Avitek Medical Record 開発チュートリアル

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チュートリアル 14 : 配布用の MedRec のパッケージ化

これまでのチュートリアルでは、分割ディレクトリ開発環境で MedRec をコンフィグレーション、コンパイル、およびデプロイしてきました。このチュートリアルでは、Ant スクリプトを使用して、コンパイル済み medrecEar アプリケーションを 1 つのポータブル EAR にパッケージ化する方法を説明します。これによって、パッケージをプロダクション チームに渡すことが可能になります。

チュートリアルの内容は以下のとおりです。

 


前提条件

チュートリアル 13 : MedRec プロジェクト全体のコンパイル」を完了します。

 


手順

手順 1 : medrecEar アプリケーションを EAR アーカイブ ファイルとしてパッケージ化する

以下の手順では、スクリプトを作成して実行します。このスクリプトは、分割ディレクトリ開発環境で使用されるディレクトリ (src および build) にある medrecEar アプリケーションの内容を、デプロイおよび配布が可能な 1 つの EAR ファイルにパッケージ化して、配布ディレクトリ dist 内に配置します。

  1. コマンド シェルを開き、環境を設定します。
  2. prompt> c:\bea\user_projects\domains\MedRecDomain\bin\setDomainEnv.cmd
  3. MedRec プロジェクト ディレクトリ内の src\medrecEar サブディレクトリに移動します。
  4. prompt> cd c:\medrec_tutorial\src\medrecEar
  5. テキスト エディタを使用して package.xml という名前の新しいファイルを作成します。
  6. prompt> notepad package.xml
    注意 : このチュートリアルで package.xml ファイルを手動で作成する代わりに、wlpackage_tutorial.xml という名前のファイルを package.xml という名前の新しいファイルにコピーして、手順 9 に進むこともできます。
  7. package.xml ファイルに tutorial という名前のプロジェクトを定義し、デフォルトのターゲット名を指定します。
  8. <project name="tutorial" default="package">
  9. スクリプトを実行するときに指定する Ant ターゲット名を定義します。
  10. <target name="package">
  11. Ant ターゲットの引数を指定します。この引数は wlpackage Ant タスクを呼び出し、srcbuild の各 physicianEAR ディレクトリの内容を、dist 内の 1 つのディレクトリに結合します。
  12. <wlpackage srcdir="c:/medrec_tutorial/src/medrecEar"
    destdir="c:/medrec_tutorial/build/medrecEar"
    toFile="c:/medrec_tutorial/dist/wlpackage_tutorial.ear" />
    </target>

    wlpackage タスクの詳細については、「wlpackage を使用したアプリケーションのパッケージ化」を参照してください。

  13. プロジェクト要素を閉じて、package.xml ファイルを完成します。
  14. </project>
  15. ファイルの内容は次のようになっている必要があります。
  16. <project name="tutorial" default="package">
       <target name="package">
       <wlpackage srcdir="c:/medrec_tutorial/src/medrecEar"
    destdir="c:/medrec_tutorial/build/medrecEar"
    toFile="c:/medrec_tutorial/dist/wlpackage_tutorial.ear" />
       </target>
    </project>

    ファイルを保存して、テキスト エディタを終了します。

  17. 同じコマンド シェルで、ビルド スクリプトを実行するコマンドを入力します。
  18. prompt> ant -f package.xml

    wlpackage タスクにより、以下のような出力が表示されます。

    Buildfile: package.xml
    package:
    [jar] Building jar: C:\medrec_tutorial\dist\wlpackage_tutorial.ear
    BUILD SUCCESSFUL
    Total time: 1 second

    上記の出力が表示されない場合、package.xml ファイルにタイプ ミスが含まれている可能性があります。その場合は、インストールされているチュートリアル ファイルを使用してパッケージ化を試行してください。

    prompt> ant -f wlpackage_tutorial.xml
  19. wlpackage_tutorial.ear が作成されたことを確認するには、MedRec dist ディレクトリに移動し、dir コマンドを使用して、ディレクトリの内容を表示します。
  20. prompt> cd c:\medrec_tutorial\dist
    prompt> dir wlpackage_tutorial.ear
  21. jar コマンドを使用して、wlpackage_tutorial.ear の内容を確認します。
  22. prompt> jar tf wlpackage_tutorial.ear

    ファイル (700 以上) の完全なリストは長すぎるのでここでは紹介できませんが、通常、リストは以下のようなファイルで始まります。

    META-INF/application.html
    META-INF/application.xml
    META-INF/weblogic-application.html
    META-INF/weblogic-application.xml
    META-INF/weblogic-diagnostics.html
    META-INF/weblogic-diagnostics.xml
    adminWebApp/ConfirmImport.html
    adminWebApp/ConfirmImport.jsp
    adminWebApp/CreateAdminSuccessful.html
    adminWebApp/CreateAdminSuccessful.jsp
    adminWebApp/CreateNewAdmin.html
    adminWebApp/CreateNewAdmin.jsp
    adminWebApp/Diagnostics.html
    adminWebApp/Diagnostics.jsp
    adminWebApp/Error.html
    adminWebApp/Error.jsp
    adminWebApp/Header.html
    adminWebApp/Header.jsp
    adminWebApp/Home.html
    adminWebApp/Home.jsp
    adminWebApp/Login.html
    adminWebApp/Login.jsp
    adminWebApp/Logs.html
    adminWebApp/Logs.jsp
    ...

作成した EAR ファイルには、デプロイ可能なアーカイブにまとめられた medrecEar アプリケーションが含まれています。

手順 2 : パッケージをテストする

アーカイブがデプロイ可能であることを確認するには、Administration Console のデプロイメント アシスタントを使用して、アーカイブを MedRecServer にデプロイします。

  1. MedRecServer を実行している状態で、ブラウザで以下を指定して Administration Console を開きます。
  2. http://host:7101/console

    host は MedRecServer が実行されているコンピュータを指します。ブラウザが MedRecServer と同じコンピュータにある場合は、http://localhost:7101/console という URL を使用できます。

  3. ユーザ名とパスワードの両方に weblogic を指定して、[ログイン] をクリックします。
  4. [ドメイン構造] という左側の中央のペインで、[MedRecDomain|デプロイメント] をクリックします。
  5. これまでのチュートリアルを順に完了している場合は、右ペインの [デプロイメント] テーブルに、physicianEAR アプリケーション (デプロイメント名 tutorial_deployment) と MedRecEar アプリケーションが表示されます。これまでのチュートリアルでは、2 つのアプリケーションを、デプロイ可能なアーカイブとしてではなく、分割開発ディレクトリ環境の内部にデプロイしました。いずれかのアプリケーションがデプロイされている場合は、次のようにアンインストールします。

    1. まだ行っていない場合は、Administration Console の左上の [チェンジ センタ] ウィンドウにある [ロックして編集] をクリックします。
    2. [デプロイメント] テーブルで、アプリケーション名の左にあるボックスをチェックして、アプリケーション (MedRecEar など) を選択します。
    3. [停止|直ちに強制停止] をクリックして、アプリケーションを確実に停止します。
    4. [はい] をクリックします。
    5. [デプロイメント] テーブルで、アプリケーションを再び選択します。
    6. [削除] をクリックします。
    7. [はい] をクリックします。
    8. [チェンジ センタ] で、[変更のアクティブ化] をクリックして MedRec サーバ コンフィグレーションを更新します。
    9. 必要な場合は、上記の手順を繰り返して、physicianEar アプリケーションを停止してアンデプロイします。
  6. Administration Console の左上の [チェンジ センタ] ウィンドウにある [ロックして編集] をクリックします。
  7. 右側のペインで、[インストール] をクリックします。
  8. [場所] リンクを使用して、C:\medrec_tutorial\dist ディレクトリに移動します。
  9. wlpackage_tutorial.ear を選択します。
  10. [次へ] をクリックします。
  11. [対象指定スタイルの選択] ページで、[このデプロイメントをアプリケーションとしてインストールする] を選択します。
  12. [選択項目を確認して [完了] をクリック] ページが表示されるまで、[次へ] をクリックします。
  13. 選択項目を確認して、内容が正しい場合は [完了] をクリックします。

  14. デプロイされたアプリケーションのコンフィグレーション タブが自動的に表示されます。アプリケーションのコンフィグレーション情報を表示する場合は、タブを選択します。
  15. [チェンジ センタ] で、[変更のアクティブ化] をクリックして MedRec サーバ コンフィグレーションを更新します。
  16. アプリケーションのコンフィグレーション ページで、[制御] タブを選択します。
  17. [エンタープライズ アプリケーション] テーブルで、名前の左にあるボックスをチェックして、wlpackage_tutorial を選択します。
  18. このテーブルには、EAR にパッケージ化されている Web アプリケーション、EJB、および Web サービスも表示されます。リストを展開するには、[wlpackage_tutorial] を展開します。

  19. [起動|すべての要求を処理] をクリックします。
  20. [はい] をクリックします。
  21. WebLogic Server がアプリケーションを完全に起動すると、[状態] カラムの値が [準備完了] から [アクティブ] に変わります。これは、クライアント アプリケーションが (wlpackage_tutorial アーカイブにパッケージ化されている) medrecEar アプリケーションの使用を開始できる状態になったという意味です。

  22. アプリケーションがデプロイおよび起動されていることを確認するには、新しいブラウザ ウィンドウを開いて、http://host:7101/patient という URL を入力します。hostMedRecServer をホストするコンピュータです。ブラウザが MedRecServer と同じコンピュータにある場合は、http://localhost:7101/patient という URL を使用できます。
  23. Patient アプリケーションのログイン ページが表示されるはずです。この時点では、他の MedRec アプリケーション スイートがまだ使用できないため、そのページを参照することしかできません。

 


ベスト プラクティス

アプリケーションをプロダクション チームに配布する場合は、wlpackage Ant タスクを使用してアプリケーションの実際の *.ear アーカイブ ファイルを作成する方法が最も便利です。ただし、アプリケーションを実際にプロダクションにデプロイする場合は、アーカイブされていない、展開された形式でアプリケーションをデプロイすることを検討してください。これにより、デプロイメント記述子ファイルなどのファイルにアクセスし、更新することができます。アプリケーション全体をアーカイブ解除した後に再度アーカイブする必要はありません。MedRec を展開形式でデプロイする手順については、「チュートリアル 15 : WLST と Administration Console を使用して MedRec パッケージをプロダクションにデプロイする」を参照してください。

 


全体像

このチュートリアルでは、medrecEar アプリケーションをプロダクション チームに渡せるように 1 つのポータブル EAR ファイルにパッケージ化しました。wlpackage Ant タスクのために、開発用の分割ディレクトリ構造が、プロダクション用の扱いやすい単一ディレクトリ構造への切り替えの支障になることはありません。

 


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