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パーソナライゼーションやキャンペーンを使用するユーザ対話の作成には、複数の手順を伴う場合があります。たとえば、キャンペーンでパーソナライズされたコンテンツを特定のユーザに提供する場合には、BEA の仮想コンテンツ リポジトリへのコンテンツの追加、コンテンツを表示するプレースホルダの作成、ユーザがキャンペーン コンテンツの対象になる条件を定義するためのプロパティ (ユーザ プロファイルやセッション プロパティなど) の設定、およびキャンペーンの作成を行います。
この章では、ユーザを識別する条件を備えたプロパティ セットを作成する手順について説明します。プロパティは、パーソナライゼーションのロジックに対して定義した条件の下で使用されます。それぞれのユーザにはロジック条件に基づいて、パーソナライズされた Web コンテンツ、自動送信の電子メール、または割引が提供されます。
Workshop for WebLogic のエディタを利用すると、次のプロパティやイベントを定義してユーザの識別および追跡を行う条件を作成することができます。
開発者は Workshop for WebLogic を使用して、プロパティ セットとプロパティを作成します。ポータル管理者は、WebLogic Portal Administration Console を使用して、プロパティ セットの値を更新できます。プロパティ セットの設計については、「ユーザとの対話方法を計画する場合のチェックリスト」を参照してください。また、プロパティ セットの値の更新手順については、「プロパティ セット値の変更」を参照してください。
対話管理機能を使用するユーザの設定および管理については、『ユーザ管理ガイド』を参照してください。
Workshop for WebLogic を使用すると、ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト データ、日時の条件、またはイベントに対応したプロパティ セットを作成できます。
たとえば、ユーザ プロファイルはユーザについて収集および保管されている付加属性で構成されます。ユーザ プロファイルにある個々のメタデータは、ユーザ プロパティと呼ばれます。ユーザ プロパティは、静的に定義されるプロパティ (ユーザの電話番号や電子メール アドレスなど) から、動的に作成されて維持されるプロパティ (特定のユーザの Web サイトのトラッキング情報など) の多岐にわたります。
たとえば、性別
、雇用日
、電子メール アドレス
などのプロパティを含む従業員というプロパティ セットを作成できます。ユーザ プロファイル プロパティは、ユーザ プロファイルの値を編集する際に WebLogic Portal Administration Console の入力フィールドとして表示されます (グループにはグループ プロファイル プロパティ値を割り当てることもできます)。作成したプロパティは、パーソナライゼーション、委託管理、および訪問者の資格ロールに関するルールを定義するためにも使用できます。ユーザやグループには、複数のプロファイルを設定できます (プロファイルとプロパティ セットが同等の場合)。WebLogic Portal には、共通のプロパティを持つ、CustomerProperties.usr
というデフォルトのユーザ プロファイル プロパティ セットが用意されています。
コンテンツ項目に対して特定のプロパティを設定すると、アプリケーションのパーソナライゼーションが強化されます。詳細については、「コンテンツ セレクタの作成」を参照してください。コンテンツ管理の詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照してください。
必要なパーソナライゼーションのプロパティと条件を作成し、ユーザおよびコンテンツを設定したら、ポータルの対話管理機能を作成できます。たとえば、パーソナライゼーションをトリガするユーザ セグメントを作成した場合、コンテンツ セレクタを作成して、特定のユーザ セグメントに属するユーザに対して表示されるコンテンツを定義できます。
以降の節では、ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト、イベント、コミュニティ、またはリモート ポートレットのプロパティ セットを作成する手順について説明します。プロパティ セットはアプリケーション スコープであるため、スコープやネームスペースの追加はアプリケーションごとに実施する必要があります。
プロパティ セットおよびその他の対話管理機能では、さまざまな条件を使用して、ユーザおよびユーザの行動を識別します。条件の詳細については、「条件について」を参照してください。
注意 : | この章で示す手順は、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの data\src フォルダに関係します。data ディレクトリおよび src ディレクトリは、名前が変更されている可能性があります。 |
プロパティ セットの設計の詳細については、「ユーザとの対話方法を計画する場合のチェックリスト」を参照してください。
ユーザ プロファイルのプロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.usr
はそのまま使用します。
ユーザ セグメント (人口セグメントに類似) と呼ばれるグループを定義して使用すると、訪問者に対する特定 Web コンテンツの提供、電子メールの自動送付、および割引の提示を設定できます。ユーザ セグメントでは、特性 (グループ メンバシップ、ブラウザ タイプ、プロファイル値などのユーザ プロパティ) に基づいてユーザを動的にグループ化します。その特性に一致しているユーザは、自動的かつ動的にそのユーザ セグメントのメンバになります。ユーザ セグメントは、コンテンツ セレクタ、プレースホルダ、およびキャンペーンで使用できます。
.seg
は、そのまま使用します。
たとえば、「訪問者が特定の特性を備えている」という条件をユーザ セグメント エディタにドラッグする場合には、エディタ内のリンクをクリックして、ユーザをユーザ セグメントのメンバーと見なすためのユーザ プロファイル プロパティとプロパティ値を選択します。
ユーザ、HTTP セッション、および HTTP リクエスト条件のプロパティは、作成されるユーザ プロファイル、HTTP セッション、および HTTP リクエストのプロパティに基づきます。
警告 : | ショッピング カート イベント、割引アクション、およびカタログは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部です。この API は、WebLogic Portal とは別の製品として用意された AquaLogic Commerce Services に置き換えられています。 |
表 4-1 の説明に基づいて条件を選択します。
日時の条件を設定する場合、日時はユーザの地域の時刻を表します。たとえば、午後 8 時にトリガされるキャンペーン アクションを作成する場合、それはユーザの地域の午後 8 時になります。2 時間遅れているタイム ゾーンの場合、アクションはそのタイム ゾーンでは午後 6 時にトリガされます。
これは、設定する日付にも影響します。設定する日付は、ユーザのタイム ゾーンの午前 0 時に有効になります。6 時間進んでいるタイム ゾーンでは、その日付は、そのタイム ゾーンの午後 6 時、つまり前日に有効になります。
時刻の変更も、時刻でトリガされるアクションに影響します。たとえば、10 月 1 日の正午に開始し、10 月 31 日の正午に終了するキャンペーンを作成したとします。10 月 29 日に標準時間の変更 (1 時間戻す) が行われた場合、キャンペーンは実際には 10 月 31 日の午前 11時に終了します。新しい標準時間の正午にキャンペーンを終了するには、終了時間を午後 1 時に設定します。
ヒント : | 国内または世界で、さまざまなアクションがさまざまな日時にトリガされるため、起動する日時が、設定したタイム ゾーンで有効な日時であることをユーザに知らせることが重要です。このような情報を提供することによって、ユーザは自身のタイム ゾーンでその販売促進活動を利用できる時間を計算できます。 |
セッション プロパティでは、パーソナライゼーションやキャンペーンを実行するための特定の HTTP セッション情報が取得および使用されます。セッション プロパティは、セッションに関連付けられ、セッション間で保持されることはありません。たとえば、PortalA というセッション プロパティ セットを作成することができます。
セッション プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.ses
は、そのまま使用します。
JSP または Java ページ フローのコードを使用して、セッションを設定します。
リクエスト プロパティでは、パーソナライゼーションを実行するための特定の HTTP リクエスト情報が取得および使用されます。リクエスト プロパティは、リクエストに関連付けられ、リクエスト間で保持されることはありません。
リクエスト プロパティでは、プログラムで設定される値を格納することもできます。たとえば、<project>\data\src\request\ ディレクトリにある DefaultRequestPropertySet.req プロパティ セットはすべてのポータル Web プロジェクトに含まれます。このプロパティ セットには、ユーザエージェントおよびクライアント分類というプロパティが含まれます。これらのプロパティは、デバイスがポータルにアクセスしたときに、自動的に設定されます。これは、モバイル デバイスに適切な Web コンテンツを提供するフレームワークの重要なコンポーネントです。
リクエスト プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.req
は、そのまま使用します。
アプリケーション定義のプロパティ セットを作成すると、ユーザやグループ以外のエンティティのプロファイル データを格納することができます。これらのエンティティには、コミュニティやリモート ポートレット (アプリケーション プログラマによって作成されるカスタム エンティティ) などが含まれます。
アプリケーション定義のプロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.propset
は、そのまま使用します。
作成するカスタム イベントは、ポータル アプリケーションでイベントが認識されるように、登録する必要があります。イベントの登録が済んだら、登録したイベントを使用してパーソナライゼーションやキャンペーンをトリガしたり、ポータルでのユーザの行動を追跡したりできます。
イベントにはイベントをリスンするイベント リスナが必要です。カスタム イベントのイベント リスナは、<PORTAL_APP>\META-INF\wps-config.xml
ファイルに登録します。
イベント プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.evt
は、そのまま使用します。
Workshop for WebLogic のカタログ構造エディタを使用すると、カタログにプロパティを追加できます。プロパティを追加した場合は、WebLogic Portal Administration Console でそのプロパティを有効にする必要があります。
カタログ構造プロパティは、カタログに記載される項目に必要な情報 (SKU、説明、価格など) を定義する名前と値のペアです。
カタログ プロパティ セットを作成する前に、カタログ管理を有効にして、カタログ構造プロパティを使用するカタログ ツールを利用できるようにする必要があります。
警告 : | カタログ、ショッピング カート イベント、割引などは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部です。この API は、WebLogic Portal とは別の製品として用意された AquaLogic Commerce Services に置き換えられています。 |
カタログ プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。
.clg
は、そのまま使用します。
ユーザ プロファイル、HTTP セッションまたはリクエスト、コミュニティ、または WSRP のプロパティ セットの作成が済んだら、必要なプロパティを追加します。以下の手順は、「プロパティ セットの設定」の手順に従ってプロパティ セットの作成が完了していることが前提になっています。
プロパティ セットにプロパティを追加するには、以下の手順を実行します。
プロパティのタイプによって、プロパティに入力できる値の数が決まります。各タイプの説明は、次のとおりです。
男性
」または「女性
」を指定できます。true
または false
のみを指定できます (ブール データ型のプロパティは自動的に [単値かつ制限付き
] に設定されます)。 注意 : | [データ型]、[選択モード]、または [値の範囲] フィールドに変更を加えると、[値] フィールドに入力されていた値は削除されます。 |
警告 : | プロパティ コントロールを使用して、プロパティの作成と管理を行うこともできます。ただし、このコントロールで作成したプロパティは、WebLogic Portal Administration Console に表示されません。これらのプロパティの変更や更新はプログラムで実行する必要があります。 |
Workshop for WebLogic ではプロパティと値の編集を行うことができます。また、WebLogic Portal Administration Console ではプロパティ値の編集のみを行うことができます。
ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト データ、日時、条件、またはイベントのプロパティや条件、およびそれらの値を変更する場合は、Workshop for WebLogic で次の手順を実行します。
また、JSP の <profile:setProperty>
JSP タグやページ フローのプロパティ コントロールを使用して、ユーザの既存のプロパティ値を変更することもできます。
ポータル管理者は、WebLogic Portal Administration Console を使用して、プロパティ値を変更できます。手順については、「プロパティ値の編集」を参照してください。
外部ユーザ プロパティまたはグループ プロパティにアクセスするために統合ユーザ プロファイル (UUP) を作成している場合には、これらのプロパティを使用してパーソナライゼーション、委託管理、または訪問者の資格に関するルールを定義できます。
外部ユーザ ストア (LDAP サーバなど) に格納されたプロパティにアクセスするために UUP を作成した後は、WebLogic Portal の JSP タグ、コントロール、または API のみを使用して、これらの外部プロパティにアクセスできます。UUP のデプロイ後に Administration Console で関連するプロパティ セットの設定を行う場合、Administration Console は UUP を呼び出して値を読み込みます。UUP プロパティへの書き込みを可能にする場合には、UUP で書き込み可能なインタフェースを実装する必要があります。
パーソナライゼーション、委託管理、または訪問者資格のルールの定義にこれらの外部プロパティを使用するには、WebLogic Portal Administration Console でこれらのプロパティを取得する必要があります。ルールを定義するだけであれば、「ユーザ プロファイル プロパティ セットの作成」で作成したプロパティ セットの「スキーマ」にアクセスするだけで十分です。ルールを評価する際には、実際の値が取得されます。Administration Console を使用する必要はありません。
注意 : | 外部ユーザ ストアから取得するプロパティは読み込み専用になっている場合があります。この場合、WebLogic Portal Administration Console で値を更新することはできません。これらのプロパティを書き込み可能にするには、カスタム UUP で書き込み可能なプロパティを実装する必要があります。 |
外部データ ストアからユーザ プロパティまたはグループ プロパティを取得するには、次の手順を実行します。
p13n_app.jar
ファイルの中で、使用するアプリケーションの/META-INF
ディレクトリに /META-INF/p13n-profile-config.xml
ファイルをコピーします。/META-INF
ディレクトリにある p13n-profile-config.xml
ファイルを変更します。手順については、『ユーザ管理ガイド』を参照してください。
プロパティ セットから個々のプロパティを削除したり、プロパティ セット全体を削除したりできます。
プロパティ セットからプロパティを削除するには、以下の手順を実行します。
また、JSP の <profile:removeProperty>
JSP タグやページ フローのプロパティ コントロールを使用して、ユーザ プロファイルから既存のプロパティ値を削除することもできます。
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