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WebLogic Server 8.1 へのアップグレード

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WebLogic Server 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレード

WebLogic Server 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレードは、ユーティリティを使用して weblogic.properties ファイルを新しい XML ファイル形式に変換する作業など、複数の手順からなるプロセスです。また、アップグレード プロセスに影響するいくつかの仕様上の変更も行われています。以下の節では、アップグレードに関連する既知の問題のほとんどを扱っていますが、特定の環境に固有の問題については説明を省略している場合があります。

以下の節では、システムを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードする場合、またアプリケーションを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 に移行してデプロイする場合に必要な手順およびその他の情報を示します。説明する内容は、WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレードを対象としています。

WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアプリケーションのアップグレード例については、「銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレード」を参照してください。

 


WebLogic Server 8.1 のディレクトリ構造について

WebLogic Server 8.1 にアップグレードする場合、サーバとアプリケーションは WebLogic Server ドメイン内で管理されます。WebLogic Server ドメインについては、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」を参照してください。

ドメイン ディレクトリの配置場所を、WebLogic Server インストール ディレクトリの外に指定することをお勧めします。WebLogic Server インストールと JDK にアクセスできる任意の場所にドメイン ディレクトリを配置できるようになりました。

ドメイン ディレクトリの場所を変更する場合は、新しいディレクトリ構造に関係するカスタム ツールやスクリプトも忘れずに更新してください。また同様に、スクリプトによってドメインを作成するためのツールを使用している場合は、そのスクリプトも変更してください。ドメインの作成には、スクリプト化が可能なコンフィグレーション ウィザードを使用することをお勧めします。

 


ドメイン ディレクトリの内容

ドメインのコンフィグレーションは、管理サーバのドメイン ディレクトリにある config.xml ファイルに格納されます (管理サーバおよび管理対象サーバの詳細については『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」を参照)。config.xml では、ドメインの名前と、ドメイン内の各サーバ インスタンス、クラスタ、リソース、およびサービスのコンフィグレーション パラメータ設定が格納されます。

ドメイン ディレクトリには、ドメイン内の管理サーバと管理対象サーバの起動に使用できるデフォルトのスクリプト ファイルも格納されます。

ドメイン ディレクトリには次の要素が必要です。

 


WebLogic Server 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレード : 主要な手順

以下の一般的な手順は、バージョン 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレード時に考慮すべき事項のチェックリストです。 このアップグレードの詳細な例については、「銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレード」を参照してください。

サーバ インスタンスのクラスタをアップグレードするには、サーバ インスタンスのホストとなるコンピュータごとに、WebLogic Server 8.1 をインストールする必要があります。サーバ クラスタをアップグレードする場合は、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」に示す WebLogic Server クラスタ コンフィグレーションのガイドラインを参照してください。

  1. WebLogic Server 8.1 をインストールする前に、WeblogicLicense.class または WebLogicLicense.XML ライセンス ファイルを変換します。「WebLogic Server ライセンス ファイルのアップグレード」を参照してください。
  2. WebLogic Server 8.1 を WebLogic Server 5.1 のインストール ディレクトリからアクセス可能な場所にインストールします。『WebLogic Platform のインストール』を参照してください。
  3. WebLogic Server 6.0 よりも前のバージョンでは、56 ビット暗号ではなく 128 ビット暗号を使用する場合に別途のダウンロードが必要でした。WebLogic Server 8.1 では、56 ビット暗号と 128 ビット暗号の両方に対応した単一のダウンロードが用意されています。128 ビット暗号を有効にする方法の詳細については、『WebLogic Platform のインストール』 の「128 ビット暗号について」を参照してください。

  4. Administration Console で [情報およびリソース] の下にある [weblogic.properties のコンバート] ユーティリティを使用して、weblogic.properties ファイルを 8.1 ドメイン コンフィグレーションに変換します。手順については、「weblogic.properties ファイルから config.xml への変換」および Administration Console オンライン ヘルプを参照してください。
  5. Java システム CLASSPATH にクラスを追加します。詳細については、「WebLogic Server 8.1 でのクラスのロード」を参照してください。
  6. WebLogic Server 5.1 のカスタム起動スクリプトを使用している場合は、スクリプトを修正して WebLogic 8.1 Server を指すようにします。「起動スクリプトの修正」を参照してください。
  7. WebLogic 8.1 上で実行するために、WebLogic サーバサイド ビジネス オブジェクト実装 (WebLogic Server 6.0 以降では Web アプリケーションと呼ばれる) をパッケージ化します。「既存のアプリケーションから Web アプリケーションへの変換」を参照してください。
  8. EJB をアップグレードする必要がある場合は、「エンタープライズ JavaBeans アプリケーションのアップグレード」を参照してください。
  9. JMS をアップグレードします。WebLogic Server 5.1 以降、多くの新しいコンフィグレーション属性が JMS に追加されています。詳細については、「JMS のアップグレード」を参照してください。
  10. セキュリティをアップグレードします。WebLogic Server 8.1 には、さまざまなセキュリティ機能が追加されています。詳細については、「WebLogic Server ライセンス ファイルのアップグレード」を参照してください。
  11. アプリケーションでは、新規パーサや変更された API など、他の要因を考慮するために、これ以外の手順が必要になる場合もあります。そうした要因の詳細については、「アップグレードとデプロイメントに関するその他の考慮事項」を参照してください。
  12. たとえば、アップグレードしたアプリケーションを WebLogic Server 8.1 でコンパイルする場合、8.1 が JDK 1.4 に依存している関係上、8.1 ドメインから JDK 1.4 またはそれに相当するもの (JRockit など) を参照する必要があります。 JRockit へのアップグレードの詳細については、「JVM から JRockit へのアップグレード」を参照してください。

  13. WebLogic Server 8.1 の管理サーバと管理対象サーバを起動して、アプリケーションのコンフィグレーションとデプロイを行います。
  14. WebLogic Server 8.1 を起動する方法の詳細については、「サーバの起動と停止 : クイック リファレンス」を参照してください。アプリケーションのコンフィグレーションとデプロイについては、『デプロイメント』を参照してください。

WebLogic Server ライセンス ファイルのアップグレード

Java 形式のライセンス ファイル (WebLogicLicense.class) および XML 形式のライセンス ファイル (WebLogicLicense.XML) は、現在はサポートされていません。これらのファイルは以前のバージョンの WebLogic Server で使われていたもので、新しい形式に変換する必要があります。新しいライセンス ファイルは license.bea です。

WebLogicLicense.class ライセンスの変換

WebLogicLicense.class ライセンス ファイルを既存の WebLogic Server インストールで使用している場合は、WebLogic Server 8.1 をインストールする前に、以下の作業を実行します。

  1. WebLogicLicense.class ライセンス ファイルを licenseConverter ユーティリティを使用して WebLogicLicense.XML ファイルに変換します。
  2. WebLogicLicense.XML ライセンスの変換」で説明されているように WebLogicLicense.XML ファイルを変換します。

WebLogicLicense.XML ライセンスの変換

WebLogicLicense.XML ファイルを、WebLogic Server 8.1 と互換性のある license.bea ファイルに変換するには、以下の手順に従ってください。この手順を実行するマシンで、WebLogicLicense.XML ライセンス ファイルが使用できることを確認してください。

  1. BEA カスタマ サポートの Web サイト (http://websupport.beasys.com/custsupp) にログインします。
  2. WebLogic Server ライセンスを更新するためのリンクをクリックします。リンクを表示するために下の方にスクロールした方がよいこともあります。
  3. 変換するライセンス ファイルの入ったディレクトリのパス名を参照して選択するか、表示されるボックスにパス名を入力します。[Submit License] をクリックします。
  4. 変換された license_wlsxx.bea ファイルは、電子メールで返信されます。システムにある license.bea ファイルを更新するには、『WebLogic Platform のインストール』の「WebLogic Platform ライセンス ファイルのインストールおよび更新」参照してください。

weblogic.properties ファイルから config.xml への変換

WebLogic Server 6.0 以前のリリースでは、アプリケーションのコンフィグレーションに weblogic.properties ファイルを使用していました。WebLogic Server 8.1 では、コンフィグレーション ファイル config.xml とデプロイメント記述子ファイルを使用してコンフィグレーションを処理します。weblogic.properties ファイルを config.xml ファイルに変換すると、アプリケーションの WebLogic Server 8.1 ドメインが作成され、アプリケーションのセットアップ内容を定義する XML ファイルが生成されます。

config.xml ファイルは、WebLogic Server ドメイン全体のコンフィグレーションを記述した XML ドキュメントです。config.xml ファイルは XML 要素群で構成されています。domain 要素が最上位の要素です。domain 要素には serverclusterapplication などの子要素が含まれます。これらの子要素の中にさらに子要素がある場合もあります。各要素には、コンフィグレーション可能な 1 つ以上の属性があります。

weblogic.xml ファイルには、Web アプリケーションで使われる WebLogic 固有の属性が格納されます。このファイルでは HTTP セッション パラメータ、HTTP クッキー パラメータ、JSP パラメータ、リソース参照、セキュリティ ロールの割り当て、文字セット マッピング、およびコンテナ属性の各属性を定義します。

デプロイメント記述子の web.xml ファイルは、Sun Microsystems のサーブレット 2.3 仕様で定義されています。web.xml ファイルは個々のサーブレットおよび JSP ページを定義し、Web アプリケーションで参照されるエンタープライズ Bean を列挙します。このデプロイメント記述子を使用して、J2EE 準拠のアプリケーション サーバに Web アプリケーションをデプロイできます。

WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties ファイルを WebLogic Server 8.1 の config.xml ファイルに変換するには、以下の手順に従います。

  1. WebLogic Server 5.1 のサーバ インスタンスまたはインスタンスを停止します。
  2. WebLogic Server 8.1 のサンプル サーバを起動します。
  3. WebLogic Server 8.1 のサンプル サーバの起動については、「サーバの起動と停止 : クイック リファレンス」を参照してください。

    ユーザ名とパスワードの入力を求められます。

  4. WebLogic Administration Console のホーム ページ (http://localhost:7001/console/index.jsp など) で、[ツール] 見出しの下にある [weblogic.properties のコンバート] リンクをクリックします。
  5. [weblogic.properties のコンバート] パスの最初のページ ([ステップ 1 - weblogic ルートディレクトリの設定]) で、weblogic.properties ファイルを含むディレクトリを選択します。
  6. [weblogic.properties のコンバート] パスの次のページが表示されます。

  7. アプリケーション ディレクトリの一覧から、アプリケーション ディレクトリが格納されているルート ディレクトリを選択します。選択したアプリケーション ディレクトリが、weblogic.properties コンバータにより WebLogic Server 8.1 ドメインに変換されます。
  8. 残りのテキスト フィールドに入力します。現在 WebLogic Server のインスタンスが実行されているディレクトリを出力ディレクトリとして指定しないでください。
    1. [管理サーバ名]
    2. [Output Directory]
    3. [WebLogic ホーム]
    4. [新しいドメイン名]
  9. [コンバート] をクリックします。
  10. weblogic.properties ファイルを変換すると、デフォルト Web アプリケーション用の web.xml および weblogic.xml ファイルが自動的に作成され、domain\applications\DefaultWebApp_myserver\WEB-INF ディレクトリ内に配置されます。weblogic.properties ファイルを変換すると、domain ディレクトリに配置される config.xml ファイルも作成されます。このファイルには、ドメインに固有のコンフィグレーション情報が格納されます。

注意 :ここまでに説明した変換ユーティリティでは、weblogic.xml ファイルで Java ホームの場所を指定します。変換ユーティリティは System.getProperty(java.home) を使用してこの場所を読み取ります。つまり、変換のために WebLogic Server が起動された Java ホームの場所が指定されます。

domainNamedomain ディレクトリの名前です。

これらのスクリプトは、WebLogic Server 8.1 配布キットの domain ディレクトリに収められており、新しいドメインで管理サーバを起動します。この起動スクリプトを編集して、ドメインの起動設定を追加指定することが必要になる場合もあります。「起動スクリプトの修正」を参照してください。

 


WebLogic Server 8.1 でのクラスのロード

WebLogic Server 6.0 より前のバージョンでは、クラスの動的なロードを容易にするために WebLogic クラスパス プロパティ (weblogic.class.path) が使用されていました。WebLogic 6.0 以降のバージョンでは、weblogic.class.path は必要ありません。現在は、Java システム クラスパスからクラスをロードできます。

以前に weblogic.class.path で指定していたクラスを標準の Java システム クラスパスに含めるには、CLASSPATH 環境変数を設定するか、または次の例のようにコマンドライン上で -classpath オプションを使用します。

java -classpath %CLASSPATH%;%MyOldClassspath% weblogic.Server

%MyOldClasspath% には、古いアプリケーションを指し示すディレクトリだけを指定します。

 


起動スクリプトの修正

weblogic.properties コンバータにより、新規 WebLogic Server 8.1 ドメイン用の新しい起動スクリプト (startdomainName.cmd または .sh) が作成されます。このスクリプトを編集してドメインの起動設定を指定する必要がある場合は、以下の点に留意してください。

 


既存のアプリケーションから Web アプリケーションへの変換

アプリケーションを Web アプリケーションに変換し、それを WebLogic Server 8.1 にアップグレードするためには、特定のパターンに従ったディレクトリ構造内にアプリケーションの構成ファイル群を配置する必要があります。Web アプリケーションの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』を参照してください。

以下の節では、Web アプリケーションのアップグレードとデプロイについて説明します。単純なサーブレットを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へアップグレードする手順についても説明します。

XML デプロイメント記述子

Web アプリケーションのデプロイメント記述子 (web.xml) ファイルは標準の J2EE 記述子であり、サーブレットの登録、サーブレット初期化パラメータの定義、JSP タグ ライブラリの登録、セキュリティ制約の定義、およびその他の Web アプリケーション パラメータの定義に使用されます。

WebLogic 固有の Web アプリケーション デプロイメント記述子 (weblogic.xml) もあります。このファイルでは、JSP プロパティ、JNDI のマッピング、セキュリティ ロールのマッピング、および HTTP セッション パラメータを定義します。WebLogic 固有のデプロイメント記述子では、web.xml ファイルで指定されたリソースが WebLogic Server のどのリソースにどのようにマップされるのかも定義します。WebLogic 固有のデプロイメント記述子を作成する手順については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。前述のプロパティ、マッピング、またはパラメータが不要な場合には、このファイルが必要でない場合があります。

web.xml ファイルと weblogic.xml ファイルは、アプリケーションをコンフィグレーションするために Administration Console と組み合わせて使用します。XML ファイルの内容は任意のテキスト エディタで表示できます。これらのファイルを編集するには、必要な変更を行い、web.xml または weblogic.xml として保存します。詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』を参照してください。アプリケーション群を 1 つの Web アプリケーションとしてまとめてデプロイしない場合は、自動的に作成された XML ファイルを分割し、各 Web アプリケーションに固有の適切な XML ファイルを作成する必要があります。各 Web アプリケーションには、アプリケーションで使用するように選択したファイルに加えて、weblogic.xml ファイルと web.xml ファイルが必要です。

WAR ファイル

WAR ファイルは Web アプリケーションのアーカイブです。WAR ファイルを作成するには、Web アプリケーションのあるルート ディレクトリで次のコマンドラインを使用します。「webAppName」の部分は、Web アプリケーションに対して設定した独自の名前に置き換えてください。

jar cvf webAppName.war *

これにより、Web アプリケーションのすべてのファイルおよびコンフィグレーション情報を格納した WAR ファイルが作成されます。

セッションの移行

WebLogic Server 6.0 でクッキーの形式が変更されたため、WebLogic Server 8.1 では、バージョン 6.0 以前のクッキーが認識されません。古い形式のクッキーは無視され、新しいセッションが作成されます。新しいセッションは自動的に作成される点に注意してください。

クッキーのデフォルト名はバージョン 5.1 から変更されています (以前の名前は WebLogicSession)。WebLogic Server 8.1 では、クッキーのデフォルト名は JSESSIONID です。

JavaServer Pages (JSP) とサーブレット

この節では、アプリケーションで使用できる JSP およびサーブレットに固有の情報を示します。

WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 への単純なサーブレットのアップグレード

次の手順では、WebLogic 5.1 Server で提供されていた Hello World サーブレットを WebLogic Server 8.1 にアップグレードします。この手順では、5.1 および 8.1 の両方が単一のサーバにインストールされており、8.1 のみが実行されていることを前提にしています。

  1. 『WebLogic HTTP サーブレット プログラマーズ ガイド』の「管理とコンフィグレーション」の説明に従って、WebLogic Server 8.1 で Web アプリケーションのディレクトリ構造を作成します。この作業ではルート アプリケーション ディレクトリ (C:\hello など) を作成し、その下に C:\hello\WEB-INF ディレクトリと C:\hello\WEB-INF\classes ディレクトリを作成します。
  2. HelloWorld.Servlet.java ファイル (5.1 の WL_HOME\examples\servlets ディレクトリ) を C:\hello\WEB-INF\classes ディレクトリに配置します。
  3. このサーブレットの web.xml ファイルを作成します。weblogic.properties ファイルを変換した場合、web.xml ファイルはすでに自動的に作成されています。weblogic.properties ファイルを変換する前にこのファイルに HelloWorldServlet を登録した場合、サーブレットは新しい web.xml ファイル内にコンフィグレーションされます。XML ファイルは任意のテキスト エディタを使って作成できます。HelloWorldServlet で使用できる基本的な web.xml ファイルの例を次に示します。
  4. <!DOCTYPE web-app (完全な DOCTYPE 宣言についてはソースを参照...)> 
    - <web-app>
    - <servlet>
    <servlet-name>HelloWorldServlet</servlet-name>
    <servlet-class>examples.servlets.HelloWorldServlet</servlet-class>
    </servlet>
    - <servlet-mapping>
    <servlet-name>HelloWorldServlet</servlet-name>
    <url-pattern>/hello/*</url-pattern>
    </servlet-mapping>
    </web-app>

    web.xml ファイルの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「web.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。weblogic.xml ファイルは、HelloWorld のようなスタンドアロンの単純なサーブレットでは必要ありません。

    weblogic.xml ファイルの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。

  5. web.xml ファイルを domain\applications\DefaultWebApp_myserver\WEB-INF から C:\hello\WEB-INF\ に移動します。
  6. 次のようなコマンドを使用して HelloWorldServlet をコンパイルします。
  7. C:\hello\WEB-INF\classes>javac -d  .HelloWorldServlet.java

    これにより、ファイルがコンパイルされ、正しいパッケージ構造が作成されます。

  8. この時点で、次のコマンドを使用してサーブレットをアーカイブの WAR ファイルにまとめることができます。
  9. jar cvf hello.war *

    これにより、hello.war ファイルが作成されて C:\hello ディレクトリ内に配置されます。

  10. この Web アプリケーションをインストールするには、サーバを起動して Administration Console を開きます。コンソール ホーム ページで [新しいアプリケーションのデプロイ...] を選択します。新しく作成した WAR ファイルを選択して [アップロード] をクリックします。
  11. サーブレットがデプロイされ、Administration Console の左ペインの [デプロイメント] の下にある [Web アプリケーション] ノードの下に表示されます。

  12. サーブレットを呼び出すには、Web ブラウザのアドレス欄に http://localhost:7001/hello/hello と入力します。

この場合、/hello/ はサーブレットのコンテキスト パスです。このパスは WAR ファイルの名前に基づいて決定され、この場合は hello.war です。2 番目の /hello は、web.xml ファイルのサーブレット マッピング タグでマップされています。

 


エンタープライズ JavaBeans アプリケーションのアップグレード

以降の節では、エンタープライズ JavaBean のアップグレード手順と関連情報について説明します。

EJB のアップグレードに関する考慮事項

エンタープライズ JavaBeans を WebLogic Server 8.1 にアップグレードするときには、以下の事項を考慮してください。

エンタープライズ Java Beans の詳細については、「エンタープライズ JavaBean モジュール」および『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』を参照してください。

1.1 EJB を WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードする手順

WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties ファイルでは、排他的または読み込み専用の同時実行性オプションだけを使用できます。データベース同時実行性オプションは、WebLogic Server 8.1 の weblogic-ejb-jar.xml ファイルにアップグレードすると指定できるようになります。『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』の「同時方式の選択」を参照してください。

WebLogic Server 8.1 CMP デプロイメント記述子、weblogic-cmp-rdbms-jar.xml では複数の EJB を指定でき、接続プールの代わりに TxDataSource を使用できます。EJB 1.1 CMP で XA を使用する場合は、TxDataSource を使用する必要があります。

1.1 形式の EJB を WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へアップグレードするには、次の手順に従ってください。

  1. WebLogic Server 8.1 の Administration Console を起動します。コンソール ホーム ページで [新しいアプリケーションのデプロイ...] をクリックします。
  2. [参照] ボタンをクリックしてアップグレードする JAR ファイルを探し、[開く|アップロード] を選択します。Bean が WebLogic Server 8.1 に自動的にデプロイされます。
  3. 必要なすべてのクライアント クラスをコンパイルします。たとえば、WebLogic Server 8.1 で提供されているサンプルのステートレス セッション Bean の場合は、次のコマンドを使用します。
  4. javac -d %CLIENTCLASSES% Trader.java TraderHome.java TradeResult.java Client.java
  5. クライアントを実行するには、次のコマンドを入力します。
  6. java -classpath %CLIENTCLASSES%;%CLASSPATH% examples.ejb.basic.statelessSession.Client

    このコマンドは、EJB インタフェースがクライアントのクラスパスで参照されるようにします。

EJB 1.1 を EJB 2.0 に変換する手順

EJB 1.1 Bean を EJB 2.0 Bean に変換するために、WebLogic Server の DDConverter ユーティリティを使用できます。

WebLogic Server 8.1 では、EJB 2.0 Bean を開発することをお勧めします。すでにプロダクション環境で使用されている EJB 1.1 Bean については、2.0 Bean に変換する必要はありません。EJB 1.1 Bean は、WebLogic Server 8.1 でデプロイできます。

単純な CMP 1.1 Bean を 2.0 Bean に変換するための基本手順を以下に示します。

  1. Bean クラスを抽象クラスにします。
  2. EJB 1.1 Bean を Bean の CMP フィールドで宣言します。CMP 2.0 Bean は、各フィールドに対応する抽象メソッドの getXXX および setXXX を使用します。たとえば、EJB 1.1 Bean は public String name を使用します。EJB 2.0 Bean は、public abstract String getName()public abstract void setName(String n) を使用します。この変更を行うと、Bean クラスでのコンテナ管理フィールドの読み込みに getName メソッドが、またコンテナ管理フィールドの更新に setName メソッドが使用されるようになります。

  3. java.util.Enumeration を使用していたすべての CMP 1.1 ファインダは、java.util.Collection を使用する必要があります。CMP 2.0 ファインダは java.util.Enumeration を返すことができません。 このことを反映して、コードを変更してください。
  4. public Enumeration findAllBeans()
    Throws FinderException, RemoteException;

    このコードを次のように変更します。

    public Collection findAllBeans()
    Throws FinderException, RemoteException;
  5. JAR に対して DDConverter を実行し、2.0 出力を指定します。『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』の「DDコンバータ」を参照してください。

その他の J2EE アプリケーション サーバからの EJB の移行

WebLogic Server 8.1 EJB コンテナには、EJB 1.1 仕様または EJB 2.0 仕様に準拠したすべての EJB をデプロイできます。各 EJB の JAR ファイルには、ejb-jar.xml ファイル、weblogic-ejb-jar.xml デプロイメント記述子、および CMP デプロイメント記述子 (CMP エンティティ Bean を使用する場合) が必要です。WebLogic Server 配布キットの samples\examples\ejb11 および samples\examples\ejb20 ディレクトリにある WebLogic Server EJB サンプルには、サンプルの weblogic デプロイメント記述子が含まれています。

 


JMS のアップグレード

WebLogic Server 8.1 は、JavaSoft の JMS 仕様バージョン 1.0.2 をサポートしています。

WebLogic Server JMS アプリケーションをアップグレードする場合は、『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「WebLogic JMS アプリケーションの移植」に示す手順を参照してください。WebLogic Event は非推奨となっており、NO_ACKNOWLEDGE または MULTICAST_NO_ACKNOWLEDGE 配信モードの JMS メッセージで置き換えられています。それぞれの配信モードについては、『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「WebLogic JMS の基礎」で説明されています。

 


Oracle のアップグレード

BEA Systems では Oracle のサポート方針に従い、「WebLogic Platform 8.1 でサポート対象のコンフィグレーション」ページの「サポート対象のデータベース コンフィグレーション」に示されている Oracle のリリースをサポートしています。BEA では現在、バージョン 7.3.4、8.0.4、8.0.5、および 8.1.5 の Oracle Client をサポートしていません。

バージョン 7.3.4 の Oracle Client を使用するには、後方互換性のある oci816_7 共有ライブラリを使用します。

WebLogic jDriver および Oracle データベースの詳細については、『WebLogic jDriver for Oracle のコンフィグレーションと使い方』の「WebLogic jDriver for Oracle のコンフィグレーション」を参照してください。

サポート対象のプラットフォーム、DBMS、およびクライアント ライブラリについては、BEA の『サポート対象のコンフィグレーション』のページを参照してください。『サポート対象のコンフィグレーション』のページでは、常に最新の動作確認情報を公開しています。

 


銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレード

以下の手順では、WebLogic Server 5.1 と 8.1 の両方が単一のマシンにインストールされていることを前提にしています。

銀行業務アプリケーションを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードするには、次の 3 つの主要な手順に従います。

銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 での設定

  1. http://dev2dev.bea.com/products/wlserver61/tutorials/wls_migration.jsp 左のリンクから銀行業務アプリケーションをダウンロードします。
  2. 銀行業務アプリケーションの ZIP ファイルに含まれているチュートリアルに従って、銀行業務アプリケーションを WebLogic Server 5.1 にインストールします。
  3. WebLogic Server 5.1 のインスタンスを停止します。

weblogic.properties ファイルの変換

変換ユーティリティを使用して、WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties ファイルの各プロパティを WebLogic Server 8.1 ドメインのコンフィグレーション ファイル config.xml に書き込みます。 WebLogic Server のドメインの詳細については、『WebLogic Server コンフィグレーション リファレンス』を参照してください。

WebLogic 8.1 Administration Console を使用して、WebLogic Server 5.1 アプリケーションの weblogic.properties ファイルを変換します。

  1. WebLogic Server 8.1 のサンプル サーバを起動します。
    1. コマンド コンソールで、WL_HOME\samples\domains\examples に移動します。WL_HOME は WebLogic Server のインストール ディレクトリです。
    2. サンプル環境を設定するスクリプトを実行します。Windows の場合は、setExamplesEnv.cmd と入力します。Unix の場合は、setExamplesEnv.sh を使用します。
    3. サンプル サーバを起動します。Windows の場合は、StartExamplesServer.cmd と入力します。 Unix の場合は、StartExamplesServer.sh を使用します。
  2. サンプル サーバの [WebLogic Server Examples] ページで、[Administration Console] リンクをクリックします。
  3. Administration Console にログインします。
  4. Administration Console の左ペインにある [weblogic.properties のコンバート] をクリックして変換ユーティリティにアクセスします。
  5. 変換ユーティリティは、[ステップ 1 - weblogic ルートディレクトリの設定] から始まる一連の画面です。

  6. [ステップ 1 - weblogic ルートディレクトリの設定] 画面では、weblogic.properties ファイルが格納されているディレクトリを選択します。
  7. [weblogic.properties のコンバート] パスの次のページが表示されます。

  8. 5.1 アプリケーションのルート ディレクトリ (すべてのアプリケーション ファイルとサブディレクトリが格納されているディレクトリ) を選択します。
  9. 残りのテキスト フィールドに入力します。
    1. 管理サーバ名 : "migrationserver"
    2. 出力ディレクトリ : "c:\banco"
    3. WebLogic ホーム
    4. 新しいドメイン名 : "migrationdomain"
  10. [コンバート] をクリックします。
  11. weblogic.properties コンバータによって、ルート ディレクトリ内のアプリケーション ディレクトリが WebLogic Server 8.1 ドメイン ディレクトリに変換されます。Administration Console に、次のような変換結果が表示されます。

New Domain name is migrationdomain
*************************************
Server Name is migrationserver
This server doesn't belong to any cluster 
*************************************
Converting Server properties
Converting Server Debug Properties
Converting WebServer properties
Converting WebApp Component Properties
Converting JDBC Specific properties
Converting CORBA IIOP properties
Converting EJB Specific Properties
--- Warning Source File D:\510sp12\migrationserver\app_banking.jar does not exist copy the correct file manually after conversion to C:\banco\applications
Converting StartupClass properties
Converting Shutdown Class properties
Converting MailSession Properties 
Converting FileT3 properties
Converting JMS properties
Converting Security Properties 
Converting the PasswordPolicy properties
Converting User Group and ACL properties
Creating webApp for the servlets registerd in the properties file
Startup Scripts for the Server are created in the ResultDir C:\banco
Conversion successful. 

銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 8.1 でのコンフィグレーション

この節では、WebLogic Server 8.1 で銀行業務アプリケーションをデプロイおよび実行するために必要な 2 つの主な手順について説明します。

startmigration スクリプトを編集する

weblogic.properties 変換ユーティリティによって、startmigrationdomain という銀行業務アプリケーションのドメインを起動するためのスクリプトが生成されています。このスクリプトを編集して、アップグレードした銀行業務アプリケーションを新しい 8.1 ドメインで実行するのに必要な変数を指定します。

  1. startmigrationdomain スクリプトを編集して、以下の変数を追加します。
  2. set APPLICATIONS=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\applications

    set CLIENT_CLASSES=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\clientclasses

    set SERVER_CLASSES=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\serverclasses

    set BANKING_WEBAPP_CLASSES=D:\banking\510sp12\migrationserver\serverclasses\examples\tutorials\migration\banking

    set CLOUDSCAPE_CLASSES=%WL51_HOME%\samples\eval\cloudscape\lib\cloudscape.jar

  3. これらの変数を startmigrationdomain のクラスパスに追加します。
  4. CLASSPATH=...%APPLICATIONS%;%CLIENT_CLASSES%;%SERVER_CLASSES%;%BANKING_WEBAPP_CLASSES%;%CLOUDSCAPE_CLASSES%

  5. 次の設定を startmigrationdomain スクリプトに追加します。必ず、最後の weblogic.Server の前に追加してください。
  6. -Dcloudscape.system.home=WL51_HOME\eval\cloudscape\data

銀行業務アプリケーション ファイルを出力ディレクトリにコピーする

アプリケーション JAR ファイル、および Web アプリケーション用のクラスとファイルを銀行業務アプリケーション ディレクトリにコピーします。

  1. AccountDetail.jsperror.jsp、および login.htmlC:\banco\applications\DefaultWebApp_migrationserver にコピーします。
  2. app_banking.jarC:\banco\applications\ にコピーします。
  3. AccountDetail.jsperror.jsp、および login.htmlC:\banco\applications\DefaultWebApp_migrationserver にコピーします。
  4. BankAppServlet.classC:\banco\applications\DefaultWebApp_migrationserver\WEB-INF\classes にコピーします。

銀行業務アプリケーションのデプロイと実行

コマンド コンソールで、c:\banco\ に移動し、コマンド startmigration を入力して移行ドメインのサーバを起動します。

アプリケーションを使用するには、http://localhost:7001/banking を参照します。

次のように指定して、ログインします。

ユーザ名 : system

パスワード : password

アカウント : 1000

 


アップグレードとデプロイメントに関するその他の考慮事項

以下の節では、WebLogic Server 8.1 でアプリケーションをデプロイする際に役立つ補足情報を示します。WebLogic Server 8.1 で非推奨となった機能、アップグレード、および重要な変更点を示しています。

注意 :WebLogic Server 8.1 ではサンプル データベースとして PointBase 4.2 を使用しており、Cloudscape データベースは同梱されていません。

アプリケーションと管理対象サーバ

デフォルトでは、アプリケーションは管理サーバにデプロイされます。ただし、これはほとんどの場合適切な形態ではありません。管理サーバは管理目的にのみ使用することをお勧めします。Administration Console を使用して新しい管理対象サーバを定義し、それらのサーバにアプリケーションを関連付けてください。詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』および『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server システム管理の概要」を参照してください。

weblogic.xml のデフォルト MIME タイプのリセット

WebLogic Server 5.1 では、weblogic.httpd.defaultMimeType パラメータを使用して Web アプリケーションのデフォルトの MIME タイプを設定します。5.1 でのデフォルト値は text/plain です。

WebLogic Server 8.1 では、このパラメータに代わって weblogic.xmldefault-mime-type 要素を使用します。デフォルト値は null です。

weblogic.properties 変換ツールではこのパラメータは移植されないため、設定していた場合には手動でリセットする必要があります。

weblogic.xmldefault-mime-type 要素のコンフィグレーションの例を以下に示します。

<weblogic-web-app>

<container-descriptor>

<default-mime-type>text/plain</default-mime-type>

</container-descriptor>

</weblogic-web-app>

デフォルトのデプロイメント モデルは 2 フェーズ デプロイメント

デフォルトでは、WebLogic Server バージョン 8.1 は 2 フェーズ デプロイメント モデルを使用します。このモデルは準備フェーズとアクティブ化フェーズからなり、デプロイメントを検証してからサーバにコミットできるため、矛盾したサーバの状態を防ぐのに役立ちます。このデプロイメント モデルと、バージョン 8.1 のその他のデプロイメント機能の詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照してください。デプロイメント モデルを指定せずに 5.1 のアプリケーションを WebLogic Server 8.1 にデプロイした場合、サーバは 2 フェーズ デプロイメントを使用します。詳細については、WebLogic Server 8.1 の『リリース ノート』を参照してください。

FileServlet の動作の変更

WebLogic Server 6.1 サービス パック 2 以降では、Web アプリケーションのデフォルト サーブレットである FileServlet の動作が変更されています。現在の FileServlet には、ソース ファイル名を特定するための SERVLET_PATH 設定が含まれています。この設定によって FileServlet を /dir/* などにマップすることで、特定のディレクトリからのファイルのみを明示的に提供できるようになりました。

詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「デフォルト サーブレットの設定」を参照してください。

インターナショナライゼーション (I18N) ログ ファイルの変更点

このバージョンでは、インターナショナライゼーションとローカライゼーションに関連するいくつかの変更が行われています。

このバージョンでのインターナショナライゼーションの詳細については、『インターナショナライゼーション ガイド』を参照してください。

8.1 クラスは JDK 1.4 でビルドしなければならない

WebLogic Server 8.1 は JDK 1.4 に依存しています。クラスパスに 8.1 の weblogic.jar を入れてからアプリケーションをコンパイルする場合、クラスは JDK 1.4 でビルドする必要があります。したがって、サーバ起動スクリプト (または config.xml、あるいは環境設定) が JRockit または JDK 1.4.x を参照していなければなりません。

Java Transaction API (JTA) のサポート

JTA の変更点は以下のとおりです。

Java Database Connectivity (JDBC) の変更点

WebLogic Server 5.1 で JDBC 接続プールに設定した初期容量は、weblogic.properties 変換ユーティリティから生成される config.xml には保持されません。

JDBC の変更点は以下のとおりです。

JVM から JRockit へのアップグレード

ドメインを WebLogic Server 8.1 にアップグレードする際には、JVM を JRockit にアップグレードすることを検討してください。WebLogic JRockit は、Intel アーキテクチャ上で動作する Windows および Linux で実行されるサーバサイド アプリケーション用に設計された JVM です。 サーバサイド アプリケーションでは、他の仮想ホストに比べて、JRockit には次のようなメリットがあります。

WebLogic Server ドメインは、次のように JRockit JVM に切り替えます。

  1. サーバ起動スクリプトで、JRockit のルート ディレクトリを指すように、JAVA_HOME (またはそれと等価の) シェル変数を設定します。次に例を示します。
  2. @rem Set user-defined variables.
    set JAVA_HOME=WL_HOME\jdk131

    WL_HOME は、WebLogic Server 5.1 のインストール ディレクトリです。これを次のように変更します。

    @rem Set user-defined variables.
    set JAVA_HOME=WL_HOME\jrockit81_141_02

    WL_HOME は、WebLogic Server 8.1 のインストール ディレクトリです。

  3. ドメインの config.xml を変更して、JRockit の javac.exe を使用するようにします。次に例を示します。
  4. JavaCompiler="WL_HOME\jdk131\bin\javac"

    WL_HOME は、WebLogic Server 5.1 のインストール ディレクトリです。これを次のように変更します。

    JavaCompiler=WL_HOME\jrockit81_141_02\bin\javac"

    WL_HOME は、WebLogic Server 8.1 のインストール ディレクトリです。

  5. Sun JVM に固有のスイッチがあれば、サーバ起動スクリプトから削除します。次に例を示します。
  6. echo on "%JAVA_HOME%\bin\java" -hotspot .... weblogic.Server

    -hotspot」を削除します。

  7. JRockit を起動してコンフィグレーションします。適切なバージョンの WebLogic JRockit JVM の起動とコンフィグレーションの「J Rockit ドキュメント」を参照してください。

JRockit プラットフォームとユーザ情報については、適切なバージョンの ユーザーズ ガイドの『J Rockit ドキュメント』を参照してください。

JSP の変更点

以下の節では、WebLogic Server 8.1 での JSP の動作に関する変更点について詳述します。

エラー処理

WebLogic Server 5.1 から現在のバージョンに至るまでの間に、JSP include ディレクティブの動作が変更されています。WebLogic Server 5.1 までのバージョンでは JSP include ディレクティブに存在しないページが含まれる場合、警告レベルのメッセージがログに記録されました。WebLogic Server 6.0 以降のバージョンでは、そうした場合に「500 Internal Server Error」が報告され、参照先となる場所に空のファイルを置くことでエラーを回避できます。

null のリクエスト

JSP 仕様の変更により、null のリクエスト属性は空の文字列の代わりに文字列「null」を返すようになりました。バージョン 6.1 以降の WebLogic Server では、weblogic.xmlprintNulls と呼ばれる新しいフラグがあります。デフォルトではこのフラグは true、すなわち「null」を返す設定になっています。printNulls を false に設定すると、式の結果が「null」になる場合に文字列「null」ではなく空の文字列が出力されます。

weblogic.xml における printNulls 要素のコンフィグレーションの例を次に示します。

<weblogic-web-app>

<jsp-param>

<param-name>printNulls</param-name>

<param-value>false</param-value>

</jsp-param>

</weblogic-web-app>

JVM

WebLogic Server 8.1 では、サーバのインストール時に JDK 1.4.1 の Java 仮想マシン (Java Virtual Machine: JVM) と JRockit JVM の両方がインストールされます。サーバに付属する setenv.sh スクリプトはすべて JDK 1.4.1 JVM を指しています。動作確認された JVM についての最新情報は、『サポート対象のコンフィグレーション』ページで公開されています。JRockit へのアップグレードの詳細については、「JVM から JRockit へのアップグレード」を参照してください。

プラグインによる SSL 通信のサポート

プロキシ プラグインと WebLogic Server 5.1 の間の通信はクリア テキストです。WebLogic Server 8.1 では、プラグイン (Apache、Microsoft IIS、および Netscape) とバックエンドの WebLogic Server の間での SSL 通信をサポートしています。

Apache、Microsoft IIS、または Netscape プラグインをアップグレードするには、新しいプラグインを古いプラグインの上に上書きコピーし、Apache、IIS、または iPlanet Web サーバを再起動します。

8.1 プロキシ プラグインの詳細については、『WebLogic Server における Web サーバ プラグインの使い方』を参照してください。

デフォルト キュー名の変更

WebLogic Server 8.1 では、実行キューのデフォルト名が変更されました。実行キューを指定するコンフィグレーションをアップグレードする場合、新しい実行キューの名前として、デフォルトのキュー名が自動的に付けられます。

表 4-2 キュー名

8.1 より前のバージョンのデフォルトのキュー名

WebLogic Server 8.1 のデフォルトのキュー名

default

weblogic.kernel.Default

__weblogic_admin_html_queue

weblogic.admin.RMI

__weblogic_admin_rmi_queue

weblogic.admin.HTTP

RMI 使用時のヒント

以下のヒントは、以前のバージョンの WebLogic Server で RMI を使用していたユーザが WebLogic Server 8.1 にアップグレードする際のものです。

注意 :詳細については、『WebLogic RMI プログラマーズ ガイド』の「WebLogic RMI コンパイラの使い方」を参照してください。

セキュリティ

WebLogic Server 5.1 を、WebLogic Server 8.1 のセキュリティ機能と併せて WebLogic Server 8.1 にアップグレードするには、まず WebLogic Server 6.x のセキュリティ機能にアップグレードしてから、WebLogic Server 6.x を WebLogic Server 8.1 にアップグレードします。

セキュリティ レルムの WebLogic Server 5.1 から 6.1 へのアップグレード」および「セキュリティの WebLogic Server 6.x からバージョン 8.1 へのアップグレード」を参照してください。

WebLogic Server FAQ 集』のセキュリティに関する節も参照してください。

セキュリティ レルムの WebLogic Server 5.1 から 6.1 へのアップグレード

WebLogic 6.x で、WebLogic Server はセキュリティ レルムの新しい管理アーキテクチャを提供しています。MBean によって実装された管理アーキテクチャを使用すると、Administration Console からセキュリティ レルムを管理できます。以前のリリースの WebLogic Server でのセキュリティ レルムがある場合、以下の情報を使用して新しいアーキテクチャにアップグレードします。

セキュリティの WebLogic Server 6.1 からバージョン 8.1 へのアップグレード

6.1 のセキュリティ機能を使用するように WebLogic Server をコンフィグレーションしたら、「WebLogic Server 6.x からバージョン 8.1 へのアップグレード」を参照して、WebLogic Server 8.1 のセキュリティ機能にアップグレードする方法について確認してください。

スタンドアロンの HTML と JSP

WebLogic Server 8.1 で用意されているオリジナルのドメインと、weblogic.properties ファイル コンバータを使用して作成されたすべてのドメインには、domain\applications\DefaultWebApp_myserver ディレクトリが作成されます。このディレクトリには、Web サーバが公開するファイルが格納されます。HTML ファイルと JSP ファイルは、インストールしたアプリケーションとは別にこの場所に配置して公開できます。必要な場合は、画像ファイルなどの相対リンクを処理するために、DefaultWebApp_myserver ディレクトリの内部にサブディレクトリを作成できます。

余分なスペースを含む URI は 404 エラーになる

WebLogic Server の以前のバージョンでは、余分なスペースを含んでいる URI が解決されました。WebLogic Server 8.1 では余分なスペースは解決されなくなり、URI リクエストに余分なスペースが含まれている場合は 404 エラーになります。

たとえば、http://server:port/mywebapp/foo%20%20 は以前は Web アプリケーション「mywebapp」のリソース foo として解決されましたが、8.1 ではこれは行われません。

Web コンポーネント

以下のヒントは、以前のバージョンの WebLogic Server で Web コンポーネントを使用していて、WebLogic Server 8.1 にアップグレードするユーザを対象としています。

web.xml での WAP アプリケーションの MIME タイプの定義

WebLogic Server 8.1 上で WAP (Wireless Application Protocol) アプリケーションを実行するには、Web アプリケーションの web.xml ファイルで、WAP と関連付けられている MIME タイプを指定しなければならなくなりました。WebLogic Server 5.1 では、MIME タイプは weblogic.properties ファイルで定義されていました。必要な MIME タイプの詳細については、『WebLogic Server Wireless Application 開発プログラマーズ ガイド』を参照してください。web.xml ファイルの作成と編集については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「web.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。

XML 8.1 パーサおよびトランスフォーマの更新

WebLogic Server 8.1 の組み込みのパーサおよびトランスフォーマは、それぞれ Xerces 1.4.4 および Xalan 2.2 に更新されています。以前のバージョンの WebLogic Server に付属していた古いパーサおよびトランスフォーマに対応する API を使用していた場合や、非推奨となったクラス、インタフェース、またはメソッドを使用していた場合、非推奨であることを示すメッセージがアプリケーションで表示されることがあります。

WebLogic Server 8.1 には、WebLogic FastParser も付属します。これは、WebLogic Web サービスに関連付けられた SOAP および WSDL ファイルなど、中小規模のドキュメントを処理するために特別に設計された高性能の XML パーサです。アプリケーションで中小規模 (要素数が 10,000 個程度まで) の XML ドキュメントを処理することがほとんどの場合、FastParser を使用するように WebLogic Server をコンフィグレーションします。

WebLogic Server 8.1 の配布キットで、未修正版の Xerces パーサおよび Xalan トランスフォーマが WL_HOME\server\ext\xmlx.zip ファイルに含まれなくなりました。

非推奨になった API と機能

以下の API と機能は、将来的に製品から削除される予定なので使用しないでください。

削除された API と機能

以下の API と機能は削除されています。

 

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