このドキュメントでは、プロダクション段階における管理、モニタ、およびパフォーマンス チューニングについて取り扱います。ソフトウェア プロジェクトのプロダクション前の開発またはテスト段階については説明しません。これらのトピックに関する WebLogic Server のドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連ドキュメント」を参照してください。
このドキュメントは、WebLogic Server のシステム管理に精通している読者を対象としています。このドキュメントでは、WebLogic Server JMS の付加価値機能と、WebLogic Server 機能を使用して WebLogic JMS をプロダクション環境で管理するための主要な情報を重点的に扱います。
MedRec は WebLogic Server に付属したエンドツーエンドのサンプル Java EE アプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRec アプリケーションを使用すると、患者、医師、および管理者が、さまざまなクライアントから患者のデータを管理できます。
MedRec は WebLogic Server と Java EE の機能を例示し、Oracle 推奨のベスト プラクティスを重要点として示します。MedRec は WebLogic Server 配布キットに含まれており、Windows マシンの [スタート] メニューからアクセスできます。Linux などのプラットフォームでは、WL_HOME\samples\domains\medrec ディレクトリから MedRec を起動します。WL_HOME は、WebLogic Platform の最上位のインストール ディレクトリです。
WebLogic Server 配布キットの JMS サンプル
このリリースの WebLogic Server では、任意で API コード サンプルを WL_HOME\samples\server\examples\src\examples にインストールできます。ここで、WL_HOME は WebLogic Server のインストール先ディレクトリの最上位ディレクトリです。WebLogic Server のスタート メニューからサンプル サーバを起動して、サンプルとその実行手順に関する情報を確認できます。
このリリースでの JMS の新機能と変更点
WebLogic Server のこのリリースに追加された新機能の一覧については、『リリース ノート』の「WebLogic Server の新機能」を参照してください。
WebLogic Server の付加価値 JMS 機能
WebLogic JMS には、JMS 1.1 仕様に規定された標準 JMS API を超える働きをする WebLogic JMS 拡張 API が数多く用意されています。また、WebLogic Server プラットフォームに緊密に統合されているため、セキュリティで保護された Java EE アプリケーションを構築し、それらを WebLogic Server コンソールで容易にモニタおよび管理できます。XA トランザクションが完全にサポートされているだけでなく、クラスタ機能とサービス移行機能による高い可用性を特長としています。加えて、他のバージョンの WebLogic Server やサードパーティのメッセージ プロバイダとの相互運用性も提供されます。
WebLogic JMS には、自動的なメッセージ ページング、メッセージ圧縮、XML メッセージ用の DOM サポートといった以下のようなエンタープライズクラスのパフォーマンス機能があります。
WebLogic Server は高度に最適化されたディスク アクセス アルゴリズムや他の内部拡張を使用して、JMS ベースおよび Web サービスのメッセージングのパフォーマンスを向上させる統一されたメッセージング カーネルを提供している。『サーバ環境のコンフィグレーション』の「WebLogic 永続ストアの使い方」を参照してください。
負荷ピーク時に仮想メモリを自動的に解放するメッセージ ページング。詳細については、『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』の「メッセージのページングによるメモリの解放」を参照してください。
管理者は、Administration Console または実行時 API を使用して、指定したしきい値サイズを超えるメッセージを圧縮することにより、JVM の境界を超えて移動するメッセージの送信パフォーマンスを向上できる。『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』の「メッセージの圧縮」を参照してください。
JMS SAF により、クラスタ間に渡る WebLogic メッセージング ブリッジのパフォーマンスが向上する。『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』の「WebLogic JMS ストア アンド フォワードのチューニング」を参照してください。
DOM (Document Object Model) による XML メッセージ送信のサポートにより、アプリケーションで XML メッセージの送信前に DOM をフラット化する必要がなくなるため、すでに DOM を使用している実装のパフォーマンスが大幅に向上する。『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「XML メッセージの送信」を参照してください。
負荷ピーク時のメッセージ フロー制御。過度にアクティブな送信者のブロックも可能です。詳細については、『WebLogic Server パフォーマンス チューニング ガイド』の「JMS サーバおよび送り先のメッセージのフロー制御」および「割り当ての定義」を参照してください。
Weblogic JMS C API により、「C」で記述されたプログラムが JMS アプリケーションに参加可能。この JMS C API の実装では、Java 仮想マシン (JVM) へのアクセスに JNI を使用します。『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「WebLogic JMS C API」を参照してください。