WebLogic Server J2EE アプリケーションの開発

以下の節では、さまざまなタイプの WebLogic Server J2EE アプリケーションの作成、開発環境の設定、および Java プログラムのコンパイル準備の手順について説明します。

• Web アプリケーションの作成 : 主な手順

• エンタープライズ JavaBean の作成 : 主な手順

• リソース アダプタの作成 : 主な手順

• リソース アダプタの作成 : 主な手順

• WebLogic Server エンタープライズ アプリケーションの作成 : 主な手順

• 開発環境の構築

• Java コードのコンパイル

WebLogic Server アプリケーションは、Java プログラマ、Web デザイナ、およびアプリケーション アセンブラによって作成されます。プログラマとデザイナは、アプリケーションのビジネス ロジックとプレゼンテーション ロジックを実装するコンポーネントを作成します。アプリケーション アセンブラは、コンポーネントをアセンブルして、WebLogic Server にデプロイ可能なアプリケーションを作成します。

 

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Web アプリケーションの作成 : 主な手順

Web アプリケーション作成の主な手順は次のとおりです。

1. Web アプリケーションの Web インタフェースを構成する HTML ページおよび JSP (JavaServer Page) を作成します。通常、Web デザイナが、Web アプリケーションのこの部分を作成します。

   JSP 作成の詳細については、『WebLogic JSP プログラマーズ ガイド』を参照してください。

2. サーブレットと、JSP で参照される JSP taglibs 用の Java コードを記述します。通常、Java プログラマが、Web アプリケーションのこの部分を作成します。

   サーブレット作成の詳細については、『WebLogic HTTP サーブレット プログラマーズ ガイド』を参照してください。

3. クラス ファイルへサーブレットをコンパイルします。

   コンパイルの詳細については、Java コードのコンパイルを参照してください。

4. web.xml および weblogic.xml デプロイメント記述子を作成します。

   web.xml ファイルは各サーブレットと JSP ページを定義し、Web アプリケーションで参照されるエンタープライズ Bean を列挙します。weblogic.xml ファイルは、WebLogic Server 用の補足デプロイメント情報を追加します。

   手動で web.xml および weblogic.xml デプロイメント記述子を作成するか、WebLogic Server に含まれる Java ベースのユーティリティを使用して自動的に生成します。

   これらのデプロイメント記述子の要素、およびこれらの記述子を手動で作成する方法の詳細については、デプロイメント記述子の自動生成、および『Web アプリケーションのアセンブルとコンフィグレーション』を参照してください。

5. HTML ページ、サーブレット クラス ファイル、JSP ファイル、web.xml ファイル、および weblogic.xml ファイルを WAR ファイルにパッケージ化します。

   Web アプリケーションのステージング ディレクトリを作成し、JSP、HTML ページ、およびこれらのページで参照されるマルチメディア ファイルをこのステージング ディレクトリの最上位に保存します。

   コンパイルされたサーブレット クラス、taglibs を格納します。必要に応じて JSP ページからコンパイルされたサーブレットは、ステージング ディレクトリの WEB-INF ディレクトリに格納されます。すべての Web アプリケーション コンポーネントをステージング ディレクトリに配置したら、JAR コマンドを実行して、WAR ファイルを作成します。

   WAR ファイル作成の詳細については、Web アプリケーションのパッケージ化を参照してください。

6. テストを行うため、この WAR ファイルを WebLogic Server に自動デプロイします。

   Web アプリケーションをテストしているときに、web.xml および weblogic.xml デプロイメント記述子を編集しなければならない場合があります。これは手動で編集することも、Administration Console のデプロイメント記述子エディタで編集することもできます。デプロイメント記述子エディタの使用方法の詳細については、デプロイメント記述子の編集を参照してください。

   コンポーネントおよびアプリケーションの自動デプロイメントの詳細については、『管理者ガイド』を参照してください。

7. WAR ファイルをプロダクション用に WebLogic Server にデプロイするか、またはエンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイする場合はエンタープライズ アーカイブ (EAR) ファイルに含めます。Administration Console を使用してアプリケーションおよびコンポーネントをデプロイします。

   コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、WebLogic Server デプロイメント,を参照してください。

 

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エンタープライズ JavaBean の作成 : 主な手順

エンタープライズ JavaBean を作成するには、特定の EJB (セッション、エンティティ、またはメッセージ駆動型) のクラスおよび EJB 固有のデプロイメント記述子を作成してから、WebLogic Server にデプロイするため、それらをすべて EAR ファイルにパッケージ化する必要があります。

エンタープライズ JavaBean 作成の主な手順は次のとおりです。

1. EJB の仕様に従って、各タイプの EJB (セッション、エンティティ、メッセージ駆動型) で必要なクラスの Java コードを記述します。たとえば、セッションおよびエンティティ EJB では、以下の 3 つのクラスが必要です。

   • EJB のホーム インタフェース

   • EJB のリモート インタフェース

   • EJB の実装クラス

     メッセージ駆動型 Bean では、実装クラスだけが必要となります。

2. インタフェースと実装の Java コードを、標準コンパイラを使用してクラス ファイルにコンパイルします。

   コンパイルの手順については、Java コードのコンパイルを参照してください。

3. EJB 固有のデプロイメント記述子を作成します。

   • ejb-jar.xml は、Sun Microsystems の標準 DTD を使用して、EJB のタイプとそのデプロイメント プロパティを記述します。

   • weblogic.xml ファイルは、WebLogic Server 固有のデプロイメント情報を追加します。

   • weblogic-cmp-rdbms-jar.xml は、コンテナ管理のエンティティ EJB をデータベース上のテーブルにマップします。このファイルは、JAR ファイルにパッケージ化される コンテナ管理の永続性 (CMP) Bean ごとに異なる名前を持ちます。このファイル名は、weblogic-ejb.jar ファイル内の Bean のエントリで指定されます。

     コンポーネントのデプロイメント記述子は、WebLogic Server でのアプリケーションのデプロイメントに必要な情報を提供する XML ドキュメントです。J2EE 仕様では、ejb-jar.xml や web.xml などのデプロイメント記述子の内容を定義しています。追加のデプロイメント記述子では、WebLogic Server でのコンポーネントのデプロイメントに必要な情報が提供され、J2EE 仕様の記述子を補足します。

     XML デプロイメント記述子は、手動で作成、編集するか、WebLogic Server に含まれる Java ベースのユーティリティを使用して自動的に生成します。これらのファイルの自動生成の詳細については、デプロイメント記述子の自動生成を参照してください。

     EJB 固有のデプロイメント記述子の要素、およびファイルの手動作成の方法については、『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』を参照してください。

4. クラス ファイルおよびデプロイメント記述子を JAR ファイルにパッケージ化します。

   EJB ステージング ディレクトリを作成します。コンパイルした Java クラスをステージング ディレクトリに置き、デプロイメント記述子を META-INF というサブディレクトリに置きます。weblogic.ejbc EJB コンパイラを実行して、EJB のセキュリティ、トランザクション、およびライフサイクルの各ポリシーを実行するクラスを生成します。次に、ステージング ディレクトリで次のように jar コマンドを実行して、EJB アーカイブを作成します。

   jar cvf myEJB.jar *

   EJB JAR ファイル作成の詳細については、エンタープライズ JavaBeans のパッケージ化を参照してください。

5. テストを行うため、この EJB JAR ファイルを WebLogic Server に自動デプロイします。

   EJB をテストしているときに、EJB デプロイメント記述子を編集しなければならない場合があります。これは手動で編集することも、Administration Console のデプロイメント記述子エディタで編集することもできます。デプロイメント記述子エディタの使用方法の詳細については、デプロイメント記述子の編集を参照してください。

   コンポーネントおよびアプリケーションの自動デプロイメントの詳細については、『管理者ガイド』を参照してください。

6. JAR ファイルをプロダクション用に WebLogic Server にデプロイするか、またはエンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイする場合はエンタープライズ アーカイブ (EAR) ファイルに含めます。Administration Console を使用してアプリケーションおよびコンポーネントをデプロイします。

   コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、WebLogic Server デプロイメント,を参照してください。

 

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リソース アダプタの作成 : 主な手順

リソース アダプタを作成するには、リソース アダプタのクラスおよびコネクタ固有のデプロイメント記述子を作成し、さらに WebLogic Server にデプロイするため、それらをすべてリソース アダプタ アーカイブ (RAR) ファイルにパッケージ化します。

新しいリソース アダプタ (RAR) の作成

リソース アダプタ (RAR) を作成する主な手順を以下に説明します。

1. 「J2EE コネクタ仕様、バージョン 1.0、最終草案 2」(http://java.sun.com/j2ee/download.html#connectorspec) に準拠して、リソース アダプタ (ConnectionFactory や Connection など) に必要な各種クラスの Java コードを記述します。

   リソース アダプタを実装するときは、以下のように ra.xml ファイルでクラスを指定しなければなりません。例 :

   • <managedconnectionfactory-class>com.sun.connector.blackbox.LocalTxManagedConnectionFactory</managedconnectionfactory-class>

   • <connectionfactory-interface>javax.sql.DataSource</connectionfactory-interface>

   • <connectionfactory-impl-class>com.sun.connector.blackbox.JdbcDataSource</connectionfactory-impl-class>

   • <connection-interface>java.sql.Connection</connection-interface>

   • <connection-impl-class>com.sun.connector.blackbox.JdbcConnection</connection-impl-class>

2. インタフェースと実装の Java コードを、標準コンパイラを使用してクラス ファイルにコンパイルします。

   コンパイルの手順については、Java コードのコンパイルを参照してください。

3. リソース コネクタ固有のデプロイメント記述子を作成します。

   • ra.xml は、Sun Microsystems の標準 DTD を使用して、リソース アダプタ関連の属性タイプとそのデプロイメント プロパティを記述します。

   • weblogic-ra.xml ファイルは、WebLogic Server 固有のデプロイメント情報を追加します。

     コネクタ固有のデプロイメント記述子の作成の詳細については、『WebLogic J2EE コネクタ』を参照してください。

4. Java クラスを Java アーカイブ (JAR) ファイルにパッケージ化します。

   JAR ファイルの作成では、まず、ハード ディスクの任意の場所にコネクタのステージング ディレクトリを作成します。JAR ファイルをステージング ディレクトリに置き、デプロイメント記述子を META-INF というサブディレクトリに置きます。

   次に、ステージング ディレクトリで次のように jar コマンドを実行して、リソース アダプタ アーカイブを作成します。

   jar cvf myRAR.rar * 

   リソース アダプタの RAR アーカイブ ファイルの作成については、リソース アダプタのパッケージ化を参照してください。

5. テストを行うため、RAR リソース アダプタ アーカイブ ファイル を WebLogic Server に自動デプロイします。

   テスト時に、デプロイメント記述子の編集が必要になる場合があります。編集は手動、または Administration Console のデプロイメント記述子エディタを使用して行います。デプロイメント記述子エディタの使用方法の詳細については、デプロイメント記述子の編集を参照してください。

6. RAR リソース アダプタ ファイルを WebLogic Server にデプロイするか、またはエンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイする場合はエンタープライズ アーカイブ (EAR) ファイルに含めます。

   コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、WebLogic Server デプロイメント,を参照してください。

既存のリソース アダプタ (RAR) の変更

以下に示すのは、既存のリソース アダプタ (RAR) を、WebLogic Server にデプロイするための変更方法の例です。この場合、デプロイメント記述子 weblogic-ra.xml を追加し、再パッケージ化する必要があります。

1. ハード ディスクの任意の場所にリソース アダプタのステージング用の一時ディレクトリを作成します。

	mkdir c:/stagedir

2. 一時ディレクトリにデプロイするリソース アダプタをコピーします。

	cp blackbox-notx.rar c:/stagedir

3. リソース アダプタ アーカイブの中身を展開します。

	cd c:/stagedir

	jar xf blackbox-notx.rar

ステージング ディレクトリには、以下のものが格納されます。

リソース アダプタを実装する Java クラスが入った jar ファイル

Manifest.mf および ra.xml ファイルが入った META-INF ディレクトリ

以下のコマンドを実行してこれらのファイルを確認します。

	c:/stagedir> ls

		blackbox-notx.rar 

		META-INF

	c:/stagedir> ls META-INF

		Manifest.mf

		ra.xml

4. weblogic-ra.xml ファイルを作成します。このファイルは、リソース アダプタ用の WebLogic 固有のデプロイメント記述子です。このファイルには、接続ファクトリ、接続プール、およびセキュリティ マッピングのパラメータを指定します。

   weblogic-ra.xml DTD の詳細については、『WebLogic J2EE コネクタ』を参照してください。

5. weblogic-ra.xml ファイルを一時ディレクトリの META-INF サブディレクトリにコピーします。META-INF ディレクトリは、RAR ファイルを展開した一時ディレクトリ、またはリソース アダプタを展開ディレクトリ形式で格納しているディレクトリ内にあります。次のコマンドを使用します。

	cp weblogic-ra.xml c:/stagedir/META-INF

	c:/stagedir> ls META-INF

		Manifest.mf

		ra.xml

		weblogic-ra.xml

6. リソース アダプタ アーカイブを作成します。

	jar cvf blackbox-notx.rar -C c:/stagedir

7. WebLogic Server にリソース アダプタをデプロイします。デプロイメント ツールは、いくつかの種類があります。コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、WebLogic Server デプロイメントを参照してください。

 

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WebLogic Server エンタープライズ アプリケーションの作成 : 主な手順

WebLogic Server エンタープライズ アプリケーションの作成では、Web、EJB、およびコネクタ (リソース アダプタ) の各コンポーネント、デプロイメント記述子、およびアーカイブ ファイルの作成が必要です。最終的にはエンタープライズ アプリケーション アーカイブ (EAR) ファイルになり、WebLogic Server にデプロイできます。

WebLogic Server エンタープライズ アプリケーション作成の主な手順は次のとおりです。

1. アプリケーションの Web、EJB、コネクタの各コンポーネントを作成します。

   プログラマは、J2EE API を使用して、これらのコンポーネント用のサーブレット、EJB、およびコネクタを作成します。Web デザイナは、HTML または XML、および JavaServer Pages を使用して Web ページを作成します。

   Web、EJB、およびコネクタ コンポーネント作成の概要については、それぞれ Web アプリケーションの作成 : 主な手順、エンタープライズ JavaBean の作成 : 主な手順、リソース アダプタの作成 : 主な手順を参照してください。

   Web、EJB、およびコネクタ コンポーネントを構成する Java コードの作成の詳細については、『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』、『WebLogic HTTP サーブレット プログラマーズ ガイド』、『WebLogic JSP プログラマーズ ガイド』、および『WebLogic J2EE コネクタ』を参照してください。

2. Web、EJB、およびコネクタの各コンポーネントのデプロイメント記述子を作成します。

   コンポーネントのデプロイメント記述子は、WebLogic Server でのアプリケーションのデプロイメントに必要な情報を提供する XML ドキュメントです。J2EE 仕様では、ejb-jar.xml、web.xml、ra.xml などのデプロイメント記述子の内容を定義しています。追加のデプロイメント記述子では、WebLogic Server でのコンポーネントのデプロイメントに必要な情報が提供され、J2EE 仕様の記述子を補足します。

   手動でこれらのデプロイメント記述子を作成することも、WebLogic Server に含まれる Java ベース ユーティリティを使用して自動的に生成することもできます。これらのファイルの自動生成の詳細については、デプロイメント記述子の自動生成を参照してください。

   Web、EJB、およびコネクタ デプロイメント記述子の手動作成の詳細については、『Web アプリケーションのアセンブルとコンフィグレーション』、『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』、および『WebLogic J2EE コネクタ』を参照してください。

3. Web、EJB、およびコネクタ コンポーネントをコンポーネント アーカイブ ファイルにパッケージ化します。

   コンポーネント アーカイブは、デプロイメント記述子など、すべてのコンポーネント ファイルが含まれる JAR ファイルです。Web コンポーネントは WAR ファイルに、EJB コンポーネントは EJB JAR ファイルに、コネクタ コンポーネントは RAR ファイルにパッケージ化します。

   コンポーネント アーカイブ作成の詳細については、Web アプリケーションのパッケージ化、エンタープライズ JavaBeans のパッケージ化、および リソース アダプタのパッケージ化を参照してください。

4. エンタープライズ アプリケーションのデプロイメント記述子を作成します。

   エンタープライズ アプリケーションのデプロイメント記述子である application.xml では、アプリケーションに一緒にアセンブルされる個々のコンポーネントを示します。

   application.xml デプロイメント記述子は、手動で作成するか、WebLogic Server に含まれる Java ベースのユーティリティを使用して自動的に生成します。このファイルの自動生成の詳細については、デプロイメント記述子の自動生成を参照してください。

   application.xml ファイルの要素の詳細については、application.xml デプロイメント記述子の要素を参照してください。

5. エンタープライズ アプリケーションを EAR ファイルにパッケージ化します。

   エンタープライズ アプリケーションのデプロイメント記述子と共に、Web、EJB、およびコネクタ コンポーネントのアーカイブを EAR (.ear 拡張子) ファイルにパッケージ化します。このファイルは WebLogic Server にデプロイされるファイルです。WebLogic Server では application.xml デプロイメント記述子を使用して、EAR ファイルにパッケージ化された個々のコンポーネントを見つけてデプロイします。

   EAR ファイル作成の詳細については、エンタープライズ アプリケーションのパッケージ化を参照してください。

6. テストのため、この EAR エンタープライズ アプリケーションを WebLogic Server に自動デプロイします。

   エンタープライズ アプリケーションのテストでは、application.xml デプロイメント記述子の編集が必要になる可能性があります。ファイルの編集は手動、または Administration Console のデプロイメント記述子エディタを使用して行います。デプロイメント記述子エディタの使用方法の詳細については、デプロイメント記述子の編集を参照してください。

7. プロダクション用に Administration Console を使用して EAR ファイルを WebLogic Server にデプロイします。

   コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、WebLogic Server デプロイメント,を参照してください。

図 2-1 に、WebLogic Server エンタープライズ アプリケーションの開発とパッケージ化の手順を示します。

図2-1 エンタープライズ アプリケーションの作成

 

 

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開発環境の構築

WebLogic Server アプリケーションを開発するには、まず必要なソフトウェア ツールをアセンブルし、コードの作成、コンパイル、デプロイ、テスト、およびデバッグのための環境を設定しておきます。

ソフトウェア ツール

この節では、WebLogic Server アプリケーションの開発に必要なソフトウェア、および開発とデバッグに使用するオプション ツールについて説明します。

ソース コード エディタまたは IDE

Java ソース ファイル、コンフィグレーション ファイル、HTML または XML ページ、および JavaServer Pages の編集には、テキスト エディタが必要です。Windows と UNIX の行末の違いを適切に処理するエディタが望ましいですが、それ以外に特別な要件は何もありません。

WebGain VisualCafé などの Java 統合開発環境 (IDE) には、通常 Java のカスタム サポートと共にプログラマ用エディタが付属しています。また IDE は、WebLogic Server でのサーブレットとエンタープライズ JavaBean の作成とデプロイをサポートしている場合もあります。その場合、アプリケーションの開発、テスト、およびデバッグが非常に簡単になります。

HTML/XML ページおよび JavaServer Pages は、通常のテキスト エディタか、または DreamWeaver などの Web ページ エディタで編集できます。

XML エディタ

EJB および Web アプリケーション デプロイメント記述子、config.xml ファイルなど、WebLogic Server で使用される XML ファイルを編集するには、XML エディタを使用します。WebLogic Server には、次の 2 つの XML エディタが付属しています。

• Administration Console のデプロイメント記述子エディタ

• Java ベースのスタンドアロン エディタの BEA XML エディタ

これらの XML エディタの使用方法の詳細については、デプロイメント記述子の編集を参照してください。

Java コンパイラ

Java コンパイラは、ポータブル バイト コードで構成される Java クラス ファイルを Java ソースから生成します。Java コンパイラは、アプリケーション用に記述した Java コードと、WebLogic RMI、EJB、および JSP コンパイラによって生成されたコードをコンパイルします。

Sun Microsystems の Java 2, Standard Edition には、javac という Java コンパイラが付属しています。WebLogic Server をインストールしたときに付属の Java 実行時環境 (JRE) をインストールした場合、javac コンパイラがインストールされます。

これ以外にも、さまざまなプラットフォームに対応した Java コンパイラを使用できます。標準 Java .class ファイルを生成する Java コンパイラであれば、どのようなコンパイラでも WebLogic Server アプリケーションの開発に使用できます。ほとんどの Java コンパイラは javac より何倍も高速であり、また IDE と緊密に統合されている Java コンパイラもあります。

コンパイラによって生成された最適化済みコードが、すべての Java 仮想マシン (JVM) で正常に動作しない場合もあります。問題をデバッグする場合は、最適化を無効にするか、異なる最適化セットを選択するか、または javac でコンパイルしてみて、使用している Java コンパイラが原因かどうかを調べてください。また、デプロイする前に、常に対象となる各 JVM でコードをテストしてください。

開発用 WebLogic Server

テストされていないコードを、製品アプリケーションのサーバとなる WebLogic Server にデプロイしないでください。未テスト コードに対しては、編集およびコンパイルに使用しているのと同じコンピュータに開発用 WebLogic Server インスタンスを設定するか、ネットワーク上の別の場所に WebLogic Server の開発場所を指定してください。

Java はプラットフォームに依存しないので、任意のプラットフォームでコードの編集とコンパイルを行い、別のプラットフォームで稼働する開発用 WebLogic Server でアプリケーションをテストできます。たとえば、WebLogic Server アプリケーションを Windows または Linux が動作している PC で開発する場合、そのアプリケーションが最終的にどこにデプロイされるかを考慮する必要はありません。

開発用コンピュータで開発用 WebLogic Server を実行しない場合でも、WebLogic Server 配布キットにアクセスできなければプログラムをコンパイルできません。WebLogic または J2EE API を使用してコードをコンパイルするには、Java コンパイラが配布ディレクトリ内の weblogic.jar ファイルとその他の JAR ファイルにアクセスする必要があります。開発用コンピュータに WebLogic Server をインストールすると、これらのファイルがローカルに使用できます。

データベース システムと JDBC ドライバ

データベース システムは、ほぼすべての WebLogic Server アプリケーションで必要となります。標準 JDBC ドライバを介してアクセスできる任意の DBMS を使用できますが、WebLogic Java Message Service (JMS) などのサービスでは、Oracle、Sybase、Informix、Microsoft SQL Server、IBM DB2、または PointBase をサポートする JDBC ドライバが必要です。サポートされているデータベース システムおよび JDBC ドライバについては、「動作確認状況」ページを参照してください。

JDBC 接続プールは非常に高いパフォーマンスを提供するので、2 層 JDBC ドライバを直接使用するアプリケーションの作成を検討する必要はほとんどありません。WebLogic Server クラスタでは、マルチプールを設定してください。これにより、クラスタ内の複数のサーバ上の JDBC 接続プールに対して負荷分散が提供されます。

Web ブラウザ

ほとんどの J2EE アプリケーションは、Web ブラウザ クライアントによって実行されるように設計されています。WebLogic Server は HTTP 1.1 仕様をサポートしており、Netscape Communicator および Microsoft Internet Explorer ブラウザの現行バージョンでテストされています。

作成するアプリケーションの条件を書き出す場合、どの Web ブラウザ バージョンをサポートするかに留意してください。テスト プランは、サポートするバージョンごとに作成します。バージョン番号とブラウザ コンフィグレーションは明確に指定します。作成するアプリケーションはセキュア ソケット レイヤ (SSL) プロトコルをサポートしますか?ブラウザの代替セキュリティ設定をテストして、サポートしているセキュリティをユーザに知らせることができるようにします。

アプリケーションがアプレットを使用する場合、さまざまなブラウザに埋め込まれている JVM の違いのために、サポートするブラウザのコンフィグレーションをテストすることが特に重要です。解決策の 1 つは、Sun から Java Plug-in をインストールするようユーザに指示して、すべてのユーザが同じ Java ランタイム バージョンを持つようにすることです。

サードパーティ ソフトウェア

WebGain Studio、WebGain StructureBuilder、および BEA WebLogic Integration Kit for VisualAge for Java などのサードパーティ ソフトウェア製品を使用して、WebLogic Server 開発環境を強化できます。

詳細については、「BEA WebLogic Developer Tools Resources」を参照してください。このページには、アプリケーション サーバをサポートする製品の開発者ツール情報が記載されています。

ツールをダウンロードするには、「BEA WebLogic Server Downloads」を参照してください。

注意: ソフトウェア ベンダに問い合わせて、使用しているプラットフォームと WebLogic Server バージョンにソフトウェアが対応しているかどうかを確認してください。

 

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Java コードのコンパイル

WebLogic Server 用の Java コードのコンパイルは、他の Java プログラムのコンパイルと同じです。適切にコンパイルを行うには、以下の準備が必要です。

• 検索パスに標準 Java コンパイラを指定する。

• クラスパスを設定して、Java コンパイラがすべての依存クラスを検索できるようにする。

• コンパイルされたクラスの出力ディレクトリを指定する。

環境を設定する方法の 1 つは、コマンド ファイルまたはシェル スクリプトを作成して環境変数を設定し、それをコンパイラに渡すことです。この方法の例として、samples¥server¥config¥examples ディレクトリに setExamplesEnv.cmd (Windows) ファイルと setExamplesEnv.sh (UNIX) ファイルがあります。

検索パスへの Java ツールの指定

オペレーティング システムによってコンパイラとその他の JDK ツールの検索を可能にするには、そのコンパイラをコマンド シェルの %PATH% 環境変数に追加します。JDK を使用している場合、ツールは JDK ディレクトリの bin サブディレクトリに置かれています。javac 以外のコンパイラ (WebGain VisualCaf・の sj コンパイラなど) を使用するには、そのコンパイラが格納されているディレクトリを検索パスに追加します。

たとえば、JDK が UNIX ファイル システムの /usr/local/java/java130 にインストールされている場合、Bourne シェルまたはシェル スクリプトで次のようなコマンドを使用して javac を検索パスに追加します。

PATH=/usr/local/java/java130/bin:$PATH; export $PATH

WebGain sj コンパイラを Windows NT または Windows 2000 のパスに追加するには、コマンド シェルまたはコマンド ファイルで次のようなコマンドを使用します。

PATH=c:¥VisualCafe¥bin;%PATH%

IDE を使用している場合は、その IDE のドキュメントを参照して、検索パスの設定方法を調べてください。

コード コンパイル用のクラスパスの設定

ほとんどの WebLogic サービスは J2EE 仕様に基づいており、標準 J2EE パッケージを通じてアクセスします。WebLogic サービスを使用するプログラムのコンパイルに必要な Sun、WebLogic、およびその他の Java クラスは、インストールした WebLogic Server の lib ディレクトリの weblogic.jar ファイルにパッケージ化されます。weblogic.jar ファイル以外にも、以下のものをコンパイラの CLASSPATH に組み込みます。

• JDK ディレクトリ内の lib/tools.jar ファイル、または使用する Java 開発キットに必要なその他の標準 Java クラス

• サードパーティ Java ツールまたはプログラムがインポートするサービスのクラス

• コンパイルするプログラムによって参照されるその他のアプリケーション クラス

  クラスパスには、コンパイラによってコンパイルされたクラスの書き出し先となるディレクトリを指定します。これにより、コンパイラはアプリケーション内で依存し合うクラスをすべて検索できるようになります。次の節では、この出力ディレクトリについて詳しく説明します。

コンパイルされたクラスの出力ディレクトリの設定

コンパイルされたクラスの出力ディレクトリを指定しない場合、Java コンパイラは Java ソースと同じディレクトリにクラス ファイルを書き出します。出力ディレクトリを指定した場合、コンパイラはパッケージ名と同じディレクトリ構造にクラス ファイルを格納します。これにより、Java クラスはアプリケーションのパッケージ化に使用するステージング ディレクトリ内の適切な場所にコンパイルされます。出力先ディレクトリを指定しなかった場合、ファイルを移動してからでなければ、パッケージ化されたコンポーネントを含む JAR ファイルを作成できません。

J2EE アプリケーションは、1 つのアプリケーションにアセンブルされ、1 つまたは複数の WebLogic Server または WebLogic クラスタにデプロイされたモジュールから構成されています。各モジュールは、独自のステージング ディレクトリを持つ必要があります。これにより、他のモジュールとは別個にコンパイル、パッケージ化、およびデプロイできるようになります。たとえば、EJB、Web コンポーネント、およびその他のサーバサイド クラスをそれぞれ独立したモジュールにパッケージ化できます。

コンパイラの出力ディレクトリの設定例については、WebLogic Server 配布キットの samples¥server¥config¥examples ディレクトリにある setExamplesEnv スクリプトを参照してください。このスクリプトは、以下の変数を設定します。

CLIENT_CLASSES

samples¥server¥stage¥examples¥clientclasses

コンパイルされたクライアント クラスがサンプル ドメインに書き出されるディレクトリ。これらのクラスは通常、WebLogic Server に接続するスタンドアロンの Java プログラムです。

SERVER_CLASSES

デフォルトでは samples\server\stage\examples\serverclasses。サーバサイド クラスがサンプル ドメインに書き出されるディレクトリ。起動クラスとその他の Java クラスがあり、サーバの起動時に WebLogic Server CLASSPATH に配置されている必要があります。このディレクトリのクラスは WebLogic Server を再起動しないと再デプロイできないため、アプリケーション クラスは、通常このディレクトリにはコンパイルしないでください。

EX_WEBAPP_CLASSES

samples¥server¥stage¥examples¥applications¥examplesWebApp¥WEB-INF¥classes

Web アプリケーションによって使用されるクラスがサンプル ドメインに書き出されるディレクトリ。

APPLICATIONS

SAMPLES_HOME¥server¥config¥examples¥applications

サンプル ドメイン用のアプリケーション ディレクトリ。この変数は Java コンパイラの対象の指定には使用しません。この変数は、ファイルをソース ディレクトリから applications ディレクトリへ移動するコピー コマンドで、applications ディレクトリへの便利な参照として使用します。たとえば、ソース ツリーの中に HTML、JSP、および画像ファイルがある場合、コピー コマンドでこの変数を使用して、ファイルを開発用サーバにインストールできます。

これらの環境変数は、次のようなコマンドで (Windows の場合) コンパイラに渡されます。

javac -d %SERVER_CLASSES% *.java

IDE を使用しない場合、メイク ファイル、シェル スクリプト、またはコマンド ファイルを記述して、コンポーネントとアプリケーションをコンパイルおよびパッケージ化することを検討してください。構築スクリプトに変数を設定して、1 つのコマンドでコンポーネントを再構築できるようにします。