対話管理ガイド

     前  次    目次     
ここから内容

プロパティ セットの作成

パーソナライゼーションやキャンペーンを使用するユーザ対話の作成には、複数の手順を伴う場合があります。たとえば、キャンペーンでパーソナライズされたコンテンツを特定のユーザに提供する場合には、BEA の仮想コンテンツ リポジトリへのコンテンツの追加、コンテンツを表示するプレースホルダの作成、ユーザがキャンペーン コンテンツの対象になる条件を定義するためのプロパティ (ユーザ プロファイルやセッション プロパティなど) の設定、およびキャンペーンの作成を行います。

この章では、ユーザを識別する条件を備えたプロパティ セットを作成する手順について説明します。プロパティは、パーソナライゼーションのロジックに対して定義した条件の下で使用されます。それぞれのユーザにはロジック条件に基づいて、パーソナライズされた Web コンテンツ、自動送信の電子メール、または割引が提供されます。

Workshop for WebLogic のエディタを利用すると、次のプロパティやイベントを定義してユーザの識別および追跡を行う条件を作成することができます。

開発者は Workshop for WebLogic を使用して、プロパティ セットとプロパティを作成します。ポータル管理者は、WebLogic Portal Administration Console を使用して、プロパティ セットの値を更新できます。プロパティ セットの設計については、「ユーザとの対話方法を計画する場合のチェックリスト」を参照してください。また、プロパティ セットの値の更新手順については、「プロパティ セット値の変更」を参照してください。

この章の内容は以下のとおりです。

対話管理機能を使用するユーザの設定および管理については、『ユーザ管理ガイド』を参照してください。

 


プロパティ セットの設定

Workshop for WebLogic を使用すると、ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト データ、日時の条件、またはイベントに対応したプロパティ セットを作成できます。

たとえば、ユーザ プロファイルはユーザについて収集および保管されている付加属性で構成されます。ユーザ プロファイルにある個々のメタデータは、ユーザ プロパティと呼ばれます。ユーザ プロパティは、静的に定義されるプロパティ (ユーザの電話番号や電子メール アドレスなど) から、動的に作成されて維持されるプロパティ (特定のユーザの Web サイトのトラッキング情報など) の多岐にわたります。

たとえば、性別雇用日電子メール アドレスなどのプロパティを含む従業員というプロパティ セットを作成できます。ユーザ プロファイル プロパティは、ユーザ プロファイルの値を編集する際に WebLogic Portal Administration Console の入力フィールドとして表示されます (グループにはグループ プロファイル プロパティ値を割り当てることもできます)。作成したプロパティは、パーソナライゼーション、委託管理、および訪問者の資格ロールに関するルールを定義するためにも使用できます。ユーザやグループには、複数のプロファイルを設定できます (プロファイルとプロパティ セットが同等の場合)。WebLogic Portal には、共通のプロパティを持つ、CustomerProperties.usr というデフォルトのユーザ プロファイル プロパティ セットが用意されています。

コンテンツ項目に対して特定のプロパティを設定すると、アプリケーションのパーソナライゼーションが強化されます。詳細については、「コンテンツ セレクタの作成」を参照してください。コンテンツ管理の詳細については、『コンテンツ管理ガイド』を参照してください。

必要なパーソナライゼーションのプロパティと条件を作成し、ユーザおよびコンテンツを設定したら、ポータルの対話管理機能を作成できます。たとえば、パーソナライゼーションをトリガするユーザ セグメントを作成した場合、コンテンツ セレクタを作成して、特定のユーザ セグメントに属するユーザに対して表示されるコンテンツを定義できます。

以降の節では、ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト、イベント、コミュニティ、またはリモート ポートレットのプロパティ セットを作成する手順について説明します。プロパティ セットはアプリケーション スコープであるため、スコープやネームスペースの追加はアプリケーションごとに実施する必要があります。

プロパティ セットおよびその他の対話管理機能では、さまざまな条件を使用して、ユーザおよびユーザの行動を識別します。条件の詳細については、「条件について」を参照してください。

注意 : この章で示す手順は、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの data\src フォルダに関係します。data ディレクトリおよび src ディレクトリは、名前が変更されている可能性があります。

この節では、次のトピックについて説明します。

ユーザ プロファイル プロパティ セットの作成

プロパティ セットの設計の詳細については、「ユーザとの対話方法を計画する場合のチェックリスト」を参照してください。

ユーザ プロファイルのプロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\srcrprofiles フォルダを右クリックし、[新規ユーザ プロパティ セット] を選択します。
  2. [新しいユーザ プロパティ セット] ウィンドウで、[ファイル名] フィールドにユーザ プロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子 .usr はそのまま使用します。
  3. [終了] をクリックします。ユーザ プロファイル エディタが表示されます。
  4. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

ユーザ セグメント プロパティ セットの作成

ユーザ セグメント (人口セグメントに類似) と呼ばれるグループを定義して使用すると、訪問者に対する特定 Web コンテンツの提供、電子メールの自動送付、および割引の提示を設定できます。ユーザ セグメントでは、特性 (グループ メンバシップ、ブラウザ タイプ、プロファイル値などのユーザ プロパティ) に基づいてユーザを動的にグループ化します。その特性に一致しているユーザは、自動的かつ動的にそのユーザ セグメントのメンバになります。ユーザ セグメントは、コンテンツ セレクタ、プレースホルダ、およびキャンペーンで使用できます。

以下の手順を実行して、ユーザ セグメントを作成します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src フォルダを右クリックし、[新規ユーザ セグメント] を選択します。
  2. [新規 - ユーザ セグメント] ウィンドウで、[ファイル名] フィールドにユーザ セグメントの名前を入力します。ファイル拡張子の .seg は、そのまま使用します。
  3. [終了] をクリックします。ユーザ セグメント エディタが表示されます。
  4. [パレット] タブで、使用する条件をユーザ セグメント エディタにドラッグします。図 4-1 を参照してください。
  5. 図 4-1 birdlover.seg という名前のユーザ セグメント


    birdlover.seg という名前のユーザ セグメント

  6. ユーザ セグメントに条件を追加する場合には、条件のリンクをクリックして条件を設定します。
  7. たとえば、「訪問者が特定の特性を備えている」という条件をユーザ セグメント エディタにドラッグする場合には、エディタ内のリンクをクリックして、ユーザをユーザ セグメントのメンバーと見なすためのユーザ プロファイル プロパティとプロパティ値を選択します。

    ユーザ、HTTP セッション、および HTTP リクエスト条件のプロパティは、作成されるユーザ プロファイル、HTTP セッション、および HTTP リクエストのプロパティに基づきます。

    警告 : ショッピング カート イベント、割引アクション、およびカタログは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部です。この API は、WebLogic Portal とは別の製品として用意された AquaLogic Commerce Services に置き換えられています。

    表 4-1 の説明に基づいて条件を選択します。

    表 4-1 対象となるユーザと発生するアクションを識別する条件
    条件
    説明
    変数をバインドする
    タイプを選択してそれに変数をバインドする場合に、バインドされた変数が引数として使用される場所でメソッドを呼び出すことができる。
    インスタンス メソッドを呼び出す
    アクションをトリガする条件として使用できる。特定の引数を持つ変数でインスタンス メソッドを呼び出すと、指定したアクションが発生する。
    訪問者は事前定義されたユーザ セグメントのメンバーである。
    Web サイトの訪問者が事前定義されたユーザ セグメントに属している場合、指定したアクションを実行する。たとえば、訪問者が Gold Customer User セグメントに属している場合に、特定の Web コンテンツを訪問者に表示する (アクション) など。
    訪問者特性が指定した特性と合致する
    訪問者の特性を指定した値と比較したときに、その比較結果が true であった場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、訪問者の月収 (特性) が 5 万ドル (値) 以上 (比較) である場合に、電子メールを送信する (アクション) など。
    訪問者の HTTP リクエストが特定のプロパティを備えている
    HTTP リクエストのプロパティを指定した値と比較したときに、その比較結果が true であった場合に、指定されたアクションを実行する。
    訪問者の HTTP セッションに特定のプロパティが設定されている
    HTTP セッションのプロパティを指定した値と比較したときに、その比較結果が true であった場合に、指定されたアクションを実行する。HTTP セッションとは、訪問者が Web サイトで参照しているセッションを知るために組織が追跡する情報である。
    アプリケーション プロパティが特定の値を備えている
    アプリケーション定義のプロパティ セット (「コミュニティまたはリモート ポートレット プロパティ セットの作成」を参照) といくつかのプロパティを作成すると、[アプリケーション プロパティが特定の値を備えている] 条件を使用できる。この条件を使用するには、適切な既存のプロパティ セットが必要。
    イベントが特定の特性を備えている
    イベントの特性を指定した値と比較したときに、その比較結果が true であった場合に、指定されたアクションを実行する。
    イベントが発生した (ログイン、クリックなど)
    イベントが発生すると (たとえば、ユーザがポータルにログインした場合やリンクをクリックした場合)、アクションが発生する。
    現在の日付が以下のとおりである
    現在の日付が指定した日付と一致する場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、日付が 2006 年 7 月 22 日である場合に、間もなく開催されるセールに関する電子メールをユーザに送信する (アクション) など。現在の日付は、Web サイトを閲覧しているユーザの条件が評価された時点の日付を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    現在の日付が指定された日付より後である
    現在の日付が指定した日付より後である場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、日付が 2005 年 12 月 18 日より後である場合に、ユーザに割引を提供する (アクション) など。現在の日付は、Web サイトを閲覧しているユーザの条件が評価された時点の日付を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    現在の日時が指定された日時より後である
    現在の日時が指定した日時より後である場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、日時が 2006 年 7 月 22 日の午後 3 時より後である場合に、間もなく開催されるセールに関する電子メールをユーザに送信する (アクション) など。現在の日時は、Web サイトを閲覧しているユーザの条件が評価された時点の日時を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    現在の時刻が 2 つの時刻の間にある
    現在の時間が指定した時間の範囲内にある場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、時間が午後 3 時から午後 5 時の間である場合に、ユーザに割引を提供する (アクション) など。現在の時間は、Web サイトを閲覧しているユーザの条件が評価された時点の時間を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    現在の日付が 2 つの日付の間にある
    現在の日付が指定した日付の範囲内にある場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、日付が 2005 年 12 月 18 日から 2006 年 12 月 18 日の間である場合に、ユーザにセールの広告を表示する (アクション) など。現在の日付は、Web サイトを閲覧している特定のユーザの条件が評価された時点の日付を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    [現在の日時が 2 つの日時の間にある]
    現在の日時が指定した日時の範囲内にある場合に、指定されたアクションを実行する。たとえば、日時が 2005 年 7 月 22 日の午後 3 時から 2006 年 7 月 22 日の午後 3 時の間である場合に、ユーザにセールの広告を表示する (アクション) など。日付の範囲には指定した日付も含まれる。現在の日時は、Web サイトを閲覧しているユーザの条件が評価された時点の日時を指す。詳細については、「日時の設定」を参照。
    訪問者が無作為標本の中から選択される
    Web サイトの訪問者が無作為標本の中から選択される場合に、指定したアクションを実行する。この条件が適用されるのはキャンペーンとルール セットのみ。
    カートに入っている商品の値段が一定の金額である
    ショッピング カート内のすべての商品の合計が特定の金額と等しい、またはその金額を超える場合に、指定したアクションを実行する。この条件が適用されるのはキャンペーンとルール セットのみ。
    特定の商品がショッピング カートに入っている
    商品がショッピング カートに追加された場合に、指定したアクションを実行する。キャンペーンにのみ適用。ショッピング カート イベント、割引アクション、およびカタログは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部。この API は、AquaLogic Commerce Services に置き換えられている。
    指定されたカテゴリに属する商品がショッピング カートに入っている
    特定のカテゴリの商品がショッピング カートに追加された場合に、指定したアクションを実行する。キャンペーンにのみ適用。ショッピング カート イベント、割引アクション、およびカタログは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部。この API は、AquaLogic Commerce Services に置き換えられている。

  8. [ファイル|保存] を選択して、ユーザ セグメント ファイルを保存します。

日時の設定

日時の条件を設定する場合、日時はユーザの地域の時刻を表します。たとえば、午後 8 時にトリガされるキャンペーン アクションを作成する場合、それはユーザの地域の午後 8 時になります。2 時間遅れているタイム ゾーンの場合、アクションはそのタイム ゾーンでは午後 6 時にトリガされます。

これは、設定する日付にも影響します。設定する日付は、ユーザのタイム ゾーンの午前 0 時に有効になります。6 時間進んでいるタイム ゾーンでは、その日付は、そのタイム ゾーンの午後 6 時、つまり前日に有効になります。

時刻の変更も、時刻でトリガされるアクションに影響します。たとえば、10 月 1 日の正午に開始し、10 月 31 日の正午に終了するキャンペーンを作成したとします。10 月 29 日に標準時間の変更 (1 時間戻す) が行われた場合、キャンペーンは実際には 10 月 31 日の午前 11時に終了します。新しい標準時間の正午にキャンペーンを終了するには、終了時間を午後 1 時に設定します。

ヒント : 国内または世界で、さまざまなアクションがさまざまな日時にトリガされるため、起動する日時が、設定したタイム ゾーンで有効な日時であることをユーザに知らせることが重要です。このような情報を提供することによって、ユーザは自身のタイム ゾーンでその販売促進活動を利用できる時間を計算できます。

セッション プロパティ セットの作成

セッション プロパティでは、パーソナライゼーションやキャンペーンを実行するための特定の HTTP セッション情報が取得および使用されます。セッション プロパティは、セッションに関連付けられ、セッション間で保持されることはありません。たとえば、PortalA というセッション プロパティ セットを作成することができます。

セッション プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src フォルダを右クリックし、[新規|その他] を選択します。
  2. [WebLogic Portal] フォルダおよび [セッション プロパティ セット] フォルダを選択して、[次へ] をクリックします。
  3. [ファイル名] フィールドにセッション プロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子の .ses は、そのまま使用します。
  4. [終了] をクリックします。セッション エディタが表示されます。
  5. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

JSP または Java ページ フローのコードを使用して、セッションを設定します。

リクエスト プロパティ セットの作成

リクエスト プロパティでは、パーソナライゼーションを実行するための特定の HTTP リクエスト情報が取得および使用されます。リクエスト プロパティは、リクエストに関連付けられ、リクエスト間で保持されることはありません。

リクエスト プロパティでは、プログラムで設定される値を格納することもできます。たとえば、<project>\data\src\request\ ディレクトリにある DefaultRequestPropertySet.req プロパティ セットはすべてのポータル Web プロジェクトに含まれます。このプロパティ セットには、ユーザエージェントおよびクライアント分類というプロパティが含まれます。これらのプロパティは、デバイスがポータルにアクセスしたときに、自動的に設定されます。これは、モバイル デバイスに適切な Web コンテンツを提供するフレームワークの重要なコンポーネントです。

リクエスト プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src\request フォルダを右クリックし、[新規その他] を選択します。
  2. [新規 - ウィザードを選択] ウィンドウで、[WebLogic Portal] フォルダを展開し、[プロパティ セット] フォルダを展開します。
  3. [リクエスト プロパティ セット] を選択して [次へ] をクリックします。
  4. [新しいリクエスト プロパティ セット] ウィンドウで、[ファイル名] フィールドにリクエスト プロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子の .req は、そのまま使用します。
  5. [終了] をクリックします。リクエスト プロパティ セット エディタが表示されます。
  6. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

コミュニティまたはリモート ポートレット プロパティ セットの作成

アプリケーション定義のプロパティ セットを作成すると、ユーザやグループ以外のエンティティのプロファイル データを格納することができます。これらのエンティティには、コミュニティやリモート ポートレット (アプリケーション プログラマによって作成されるカスタム エンティティ) などが含まれます。

アプリケーション定義のプロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src フォルダを右クリックし、[新規|その他] を選択します。
  2. [新規 - ウィザードを選択] ウィンドウで、[WebLogic Portal] フォルダを展開し、[プロパティ セット] フォルダを展開します。
  3. [アプリケーション定義のプロパティ セット] を選択して [次へ] をクリックします。
  4. [ファイル名] フィールドにコミュニティまたはリモート ポートレット プロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子の .propset は、そのまま使用します。
  5. [終了] をクリックします。アプリケーション定義プロパティ セット エディタが表示されます。
  6. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

イベント プロパティ セットの作成

作成するカスタム イベントは、ポータル アプリケーションでイベントが認識されるように、登録する必要があります。イベントの登録が済んだら、登録したイベントを使用してパーソナライゼーションやキャンペーンをトリガしたり、ポータルでのユーザの行動を追跡したりできます。

イベントにはイベントをリスンするイベント リスナが必要です。カスタム イベントのイベント リスナは、<PORTAL_APP>\META-INF\wps-config.xml ファイルに登録します。

イベント プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src フォルダを右クリックし、[新規その他] を選択します。
  2. [新規 - ウィザードを選択] ウィンドウで、[WebLogic Portal] フォルダを展開し、[プロパティ セット] フォルダを展開します。
  3. [イベント プロパティ セット] を選択して [次へ] をクリックします。
  4. [新しいイベント プロパティ セット] ウィンドウで、[ファイル名] フィールドにイベント プロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子の .evt は、そのまま使用します。
  5. [終了] をクリックします。イベント エディタが表示されます。
  6. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

カタログ プロパティ セットの作成

Workshop for WebLogic のカタログ構造エディタを使用すると、カタログにプロパティを追加できます。プロパティを追加した場合は、WebLogic Portal Administration Console でそのプロパティを有効にする必要があります。

カタログ構造プロパティは、カタログに記載される項目に必要な情報 (SKU説明価格など) を定義する名前と値のペアです。

カタログ プロパティ セットを作成する前に、カタログ管理を有効にして、カタログ構造プロパティを使用するカタログ ツールを利用できるようにする必要があります。

警告 : カタログ、ショッピング カート イベント、割引などは、WebLogic Portal 10.0 では推奨されていないコマース API の一部です。この API は、WebLogic Portal とは別の製品として用意された AquaLogic Commerce Services に置き換えられています。

カタログ プロパティ セットを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラー] ビューの <data>\src\catalog フォルダを右クリックし、[新規|その他] を選択します。
  2. [新規 - ウィザードを選択] ウィンドウで、[WebLogic Portal] フォルダと [プロパティ セット] フォルダを展開します。
  3. [カタログ プロパティ セット] を選択して [次へ] をクリックします。
  4. [新しいカタログ プロパティ セット] ウィンドウで、[ファイル名] フィールドにプロパティ セットの名前を入力します。ファイル拡張子の .clg は、そのまま使用します。
  5. [終了] をクリックします。カタログ構造エディタが表示されます。
  6. プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加」の手順に従って、プロパティ セットにプロパティを追加します。

 


プロパティ セットへのプロパティまたは条件の追加

ユーザ プロファイル、HTTP セッションまたはリクエスト、コミュニティ、または WSRP のプロパティ セットの作成が済んだら、必要なプロパティを追加します。以下の手順は、「プロパティ セットの設定」の手順に従ってプロパティ セットの作成が完了していることが前提になっています。

プロパティ セットにプロパティを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic で、「プロパティ セットの設定」で作成したプロパティ セット ファイルを開きます。
  2. [パレット] タブで、いずれかのプロパティ タイプをプロパティ セット エディタ ウィンドウにドラッグします (図 4-2 を参照)。
  3. 図 4-2 [単値かつ制限付き] プロパティを使用して、定義されたリストから 1 つの値を選択できるようにする


    [単値かつ制限付き] プロパティを使用して、定義されたリストから 1 つの値を選択できるようにする

    プロパティのタイプによって、プロパティに入力できる値の数が決まります。各タイプの説明は、次のとおりです。

    • 単値かつ制限なし - 単値かつ制限なしプロパティに指定できる値は 1 つだけですが、任意の値を入力できます。たとえば、誕生日などです。
    • 単値かつ制限付き - 単値かつ制限付きプロパティに指定できる値は 1 つだけであり、値の選択は定義済みリストからのみに制限されます。たとえば、性別プロパティには、「男性」または「女性」を指定できます。
    • 多値かつ制限なし - 多値かつ制限なしのプロパティには複数の値を指定でき、任意の値を入力できます。通常、このプロパティは、子供の名前などの単一のカテゴリで使用されます。その他の例として、好きな色優先ブラウザなどがあります。
    • 多値かつ制限付き - 多値かつ制限付きプロパティには複数の値を指定できますが、値の選択は定義済みリストからのみに制限されます。たとえば、などです。また、複数選択可能なタイプのデータを使用することもできます。
  4. [プロパティー] タブを選択し、次の操作を行います。
    • ドロップダウン リストをクリックして、プロパティ値の [データ型] を選択する。たとえば、[ブール] を選択した場合、プロパティのには true または false のみを指定できます (ブール データ型のプロパティは自動的に [単値かつ制限付き] に設定されます)。
    • [説明] および [プロパティ名] を入力する。
    • [選択モード] および [値の範囲] フィールドで、プロパティ タイプを変更できる。たとえば、[単値かつ制限なし] から [多値かつ制限付き] にプロパティを変更できます。
    • 注意 : [データ型]、[選択モード]、または [値の範囲] フィールドに変更を加えると、[] フィールドに入力されていた値は削除されます。
    • [] フィールドを使用して、[制限付き] タイプへの値の入力や [制限なし] タイプへのデフォルト値の設定を行う。省略記号アイコン (...) をクリックして、値を入力します ([制限付き] タイプの場合は、表示される [プロパティ値の入力] ダイアログ ボックスで、値を入力して [追加] をクリックします。値をすべて入力したら、[OK] をクリックします。図 4-3 を参照してください。
    • 図 4-3 3 つの指定可能な値を持つプロパティ


      3 つの指定可能な値を持つプロパティ

  5. [ファイル|保存] を選択して、プロパティを保存します。
警告 : プロパティ コントロールを使用して、プロパティの作成と管理を行うこともできます。ただし、このコントロールで作成したプロパティは、WebLogic Portal Administration Console に表示されません。これらのプロパティの変更や更新はプログラムで実行する必要があります。

 


プロパティおよび条件の変更

Workshop for WebLogic ではプロパティと値の編集を行うことができます。また、WebLogic Portal Administration Console ではプロパティ値の編集のみを行うことができます。

この節では、次のトピックについて説明します。

プロパティの編集

ユーザ プロファイル、ユーザ セグメント、HTTP セッションまたはリクエスト データ、日時、条件、またはイベントのプロパティや条件、およびそれらの値を変更する場合は、Workshop for WebLogic で次の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic の Workshop パースペクティブで、プロパティ セット ファイルをダブルクリックします。
  2. [プロパティー] タブで、プロパティまたはデフォルト値を変更します。
  3. [ファイル|保存] を選択して、変更を保存します。

また、JSP の <profile:setProperty> JSP タグやページ フローのプロパティ コントロールを使用して、ユーザの既存のプロパティ値を変更することもできます。

プロパティ値の編集

ポータル管理者は、WebLogic Portal Administration Console を使用して、プロパティ値を変更できます。手順については、「プロパティ値の編集」を参照してください。

プロパティの外部データ ストアからの取得

外部ユーザ プロパティまたはグループ プロパティにアクセスするために統合ユーザ プロファイル (UUP) を作成している場合には、これらのプロパティを使用してパーソナライゼーション、委託管理、または訪問者の資格に関するルールを定義できます。

外部ユーザ ストア (LDAP サーバなど) に格納されたプロパティにアクセスするために UUP を作成した後は、WebLogic Portal の JSP タグ、コントロール、または API のみを使用して、これらの外部プロパティにアクセスできます。UUP のデプロイ後に Administration Console で関連するプロパティ セットの設定を行う場合、Administration Console は UUP を呼び出して値を読み込みます。UUP プロパティへの書き込みを可能にする場合には、UUP で書き込み可能なインタフェースを実装する必要があります。

パーソナライゼーション、委託管理、または訪問者資格のルールの定義にこれらの外部プロパティを使用するには、WebLogic Portal Administration Console でこれらのプロパティを取得する必要があります。ルールを定義するだけであれば、「ユーザ プロファイル プロパティ セットの作成」で作成したプロパティ セットの「スキーマ」にアクセスするだけで十分です。ルールを評価する際には、実際の値が取得されます。Administration Console を使用する必要はありません。

注意 : 外部ユーザ ストアから取得するプロパティは読み込み専用になっている場合があります。この場合、WebLogic Portal Administration Console で値を更新することはできません。これらのプロパティを書き込み可能にするには、カスタム UUP で書き込み可能なプロパティを実装する必要があります。

パスワードはプロパティとは見なされません。

外部データ ストアからユーザ プロパティまたはグループ プロパティを取得するには、次の手順を実行します。

  1. 外部データ ストアの UUP を作成します。手順については、『ユーザ管理ガイド』を参照してください。
  2. 外部データ ストアのユーザ プロファイル プロパティ セットを作成する場合は、作成するプロパティ セットの名前を見つけます。エンタープライズ アプリケーションのルート ディレクトリにある p13n_app.jar ファイルの中で、使用するアプリケーションの/META-INF ディレクトリに /META-INF/p13n-profile-config.xml ファイルをコピーします。
  3. アプリケーションの /META-INF ディレクトリにある p13n-profile-config.xml ファイルを変更します。手順については、『ユーザ管理ガイド』を参照してください。
  4. 表示する外部ストアのプロパティ名と完全に一致するプロパティ セットにプロパティを追加します。WebLogic Portal に用意されている LDAP UUP を使用している場合は、プロパティ セットに ldap.usr という名前を付けます。
  5. プロパティ セット ファイルを保存します。

 


プロパティまたはプロパティ セットの削除

プロパティ セットから個々のプロパティを削除したり、プロパティ セット全体を削除したりできます。

プロパティ セットからプロパティを削除するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、プロパティ セット ファイルをダブルクリックします。
  2. エディタ ウィンドウで、プロパティを選択します。たとえば、ユーザ セグメントに「訪問者が特定の特性を備えている」という条件が含まれています。
  3. プロパティを右クリックし、[削除] を選択します。

プロパティ セットを削除するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、プロパティ セット ファイルをダブルクリックします。
  2. プロパティ セットを右クリックし、[削除] を選択します。

また、JSP の <profile:removeProperty> JSP タグやページ フローのプロパティ コントロールを使用して、ユーザ プロファイルから既存のプロパティ値を削除することもできます。


ページの先頭       前  次