検索の統合

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ポータルの開発時の検索の使用

開発段階で、ポータル ユーザが検索機能にアクセスできるようにするための Autonomy ポートレットを追加できます。独自のポートレットを構築することも、既存のポートレットをカスタマイズすることもできます。

注意 : Autonomy ドキュメントは、WebLogic Portal インストール ディレクトリ (//WebLogic_Home/cm/thirdparty/autonomy-wlp10/common/docs/*.*) に含まれています。

この章では、以下のトピックについて説明します。

 


検索によるポータル開発の準備

ポータル内に検索機能を追加および作成する前に、開発環境に必要なツールがあり、正しい設定がされている必要があります。具体的には、Autonomy ポートレットを Web アプリケーション ライブラリに追加して、検索機能が使用する環境に最適化されているか確認する必要があります。

この節では、次のトピックについて説明します。

開発環境での検索機能のコンフィグレーション

ポータルの開発中に Autonomy の検索サービスと BEA の全文検索機能を実行すると、余計なメモリ リソースが使用されます。開発環境で絶えず検索機能を実行する必要がない場合は、Autonomy 検索機能のステージング環境をコンフィグレーションすることを推奨します。「ステージングの検索機能」を参照してください。

オプションとして、開発環境内の検索を無効にできます。検索を無効化すると、BEA の全文検索機能が無効化されるとともに、Autonomy の検索サービスもオフになります。

BEA の全文検索の無効化

BEA の全文検索を無効化するには

  1. ポータル ドメインを起動します。
  2. WebLogic Portal Administration Console を起動します。
  3. コンソールの上部のナビゲーション メニューから [コンテンツ|コンテンツ管理] を選択します。
  4. [管理|リポジトリ] を選択します。
  5. リソース ツリーで,全文検索を無効化するリポジトリをクリックします。
  6. [詳細] セクションで、[詳細] をクリックして、対象リポジトリの [詳細プロパティの編集] ダイアログを表示します。
  7. [リポジトリ] ダイアログの [詳細プロパティを編集] で、表 3-1 に一覧表示されたプロパティを編集します。
  8. 表 3-1 詳細リポジトリ プロパティ
    詳細プロパティ
    処理の内容 :
    インデックス検索が有効
    コンテンツにポータル検索用のインデックスを付けることが可能。これにより、ポータル開発者は開発するポートレットでコンテンツの全文コンテンツ検索を使用できます。
    全文検索が有効
    コンテンツの全文を使用したリポジトリの検索をユーザに許可する。

  9. 変更が終了したら、[保存] をクリックします。

変更内容は、[概要] ページの [詳細] セクションに表示されます。

注意 : リポジトリ プロパティに変更を加えた後、Portal Administration Console ユーザは、変更を表示するために、いったんログアウトしてから再度ログインする必要があります。

Autonomy のサービスの無効化

Autonomy の検索サービスを無効化できます。Autonomy の検索サービスを無効化すると、次の機能が使用できなくなります。

Autonomy のサービスを無効化するには

  1. ポータル ドメインを停止します。
  2. ポータル ドメイン サーバの次の環境変数を設定します : CONTENT_SEARCH_OPTION=none
  3. ポータル ドメインを再起動します。

Autonomy ポートレットのインストール

WebLogic Portal には、複数の Autonomy ポートレットが付属しています。ポータル アプリケーション内でこれらのポートレットを使用するには、最初にポートレットをインストールしてコンフィグレーションする必要があります。

これらのポートレットのコンフィグレーションに関する詳細については、『Autonomy Portlets for WebLogic Guide』または『Autonomy Portlets User Guide』を参照してください。

表 3-2 はポートレットのリストです。

表 3-2 Autonomy ポートレット
ポートレット
提供される内容
Autonomy2DMap
2D Cluster Map は、クラスタ間の概念的な共通点および相違点を特定するために使用される。また 2D Cluster Map は JSP に基づいており、クラスタ間の相互関係からランドスケープが生成され、ドキュメントはそれらのクラスタ内に含まれる。2D Cluster Map は、データ内に含まれるクラスタの単一の概観を提供するように設計されており、すぐそばにあるクラスタほど共通性が高く、一方異なるクラスタほど離れた位置に配置される。ClusterMap にスクロール オーバーすることで、自動的にタイトルが生成され、すべてのクラスタに割り当てられる。クラスタをクリックすることで、結果とそれぞれの情報を表示できる。
Agent
Agent ポートレットにより、個々のユーザは、自然言語、従来のキーワード、ブール式、パラメトリック検索のいずれかを使用して、または単にサンプルを使用して、独自にパーソナライズした情報チャネルを作成できる。以後、これらのエージェントはすべての着信情報を監視する。また自動的、継続的に有益なコンテンツをターゲットとし、アラートを生成できる。
ユーザは、「Interest Agents」を設定して Agent ポートレットをカスタマイズすることから始める。これは、ユーザがプレーンな自然言語で関心のある対象を記述することで行う。Interest Agent は、すべての該当コンテンツを一貫して識別し、パーソナライズされた簡潔なページに URL リンクと共にそれを表示する。新しい情報が使用可能になると、エージェントは新しいデータの送信を監視して、ポートレット ユーザに常に最新の情報が提供されるようにする。さらに、ユーザの関心が変化しても、ユーザはオプションにより、エージェントを再設定することで関心を再定義できる。
Breaking News
Breaking News ポートレットは、情報スペースに最新情報を示す。前の期間のクラスタ分析を取得し、それを現在のクラスタ分析と比較することで、前回は提示されなかった新しいクラスタを自動的に示すことができる。またこれにより、「Breaking News」ページが自動化され、新しい情報領域にアラートが表示されたり、新しい関心がサブスクライバ グループでトレンドとして適用されたりする。
コミュニティ
Community ポートレットは、作業コミュニティ内のメンバが Agent ポートレットを使用して設定したエージェントのうち、ユーザが独自にパーソナライズしたエージェントと類似しているものを、個々のユーザに通知する。このポートレットにより、コラボレーションの利点が集約され、組織内のエキスパートが特定されると共に、重複した作業が少なくなる。
Cluster
Cluster ポートレットは、一連の分類ポートレットと、BEA 環境に追加でき、ポータル経験の質を高めるビジュアル化ツールを提供する。
Autonomy の自動クラスタリング機能により、知識ベース内で検出された情報に基づき、強力なリサーチ、ニュース速報または今後のトレンド、および市場機会の領域が示される。Autonomy の Cluster ポートレットは、多くのドキュメント データまたはユーザ プロファイル情報を取得して、知識ベース内にある概念およびテーマの主要セットを自動的に示すことができる。
さらにクラスタリングは、ユーザの関心とユーザに提供されているデータの「ギャップ」を示すために使用できる。これにより、「知識およびコンテンツのギャップ」をプロビジョンを介して排除し、コミュニティに関連するコンテンツをさらに集約できる。
Expertise Locator
Expertise Locator ポートレットにより、ユーザは、特定の主題に関する簡単な説明を自然言語で入力することで、その主題を扱っている人々を検索できる。Expertise Locator ポートレットは、この説明に一致するすべてのエージェントおよびプロファイルを返すと共に、エージェントまたはプロファイルを所有するユーザの名前を返す。
Hot News
Hot News Cluster ポートレットは、情報資産または組織内で検出される情報または関心のうち、どれが最も人気かまたはどれが主要なトピックまたはクラスタかを示すことができる。これにより、企業は知識ベース全体の高度なビューを即座に受け取ることができ、インフォームド デシジョンを迅速に行うことができる。
Administration
Administration ポートレットにより、すべての Autonomy ポートレットの設定を中央から管理および保守できる。
Profile
Profile ポートレットは、個々のユーザの関心に基づき、またユーザのプロファイルに従い、新しいドキュメントにユーザが注目できるようにする。このポートレットは、Autonomy ポートレット スイート (Agents、Retrieval、Clustering、Community など) 内でユーザが購読したドキュメントの概念に基づき、各ユーザのプロファイルを作成する。ユーザが Autonomy ポートレット スイート内で新しいドキュメントを開くたびに、購読された情報に基づきユーザのプロファイルが更新される。
Retrieval
Autonomy の Retrieval ポートレットは、情報を取得する完全に自動化した的確な手段を提供する。Retrieval ポートレットにより、コンテンツが保存されている場所を問わず、各種言語および各種形式でコンテンツを検索でき、類似した情報へのハイパーリンクと共に提示できる。コンテンツの検索、提示は自動的、リアルタイムに実行可能である。キーワードを探す通常の検索とは異なり、Autonomy Retrieval ポートレットでは、自然言語でクエリを入力できる。Retrieval ポートレットは、クエリに関連するドキュメントを検出するために、設定済みの 1 つまたは複数のデータベースに自然言語のクエリを送信する。
Similar People
Similar People ポートレットは、ユーザまたは同じ組織内のその他の人々に、自身が閲覧しているドキュメントと同じタイプのドキュメントを使用している他のユーザを知らせる。この機能により、ユーザは、使用可能な既存の情報を検索する時間を省ける。
Spectrograph
Spectrograph ポートレットは、クラスタ間の関係を連続期間とデータ セットを基に表示する。クラスタは JSP ベースのスペクトルグラフとして提示され、X 軸では時間経過を基にした情報が示され (ユーザは所定の期間においてクラスタがどのように開発されているか視覚化できる)、一方 Y 軸では知識ベース内で定義されている概念の範囲が示される。
さらに、スペクトルグラフでは、同じインスタンス内に最新ニュースおよびニュース速報を表示できる。時間ごとのクラスタの重要度を、色と幅の変化を通じて確認できる。線の色/幅により、クラスタのサイズが示される。色の明るさは人気を示し、線の幅はクラスタの品質を示す。ナビゲーション機能は 2D ClusterMap と同じで、ユーザはマウスをクリックすることでクラスタをブラウズできる。

Autonomy ポートレットをインストールした後、それらをカスタマイズできます。またそれらをカスタマイズせずにポータルに追加できます。Autonomy ポートレットを、非 GroupSpace ポータル アプリケーションにインストールする場合、追加サーブレットもコンフィグレーションする必要があります。「非 GroupSpace ポータル アプリケーションにおける Autonomy ポートレットの有効」 を参照。

ポートレットの操作については、『WebLogic Portal のポートレット開発ガイド』を参照してください。

これらのポートレットを追加するには

注意 : 次の指示は、ポータル アプリケーションをすでにデプロイしていることを前提としています。
  1. WebLogic Portal インストール ディレクトリ内にある AutonomyPortlets.zip ファイルを探します。//WebLogic_Home/cm/thirdparty/autonomy-wlp10/common/AutonomyPortlets.zip など。
  2. AutonomyPortlets.zip ファイルの内容を、任意の一時ディレクトリ内に展開します。たとえば、c:/temp/
  3. 次のファイルが展開されます。
    • autonomyPiB.jar
    • Portlets フォルダ
    • AutonomyPortletSettings.usr
    • portlets.cfg
    • portalInabox.css
    • WEB-INF/classes/*.properties
  4. autonomyPiB.jar ファイルを yourEAR/EARContent/APP-INF/lib ディレクトリにコピーします。
  5. ポートレット フォルダを webApp/webContent ディレクトリにコピーします。たとえば、//user_projects/w4WP_workspaces/project_name/yourWebApp/WebContent/
  6. portalInabox.css ファイルを、手順 5 で追加した yourWebApp/webContent/portlets ディレクトリにコピーします。
  7. AutonomyPortletSettings.usr ファイルを Datasync プロジェクト ディレクトリにコピーします。たとえば、//<yourDataSyncProject>/src/userprofiles/
  8. WEB-INF/classes 一時ディレクトリ内の *.properties ファイルを、Web アプリケーションの WEB-INF/classes/ ディレクトリにコピーします。このディレクトリがない場合は作成します。次に例を示します。
  9. <yourWebapp>/WebContent/WEB-INF/classes

  10. クラスタで実行する場合、portlets.cfg ファイルを共有ファイルシステムに移動します。
  11. テキスト エディタを使用して、AutonomyPortletSettings.usrdefault-value 設定が portlets.cfg ファイルを参照するように変更します。
  12. 編集が終了したら、変更を保存します。
  13. テキスト エディタを使用して、portlets.cfg ファイルを編集し、UAPortClassPort、および DREPort の値が IDOL サーバ ポートを参照するように更新します。必要に応じて他の設定を編集します。
  14. 編集が終了したら、変更を保存します。非 GroupSpace ポータル アプリケーション内で、Autonomy ポートレットを使用する場合、次の節 「非 GroupSpace ポータル アプリケーションにおける Autonomy ポートレットの有効」 に進みます。

非 GroupSpace ポータル アプリケーションにおける Autonomy ポートレットの有効

GroupSpace ポータル アプリケーション内で、Autonomy ポートレットを使用する場合、この節は無視してください。 

非 GroupSpace ポータル アプリケーション内で操作する場合、Autonomy ポートレットには DownloadServerFileServlet が必要になります。各 web プロジェクトに対して web.xml ファイルを編集することで、web プロジェクトにこのサーブレットを登録する必要があります。

このサーブレットを登録するには、Workshop for WebLogic で以下の手順に従います。

  1. パッケージ エクスプローラから、web プロジェクトに対する各 web.xml ファイルに移動します。\\myWebProject\WebContent\WEB-INF\web.xml など。
  2. web.xml ファイルを右クリックして、[アプリケーションから開く|XML エディター] を選択します。
  3. 次の節を web.xml ファイルに追加します。
    1. サーブレットの登録:
    2. <servlet>
      <servlet-name>DownloadServerFileServlet</servlet-name>
      <servlet-class>com.bea.apps.groupspace.util.DownloadServerFileServlet</servlet-class>
      </servlet>
    3. サーブレット マッピングの登録:
    4. <servlet-mapping>
      	<servlet-name>DownloadServerFileServlet</servlet-name>
      	<url-pattern>/DownloadServerFileServlet/*</url-pattern>
      </servlet-mapping>
    5. コンテキスト パラメータの登録。 DiSHServerHost パラメータ 名が間違っていることに注意してください。この値は DiSH ではなく、IDOL サーバの配置されているホストにする必要があります。
    6. <context-param> 
      	<param-name>com.bea.apps.groupspace.search.enterprise.DiSHServerHost</param-name> 
      	<param-value>localhost</param-value>
      </context-param>
      <context-param>	<param-name>com.bea.apps.groupspace.search.enterprise.IDOL_aciPort</param-name>
      	<param-value>9014</param-value> 
      </context-param>
  4. web.xml ファイルを保存します。
  5. アプリケーションを再デプロイします。

 


Autonomy ベースのアプリケーションおよびポートレットの記述

Autonomy API を使用して Autonomy ベースのアプリケーションおよびポートレットを作成できます。Autonomy API は、Workshop for WebLogic 内の content-management-app-lib 共有ライブラリにあります。

Autonomy API ドキュメントについては、Autonomy JavaDoc を確認してください。

注意 : プレフィックスが WLP_CM_REPO の IDOL データベースに対してはクエリを実行しないでください。これらのインデックスには、ポータルで使用される BEA コンテンツ リポジトリについての情報が含まれているためです。BEA のコンテンツ管理リポジトリに対してクエリを実行する場合、WebLogic Portal API を使用する必要があります。「WebLogic Portal JavaDoc」を参照してください。

 


BEA コンテンツ リポジトリ用の検索ポートレットの作成

WebLogic Portal のコンテンツ管理システムの検索に使用できるポートレットを作成することもできます。これを行うには、WebLogic Portal Content Search API を使用します。また、BEACMRepoFetch をインストール、コンフィグレーションして、この検索機能を有効にする必要があります。このカスタム フェッチは WebLogic Portal に付属しています。「BEA コンテンツ管理検索の設定」を参照してください。

Autonomy の API を使用してほとんどの検索ポートレットを作成できますが、WebLogic Portal コンテンツ管理システムを検索するポートレットを作成するには、API を介した WebLogic Portal 内のコンテンツ検索を使用する必要があります。詳細については、「WebLogic Portal JavaDoc」を参照してください。

表 3-3 API を使用した役立つコンテンツ検索
パッケージ/クラス
処理の内容 :
このパッケージを使用すると、検索クエリを構築できる。
このクラスを使用すると、仮想コンテンツ リポジトリ内のコンテンツの全文検索を組み込むことができる。


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