データベース管理ガイド

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Microsoft SQL Server の使い方

この章では、WebLogic Portal で Microsoft SQL Server データベースを使用するための必要手順について説明します。ここでは以下の内容を扱います。

作業を進める前に、この章全体とリリース ノートを参照してください。この章で説明するタスクはデータベース管理者が実行します。

 


Microsoft SQL Server データベースのコンフィグレーション

以下の手順を実行する前に、「WebLogic Portal のエンタープライズ品質データベース コンフィグレーションの概要」をお読みください。

データベース作成スクリプトによって、ドメイン固有のテーブルがインストールされます。サンプル スクリプトを変更し、各自の SQL Server 環境に適したデータベース デバイス、ファイル グループ、データベース、およびデータベース ユーザを作成する作業は、データベース管理者と共に行うことをお勧めします。

複数のドメインを使用する場合、または同じ SQL Server のインスタンスを使用して複数の環境を実行する場合 (1 台の SQL Server から開発やシステム テストを実行する場合など) は、複数のデータベースが必要です。GroupSpace では、コンテンツ管理リポジトリを追加した場合と同様に、独立したデータベースが必要です。

注意 : SQL Server JDBC のドライバでは、JTA 用にストアド プロシージャをコンフィグレーションし、必要な DLL を SQL Server データベース ホスト上に配置するために、追加手順が必要です。詳細については、『WebLogic Server タイプ 4 JDBC のドライバ ガイド』を参照してください。

SQL Server データベースをコンフィグレーションするには

  1. 新規データベース オブジェクトをインストールする場合は、その前にデータベースをバックアップしてください。詳細については、お使いのデータベース ベンダのドキュメントを参照してください。
  2. WL_HOME\portal\db\sql_server\admin ディレクトリにあるサンプル スクリプトを確認します。詳細については、「表 5-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  3. サンプル スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更することにより、以下の各データベースを作成します。
    1. メインの WebLogic Portal データベースとデータベース オブジェクトを作成するには、「メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション」の手順に従います。
    2. GroupSpace を使用する場合は、「GroupSpace データベースのコンフィグレーション」の手順に従って GroupSpace データベースとデータベース オブジェクトを作成します。
    3. 別に行動追跡データベースを作成する場合は、「行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成」の手順に従います。

 


メインの WebLogic Portal データベースのコンフィグレーション

メインの WebLogic Portal データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. create_database.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 5-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  2. システム管理者権限を持つユーザ (通常 sa ユーザ) で、変更した create_database.sql スクリプトを実行します。たとえば、osql の場合は次のようにします。
  3. osql -Usa -SSQLSERVER -e -icreate_database.sql -ocreate_database.log

    create_database.sql の実行結果は、create_database.log に出力されます。次の手順に進む前に、ログ ファイルにエラーが出力されていないことを確認します。

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=sql_server と設定します。
  3. メインの WebLogic Portal データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. sql_server.user=@DB_USER@
    sql_server.password=@DB_PASSWORD@
    sql_server.url=jdbc:bea:sqlserver://@DB_HOST@:@DB_PORT@;DatabaseName=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. create_db.cmd ファイルをダブルクリックします。
    3. エラー メッセージが表示された場合は、create_db.log ファイルで詳細を確認してください。

      注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. ドメインの JDBC データ ソース (appsGroupSpaceDataSource を除く) は、デフォルトでは PointBase を指しています。これを、SQL Server を指すデータ ソースに置き換えます。これらは、WebLogic Server Administration Console を使用してコンフィグレーションするか、または、提供されているサンプルから選択し、データベース環境に合わせて変更します。BEA がサポートする各データベースとドライバのサンプルの jdbc.xml 定義ファイルは、WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver ディレクトリにあります。たとえば、sql_server_bea です。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。

 


GroupSpace データベースのコンフィグレーション

GroupSpace データベースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. create_database.sql スクリプトをコピーし、環境に合わせて変更します。詳細については、「表 5-1 データベース スクリプトと使用上の注意」およびスクリプト内のコメントを参照してください。
  2. システム管理者権限を持つユーザ (通常 sa ユーザ) で、変更した create_database.sql スクリプトを実行します。たとえば、osql の場合は次のようにします。
  3. osql -Usa -SSQLSERVER -e -icreate_database.sql -ocreate_database.log

    create_database.sql の実行結果は、create_database.log に出力されます。次の手順に進む前に、ログ ファイルにエラーが出力されていないことを確認します。

残りの手順は、Configuration Wizard を使用せずに手動でデータベース オブジェクトを作成する場合にのみ実行します。Configuration Wizard を使用して残りの手順を実行する場合は、WebLogic Server のドキュメント『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』を参照してください。

  1. ドメインの groupspace_database.properties ファイルを編集用に開きます。
  2. database=sql_server と設定します。
  3. GroupSpace データベースに合わせて、以下の設定を更新します (@ 記号および @ 記号の間の文字列を正しい値に置き換えます)。
  4. sql_server.user=@DB_USER@
    sql_server.password=@DB_PASSWORD@
    sql_server.url=jdbc:bea:sqlserver://@DB_HOST@:@DB_PORT@;DatabaseName=@DB_NAME@
  5. データベース オブジェクトを作成します。
    1. BEA_HOME\user_projects\domains\myPortalDomain ディレクトリに移動します。
    2. 次のコマンドを入力します。
    3. create_db.cmd -database.properties=groupspace_database.properties

      エラー メッセージが表示された場合は、create_db_groupspace.log ファイルで詳細を確認してください。

      注意 : create_db スクリプトを実行後、データベース管理者のパスワードを更新する必要があります。詳細については、「データベース オブジェクトの作成または更新の注意について」を参照してください。
  6. appsGroupSpaceDataSource JDBC データ ソース (デフォルトでは PointBase を参照) を SQL Server を参照するデータ ソースで置き換えます。WebLogic Server Administration Console を使用します。または、BEA がサポートする各データベースとドライバ用に WL_HOME\portal\db\jdbc\database_driver ディレクトリに用意されているサンプルの jdbc.xml 定義ファイル、たとえば、sql_server_bea を更新します。WL_HOME\portal\db\jdbc\README.txt ファイルで説明している手順に従います。

 


行動追跡の別個のデータベースおよびデータベース オブジェクトの手動による作成

他の WebLogic Portal データベース オブジェクトとは別の場所に行動追跡イベントを保存すると、パフォーマンスを向上させることができます。行動追跡の詳細については、『対話管理ガイド』の「イベントと行動追跡の設定」を参照してください。

注意 : デフォルトでは、行動追跡データベース オブジェクトは他の WebLogic Portal データベース オブジェクトと同じデータベースに作成されます。これらの手順を実行する必要があるのは、行動追跡イベント用に別個のデータベースをコンフィグレーションする場合だけです。

行動追跡用の別個のデータベースを作成するには

  1. スクリプトと「表 5-1 データベース スクリプトと使用上の注意」にある指示に従って、ご使用の環境に合わせて bt_create_database.sql ファイルを変更します。
  2. システム管理者権限を持つユーザとして、bt_create_database.sql を実行します。たとえば、osql の場合は次のようにします。
  3. osql -Usa -SSQLSERVER -e -ibt_create_database.sql -obt_create_database.log

    エラー メッセージが表示された場合は、bt_create_database.log ファイルで詳細を確認してください。

  4. 環境に応じた適切なデータベース ディレクトリ WL_HOME\common\p13n\db\sql_server に移動します。
  5. ユーザ WEBLOGIC_EVENT で接続し、次のスクリプトを実行します。
    • bt_create_tables.sql
    • bt_create_fkeys.sql
    • bt_create_indexes.sql
    • bt_create_triggers.sql
  6. パス WL_HOME\portal\db\data\required から次のスクリプトを実行します。
    • bt_insert_system_data.sql
    • bt9_insert_system_data.sql
  7. WebLogic Server Administration Console を使用して、非 XA JDBC データ ソースが行動追跡データベースにアクセスするようにコンフィグレーションします。JNDI 名 p13n.trackingDataSource をそのデータ ソースに関連付けてから、p13n.trackingDataSourcep13nDataSource から削除します。

 


データベース スクリプトと使用上の注意

表 5-1 で説明するスクリプトを使用して、Oracle データベースをコンフィグレーションできます。

表 5-1 データベース スクリプトと使用上の注意
スクリプト名
説明
create_database.sql
データベースを作成する。メインの WebLogic Portal データベースを作成する必要がある。GroupSpace を使用する場合は、そのデータベースも作成する必要がある。追加のコンテンツ管理リポジトリを使用する場合は、それらにもデータベースが必要。
このスクリプトをコピーして編集し、 <<WEBLOGIC>> を、作成する各データベースに適切なデータベース名、データベース オーナー ユーザ、パスワードで置き換える。DATA デバイス、LOG デバイス、および WEBLOGIC_INDEX ファイル グループが存在する有効なディスクの場所を反映するには、スクリプトの編集およびファイル サイズの調整が必要。RAID デバイスを使用している場合を除き、DATA および LOG ファイルはそれぞれ別の物理ディスクに配置し、システム データベース ファイルと異なる場所に配置する。

注意 : WEBLOGIC_INDEX ファイル グループの名前は変更しない。

メインの WebLogic Portal データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース名 : WEBLOGIC
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC
  • パスワード : WEBLOGIC
これらの値でスクリプトを実行すると、WEBLOGIC データベース、WEBLOGIC_INDEX ファイル グループ、および WEBLOGIC データベース オーナー (dbo) ユーザ ログインが作成される。WEBLOGIC をデータベース内の dbo ユーザに設定するためのエリアスが作成される。また、WEBLOGIC データベースが WEBLOGIC ユーザのデフォルトのデータベースとして設定される。

注意 : GroupSpace を使用するには、追加のデータベースを作成する必要がある。

GroupSpace リポジトリ データベースの一般的な名前は次のとおり。
  • データベース名 : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC_GROUPSPACE
  • パスワード : WEBLOGIC_GROUPSPACE

注意 : 追加のコンテンツ管理リポジトリを作成する場合は、そのリポジトリ用に別のユーザ名を作成する必要がある。詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照。

statistics.sql
sp_updatestats を実行して、データベース オプティマイザに必要なデータベースの統計を計算する。統計を定期的に更新する。また、データベースのデータに重要な変更が発生したときは必ず更新する。(SQL Server データベースのデフォルトでは、AUTO_UPDATE_STATISTICS データベース オプションが有効で更新が行われる)。
このオプションが ON に設定されている場合 (デフォルト) は、テーブル内のデータが変更されると、既存の統計が自動的に更新される。
このオプションが OFF に設定されている場合は、既存の統計が自動的には更新されない。手動で統計を更新する必要がある。
AUTO_UPDATE_STATISTICS オプションの設定は、DATABASEPROPERTYEX 関数の IsAutoUpdateStatistics プロパティに格納される。
install_report.sql
WEBLOGIC スキーマ内で作成されたデータベース オブジェクトに関する情報インストール レポートを生成する。
bt_create_database.sql
WEBLOGIC_EVENT データベース、および WEBLOGIC_EVENT データベース オーナー ユーザ ログインを作成する。WEBLOGIC_EVENT をデータベース内のデータベース オーナー (dbo) ユーザに設定するためのエリアスが作成される。
DATA および LOG デバイスが存在する有効なディスクの場所を反映したり、ファイル サイズを調整したりするには、スクリプトの編集が必要である。DATA および LOG ファイルはそれぞれ別の物理ディスクに配置し、システム データベース ファイルと異なる場所に配置する。
デフォルト名は以下のとおりである。
  • データベース名 : WEBLOGIC_EVENT
  • データベース オーナー ユーザ : WEBLOGIC_EVENT
  • パスワード : WEBLOGIC_EVENT


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