ポートレット開発ガイド

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はじめに

この章では、BEA WebLogic Portal® ポートレットの概念を紹介し、このガイドの内容について説明します。

この章の内容は以下のとおりです。

 


ポートレットの概要

ポートレットは、アプリケーション、情報、およびビジネス プロセスを表示する、Web ブラウザ内のモジュラー ペインです。ポートレットには、静的 HTML コンテンツ、Java コントロール、複雑な Web サービス、プロセスの多いアプリケーションなどの情報を格納することができます。ポートレットは相互に通信したり、イベントを使用してアプリケーション内でユーザがたどるパスを判断する Java ページフローに参加したりできます。単一のポートレットが複数のインスタンスを持つこともできます。つまり、1 つのポータル内の複数の異なるページで表示したり、ポートレットが WSRP (Web Services for Remote Portlets) に対応している場合は複数のポータルにわたって表示することもできます。特定のユーザまたはグループのニーズに合わせてポートレットをカスタマイズできます。

以下の図は、関連するポートレットを赤色で示したポータル デスクトップの例です。

図 1-1 ポートレットを使用したポータル デスクトップ

ポートレットを使用したポータル デスクトップ

WebLogic Portal では、クライアント ベースのツールである BEA Workshop for WebLogic Platform (Workshop for WebLogic) を通じてポートレットの開発を支援します。JBuilder、VI、Emacs などの任意のツールでコーディングを行い、Workshop for WebLogic を使用せずにポータルを開発することも可能です。ポートレットは Java または JSP で記述できます。クライアント側の操作用に JavaScript を含めることもできます。ただし、WebLogic Portal が実現する開発時の生産性向上を存分に生かすには、ポータルおよびポートレット開発プラットフォームとして Workshop for WebLogic を使用することをお勧めします。

WebLogic Portal を使用して構築できる各種ポートレットの説明については、「ポートレット タイプ」を参照してください。

 


ポートレット開発とポータル ライフサイクル

このガイドで説明するタスクは、ポータル ライフサイクルに従って構成されています。ポータルの作成および更新のベスト プラクティスと手順についても説明します。ポータル ライフサイクルの詳細については、「BEA WebLogic Portal の概要」を参照してください。ポータル ライフサイクルには、アーキテクチャ、開発、ステージング、プロダクションの 4 つの段階があります。図 1-2 は、各段階で発生するポートレット開発タスクのサンプルを示します。

図 1-2 ポートレットとポータル ライフサイクルの 4 つの段階

ポートレットとポータル ライフサイクルの 4 つの段階

アーキテクチャ

アーキテクチャ段階では、ポータルのコンフィグレーションを計画します。たとえば、ポータルの要件、必要なポートレット、それらのポートレットがホストされる場所、およびポートレット間での通信と対話の方法を示す詳細な仕様を作成できます。ポータルのデプロイメント方法についても検討します。セキュリティ アーキテクチャもポートレット レベルで考慮する必要があります。

アーキテクチャ段階のタスクについては、以下の章で説明しています。

開発

開発者は Workshop for WebLogic を使用して、ポートレット、ページ、およびブックを作成します。開発時には、データ転送およびポートレット間通信の方法を実装できます。

開発段階では、ベスト プラクティスに注目することが重要です。このガイドでは、可能な限り、これらのベスト プラクティスに準拠するための説明および手順を示します。

開発段階のタスクについては、以下の章で説明しています。

ステージング

BEA では、ポータル (ポートレットを含む) をステージング環境にデプロイし、そこで構築とテストを行ってから実稼動させることを推奨します。ステージング環境では、WebLogic Portal Administration Console を使用して、デスクトップを構築およびコンフィグレーションします。また、ステージング環境では、ポータルを実際のプロダクション システムに伝播する前にテストします。ステージング段階のテストでは、アプリケーションのリリース準備が整うまでに、ステージングと開発を何回も繰り返します。

ステージング段階のタスクについては、以下の章で説明しています。

プロダクション

プロダクション ポータルは、エンド ユーザが使用できる実稼動環境です。プロダクションのポータルを変更するには、管理者の場合は WebLogic Portal Administration Console を使用し、ユーザの場合は訪問者ツールを使用します。たとえば、管理者がポートレットをポータルに追加したり、ポータルのコンテンツを再編成する場合があります。

プロダクション段階のタスクについては、以下の章で説明しています。

 


始める前に

この節では、このガイドを使用するための基本的な前提条件について説明し、関連する情報やトピックを含むガイドを示します。

前提条件

一般に、このガイドでは、ポートレットを開発する前に、以下の必須タスクを実行済みであることを前提としています。

関連ガイド

BEA では、以下のガイドを確認することをお勧めします。

このガイドでは、可能な限り、関連ガイドの情報への相互参照を示します。


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