WebLogic J2EE コネクタ アーキテクチャ
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以下の節では、WebLogic J2EE コネクタ アーキテクチャ実装のコンフィグレーション要件について説明します。
BEA では、リソース アダプタの作成とコンフィグレーションを支援するツールを提供しています。この節では、これらのツールについて説明します。
スケルトン デプロイメント記述子を作成するときに、WebLogic ANT ユーティリティを利用できます。Ant ユーティリティは WebLogic Server 配布キットと共に出荷されている Java クラスです。ANT タスクによって、リソース アダプタを含むディレクトリが調べられ、そのリソース アダプタで検出されたファイルを基にデプロイメント記述子が作成されます。ANT ユーティリティは、個別のリソース アダプタに必要なコンフィグレーションやマッピングに関する情報をすべて備えているわけではないので、ANT ユーティリティによって作成されるスケルトン デプロイメント記述子は不完全なものです。ANT ユーティリティがスケルトン デプロイメント記述子を作成した後で、テキスト エディタ、XML エディタ、または Administration Console を使ってデプロイメント記述子を編集し、リソース アダプタのコンフィグレーションを完全なものにしてください。
ANT ユーティリティを使用してデプロイメント記述子を作成する方法の詳細については、『WebLogic Server アプリケーションの開発』の「WebLogic Server アプリケーションの作成」を参照してください。
WebLogic Builder は、アプリケーションのデプロイメント記述子 XML ファイルを視覚的に編集するための環境を提供します。WebLogic Builder では記述子ファイルを表示して視覚的に編集できるため、テキストでこれらの XML ファイルを編集する必要がありません。詳細については、『WebLogic Builder オンライン ヘルプ』を参照してください。
dev2dev にある BEA XML エディタや XMLSpy などの DTD 検証機能付き XML エディタを使用できます (このバージョンの WebLogic Server には XMLSpy の評価版が付属しています)。BEA dev2dev Online (http://www.beasys.co.jp/dev2dev/index.html) を参照してください。
この節では、WebLogic Server にデプロイするためのリソース アダプタをコンフィグレーションする方法について説明します。
WebLogic J2EE コネクタ アーキテクチャを使用すると、エンタープライズ情報システム (EIS) ベンダとサードパーティ アプリケーション開発者は、Sun Microsystems の J2EE プラットフォーム仕様、バージョン 1.3 に準拠しているアプリケーション サーバにデプロイ可能なリソース アダプタを開発できます。
リソース アダプタは WebLogic J2EE コネクタ アーキテクチャの中核をなすもので、クライアント コンポーネントと EIS との間の J2EE コネクタとして機能します。リソース アダプタを WebLogic Server 環境にデプロイすると、リモート EIS システムにアクセスする堅牢な J2EE プラットフォーム アプリケーションを開発できるようになります。リソース アダプタには、Java コンポーネントに加えて、必要な場合には EIS との対話に必要なネイティブ コンポーネントが入っています。
リソース アダプタの作成については、Sun Microsystems の J2EE コネクタ アーキテクチャのページと「J2EE コネクタ仕様、バージョン 1.0、最終リリース」を参照してください。これらの参照先は Sun Microsystems の Web サイトで公開されており、それぞれの URL は以下のとおりです。
http://java.sun.com/j2ee/connector/
http://java.sun.com/j2ee/download.html#connectorspec
リソース アダプタを作成するには、個々のリソース アダプタ用のクラス (ConnectionFactory や Connection など) とコネクタ固有のデプロイメント記述子を作成してから、それらを WebLogic Server にデプロイする jar
ファイルにすべてパッケージ化する必要があります。
リソース アダプタ アーカイブ (RAR) を作成する主な手順を以下に説明します。
コンパイルの手順については、『WebLogic Server アプリケーションの開発』の「Java コードのコンパイル」を参照してください。
ra.xml
は、Sun Microsystems の標準 DTD を使用して、リソース アダプタ関連の属性タイプとそのデプロイメント プロパティを記述します。weblogic-ra.xml
ファイルは、WebLogic Server 固有のデプロイメント情報を追加します。コネクタ固有のデプロイメント記述子の作成については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
JAR ファイルの作成では、まず、ハード ディスクの任意の場所にコネクタのステージング ディレクトリを作成します。JAR ファイルをステージング ディレクトリに置き、デプロイメント記述子を META-INF
というサブディレクトリに置きます。
次に、ステージング ディレクトリで次のように jar コマンドを実行して、リソース アダプタ アーカイブを作成します。
jar cvf myRAR.rar *
コンポーネントおよびアプリケーションの自動デプロイの詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイメント ツールのリファレンス」を参照してください。
リソース アダプタのテストでは、リソース アダプタのデプロイメント記述子の編集が必要になる場合があります。その場合、手動で編集することも、WebLogic Builder を使用することもできます。
詳細については、『WebLogic Builder オンライン ヘルプ』を参照してください。デプロイメント記述子の要素の詳細については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
コンポーネントおよびアプリケーションのデプロイメントの詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照してください。
以下に示すのは、既存のリソース アダプタ (RAR) を、WebLogic Server にデプロイするための変更方法の例です。この場合、デプロイメント記述子 weblogic-ra.xml を追加し、再パッケージ化する必要があります。
mkdir c:/stagedir
cp blackbox-notx.rar c:/stagedir
cd c:/stagedir
jar xf blackbox-notx.rar
c:/stagedir> ls
blackbox-notx.rar
META-INF
c:/stagedir> ls META-INF
Manifest.mf
ra.xml
weblogic-ra.xml DTD の詳細については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
cp weblogic-ra.xml c:/stagedir/META-INF
c:/stagedir> ls META-INF
Manifest.mf
ra.xml
weblogic-ra.xml
jar cvf blackbox-notx.rar -C c:/stagedir
ra.xml ファイルがない場合は、手動で作成するか、または既存のファイルを編集して、リソース アダプタに必要なデプロイメント プロパティを設定します。プロパティの編集には、テキスト エディタを使用します。ra.xml ファイルの作成の詳細については、「J2EE コネクタ仕様、バージョン 1.0、最終リリース」(http://java.sun.com/j2ee/download.html#connectorspec) を参照してください。
標準リソース アダプタ コンフィグレーション ra.xml ファイルの機能サポートに加え、BEA WebLogic Server は追加デプロイメント記述子ファイルの weblogic-ra.xml ファイルを定義します。このファイルには、リソース アダプタを WebLogic Server でコンフィグレーションし、デプロイする作業に固有のパラメータが含まれます。このファイルは、WebLogic Server の EJB および Web アプリケーション用の拡張子 .xml のファイルと同じ機能を持つほか、WebLogic 固有のデプロイ記述子をデプロイ可能なアーカイブに追加するものです。基本の RAR またはデプロイメント ディレクトリは、そのまま WebLogic Server にデプロイすることができません。最初に weblogic-ra.xml ファイルで、WebLogic Server 固有のデプロイメント プロパティを作成およびコンフィグレーションし、その XML ファイルをデプロイメントに追加する必要があります。
weblogic-ra.xml ファイルには以下の属性を指定します。
注意 : weblogic-ra.xml のパラメータの設定については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」の weblogic-ra.xml DTD を参照してください。ダウンロード製品に付属する Simple Black Box リソース アダプタ例に含まれている weblogic-ra.xml ファイルを参照することもできます。
注意 : リソース アダプタの接続プロパティのコンフィグレーションの詳細については、「接続管理」を参照してください。
WebLogic Server では、リソース アダプタ アーカイブ (RAR) に、J2EE コネクタ 1.0 仕様で指定された ra.xml デプロイメント記述子ファイルに加えて、weblogic-ra.xml デプロイメント記述子ファイルが必要です。ただし、リソース アダプタが weblogic-ra.xml ファイルを使用せずに WebLogic Server にデプロイされると、デフォルト要素値が含まれる weblogic-ra.xml テンプレート ファイルが自動的にリソース アダプタに追加されます。この自動リソース ファイル生成により、リソース アダプタを WebLogic Server にデプロイするために必要なパラメータを決定するプロセスが簡略化されます。
RAR に weblogic-ra.xml ファイルが含まれない場合、WebLogic Server はこのファイルを自動的に作成します。この機能により、大幅な変更を加えなくてもサードパーティ製リソース アダプタを WebLogic Server にデプロイすることができます。変更の必要があるのは、WebLogic Server が weblogic-ra.xml ファイルに生成する 2 つのデフォルト属性の値、<connection-factory-name> と <jndi-name> だけです。
これらのデフォルト値の変更方法については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
生成された weblogic-ra.xml ファイルは、デフォルト値を変更する前には以下のようになります。
コード リスト 6-1 weblogic-ra.xml のデフォルト値
<weblogic-connection-factory-dd>
<connection-factory-name>__TMP_CFNAME_.\config\mydomain\applications\whitebox-notx.rar</connection-factory-name>
<jndi-name>__TMP_JNDINAME_.\config\mydomain\applications\whitebox-notx.rar</jndi-name>
<pool-params>
<initial-capacity>0</initial-capacity>
<max-capacity>1</max-capacity>
<capacity-increment>1</capacity-increment>
<shrinking-enabled>false</shrinking-enabled>
<shrink-frequency-seconds>900</shrink-frequency-seconds>
</pool-params>
<security-principal-map>
</security-principal-map>
</weblogic-connection-factory-dd>
オプションの <ra-link-ref> 要素を使用すると、デプロイ済みの複数のリソース アダプタを 1 つのデプロイ済みリソース アダプタに関連付けることができます。つまり、属性のサブセットを変更するだけで、基本リソース アダプタでコンフィグレーションされているリソースを別のリソース アダプタにリンク (再利用) できます。<ra-link-ref> 要素を使用すると、可能な場合、リソース (クラス、JAR、イメージ ファイルなど) の重複を防ぐことができます。デプロイ済みの基本リソース アダプタで定義されている値はすべて、<ra-link-ref> 要素でそれ以外の値が指定されていない限り、リンク先のリソース アダプタが継承します。
オプションの <ra-link-ref> 要素を使用する場合は、<pool-params> 要素のすべての値を指定するか、まったく指定しないかのどちらかです。<pool-params> 要素は、基本リソース アダプタからリンク先のリソース アダプタに部分的には継承されません。
weblogic-ra.xml ファイルの編集の詳細については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
リソース アダプタがサポートするトランザクション レベル タイプを ra.xml デプロイメント記述子ファイルに指定する必要があります。トランザクションのサポート レベルを指定するには次の手順に従います。
.xml ファイルの編集手順については、「weblogic-ra.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
RAR コンフィグレーションでのトランザクション レベルの指定方法については、「J2EE コネクタ仕様、バージョン 1.0、最終リリース」(http://java.sun.com/j2ee/download.html#connectorspec) で「Packaging and Deployment」の章の「Resource Adapter XML DTD」を参照してください。
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