:mysql://@DB_HOST@:@DB_PORT@;SID=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合は、create_db.cmd をダブルクリックします。
      • UNIX の場合は、create_db.sh を実行します。
      • エラー メッセージが表示された場合は、create_db.log ファイルで詳細を確認してください。

        注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. ドメインの JDBC データ ソース (appsGroupSpaceDataSource を除く) は、デフォルトでは PointBase を指しています。これを、MySQLを指すデータ ソースに置き換えます。これらは、WebLogic Server Administration Console を使用してコンフィグレーションするか、または、提供されているサンプルから選択し、データベース環境に合わせて変更します。MySQL のjdbc.xml 定義ファイルのサンプルが WL_HOME\portal\db\jdbc\mysql ディレクトリにあります。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。
  7. 注意 : これは WebLogic Server の停止中に行います。

 


GroupSpace データベースのコンフィグレーション

GroupSpace データベースをコンフィグレーションするには、以下の手順を実行します。

GroupSpace データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. create_database.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 6-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  2. ユーザ アカウントの作成権限を持つユーザ (通常、ルート ユーザ)で、変更したcreate_database.sql スクリプトを実行します。たとえば、mysql の場合は次のようにします。
  3. mysql -uroot --password=password <create_database.sql 

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの groupspace_database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=mysql と設定します。
  3. GroupSpace データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. mysql.user=@DB_USER@
    mysql.password=@DB_PASSWORD@
    mysql.url=jdbc:bea:mysql://@DB_HOST@:@DB_PORT@;SID=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドのいずれかを入力します。
      • Windows の場合 :
      • create_db.cmd -database.properties=groupspace_database.properties
      • UNIX の場合 :
      • create_db.sh -database.properties=groupspace_database.properties

        エラー メッセージが表示された場合は、create_db_groupspace.log ファイルで詳細を確認してください。

        注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. appsGroupSpaceDataSource JDBC データ ソース (デフォルトで PointBase を指す) を MySQL を指すデータ ソースに置き換えます。WebLogic Server Administration Console を使用するか、WL_HOME\portal\db\jdbc\ ディレクトリにある MySQL 用の jdbc.xml 定義ファイルのサンプルを更新します。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。

 


行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成

他の WebLogic Portal データベース オブジェクトとは別の場所に行動追跡イベントを保存すると、パフォーマンスを向上させることができます。行動追跡の詳細については、『対話管理ガイド』の「イベントと行動追跡の設定」を参照してください。

注意 : デフォルトでは、行動追跡データベース オブジェクトは他の WebLogic Portal データベース オブジェクトと同じデータベースに作成されます。これらの手順を実行する必要があるのは、行動追跡イベント用に別個のデータベースをコンフィグレーションする場合だけです。

行動追跡用の別個のデータベースを作成するには

  1. スクリプトと「表 6-1 データベース スクリプトと使用上の注意」にある指示に従って、ご使用の環境に合わせて bt_create_database.sql ファイルを変更します。
  2. システム管理者権限を持つユーザとして、bt_create_database.sql を実行します。たとえば、osql の場合は次のようにします。
  3. mysql -uroot --password=password <bt_create_database.sql
  4. 環境に応じた適切なデータベース ディレクトリ WL_HOME\portal\db\mysql に移動します。
  5. ユーザ WEBLOGIC_EVENT で接続し、次のスクリプトを実行します。
    • bt_create_tables.sql
    • bt_create_fkeys.sql
    • bt_create_indexes.sql
    • bt_create_triggers.sql
  6. パス WL_HOME\portal\db\data\required から次のスクリプトを実行します。
    • bt_insert_system_data.sql
    • bt9_insert_system_data.sql
  7. WebLogic Server Administration Console を使用して、非 XA JDBC データ ソースが行動追跡データベースにアクセスするようにコンフィグレーションします。JNDI 名 p13n.trackingDataSource をそのデータ ソースに関連付けてから、p13n.trackingDataSourcep13nDataSource から削除します。

 


データベース スクリプトと使用上の注意

表 6-1 は、MySQL データベースのコンフィグレーションとそのデータベース内での WebLogic Portal の作成を可能にするスクリプトについて説明します。

表 6-1 データベース スクリプトと使用上の注意
スクリプト名
説明
create_database.sql
データベースを作成する。メインの WebLogic Portal データベースを作成する必要がある。GroupSpace を使用する場合は、そのデータベースも作成する必要がある。追加のコンテンツ管理リポジトリを使用する場合は、それらにもデータベースが必要。
このスクリプトをコピーして編集し、 <<WEBLOGIC>> を、作成する各データベースに適切なデータベース名、データベース オーナー ユーザ、パスワードで置き換える。
メインの WebLogic Portal データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース名 : WEBLOGIC
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC
  • パスワード : WEBLOGIC
この値を使用してスクリプトを実行する場合、スクリプトは WEBLOGIC データベースと WEBLOGIC データベース オーナー ユーザを作成し、データベース オブジェクトを作成するために WEBLOGIC への権限を付与します。

注意 : GroupSpace を使用するには、追加のデータベースを作成する必要がある。

GroupSpace リポジトリ データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース名 : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • パスワード : WEBLOGIC_GROUPSPACE

注意 : 追加のコンテンツ管理リポジトリを作成する場合は、そのリポジトリ用に別のユーザ名を作成する必要がある。詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照。

bt_create_database.sql
WEBLOGIC_EVENT データベースと WEBLOGIC_EVENT データベース オーナー ユーザのログインを作成し、データベース オブジェクトの作成に必用な WEBLOGIC_EVENT ユーザに権限を付与します。
デフォルトの名前は以下のとおりです。
  • データベース名 : WEBLOGIC_EVENT
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC_EVENT
  • パスワード : WEBLOGIC_EVENT


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