WebLogic Server アプリケーションの開発

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Ant タスクを使用した WebLogic Server ドメインのコンフィグレーションと使用

以下の節では、開発ビルド スクリプトに含めることができる WebLogic Ant タスクを使用して、WebLogic Server インスタンスの起動と停止、および WebLogic Server ドメインのコンフィグレーションを行う方法について説明します。

 


Ant タスクを使用したドメインのコンフィグレーションと起動についての概要

WebLogic Server には、開発環境で一般的なコンフィグレーション タスクを実行するのに役立つ Ant タスクが 2 つあります。コンフィグレーション タスクでは、WebLogic Server インスタンスの起動と停止、WebLogic Server ドメインの作成とコンフィグレーションを行うことができます。

他の WebLogic Ant タスクと組み合わせると、カスタム ドメインでアプリケーションの実証やテストを行うための強力なビルド スクリプトを作成できます。たとえば、単一の Ant ビルド スクリプトでは、以下のことを実行できます。

以下の節では、コンフィグレーション用 Ant タスクの wlserver および wlconfig の使い方について説明します。

 


wlserver Ant タスクを使用したサーバの起動とドメインの作成

wlserver Ant タスクを使用すると、WebLogic Server インスタンスを起動、再起動、および停止したり、WebLogic Server インスタンスへ接続したりできます。サーバ インスタンスは、コンフィグレーション済みの WebLogic Server ドメインにすでに存在している場合もあります。または、generateconfig=true 属性を使用して、開発用の新しい単一サーバ ドメインを作成することができます。

Ant スクリプトで wlserver タスクを使用する場合、指定したサーバが使用可能になり接続をリスンするまで、タスクは制御を返しません。wlserver を使用してサーバ インスタンスを起動すると、サーバ プロセスは Ant VM の終了後に自動的に終了します。wlserver タスクを使用して、現在動作中のサーバにのみ接続する場合、サーバ プロセスは Ant の完了後も実行し続けます。

wlserver WebLogic Server Ant タスクは、標準 java Ant タスク (org.apache.tools.ant.taskdefs.Java) を拡張します。つまり、java Ant タスクのすべての属性も wlserver Ant タスクに適用されます。たとえば、output 属性と error 属性を使用すると、wlserver Ant タスクの出力が書き込まれるファイルと標準エラーが書き込まれるファイルの名前を指定できます。標準 java Ant タスクの属性の詳細については、Apache Ant サイトの「Java」を参照してください。

wlserver を使用する基本的な手順

wlserver Ant タスクを使用するには、次の手順に従います。

  1. 環境を設定します。
  2. Windows NT では、WL_HOME\server\bin ディレクトリにある setWLSEnv.cmd コマンドを実行します。WL_HOME は、インストールされている WebLogic Server の最上位ディレクトリです。

    UNIX では、WL_HOME/server/bin ディレクトリにある setWLSEnv.sh コマンドを実行します。WL_HOME は、インストールされている WebLogic Server の最上位ディレクトリです。

    注意 : wlserver タスクは、WebLogic Server に付属しているバージョンの Ant であらかじめ定義されています。独自にインストールした Ant でこのタスクを使用する場合は、ビルド ファイルに次のタスク定義を追加します。
    <taskdef name="wlserver" classname="weblogic.ant.taskdefs.management.WLServer"/>
  3. サーバの起動、停止、再起動、または接続を行うためのビルド スクリプトに、wlserver タスクの呼び出しを追加します。wlserver の属性とデフォルトの動作については、「wlserver Ant タスク リファレンス」を参照してください。
  4. ステージング ディレクトリで ant と入力し、必要であればこのコマンドにターゲットの引数を渡して、build.xml ファイルで指定された Ant タスク (1 つまたは複数) を実行します。
  5. prompt> ant

    wlserver タスクからより詳細なメッセージを取得するには、ant -verbose を使用します。

wlserver 用 build.xml ファイルのサンプル

以下に、すべてのデフォルト値を使用してカレント ディレクトリ内のサーバを起動する、最小限の wlserver ターゲットを示します。

  <target name="wlserver-default">
    <wlserver/>
  </target>

次のターゲットは、指定された接続パラメータ、およびユーザ名とパスワードの組み合わせを使用して、既存の動作中サーバに接続します。

  <target name="connect-server">
    <wlserver host="127.0.0.1" port="7001" username="weblogic" password="weblogic" action="connect"/>
  </target>

次のターゲットは、config サブディレクトリにコンフィグレーションされた WebLogic Server インスタンスを起動します。

  <target name="start-server">
    <wlserver dir="./config" host="127.0.0.1" port="7001" action="start"/>
  </target>

次のターゲットは、空のディレクトリに新しい単一サーバ ドメインを作成し、ドメインのサーバ インスタンスを起動します。

  <target name="new-server">
    <delete dir="./tmp"/>
    <mkdir dir="./tmp"/>
    <wlserver dir="./tmp" host="127.0.0.1" port="7001"
    generateConfig="true" username="weblogic" password="weblogic" action="start"/>
  </target>

wlserver Ant タスク リファレンス

次の表では、wlserver Ant タスクの属性について説明します。

表 2-1 wlserver Ant タスクの属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
policy
WebLogic Server ドメインのセキュリティ ポリシー ファイルのパス。この属性は、サーバ インスタンスを起動する場合にのみ使用する。
ファイル
省略可能
dir
ドメイン コンフィグレーションを保持するパス (c:\bea\user_projects\mydomain など)。デフォルトでは、wlserver はカレント ディレクトリを使用する。
ファイル
省略可能
beahome
ホーム ディレクトリのパス (c:\bea など)。
ファイル
省略可能
weblogichome
WebLogic Server のインストール ディレクトリのパス (c:\bea\wlserver_10.3 など)。
ファイル
省略可能
servername
起動、終了、再起動、または接続するサーバの名前。
WebLogic Server インスタンスは、そのプロトコル、ホスト、ポートの値によってユニークに識別されるので、一連の属性を使用して起動、終了、再起動するサーバを指定する場合、servername 属性で実際の名前を指定する必要はない。ただし、管理サーバを終了する場合に限り、この属性を指定する必要がある。
この属性のデフォルト値は myserver
String
管理サーバを終了する場合にのみ必須
domainname
サーバがコンフィグレーションされる WebLogic Server ドメインの名前。
String
省略可能
adminserverurl
ドメインの管理サーバにアクセスするための URL。この属性は、ドメインの管理対象サーバを起動する場合に必須。
String
管理対象サーバを起動する場合は必須
username
管理者アカウントのユーザ名。username 属性と password 属性の両方を省略すると、wlserverboot.properties ファイルから暗号化されたユーザ名およびパスワードの値を取得しようとする。boot.properties の詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「起動 ID ファイル」を参照。
String
省略可能
password
管理者アカウントのパスワード。username 属性と password 属性の両方を省略すると、wlserverboot.properties ファイルから暗号化されたユーザ名およびパスワードの値を取得しようとする。boot.properties の詳細については、『サーバの起動と停止の管理』の「起動 ID ファイル」を参照。
String
省略可能
pkpassword
SSL プライベート キー ファイルを復号化するためのプライベート キー パスワード。
String
省略可能
timeout
wlserver がサーバの起動を待機する最大時間 (ミリ秒単位)。動作中のサーバに接続するときの最大待機時間も指定する。
この属性のデフォルト値は 0。つまり、Ant タスクはタイムアウトしない。
long
省略可能
timeoutSeconds
wlserver がサーバの起動を待機する最大時間 (秒単位)。動作中のサーバに接続するときの最大待機時間も指定する。
この属性のデフォルト値は 0。つまり、Ant タスクはタイムアウトしない。
long
省略可能
productionmodeenabled
サーバ インスタンスを開発モードとプロダクション モードのどちらで起動するかを指定する。
開発モードでは、WebLogic Server インスタンスは domain_name/autodeploy ディレクトリ (domain_name は WebLogic Server ドメインの名前) にあるアプリケーションを自動的にデプロイおよび更新できる。つまり、開発モードでは自動デプロイを使用する。プロダクション モードでは、自動デプロイメント機能は無効になる。詳細については、「weblogic.deployer によるアプリケーションおよびモジュールのデプロイ」を参照。
この属性の有効な値は、True および False。デフォルト値は False (デフォルトでは、サーバ インスタンスは開発モードで起動する)。

注意 : この属性を True に設定してプロダクション モードでサーバを起動する場合は、サーバを再起動して開発モードに戻す必要がある。つまり、WebLogic Scripting Tool (WLST) など、他の管理ツールを使用して、実行中のサーバでモードをリセットすることはできない。

boolean
省略可能
host
サーバ インスタンスがリスンする DNS 名または IP アドレス。
この属性のデフォルト値は localhost
String
省略可能
port
サーバ インスタンスがリスンする TCP ポート番号。
この属性のデフォルト値は 7001
int
省略可能
generateconfig
wlserver が、指定されたサーバの新しいドメインを作成するかどうかを指定する。
この属性の有効な値は、true および false。デフォルト値は false
boolean
省略可能
action
wlserver が実行するアクションを指定する。startshutdownreboot、または connect
shutdown アクションは、強制停止を実行する forceshutdown 属性 (省略可能) と組み合わせて使用することもできる。
この属性のデフォルト値は start
String
省略可能
failonerror
WebLogic Server Ant タスクで使用されるグローバル属性。ビルド中にエラーが発生した場合、タスクを失敗させるかどうかを指定する。
この属性の有効な値は、true および false。デフォルト値は false
Boolean
省略可能
forceshutdown
この省略可能な属性は、強制停止を実行するために action="shutdown" 属性と組み合わせて使用される。次に例を示す。
<wlserver
  host="${wls.host}"
  port="${port}"
  username="${wls.username}"
  password="${wls.password}"
  action="shutdown"
  forceshutdown="true"/>
この属性の有効な値は、true および false。デフォルト値は false
Boolean
省略可能
noExit
(省略可能) ant が終了した後もサーバ プロセスを実行したままにする。有効な値は、true または false。デフォルト値は False で、ant が終了するとサーバ プロセスも停止する。
Boolean
省略可能
protocol
wlserver Ant タスクが WebLogic Server インスタンスとの通信に使用するプロトコルを指定する。
有効な値は、t3t3shttphttps、および iiop。デフォルト値は t3
String
省略可能
forceImplicitUpgrade
8.1 以前のドメインで実行されている wlserver Ant タスクがドメインを暗黙的にアップグレードするかどうかを指定する。
有効な値は、true または false。デフォルト値は false。つまり、Ant タスクは暗黙的にドメインをアップグレードせず、ドメインをアップグレードする必要があるというエラーを表示して失敗する。
ドメインのアップグレードの詳細については、『WebLogic のアプリケーション環境のアップグレード』を参照。
Boolean
省略可能
configFile
ドメインのコンフィグレーション ファイルを指定する。
この属性の値は、『WebLogic Server Domain Configuration Schema リファレンス』で定義された XML スキーマに準拠する有効な XML ファイルでなければならない。
XML ファイルは、ドメインの管理サーバのルート ディレクトリに存在する必要がある。ルート ディレクトリは、カレント ディレクトリか、または dir 属性で指定したディレクトリ。
この属性を指定しない場合のデフォルトは、dir 属性で指定したディレクトリの config.xml になる。dir 属性を指定していない場合、デフォルト ドメインのディレクトリはカレント ディレクトリ。
String
省略可能
useBootProperties
WebLogic Server インスタンスの起動時に boot.properties ファイルを使用するかどうかを指定する。この属性が true に設定されている場合、WebLogic Server は、boot.properties ファイルに格納されているユーザ名と暗号化されているパスワードを使用して、username 属性と password 属性で設定された値以外から起動する。

注意 : WebLogic Server インスタンスの終了時と再起動時にも username 属性と password 属性の値が使用される。useBootProperties 属性は、サーバの起動時にのみ適用される。

この属性の有効な値は、true および false。デフォルト値は false

Boolean
省略可能
verbose
Ant タスクが、アクションの実行中に追加情報を出力するかどうかを指定する。
この属性の有効な値は、true および false。デフォルト値は false
Boolean
省略可能

 


wlconfig Ant タスクを使用した WebLogic Server ドメインのコンフィグレーション

以下の節では、wlconfig Ant タスクを使用して WebLogic Server ドメインをコンフィグレーションする方法について説明します。

警告 : wlconfig Ant タスクは、MBean サーバと互換性のある MBean に対してのみ機能します。この Ant タスクは WebLogic Server 9.0 以降では非推奨になりました。具体的には、wlconfig Ant タスクが非推奨の独自 API weblogic.management.MBeanHome を使用して WebLogic MBean にアクセスします。そのため、wlconfig が MBean を探す際に標準の JMX インタフェース (javax.management.MBeanServerConnection) が使用されません。つまり、wlconfig を使用してアクセスできる MBean は、『WebLogic Server MBean リファレンス』に非推奨になった MBean としてリストされている MBean のみということになります。
警告 : 同等の機能を実現するには、WebLogic Scripting Tool (WLST) を使用する必要があります。『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。

wlconfig Ant タスクの機能

wlconfig Ant タスクを使用すると、動作中の管理サーバ インスタンス上で MBean の作成、クエリ、変更を行うことで、WebLogic Server ドメインをコンフィグレーションできます。特に、wlconfig では以下のことを実行できます。

wlconfig を使用する基本的な手順

  1. コマンド シェルで環境を設定します。詳細については、「wlserver を使用する基本的な手順」を参照してください。
  2. 注意 : wlconfig タスクは、WebLogic Server に付属しているバージョンの Ant であらかじめ定義されています。独自にインストールした Ant でこのタスクを使用する場合は、ビルド ファイルに次のタスク定義を追加します。
    <taskdef name="wlconfig" classname="weblogic.ant.taskdefs.management.WLConfig"/>
  3. Ant タスクのコンテキストで作成された新しい WebLogic Server ドメインをコンフィグレーションするには、通常 wlconfigwlserver と組み合わせて使用します。wlconfig を使用してそのようなドメインをコンフィグレーションする場合は、最初に wlserver 属性を使用して新しいドメインを作成し、WebLogic Server インスタンスを起動します。
  4. wlconfig タスクの最初の呼び出しを追加して、ドメインの管理サーバに接続します。次に例を示します。
  5.    <target name=”doconfig”>
          <wlconfig url="t3://localhost:7001" username="weblogic"
             password="weblogic">
       </target>
  6. ネストされた createdeletegetset、および query 要素を追加して、ドメインをコンフィグレーションします。
  7. ステージング ディレクトリで ant と入力し、必要であればこのコマンドにターゲットの引数を渡して、build.xml ファイルで指定された Ant タスク (1 つまたは複数) を実行します。
  8. prompt> ant doconfig

    wlconfig タスクからより詳細なメッセージを取得するには、ant -verbose を使用します。

ヒント : ドメイン作成スクリプトとしては WLST をお勧めします。ソフトウェアとともにインストールされているオフラインの WLST サンプル スクリプトを参照してください。これらのスクリプトを参照すると、ドメイン テンプレートを使用してドメインを作成する方法が理解できます。オフライン スクリプトは、WL_HOME\common\templates\scripts\wlst ディレクトリにあります。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位のインストール ディレクトリを表します。たとえば、basicWLSDomain.py スクリプトを実行すると、単純な WebLogic ドメインが作成されます。一方、sampleMedRecDomain.py を実行すると、Avitek MedRec サンプルで使用するようなリソースを定義したドメインが作成されます。『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。

wlconfig Ant タスク リファレンス

以下の節では、wlconfig で使用可能な属性と要素について説明します。

主な属性

次の表では、wlconfig Ant タスクの主な属性について説明します。

表 2-2 wlconfig Ant タスクの主な属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
url
ドメインの管理サーバの URL。
String
必須
username
管理者アカウントのユーザ名。
String
省略可能
password
管理者アカウントのパスワード。
ビルド ファイルまたは ps などのプロセス ユーティリティでパスワードがプレーン テキストで表示されないようにするには、まず WebLogic Scripting Tool (WLST) の storeUserConfig コマンドを使用して有効なユーザ名と暗号化されたパスワードをコンフィグレーション ファイルに格納する。次に、Ant ビルド ファイルで usernamepassword の両属性を省略する。これらの属性を省略すると、wlconfig はデフォルト コンフィグレーション ファイルの値を使用してログインを試みる。
デフォルト以外のコンフィグレーション ファイルとキー ファイルからユーザ名およびパスワードを取得する場合は、wlconfiguserconfigfile 属性と userkeyfile 属性を使用する。
パスワードの格納と暗号化の詳細については、「WLST コマンドおよび変数リファレンス」にある storeUserConfig のコマンド リファレンスを参照。
String
省略可能
failonerror
WebLogic Server Ant タスクで使用されるグローバル属性。ビルド中にエラーが発生した場合、タスクを失敗させるかどうかを指定する。この属性は、デフォルトで true に設定される。
Boolean
省略可能
userconfigfile
管理ユーザ名および管理パスワードを取得するために使用するユーザ コンフィグレーション ファイルの場所を指定する。このオプションは、プレーン テキストのパスワードをインラインに表示したくない場合はビルド ファイルで、または ps などのプロセスレベルのユーティリティで username および password 属性の代わりに使用する。
userconfigfile 属性を指定する前に、「WLST コマンドおよび変数リファレンス」の説明に従い、WebLogic Scripting Tool (WLST) の storeUserConfig コマンドを使用してファイルを生成する必要がある。
ファイル
省略可能
userkeyfile
ユーザ コンフィグレーション ファイル (userconfigfile 属性) に格納されたユーザ名とパスワードの情報を暗号化および復号化するために使用するユーザ キー ファイルの場所を指定する。
userkeyfile 属性を指定する前に、「WLST コマンドおよび変数リファレンス」の説明に従い、WebLogic Scripting Tool (WLST) の storeUserConfig コマンドを使用してキー ファイルを生成する必要がある。
ファイル
省略可能

ネストされる要素

wlconfig には、コンフィグレーション オプションを指定するためにネストできる要素もあります。

create

create 要素は、WebLogic Server ドメインで新しい MBean を作成します。wlconfig タスクには create 要素をいくつでも指定できます。

create 要素には、ネストされた set 要素をいくつでも指定できます。この要素では、新しく作成される MBean の属性を設定します。create 要素にはネストされた create 要素を追加することもできます。この要素は子 MBean を作成します。

create 要素には次の属性があります。

表 2-3 create 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
name
作成する新しい MBean オブジェクトの名前。
String
省略可能 (何も指定しない場合、wlconfig がデフォルト名を指定する)
type
MBean タイプ。
String
必須
property
新しく作成される MBean のオブジェクト名を保持するオプションの Ant プロパティの名前。

注意 : create 要素を別の create 要素の中にネストした場合、ネストした create 要素には property 属性を指定できない。

String
省略可能

delete

delete 要素は、WebLogic Server ドメインから既存の MBean を削除します。delete 要素には属性が 1 つあります。

表 2-4 delete 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
mbean
削除する MBean のオブジェクト名。
String
delete 要素が wlconfig タスクの直接の子である場合は必須。query 要素内にネストされている場合は省略可能。

set

set 要素は、指定された MBean、新しく作成された MBean、またはクエリの一部として取得された MBean に対して、MBean 属性を設定します。set 要素は、wlconfig タスクの直接の子として、または create 要素や query 要素の内部にネストして指定することができます。

set 要素には次の属性があります。

表 2-5 set 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
attribute
設定する MBean 属性の名前。
String
必須
value
指定された MBean 属性に設定する値。
値のリスト全体を引用符で囲み、オブジェクト名をセミコロンで区切ることによって、(Ant プロパティに格納されている) 複数のオブジェクト名を 1 つの値として指定できる。
String
必須
mbean
値を設定する MBean のオブジェクト名。この属性は、set 要素がメインの wlconfig タスクの直接の子として指定される場合にのみ必須。set 要素が create または query 要素のコンテキスト内にネストされる場合は省略可能。
String
set 要素が wlconfig タスクの直接の子である場合にのみ必須
domain
この属性は、セキュリティ MBean またはサード パーティ SPI MBean の JMX ドメイン名を指定する。ドメインは WebLogic Server ドメインに相当するため、管理 MBean の場合は省略可能。

注意 : set 要素を create 要素の中にネストした場合、この属性は使用できない。

String
省略可能

get

get 要素は、WebLogic Server ドメインの MBean から属性値を取得します。wlconfig タスクには get 要素をいくつでも指定できます。

get 要素には次の属性があります。

表 2-6 get 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
attribute
値を取得する MBean 属性の名前。
String
必須
property
取得した MBean 属性値を保持する Ant プロパティの名前。
String
必須
mbean
属性値を取得する MBean のオブジェクト名。
String
必須

query

query 要素は検索パターンに一致する MBean を見つけます。

query 要素では、以下のネストされた子要素を使用できます。

wlconfig タスクには、ネストされた query 要素をいくつでも指定できます。

query には次の属性があります。

表 2-7 query 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
domain
MBean を検索する WebLogic Server ドメインの名前。
String
省略可能
type
クエリを実行する MBean のタイプ
String
省略可能
name
クエリを実行する MBean の名前。
String
省略可能
pattern
JMX クエリ パターン。
String
省略可能
property
クエリ結果を格納するオプションの Ant プロパティの名前。
String
省略可能
domain
この属性は、セキュリティ MBean またはサード パーティ SPI MBean の JMX ドメイン名を指定する。ドメインは WebLogic Server ドメインに相当するため、管理 MBean の場合は省略可能。
String
省略可能

invoke

invoke 要素は、1 つまたは複数の MBean の管理操作を呼び出します。WebLogic Server MBean の場合、通常このコマンドを使用して、ほとんどの WebLogic Server MBean が備えている getAttributesetAttribute 以外の操作を呼び出します。

invoke 要素には次の属性があります。

表 2-8 invoke 要素の属性
属性
説明
データ型
必須/省略可能
mbean
呼び出す MBean のオブジェクト名。
String
invoke 要素の mbean 属性または type 属性の指定が必須
type
呼び出しを実行する MBean のタイプ。
String
invoke 要素の mbean 属性または type 属性の指定が必須
methodName
呼び出しを実行する MBean のメソッド。
String
必須
arguments
methodName 属性で指定したメソッドに渡される引数のリスト (各引数をスペースで区切って指定)。
String
省略可能

 


libclasspath Ant タスクの使用

libclasspath Ant タスクは、アプリケーション ライブラリや Web ライブラリなどのライブラリを使用しているアプリケーションをビルドするために使用します。

libclasspath タスクの定義

独自にインストールした Ant でこのタスクを使用するには、ビルド ファイルに次のタスク定義を追加します。

   <taskdef name="libclasspath" classname="weblogic.ant.taskdefs.build.LibClasspathTask"/>

libclasspath Ant タスク リファレンス

以下の節では、libclasspath Ant タスクで使用できる属性と要素について説明します。

libclasspath の主な属性

次の表では、libclasspath Ant タスクの主な属性について説明します。

表 2-9 libclasspath Ant タスクの属性
属性
説明
必須
basedir
抽出元の .ear または .war ファイルのルート。
2 つの属性のうち 1 つが必須。
basewar を指定した場合、basedir は無視されて、basewar で参照されているライブラリが、クラスパスまたはリソースパスの情報の抽出元となる .war ファイルとして使用される。
basewar
抽出元の .war ファイルの名前。
tmpdir
ライブラリの抽出に使用されるディレクトリの完全修飾名。
必須
classpathproperty
参照されるライブラリのクラスパスを指定する。
たとえば、basedirweblogic.xml ファイル内の Web アプリケーション ライブラリを参照する .war ファイルを指している場合、classpathproperty には Web アプリケーション ライブラリの WEB-INF/classes および WEB-INF/lib ディレクトリを指定する。
また、basedirWEB-INF/bea-ext 以下に .war のファイル群を格納した .war ファイルを指している場合、classpathproperty には、この Oracle 拡張機能の WEB-INF/classes および WEB-INF/lib ディレクトリを指定する。
2 つの属性のうち少なくとも 1 つが必須
resourcepathproperty
クラスではないライブラリ リソースを指定する。
たとえば、basedirWEB-INF/bea-ext 以下に .war のファイル群を格納した .war ファイルを指している場合、resourcepathproperty には展開された拡張機能のルートを指定する。

ネストされる libclasspath の要素

libclasspath には、コンフィグレーション オプションを指定するためにネストできる 2 つの要素があります。libclasspath Ant タスクを使用する場合は、少なくともこのうちの 1 つの要素が必要です。

librarydir

この要素を使用する場合は次の属性が必須です。

   dir - このディレクトリのすべてのファイルが使用可能なライブラリとして登録されることを指定します。

library

この要素を使用する場合は次の属性が必須です。

   file - このファイルが使用可能なライブラリとして登録されます。

libclasspath Ant タスクの例

この節では、libclasspath Ant タスクのサンプル コードを示します。

コード リスト 2-1 libclasspath Ant タスクのサンプル コード
.
.
.
   <taskdef name="libclasspath" classname="weblogic.ant.taskdefs.build.LibClasspathTask"/>

   <!-- weblogic-application.xml で定義されたライブラリに基づいてクラスパスをビルドする -->
   <target name="init.app.libs">
      <libclasspath basedir="${src.dir}" tmpdir="${tmp.dir}" classpathproperty="app.lib.classpath">
         <librarydir dir="${weblogic.home}/common/deployable-libraries/"/>
      </libclasspath>
   <echo message="app.lib.claspath is ${app.lib.classpath}" level="info"/>
   </target>
   .
   .
   .

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