Web アプリケーションのデプロイメント

WebLogic Server アプリケーションのデプロイメントの詳細については、「WebLogic Server デプロイメント」を参照してください。この章では、Web アプリケーションに固有のデプロイメント手順のみを説明します。

Web アプリケーションをデプロイすると、WebLogic Server は Web アプリケーションのコンポーネントをクライアントに提供できるようになります。Web アプリケーションは、ユーザの環境と Web アプリケーションがプロダクション環境に置かれるかどうかに基づいて、複数の手順のうちの 1 つでデプロイできます。WebLogic Server Administration Console、weblogic.Deployer ユーティリティ、または自動デプロイメントを使用できます。

Web アプリケーションをデプロイする手順では、正しいディレクトリ構造を使用し、web.xml デプロイメント記述子を含み、必要であれば weblogic.xml デプロイメント記述子も含む、正常に作動する Web アプリケーションを作成していることを前提としています。Web アプリケーションの作成に必要な手順の概要については、Web アプリケーション作成の主な手順を参照してください。

以下の節では、Web アプリケーションに固有の情報を提供します。

• 自動デプロイメントを使用した Web アプリケーションの再デプロイメント

• Web アプリケーションをプロダクション モードで再デプロイするための要件

• 静的コンポーネント (JSP ファイル、HTML ファイル、画像ファイルなど) の更新

• エンタープライズ アプリケーションの一部としての Web アプリケーションのデプロイメント

 

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自動デプロイメントを使用した Web アプリケーションの再デプロイメント

applications ディレクトリにデプロイされている Web アプリケーションのコンポーネント (JSP、HTML ページ、Java クラスなど) を変更し、自動デプロイメントを使用している場合、変更を反映するために、Web アプリケーションを再デプロイする必要があります。この手順は、WAR アーカイブ ファイルでデプロイされた Web アプリケーションと、展開ディレクトリ形式でデプロイされた Web アプリケーションとでは異なります。

Web アプリケーションの WAR アーカイブでの再デプロイメント

アーカイブ ファイルを変更すると、Web アプリケーションの再デプロイメントが自動的に開始されます。自動デプロイされた Web アプリケーションが管理対象サーバを対象としている場合、Web アプリケーションもその管理対象サーバに再デプロイされます。

展開ディレクトリ形式でデプロイされた Web アプリケーションの再デプロイ

展開ディレクトリ形式でデプロイされた Web アプリケーションを再デプロイするには、REDEPLOY という特別なファイルを修正して自動デプロイメントを行うか、Administration Console を使用するか、または WEB-INF/classes ディレクトリ内の古いクラス ファイルを新しいクラス ファイルに置き換えて部分的に再デプロイします。

REDEPLOY ファイルの変更

REDEPLOY ファイルを変更して Web アプリケーションを再デプロイするには、次の手順に従います。

1. REDEPLOY という空のファイルを作成して、Web アプリケーションの WEB-INF ディレクトリに格納します。このディレクトリが存在しない場合は作成する必要があります。

2. REDEPLOY ファイルを変更します。まずファイルを開き、内容を変更して (スペースを挿入するのが最も簡単な方法)、ファイルを保存します。また UNIX マシンでは、REDEPLOY ファイルに対して touch コマンドを使用することもできます。次に例を示します。

   touch user_domains/mydomain/applications/DefaultWebApp/WEB-INF/REDEPLOY

   REDEPLOY ファイルが変更されると、Web アプリケーションはすぐに再デプロイされます。

Administration Console を使用した再デプロイメント

Administration Console を使用して Web アプリケーションを再デプロイするには、次の手順に従います。

1. 左ペインの [デプロイメント] ノードを展開します。

2. [Web アプリケーション] ノードを選択します。

3. 再デプロイする Web アプリケーションを選択します。

4. 右ペインのアプリケーション テーブル内の [アンデプロイ] ボタンをクリックします。

5. 右ペインのアプリケーション テーブル内の [デプロイ] ボタンをクリックします。

ホット デプロイメント

WEB-INF/classes ディレクトリ内のファイルを次の方法で再デプロイします。クラスが WEB-INF/classes にデプロイされている場合、新しいタイム スタンプのクラス ファイルをコピーすれば、Web アプリケーションは新しいクラスローダで WEB-INF/classes フォルダ内のすべてのファイルを再ロードします。

WLS がファイルシステムを参照する頻度は、Administration Console で設定できます。[デプロイメント｜Web アプリケーション] タブで、対象の Web アプリケーションを選択します。次に [コンフィグレーション｜ファイル] タブに移動し、[再ロード間隔 (秒)] に秒数を入力します。

 

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Web アプリケーションをプロダクション モードで再デプロイするための要件

プロダクション モードを有効にして Web アプリケーションを再デプロイするには、-Dweblogic.ProductionModeEnabled=true フラグを指定してドメインの管理サーバを起動する必要があります。これにより、ドメイン内のすべてのサーバ インスタンスでプロダクション モードが設定されます。

管理サーバ上の Web アプリケーションのコンポーネント (サーブレット、JSP、HTML ページなど) を変更するときは、対象になっている管理対象サーバに変更したコンポーネントもデプロイされるように、変更したコンポーネントを更新する追加の手順を実行する必要があります。コンポーネントを更新する 1 つの方法は、Web アプリケーション全体を再デプロイすることです。Web アプリケーションを再デプロイすることは、Web アプリケーションの対象になっている管理対象サーバすべてに、変更したコンポーネントだけではなく Web アプリケーション全体をネットワーク経由で再送信することを意味します。

Web アプリケーションの再デプロイメントでは、次の点に注意してください。

• 環境によっては、Web アプリケーションが管理対象サーバに送信されるときにネットワーク トラフィックが増加するために、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。

• Web アプリケーションが現在プロダクション環境にあり、使用中である場合、この Web アプリケーションを再デプロイすることによって、WebLogic Server は、Web アプリケーションを使用中のユーザに対するすべてのアクティブなHTTP セッションを失うことになります。

• Java クラス ファイルを更新した場合、クラスを更新するために Web アプリケーション全体を再デプロイする必要があります。

• デプロイメント記述子を変更する場合、Web アプリケーションを再デプロイする必要があります。

 

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静的コンポーネント (JSP ファイル、HTML ファイル、画像ファイルなど) の更新

展開されたアーカイブ ディレクトリとしてデプロイされたアプリケーションの場合は、weblogic.Deployer で、デプロイされたアプリケーションの静的ファイルを更新できます。静的ファイルを更新するには、次の手順に従います。

1. WebLogic Server クラスがシステムの CLASSPATH に入り、JDK が利用できるように開発環境を設定します。環境の設定には、config/mydomain ディレクトリにある setEnv スクリプトを使用できます。

2. 次のコマンドを入力します。

   % java weblogic.Deployer -adminurl adminServerURL 
   -user adminUserName -password adminPassword -name deploymentName
   -activate fileList 

   各要素の説明は次のとおりです。

   • adminServerURL は、WebLogic 管理サーバの URL。

   • adminUserName は、管理ユーザのユーザ名。

   • adminPassword は、管理ユーザのパスワード

   • deploymentName は、更新するアプリケーションの名前。

   • fileList は、更新されるファイルのカンマで区切ったリスト。ワイルドカード文字 (*.jsp など) はサポートされていません。各ファイルは、展開されたアーカイブ デプロイメントのルート ディレクトリと相対的に指定する必要があります。

     たとえば、次のコマンドは myWebApp Web アプリケーションの HelloWorld.jsp ファイルを更新します。

     java weblogic.Deployer -adminurl http://localhost:7001
      -username myUsername -password myPassword -name myWebApp
      -activate HelloWorld.jsp

weblogic.Deployer の使い方の詳細については、「WebLogic Java ユーティリティの使い方」を参照してください。

 

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エンタープライズ アプリケーションの一部としての Web アプリケーションのデプロイメント

Web アプリケーションはエンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイできます。エンタープライズ アプリケーションは、Web アプリケーション、EJB、およびリソース アダプタを単一のデプロイ可能なユニットにバンドルする J2EE デプロイメント ユニットです。エンタープライズ アプリケーションの詳細については、「WebLogic Server コンポーネントとアプリケーションのパッケージ化」を参照してください。エンタープライズ アプリケーションの一部として Web アプリケーションをデプロイすると、WebLogic Server が Web アプリケーション用のリクエストを解決するときに、Web アプリケーションの実際の名前の代わりに使う文字列を指定することができます。エンタープライズ アプリケーション用の application.xml デプロイメント記述子の <context-root> 要素に新しい名前を指定します。詳細については、「application.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。

たとえば、oranges という Web アプリケーションでは、多くの場合、次のような URL で oranges Web アプリケーションのリソースを要求します。

http://host:port/oranges/catalog.jsp. 

oranges Web アプリケーションがエンタープライズ アプリケーションにパッケージ化された場合、次の例に示すように <context-root> に値を指定できます。

<module>
   <web>
      <web-uri>oranges.war</web-uri>
      <context-root>fruit</context-root>
   </web>
</module>

その結果、次の URL を使用して、oranges Web アプリケーションの同じリソースにアクセスできます。

http://host:port/fruit/catalog.jsp

注意: 1 つのエンタープライズ アプリケーションでは、複数の名前で同一の Web アプリケーションをデプロイすることはできません。ただし、それぞれの Web アプリケーションが異なるエンタープライズ アプリケーションにパッケージ化されている場合には、複数の名前で同一の Web アプリケーションをデプロイできます。