WebLogic Server 8.1 へのアップグレード
以下の節では、WebLogic Server 8.1 へアップグレードする際に最も発生しやすい問題について簡単に説明し、その解決法とさらに詳細な情報へのリンクを示します。
WebLogic Server 8.1 へのアップグレードの詳細については、該当するアップグレード パスの節を参照してください。
実行時環境を正しく設定することが、アップグレード時の作業の中で最も難しいタスクになることはよくあります。WebLogic Server もアプリケーションも、クラスパス、システム パス、および他の環境変数を正確に設定することにより動作します。クラスパスは更新して WebLogic Server 8.1 のパスと weblogic.jar
などの JAR ファイルを含むようにしなくてはなりませんが、更新後もアプリケーションに固有のリソースを指している必要があります。
以下の問題は、環境変数のコンフィグレーションに関係しています。
JAXP、JAAS パッケージ、および Principal Authenticator オブジェクトは、以前のバージョンではすべて weblogic.jar
に含まれていましたが、WebLogic Server 8.1 では JDK 1.4.1 に含まれるため、weblogic.jar
には入っていません。
症状 : 接続の作成時に発生した問題について次のようなエラー メッセージが表示されます。
<May 20, 2003 2:40:14 PM PDT> <Warning> <JDBC> <BEA-001129> <Received exception while creating connection for pool "petstorePool": Database 'petStore' not found.>
<May 20, 2003 2:40:15 PM PDT> <Error> <JDBC> <BEA-001150> <Connection Pool
"petstorePool" deployment failed with the following error: 0:Could not create pool connection. The DBMS driver exception was: Database 'petStore' not found..><May 20, 2003 2:40:15 PM PDT> <Error> <JDBC> <BEA-001151> <Data Source "InventoryDB" deployment failed with the following error: DataSource(jdbc.InventoryDB) can't be created with non-existent Pool (connection or multi) (petstorePool).>
解決策 : ドメイン コンフィグレーションと起動スクリプトが適切なデータソースを指しているか、およびデータソース用に適切なドライバを使用しているかを確認します。
問題 : デプロイメント記述子が新しい J2EE 標準に対応するように修正されました。
症状 : WebLogic Server 8.1 で EJB がロードされません。
解決策 : WebLogic Server EJB コンテナからロードの失敗に関するメッセージが発行され、その中に解決方法についての詳細な情報が示されています。たとえばバージョン 6.x からアップグレードする場合には、リソース参照の不一致の修正などが必要になります。「<ejb-ref-name> の間違いを修正する」を参照してください。
適切なバージョンの トラブルシューティングの「J Rockit ドキュメント」も参照してください。
問題 : JDK 1.4 では JSP のマイナーなエラーが発生します。
症状 : アプリケーションによってロードされたページを参照できません。または、ビルドが失敗して JSP のエラー メッセージが表示されます。
解決策 : ビルドまたは実行時のエラー メッセージを使用してエラーを特定し、修正します。例については、「JSP の解析エラーを修正する」を参照してください。Pet Store での JSP エラーの修正について説明されています。
問題 : 7.0 以前のセキュリティ モデルが正しくアップグレードされていません。
症状 : サーバが起動に失敗し、セキュリティに関するエラー メッセージが表示されます。
解決策 : 互換性セキュリティを設定します。「セキュリティの WebLogic Server 6.x からバージョン 8.1 へのアップグレード」および『WebLogic Security の管理』の「互換性セキュリティの実行 : 主な手順」を参照してください。
症状 : SSLListenThread
エラーが発生し、localhost への接続に失敗します。
解決策 : ホスト名検証を無効にするか (開発モードで動作している場合にのみ推奨)、またはクライアント用に新しいデジタル証明書を取得します。「FAQ : セキュリティ」を参照してください。
問題 : ドメイン内のサーバはすべて同じバージョンの WebLogic Server 上にある必要があります。
たとえば、WebLogic Server 6.x を実行している管理対象サーバは、WebLogic Server 8.1 を実行している管理サーバを使用してそのコンフィグレーションおよび起動情報を取得できません。
症状 : 管理サーバおよび管理対象サーバの両方が WebLogic Server 8.1 を実行している状態で、管理サーバは起動するが管理対象サーバが適切に起動しません。
解決策 : WebLogic Server 6.x のインストール ディレクトリにある running-managed-servers.xml
ファイルを、WebLogic Server 8.1 のインストール ディレクトリにコピーしていないかどうかを確認します。
問題 : 以前のパーサでは受け入れられていた XML ドキュメントの中には、新しい XML パーサでは拒否されるものがあります。
WebLogic Server 8.1 の組み込み XML パーサは Apache Xerces 1.4.4 パーサをベースとしており、以前のバージョンよりも厳密な解析を行います。
症状 : EAR ファイルのデプロイメント記述子はすべて適切であるのに、EAR をロードできません。
解決策 : デプロイされている他の XML ドキュメントが SAX および DOM インタフェースのバージョン 2 に準拠しているかどうかを確認します。XML を追跡し、修正します。バージョン 6.x の場合は「Apache Xerces XML パーサ」、バージョン 7.1 の場合は「Apache Xerces XML パーサ」を参照してください。例として、「エンコーディング エラーを修正する」を参照してください。マイナーなエンコーディング エラーの修正について説明されています。