WebLogic Server 8.1 へのアップグレード
WebLogic Server 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレードは、ユーティリティを使用して weblogic.properties
ファイルを新しい XML ファイル形式に変換する作業など、複数の手順からなるプロセスです。また、アップグレード プロセスに影響するいくつかの仕様上の変更も行われています。以下の節では、アップグレードに関連する既知の問題のほとんどを扱っていますが、特定の環境に固有の問題については説明を省略している場合があります。
以下の節では、システムを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードする場合、またアプリケーションを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 に移行してデプロイする場合に必要な手順およびその他の情報を示します。説明する内容は、WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレードを対象としています。
WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアプリケーションのアップグレード例については、「銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレード」を参照してください。
WebLogic Server 8.1 にアップグレードする場合、サーバとアプリケーションは WebLogic Server ドメイン内で管理されます。WebLogic Server ドメインについては、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」を参照してください。
ドメイン ディレクトリの配置場所を、WebLogic Server インストール ディレクトリの外に指定することをお勧めします。WebLogic Server インストールと JDK にアクセスできる任意の場所にドメイン ディレクトリを配置できるようになりました。
ドメイン ディレクトリの場所を変更する場合は、新しいディレクトリ構造に関係するカスタム ツールやスクリプトも忘れずに更新してください。また同様に、スクリプトによってドメインを作成するためのツールを使用している場合は、そのスクリプトも変更してください。ドメインの作成には、スクリプト化が可能なコンフィグレーション ウィザードを使用することをお勧めします。
ドメインのコンフィグレーションは、管理サーバのドメイン ディレクトリにある config.xml
ファイルに格納されます (管理サーバおよび管理対象サーバの詳細については『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」を参照)。config.xml
では、ドメインの名前と、ドメイン内の各サーバ インスタンス、クラスタ、リソース、およびサービスのコンフィグレーション パラメータ設定が格納されます。
ドメイン ディレクトリには、ドメイン内の管理サーバと管理対象サーバの起動に使用できるデフォルトのスクリプト ファイルも格納されます。
以下の一般的な手順は、バージョン 5.1 からバージョン 8.1 へのアップグレード時に考慮すべき事項のチェックリストです。 このアップグレードの詳細な例については、「銀行業務アプリケーションの WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へのアップグレード」を参照してください。
サーバ インスタンスのクラスタをアップグレードするには、サーバ インスタンスのホストとなるコンピュータごとに、WebLogic Server 8.1 をインストールする必要があります。サーバ クラスタをアップグレードする場合は、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」に示す WebLogic Server クラスタ コンフィグレーションのガイドラインを参照してください。
WeblogicLicense.class
または WebLogicLicense.XML
ライセンス ファイルを変換します。「WebLogic Server ライセンス ファイルのアップグレード」を参照してください。WebLogic Server 6.0 よりも前のバージョンでは、56 ビット暗号ではなく 128 ビット暗号を使用する場合に別途のダウンロードが必要でした。WebLogic Server 8.1 では、56 ビット暗号と 128 ビット暗号の両方に対応した単一のダウンロードが用意されています。128 ビット暗号を有効にする方法の詳細については、『WebLogic Platform のインストール』 の「128 ビット暗号について」を参照してください。
たとえば、アップグレードしたアプリケーションを WebLogic Server 8.1 でコンパイルする場合、8.1 が JDK 1.4 に依存している関係上、8.1 ドメインから JDK 1.4 またはそれに相当するもの (JRockit など) を参照する必要があります。 JRockit へのアップグレードの詳細については、「JVM から JRockit へのアップグレード」を参照してください。
WebLogic Server 8.1 を起動する方法の詳細については、「サーバの起動と停止 : クイック リファレンス」を参照してください。アプリケーションのコンフィグレーションとデプロイについては、『デプロイメント』を参照してください。
Java 形式のライセンス ファイル (WebLogicLicense.class
) および XML 形式のライセンス ファイル (WebLogicLicense.XML
) は、現在はサポートされていません。これらのファイルは以前のバージョンの WebLogic Server で使われていたもので、新しい形式に変換する必要があります。新しいライセンス ファイルは license.bea
です。
WebLogicLicense.class
ライセンス ファイルを既存の WebLogic Server インストールで使用している場合は、WebLogic Server 8.1 をインストールする前に、以下の作業を実行します。
WebLogicLicense.class
ライセンス ファイルを licenseConverter ユーティリティを使用して WebLogicLicense.XML
ファイルに変換します。WebLogicLicense.XML
ファイルを変換します。WebLogicLicense.XML
ファイルを、WebLogic Server 8.1 と互換性のある license.bea
ファイルに変換するには、以下の手順に従ってください。この手順を実行するマシンで、WebLogicLicense.XML
ライセンス ファイルが使用できることを確認してください。
license_wls
xx
.bea
ファイルは、電子メールで返信されます。システムにある license.bea
ファイルを更新するには、『WebLogic Platform のインストール』の「WebLogic Platform ライセンス ファイルのインストールおよび更新」参照してください。WebLogic Server 6.0 以前のリリースでは、アプリケーションのコンフィグレーションに weblogic.properties
ファイルを使用していました。WebLogic Server 8.1 では、コンフィグレーション ファイル config.xml
とデプロイメント記述子ファイルを使用してコンフィグレーションを処理します。weblogic.properties
ファイルを config.xml
ファイルに変換すると、アプリケーションの WebLogic Server 8.1 ドメインが作成され、アプリケーションのセットアップ内容を定義する XML ファイルが生成されます。
config.xml
ファイルは、WebLogic Server ドメイン全体のコンフィグレーションを記述した XML ドキュメントです。config.xml
ファイルは XML 要素群で構成されています。domain
要素が最上位の要素です。domain
要素には server
、cluster
、application
などの子要素が含まれます。これらの子要素の中にさらに子要素がある場合もあります。各要素には、コンフィグレーション可能な 1 つ以上の属性があります。
weblogic.xml
ファイルには、Web アプリケーションで使われる WebLogic 固有の属性が格納されます。このファイルでは HTTP セッション パラメータ、HTTP クッキー パラメータ、JSP パラメータ、リソース参照、セキュリティ ロールの割り当て、文字セット マッピング、およびコンテナ属性の各属性を定義します。
デプロイメント記述子の web.xml
ファイルは、Sun Microsystems のサーブレット 2.3 仕様で定義されています。web.xml
ファイルは個々のサーブレットおよび JSP ページを定義し、Web アプリケーションで参照されるエンタープライズ Bean を列挙します。このデプロイメント記述子を使用して、J2EE 準拠のアプリケーション サーバに Web アプリケーションをデプロイできます。
WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties
ファイルを WebLogic Server 8.1 の config.xml
ファイルに変換するには、以下の手順に従います。
WebLogic Server 8.1 のサンプル サーバの起動については、「サーバの起動と停止 : クイック リファレンス」を参照してください。
http://localhost:7001/console/index.jsp
など) で、[ツール] 見出しの下にある [weblogic.properties のコンバート] リンクをクリックします。weblogic.properties
コンバータにより WebLogic Server 8.1 ドメインに変換されます。 注意 :ここまでに説明した変換ユーティリティでは、weblogic.xml
ファイルで Java ホームの場所を指定します。変換ユーティリティは System.getProperty(java.home)
を使用してこの場所を読み取ります。つまり、変換のために WebLogic Server が起動された Java ホームの場所が指定されます。
config.xml
ファイルは直接編集しないことを強くお勧めします。コンフィグレーションの参照および編集は、Administration Console またはコマンドライン ユーティリティを使用して、あるいはコンフィグレーション API を通じてプログラムから行うようにします。config.xml
の編集の詳細については、『コンフィグレーション リファレンス』を参照してください。fileRealm.properties
ファイルに格納されます。weblogic.properties
ファイルからプロパティを取得するためのメソッドを提供していた weblogic.common.ConfigServicesDef
API は、このバージョンから削除されています。weblogic.properties
ファイルを変換する手順については、Administration Console オンライン ヘルプを参照してください。
以前に weblogic.properties
のプロパティによって実行されていた機能を、config.xml
、web.xml
、または weblogic.xml
のどの属性で処理するのかのリストについては、「weblogic.properties の 6.x config.xml コンフィグレーション属性へのマッピング」を参照してください。
domainName は domain ディレクトリの名前です。
これらのスクリプトは、WebLogic Server 8.1 配布キットの domain ディレクトリに収められており、新しいドメインで管理サーバを起動します。この起動スクリプトを編集して、ドメインの起動設定を追加指定することが必要になる場合もあります。「起動スクリプトの修正」を参照してください。
WebLogic Server 6.0 より前のバージョンでは、クラスの動的なロードを容易にするために WebLogic クラスパス プロパティ (weblogic.class.path
) が使用されていました。WebLogic 6.0 以降のバージョンでは、weblogic.class.path
は必要ありません。現在は、Java システム クラスパスからクラスをロードできます。
以前に weblogic.class.path
で指定していたクラスを標準の Java システム クラスパスに含めるには、CLASSPATH
環境変数を設定するか、または次の例のようにコマンドライン上で -classpath
オプションを使用します。
java -classpath %CLASSPATH%;%MyOldClassspath% weblogic.Server
%
MyOldClasspath%
には、古いアプリケーションを指し示すディレクトリだけを指定します。
weblogic.properties
コンバータにより、新規 WebLogic Server 8.1 ドメイン用の新しい起動スクリプト (startdomainName.cmd
または .sh
) が作成されます。このスクリプトを編集してドメインの起動設定を指定する必要がある場合は、以下の点に留意してください。
アプリケーションを Web アプリケーションに変換し、それを WebLogic Server 8.1 にアップグレードするためには、特定のパターンに従ったディレクトリ構造内にアプリケーションの構成ファイル群を配置する必要があります。Web アプリケーションの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』を参照してください。
以下の節では、Web アプリケーションのアップグレードとデプロイについて説明します。単純なサーブレットを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へアップグレードする手順についても説明します。
Web アプリケーションのデプロイメント記述子 (web.xml
) ファイルは標準の J2EE 記述子であり、サーブレットの登録、サーブレット初期化パラメータの定義、JSP タグ ライブラリの登録、セキュリティ制約の定義、およびその他の Web アプリケーション パラメータの定義に使用されます。
WebLogic 固有の Web アプリケーション デプロイメント記述子 (weblogic.xml
) もあります。このファイルでは、JSP プロパティ、JNDI のマッピング、セキュリティ ロールのマッピング、および HTTP セッション パラメータを定義します。WebLogic 固有のデプロイメント記述子では、web.xml
ファイルで指定されたリソースが WebLogic Server のどのリソースにどのようにマップされるのかも定義します。WebLogic 固有のデプロイメント記述子を作成する手順については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。前述のプロパティ、マッピング、またはパラメータが不要な場合には、このファイルが必要でない場合があります。
web.xml
ファイルと weblogic.xml
ファイルは、アプリケーションをコンフィグレーションするために Administration Console と組み合わせて使用します。XML ファイルの内容は任意のテキスト エディタで表示できます。これらのファイルを編集するには、必要な変更を行い、web.xml
または weblogic.xml
として保存します。詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』を参照してください。アプリケーション群を 1 つの Web アプリケーションとしてまとめてデプロイしない場合は、自動的に作成された XML ファイルを分割し、各 Web アプリケーションに固有の適切な XML ファイルを作成する必要があります。各 Web アプリケーションには、アプリケーションで使用するように選択したファイルに加えて、weblogic.xml
ファイルと web.xml
ファイルが必要です。
WAR ファイルは Web アプリケーションのアーカイブです。WAR ファイルを作成するには、Web アプリケーションのあるルート ディレクトリで次のコマンドラインを使用します。「webAppName」の部分は、Web アプリケーションに対して設定した独自の名前に置き換えてください。
jar cvf webAppName.war *
これにより、Web アプリケーションのすべてのファイルおよびコンフィグレーション情報を格納した WAR ファイルが作成されます。
WebLogic Server 6.0 でクッキーの形式が変更されたため、WebLogic Server 8.1 では、バージョン 6.0 以前のクッキーが認識されません。古い形式のクッキーは無視され、新しいセッションが作成されます。新しいセッションは自動的に作成される点に注意してください。
クッキーのデフォルト名はバージョン 5.1 から変更されています (以前の名前は WebLogicSession
)。WebLogic Server 8.1 では、クッキーのデフォルト名は JSESSIONID
です。
この節では、アプリケーションで使用できる JSP およびサーブレットに固有の情報を示します。
weblogic.properties
ファイル内のプロパティを、config.xml、web.xml
、および weblogic.xml
ファイルの XML 要素および属性に変換しておく必要があります。この処理の詳細については、「weblogic.properties ファイルから config.xml への変換」を参照してください。web.xml
ファイルでは、以下を使用する必要があります。
weblogic.servlet.proxy.HttpClusterServlet
次の手順では、WebLogic 5.1 Server で提供されていた Hello World サーブレットを WebLogic Server 8.1 にアップグレードします。この手順では、5.1 および 8.1 の両方が単一のサーバにインストールされており、8.1 のみが実行されていることを前提にしています。
C:\hello
など) を作成し、その下に C:\hello\WEB-INF
ディレクトリと C:\hello\WEB-INF\classes
ディレクトリを作成します。 HelloWorld.Servlet.java
ファイル (5.1 の WL_HOME\examples\servlets
ディレクトリ) を C:\hello\WEB-INF\classes
ディレクトリに配置します。 web.xml
ファイルを作成します。weblogic.properties
ファイルを変換した場合、web.xml
ファイルはすでに自動的に作成されています。weblogic.properties
ファイルを変換する前にこのファイルに HelloWorldServlet を登録した場合、サーブレットは新しい web.xml
ファイル内にコンフィグレーションされます。XML ファイルは任意のテキスト エディタを使って作成できます。HelloWorldServlet で使用できる基本的な web.xml
ファイルの例を次に示します。
<!DOCTYPE web-app (完全な DOCTYPE 宣言についてはソースを参照...)>
- <web-app>
- <servlet>
<servlet-name>HelloWorldServlet</servlet-name>
<servlet-class>examples.servlets.HelloWorldServlet</servlet-class>
</servlet>
- <servlet-mapping>
<servlet-name>HelloWorldServlet</servlet-name>
<url-pattern>/hello/*</url-pattern>
</servlet-mapping>
</web-app>
web.xml
ファイルの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「web.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。weblogic.xml
ファイルは、HelloWorld のようなスタンドアロンの単純なサーブレットでは必要ありません。
weblogic.xml
ファイルの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
C:\hello\WEB-INF\classes>javac -d .HelloWorldServlet.java
jar cvf hello.war *
この場合、/hello/
はサーブレットのコンテキスト パスです。このパスは WAR ファイルの名前に基づいて決定され、この場合は hello.war
です。2 番目の /hello
は、web.xml
ファイルのサーブレット マッピング タグでマップされています。
以降の節では、エンタープライズ JavaBean のアップグレード手順と関連情報について説明します。
エンタープライズ JavaBeans を WebLogic Server 8.1 にアップグレードするときには、以下の事項を考慮してください。
EJB 1.1 Bean は、DDConverter ユーティリティを使用して EJB 2.0 Bean に変換できます。詳細については、『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』の「DDコンバータ」を参照してください。ejbc
コマンドがまだ実行されていない場合、Bean のデプロイ時に WebLogic Server 8.1 によって ejbc
が自動的に実行される。デプロイメントの前に ejbc
コマンドで Bean をコンパイルする必要はありません。必要な場合は、起動時に ejbc
を実行することもできます。『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』の「エンタープライズ JavaBean の実装」を参照してください。ejb-jar.xml
ファイルに標準のデプロイメント記述子が含まれる。ejb-jar.xml
は、EJB 1.1 DTD (文書型定義) または EJB 2.0 DTD に準拠している必要があります。weblogic-ejb-jar.xml
ファイルが必要。このファイルは、WebLogic Server EJB コンテナのコンフィグレーション情報が含まれる WebLogic Server 固有のデプロイメント記述子です。このファイルは、WebLogic Server 5.1 DTD または WebLogic Server 8.1 DTD に準拠している必要があります。max-beans-in-cache
パラメータは、データベースの同時実行性を高めるためにキャッシュに格納される Bean の最大数を制御する。以前のバージョンの WebLogic Server では、max-beans-in-cache
は無視され、キャッシュのサイズは無制限でした。このパラメータの値をより大きく調整しなければならない場合があります。ejbc
とともに高速なコンパイラを使用する。WebLogic Server の EJB コンパイラ (weblogic.ejbc
) は Java コードを生成し、その後、このコードが Java コンパイラによってコンパイルされます。 デフォルトでは、WebLogic Server に同梱の JDK に含まれている javac
コンパイラが使用されます。より高速な Java コンパイラを使用すると、EJB コンパイラの動作がずっと高速になります。 -compiler
オプションを使って、代わりに使用するコンパイラを次のように指定できます。
java weblogic.ejbc -compiler sj pre_AccountEJB.jar AccountEJB.jar
WebLogic Server 8.1 EJB コンパイラ (ejbc
) には、以前のリリースの WebLogic Server にはなかった検証機能が追加されています。このため、以前のバージョンの WebLogic Server でエラーなくデプロイされた EJB でも、WebLogic Server 8.1 ではエラーが報告される可能性があります。それらのエラーは、EJB を WebLogic Server 8.1 にデプロイする前に修正する必要があります。
たとえば、WebLogic Server 8.1 では、あるメソッド名に対してトランザクション属性が設定されている場合に、そのメソッドが存在するようにします。このことは、存在しないメソッドに対してトランザクション属性が誤って設定されている、などのよくあるエラーを識別するために役立ちます。
TxDataSource
を使用する。EJB では、常に TxDataSource
からデータベース接続を取得することが推奨されます。それにより、EJB コンテナのトランザクション管理は JDBC 接続と連携でき、XA トランザクションをサポートすることもできます。
WebLogic Server 8.1 CMP デプロイメント記述子 (weblogic-cmp-rdbms.xml
) は TxDataSource
をサポートするので、接続プールだけを指定する WebLogic Server 5.1 CMP デプロイメント記述子の代わりに使用することが推奨されます。
エンタープライズ Java Beans の詳細については、「エンタープライズ JavaBean モジュール」および『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』を参照してください。
WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties
ファイルでは、排他的または読み込み専用の同時実行性オプションだけを使用できます。データベース同時実行性オプションは、WebLogic Server 8.1 の weblogic-ejb-jar.xml
ファイルにアップグレードすると指定できるようになります。『WebLogic エンタープライズ JavaBeans プログラマーズ ガイド』の「同時方式の選択」を参照してください。
WebLogic Server 8.1 CMP デプロイメント記述子、weblogic-cmp-rdbms-jar.xml
では複数の EJB を指定でき、接続プールの代わりに TxDataSource
を使用できます。EJB 1.1 CMP で XA を使用する場合は、TxDataSource
を使用する必要があります。
1.1 形式の EJB を WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 へアップグレードするには、次の手順に従ってください。
javac -d %CLIENTCLASSES% Trader.java TraderHome.java TradeResult.java Client.java
java -classpath %CLIENTCLASSES%;%CLASSPATH% examples.ejb.basic.statelessSession.Client
EJB 1.1 Bean を EJB 2.0 Bean に変換するために、WebLogic Server の DDConverter ユーティリティを使用できます。
WebLogic Server 8.1 では、EJB 2.0 Bean を開発することをお勧めします。すでにプロダクション環境で使用されている EJB 1.1 Bean については、2.0 Bean に変換する必要はありません。EJB 1.1 Bean は、WebLogic Server 8.1 でデプロイできます。
単純な CMP 1.1 Bean を 2.0 Bean に変換するための基本手順を以下に示します。
EJB 1.1 Bean を Bean の CMP フィールドで宣言します。CMP 2.0 Bean は、各フィールドに対応する抽象メソッドの getXXX
および setXXX
を使用します。たとえば、EJB 1.1 Bean は public String name
を使用します。EJB 2.0 Bean は、public abstract String getName()
と public abstract void setName(String n)
を使用します。この変更を行うと、Bean クラスでのコンテナ管理フィールドの読み込みに getName
メソッドが、またコンテナ管理フィールドの更新に setName
メソッドが使用されるようになります。
java.util.Enumeration
を使用していたすべての CMP 1.1 ファインダは、java.util.Collection
を使用する必要があります。CMP 2.0 ファインダは java.util.Enumeration
を返すことができません。 このことを反映して、コードを変更してください。
public Enumeration findAllBeans()
Throws FinderException, RemoteException;
WebLogic Server 8.1 EJB コンテナには、EJB 1.1 仕様または EJB 2.0 仕様に準拠したすべての EJB をデプロイできます。各 EJB の JAR ファイルには、ejb-jar.xml
ファイル、weblogic-ejb-jar.xml
デプロイメント記述子、および CMP デプロイメント記述子 (CMP エンティティ Bean を使用する場合) が必要です。WebLogic Server 配布キットの samples\examples\ejb11
および samples\examples\ejb20
ディレクトリにある WebLogic Server EJB サンプルには、サンプルの weblogic デプロイメント記述子が含まれています。
WebLogic Server 8.1 は、JavaSoft の JMS 仕様バージョン 1.0.2 をサポートしています。
WebLogic Server JMS アプリケーションをアップグレードする場合は、『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「WebLogic JMS アプリケーションの移植」に示す手順を参照してください。WebLogic Event は非推奨となっており、NO_ACKNOWLEDGE または MULTICAST_NO_ACKNOWLEDGE 配信モードの JMS メッセージで置き換えられています。それぞれの配信モードについては、『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「WebLogic JMS の基礎」で説明されています。
BEA Systems では Oracle のサポート方針に従い、「WebLogic Platform 8.1 でサポート対象のコンフィグレーション」ページの「サポート対象のデータベース コンフィグレーション」に示されている Oracle のリリースをサポートしています。BEA では現在、バージョン 7.3.4、8.0.4、8.0.5、および 8.1.5 の Oracle Client をサポートしていません。
バージョン 7.3.4 の Oracle Client を使用するには、後方互換性のある oci816_7 共有ライブラリを使用します。
WebLogic jDriver および Oracle データベースの詳細については、『WebLogic jDriver for Oracle のコンフィグレーションと使い方』の「WebLogic jDriver for Oracle のコンフィグレーション」を参照してください。
サポート対象のプラットフォーム、DBMS、およびクライアント ライブラリについては、BEA の『サポート対象のコンフィグレーション』のページを参照してください。『サポート対象のコンフィグレーション』のページでは、常に最新の動作確認情報を公開しています。
以下の手順では、WebLogic Server 5.1 と 8.1 の両方が単一のマシンにインストールされていることを前提にしています。
銀行業務アプリケーションを WebLogic Server 5.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードするには、次の 3 つの主要な手順に従います。
変換ユーティリティを使用して、WebLogic Server 5.1 の weblogic.properties
ファイルの各プロパティを WebLogic Server 8.1 ドメインのコンフィグレーション ファイル config.xml
に書き込みます。 WebLogic Server のドメインの詳細については、『WebLogic Server コンフィグレーション リファレンス』を参照してください。
WebLogic 8.1 Administration Console を使用して、WebLogic Server 5.1 アプリケーションの weblogic.properties
ファイルを変換します。
New Domain name is migrationdomain
*************************************
Server Name is migrationserver
This server doesn't belong to any cluster
*************************************
Converting Server properties
Converting Server Debug Properties
Converting WebServer properties
Converting WebApp Component Properties
Converting JDBC Specific properties
Converting CORBA IIOP properties
Converting EJB Specific Properties
--- Warning Source File D:\510sp12\migrationserver\app_banking.jar does not exist copy the correct file manually after conversion to C:\banco\applications
Converting StartupClass properties
Converting Shutdown Class properties
Converting MailSession Properties
Converting FileT3 properties
Converting JMS properties
Converting Security Properties
Converting the PasswordPolicy properties
Converting User Group and ACL properties
Creating webApp for the servlets registerd in the properties file
Startup Scripts for the Server are created in the ResultDir C:\banco
Conversion successful.
この節では、WebLogic Server 8.1 で銀行業務アプリケーションをデプロイおよび実行するために必要な 2 つの主な手順について説明します。
weblogic.properties
コンバータで指定します。weblogic.properties
変換ユーティリティによって、startmigrationdomain
という銀行業務アプリケーションのドメインを起動するためのスクリプトが生成されています。このスクリプトを編集して、アップグレードした銀行業務アプリケーションを新しい 8.1 ドメインで実行するのに必要な変数を指定します。
set APPLICATIONS=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\applications
set CLIENT_CLASSES=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\clientclasses
set SERVER_CLASSES=%WL51_HOME%\config\migrationdomain\serverclasses
set BANKING_WEBAPP_CLASSES=D:\banking\510sp12\migrationserver\serverclasses\examples\tutorials\migration\banking
set CLOUDSCAPE_CLASSES=%WL51_HOME%\samples\eval\cloudscape\lib\cloudscape.jar
アプリケーション JAR ファイル、および Web アプリケーション用のクラスとファイルを銀行業務アプリケーション ディレクトリにコピーします。
AccountDetail.jsp
、error.jsp
、および login.html
を C:\banco\applications\DefaultWebApp_migrationserver
にコピーします。 コマンド コンソールで、c:\banco\
に移動し、コマンド startmigration
を入力して移行ドメインのサーバを起動します。
アプリケーションを使用するには、http://localhost:7001/banking
を参照します。
以下の節では、WebLogic Server 8.1 でアプリケーションをデプロイする際に役立つ補足情報を示します。WebLogic Server 8.1 で非推奨となった機能、アップグレード、および重要な変更点を示しています。
注意 :WebLogic Server 8.1 ではサンプル データベースとして PointBase 4.2 を使用しており、Cloudscape データベースは同梱されていません。
デフォルトでは、アプリケーションは管理サーバにデプロイされます。ただし、これはほとんどの場合適切な形態ではありません。管理サーバは管理目的にのみ使用することをお勧めします。Administration Console を使用して新しい管理対象サーバを定義し、それらのサーバにアプリケーションを関連付けてください。詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』および『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server システム管理の概要」を参照してください。
WebLogic Server 5.1 では、weblogic.httpd.defaultMimeType
パラメータを使用して Web アプリケーションのデフォルトの MIME タイプを設定します。5.1 でのデフォルト値は text/plain
です。
WebLogic Server 8.1 では、このパラメータに代わって weblogic.xml
の default-mime-type
要素を使用します。デフォルト値は null
です。
weblogic.properties
変換ツールではこのパラメータは移植されないため、設定していた場合には手動でリセットする必要があります。
weblogic.xml
の default-mime-type
要素のコンフィグレーションの例を以下に示します。
<default-mime-type>text/plain</default-mime-type>
デフォルトでは、WebLogic Server バージョン 8.1 は 2 フェーズ デプロイメント モデルを使用します。このモデルは準備フェーズとアクティブ化フェーズからなり、デプロイメントを検証してからサーバにコミットできるため、矛盾したサーバの状態を防ぐのに役立ちます。このデプロイメント モデルと、バージョン 8.1 のその他のデプロイメント機能の詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照してください。デプロイメント モデルを指定せずに 5.1 のアプリケーションを WebLogic Server 8.1 にデプロイした場合、サーバは 2 フェーズ デプロイメントを使用します。詳細については、WebLogic Server 8.1 の『リリース ノート』を参照してください。
WebLogic Server 6.1 サービス パック 2 以降では、Web アプリケーションのデフォルト サーブレットである FileServlet の動作が変更されています。現在の FileServlet には、ソース ファイル名を特定するための SERVLET_PATH 設定が含まれています。この設定によって FileServlet を /dir/*
などにマップすることで、特定のディレクトリからのファイルのみを明示的に提供できるようになりました。
詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「デフォルト サーブレットの設定」を参照してください。
このバージョンでは、インターナショナライゼーションとローカライゼーションに関連するいくつかの変更が行われています。
LogServicesDef
は非推奨になりました。代わりに、インターナショナライズされた API または weblogic.logging.NonCatalogLogger
(インターナショナライゼーションが不要な場合) を使用してください。このバージョンでのインターナショナライゼーションの詳細については、『インターナショナライゼーション ガイド』を参照してください。
WebLogic Server 8.1 は JDK 1.4 に依存しています。クラスパスに 8.1 の weblogic.jar を入れてからアプリケーションをコンパイルする場合、クラスは JDK 1.4 でビルドする必要があります。したがって、サーバ起動スクリプト (または config.xml
、あるいは環境設定) が JRockit または JDK 1.4.x を参照していなければなりません。
weblogic.jts.*
内、URL は jdbc:weblogic:jts
:..) が JTA JDBC/XA ドライバに置き換えられています。 下位互換性のために既存のプロパティを使用できますが、JTS から JTA に名前が変更されたことに合わせてクラス名とプロパティを変更する必要があります。WebLogic Server 5.1 で JDBC 接続プールに設定した初期容量は、weblogic.properties
変換ユーティリティから生成される config.xml
には保持されません。
weblogic.jdbc20.*
パッケージは、weblogic.jdbc.*
パッケージへの置き換えが進んでいます。すべての WebLogic JDBC ドライバが JDBC 2.0 準拠になりました。preparedStatement
を使用していて、ストアド プロシージャが DBMS で削除された場合、ストアド プロシージャを作成するには新しい名前を使用します。同じ名前でストアド プロシージャを作成し直すと、preparedStatement
は新しく作成されたストアド プロシージャにアクセスできません。新しく作成されたプロシージャは基本的に、同じ名前を持つ別のオブジェクトであるためです。 ドメインを WebLogic Server 8.1 にアップグレードする際には、JVM を JRockit にアップグレードすることを検討してください。WebLogic JRockit は、Intel アーキテクチャ上で動作する Windows および Linux で実行されるサーバサイド アプリケーション用に設計された JVM です。 サーバサイド アプリケーションでは、他の仮想ホストに比べて、JRockit には次のようなメリットがあります。
WebLogic Server ドメインは、次のように JRockit JVM に切り替えます。
@rem Set user-defined variables.
set JAVA_HOME=WL_HOME\jdk131
WL_HOME
は、WebLogic Server 5.1 のインストール ディレクトリです。これを次のように変更します。
@rem Set user-defined variables.
set JAVA_HOME=WL_HOME\jrockit81_141_02
JavaCompiler="WL_HOME\jdk131\bin\javac"
WL_HOME
は、WebLogic Server 5.1 のインストール ディレクトリです。これを次のように変更します。
JavaCompiler=WL_HOME\jrockit81_141_02\bin\javac"
echo on "%JAVA_HOME%\bin\java" -hotspot .... weblogic.Server
JRockit プラットフォームとユーザ情報については、適切なバージョンの ユーザーズ ガイドの『J Rockit ドキュメント』を参照してください。
以下の節では、WebLogic Server 8.1 での JSP の動作に関する変更点について詳述します。
WebLogic Server 5.1 から現在のバージョンに至るまでの間に、JSP include ディレクティブの動作が変更されています。WebLogic Server 5.1 までのバージョンでは JSP include ディレクティブに存在しないページが含まれる場合、警告レベルのメッセージがログに記録されました。WebLogic Server 6.0 以降のバージョンでは、そうした場合に「500 Internal Server Error」が報告され、参照先となる場所に空のファイルを置くことでエラーを回避できます。
JSP 仕様の変更により、null のリクエスト属性は空の文字列の代わりに文字列「null」を返すようになりました。バージョン 6.1 以降の WebLogic Server では、weblogic.xml
に printNulls
と呼ばれる新しいフラグがあります。デフォルトではこのフラグは true、すなわち「null」を返す設定になっています。printNulls
を false に設定すると、式の結果が「null」になる場合に文字列「null」ではなく空の文字列が出力されます。
weblogic.xml
における printNulls
要素のコンフィグレーションの例を次に示します。
<param-name>printNulls</param-name>
<param-value>false</param-value>
WebLogic Server 8.1 では、サーバのインストール時に JDK 1.4.1 の Java 仮想マシン (Java Virtual Machine: JVM) と JRockit JVM の両方がインストールされます。サーバに付属する setenv.sh
スクリプトはすべて JDK 1.4.1 JVM を指しています。動作確認された JVM についての最新情報は、『サポート対象のコンフィグレーション』ページで公開されています。JRockit へのアップグレードの詳細については、「JVM から JRockit へのアップグレード」を参照してください。
プロキシ プラグインと WebLogic Server 5.1 の間の通信はクリア テキストです。WebLogic Server 8.1 では、プラグイン (Apache、Microsoft IIS、および Netscape) とバックエンドの WebLogic Server の間での SSL 通信をサポートしています。
Apache、Microsoft IIS、または Netscape プラグインをアップグレードするには、新しいプラグインを古いプラグインの上に上書きコピーし、Apache、IIS、または iPlanet Web サーバを再起動します。
8.1 プロキシ プラグインの詳細については、『WebLogic Server における Web サーバ プラグインの使い方』を参照してください。
WebLogic Server 8.1 では、実行キューのデフォルト名が変更されました。実行キューを指定するコンフィグレーションをアップグレードする場合、新しい実行キューの名前として、デフォルトのキュー名が自動的に付けられます。
以下のヒントは、以前のバージョンの WebLogic Server で RMI を使用していたユーザが WebLogic Server 8.1 にアップグレードする際のものです。
weblogic.rmic
) を再実行して、WebLogic Server 8.1 と互換性を持つようにラッパー クラスを再生成してください。java.rmi.Remote
を使用して、インタフェースをリモートとしてタグ付けします。weblogic.rmi.Remote
は使用しないでください。java.rmi.*Exception
(例 : import java.rmi.RemoteException;
) を使用します。weblogic.rmi.*Exception
は使用しないでください。*.rmi.Naming
の代わりに JNDI を使用します。weblogic.rmic
を使用して、動的なプロキシとバイトコードを生成します。RMI IIOP の場合を除き、スタブ クラスとスケルトン クラスは生成されなくなりました。 注意 :詳細については、『WebLogic RMI プログラマーズ ガイド』の「WebLogic RMI コンパイラの使い方」を参照してください。
weblogic.rmi.server.UnicastRemoteObject.exportObject()
を使用してスタブのインスタンスを取得します。java.rmi.*
と JNDI を反映するように見直される予定です。WebLogic Server 5.1 を、WebLogic Server 8.1 のセキュリティ機能と併せて WebLogic Server 8.1 にアップグレードするには、まず WebLogic Server 6.x のセキュリティ機能にアップグレードしてから、WebLogic Server 6.x を WebLogic Server 8.1 にアップグレードします。
「セキュリティ レルムの WebLogic Server 5.1 から 6.1 へのアップグレード」および「セキュリティの WebLogic Server 6.x からバージョン 8.1 へのアップグレード」を参照してください。
『WebLogic Server FAQ 集』のセキュリティに関する節も参照してください。
WebLogic 6.x で、WebLogic Server はセキュリティ レルムの新しい管理アーキテクチャを提供しています。MBean によって実装された管理アーキテクチャを使用すると、Administration Console からセキュリティ レルムを管理できます。以前のリリースの WebLogic Server でのセキュリティ レルムがある場合、以下の情報を使用して新しいアーキテクチャにアップグレードします。
weblogic.properties
のコンバート] オプションを使用して、セキュリティ レルムを 6.1 のアーキテクチャに変換します。Windows NT、UNIX、または LDAP セキュリティ レルムのユーザ、グループ、および ACL は、Administration Console で参照できます。ただし、ユーザとグループを管理するには、Windows NT、UNIX、または LDAP 環境でツールを使用する必要があります。\samples\server\src\examples\security\rdbmsrealm
ディレクトリにあるサンプル コードを参考にして RDBMS セキュリティ レルムを変換します。RDBMS セキュリティ レルムを MBean に変換したら、『管理者ガイド』の「セキュリティ レルムの指定」にある「RDBMS セキュリティ レルムのコンフィグレーション」の手順に従って、データベースへの接続に使用される JDBC ドライバと、セキュリティ レルムによって使用されるスキーマの情報を定義します。WLPropertyRealm
からファイル レルムに変更されています。レルム属性は、現在は weblogic.properties
ファイルではなく fileRealm.properties
ファイルに格納されます。fileRealm.properties
ファイルに格納されます。6.1 のセキュリティ機能を使用するように WebLogic Server をコンフィグレーションしたら、「WebLogic Server 6.x からバージョン 8.1 へのアップグレード」を参照して、WebLogic Server 8.1 のセキュリティ機能にアップグレードする方法について確認してください。
WebLogic Server 8.1 で用意されているオリジナルのドメインと、weblogic.properties
ファイル コンバータを使用して作成されたすべてのドメインには、domain\applications\DefaultWebApp_myserver
ディレクトリが作成されます。このディレクトリには、Web サーバが公開するファイルが格納されます。HTML ファイルと JSP ファイルは、インストールしたアプリケーションとは別にこの場所に配置して公開できます。必要な場合は、画像ファイルなどの相対リンクを処理するために、DefaultWebApp_myserver
ディレクトリの内部にサブディレクトリを作成できます。
WebLogic Server の以前のバージョンでは、余分なスペースを含んでいる URI が解決されました。WebLogic Server 8.1 では余分なスペースは解決されなくなり、URI リクエストに余分なスペースが含まれている場合は 404 エラーになります。
たとえば、http://server:port/mywebapp/foo%20%20
は以前は Web アプリケーション「mywebapp」のリソース foo
として解決されましたが、8.1 ではこれは行われません。
以下のヒントは、以前のバージョンの WebLogic Server で Web コンポーネントを使用していて、WebLogic Server 8.1 にアップグレードするユーザを対象としています。
weblogic.properties
ファイルを使用して実行されたドキュメント ルート、JSPServlet、およびサーブレットの登録とほぼ同等のことがこのデフォルトの Web アプリケーションで行われるので、改めて登録を行う必要はありません。web.xml
から weblogic.xml
に移動されました。この情報の再編成によって、サーブレット 2.3 に厳密に基づくサード パーティの Web アプリケーションが、J2EE 標準デプロイメント記述子 (web.xml
) を変更せずにデプロイできるようになりました。下位互換性のために、<context-param>
要素を使用して web.xml
ファイルで行われる WebLogic Server 5.1 スタイルの設定がサポートされていますが、デプロイメントは新しい方式で行うことをお勧めします。以前に web.xml
で定義されていた以下のパラメータは、weblogic.xml
で定義されるようになりました。keepgenerated、precompile compileCommand、verbose、packagePrefix、pageCheckSeconds、encoding
)CookieDomain、CookieComment、CookieMaxAgeSecs、CookieName、CookiePath、CookiesEnabled、InvalidationIntervalSecs、PersistentStoreDir、PersistentStorePool、PersistentStoreType、SwapIntervalSecs、IDLength、CacheSize、TimeoutSecs、JDBConnectionTimeoutSecs、URLRewritingEnabled
)詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「Web アプリケーションのデプロイメント」を参照してください。
WebLogic Server 8.1 上で WAP (Wireless Application Protocol) アプリケーションを実行するには、Web アプリケーションの web.xml
ファイルで、WAP と関連付けられている MIME タイプを指定しなければならなくなりました。WebLogic Server 5.1 では、MIME タイプは weblogic.properties
ファイルで定義されていました。必要な MIME タイプの詳細については、『WebLogic Server Wireless Application 開発プログラマーズ ガイド』を参照してください。web.xml
ファイルの作成と編集については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「web.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。
WebLogic Server 8.1 の組み込みのパーサおよびトランスフォーマは、それぞれ Xerces 1.4.4 および Xalan 2.2 に更新されています。以前のバージョンの WebLogic Server に付属していた古いパーサおよびトランスフォーマに対応する API を使用していた場合や、非推奨となったクラス、インタフェース、またはメソッドを使用していた場合、非推奨であることを示すメッセージがアプリケーションで表示されることがあります。
WebLogic Server 8.1 には、WebLogic FastParser も付属します。これは、WebLogic Web サービスに関連付けられた SOAP および WSDL ファイルなど、中小規模のドキュメントを処理するために特別に設計された高性能の XML パーサです。アプリケーションで中小規模 (要素数が 10,000 個程度まで) の XML ドキュメントを処理することがほとんどの場合、FastParser を使用するように WebLogic Server をコンフィグレーションします。
WebLogic Server 8.1 の配布キットで、未修正版の Xerces パーサおよび Xalan トランスフォーマが WL_HOME
\server\ext\xmlx.zip
ファイルに含まれなくなりました。
以下の API と機能は、将来的に製品から削除される予定なので使用しないでください。
WebLogic Event は非推奨であり、NO_ACKNOWLEDGE または MULTICAST_NO_ACKNOWLEDGE 配信モードの JMS メッセージで置き換えることをお勧めします。詳細については、『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』の「非トランザクション セッション」を参照してください。
-Dweblogic.management.host
weblogic.deploy
は WebLogic Server 8.1 のこのリリースでは非推奨であり、weblogic.Deployer
に置き換えられています。詳細については、『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照してください。weblogic.management.tools.WebAppComponentRefreshTool
および weblogic.refresh
はともに、WebLogic Server 8.1 のこのリリースでは非推奨となっています。これらは weblogic.Deployer
に置き換えられています。weblogic.httpd.servlet.reloadCheckSecs
(weblogic.xml
servlet-reload-check-secs
に置き換えられています)weblogic.httpd.servlet.classpath
(代わりにマニフェスト クラスパス、WEB-INF/lib または WEB-INF/classes、または仮想ディレクトリを使用してください)weblogic.httpd.clientCertProxy
(weblogic.xml
ではまだ置き換えられていません)weblogic.httpd.defaultServlet
(代わりに weblogic.xml
で pattern=/ を使用して servlet-mapping
を定義してください)weblogic.httpd.inputCharset
(代わりに weblogic.xml
charset-params
を使用してください)weblogic.xml
ファイルの詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーションの開発』の「weblogic.xml デプロイメント記述子の要素」を参照してください。