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WebLogic Server 9.1 アプリケーションのデプロイメント

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WebLogic Server デプロイメントについて

以下の節では、WebLogic Server デプロイメントの概要を説明します。

 


デプロイメント プロセスの概要

アプリケーション デプロイメントという用語は、WebLogic Server ドメインにおいて、アプリケーションまたはモジュールをクライアント要求の処理に使用できるようにするプロセスを指します。管理者にとって、アプリケーション デプロイメントは一般的に、次のタスクを伴います。

  1. アプリケーションおよびモジュールをデプロイメントのために準備する。アプリケーションは、アーカイブされたファイル、または展開されたアーカイブ ディレクトリとしてデプロイできます。WebLogic Server には、アプリケーション インストール ディレクトリという概念も導入されています。これは、デプロイメント ファイルおよびデプロイメント コンフィグレーション ファイルを、WebLogic Server ツールを使用して簡単にデプロイできるように整理するのに役立ちます。アプリケーションをデプロイする前に、管理者は通常、アプリケーション インストール ディレクトリを作成して、アプリケーション アーカイブ ファイルを適切なサブディレクトリにコピーすることによって、デプロイ可能なモジュールを準備します。
  2. アプリケーションまたはモジュールを WebLogic Server 環境へのデプロイメントのためにコンフィグレーションする。管理者は通常、開発チームから新しいアプリケーション (またはアプリケーションの新しいバージョン) を受け取り、そのアプリケーションを、開発およびテストの間に使用されていた環境とは別の、ステージングまたはプロダクション環境にデプロイしなければなりません。WebLogic Server では、開発によって得られたデプロイメント記述子ファイルを手動で編集することなく、新しい対象ドメイン用にアプリケーションを簡単にコンフィグレーションできます。特定のデプロイメント環境に関するコンフィグレーションの変更は、新しいコンフィグレーション アーティファクトであるデプロイメント プラン内に格納されます。これは、開発チームによって提供されたデプロイメント ファイルからは独立して格納および維持されます。
  3. WebLogic Server にアプリケーションをデプロイする。デプロイメント ファイルとコンフィグレーション ファイルの双方の準備が整うと、アプリケーションは WebLogic Server ドメイン内の対象サーバに分散され、クライアント要求を処理するためにアクティブ化されます。

Administration Console など、一部の BEA デプロイメント ツールでは、自動的に各手順への案内を実行して、アプリケーションの迅速な WebLogic Server ドメインへのデプロイを支援しています。weblogic.Deployer ツールなど、その他のツールでは、デプロイメント プロセス中の個々の手順に関して、より細かく制御できるようになっていますが、WebLogic Server が各手順をどのように実行するかについての概念的な知識がさらに必要です。このマニュアルでは主に、多くの高度なデプロイメント機能を利用できる weblogic.Deployer ツールの使用に焦点を当てています。ただし、Administration Console についても、独自の機能が提供される場合に関しては説明しています。たとえば、アプリケーションおよびモジュールに対して対話形式でデプロイメント コンフィグレーションができるのは、Administration Console のみです。WebLogic Server マニュアルの他の箇所で説明されているものを含むデプロイメント ツールの詳細なリストについては、「デプロイメント ツールの概要」を参照してください。

アプリケーションが 1 つまたは複数の WebLogic Server インスタンスにデプロイされた後、管理者は通常、次のようないくつかの一般的な保守タスクを実行します。

上記のトピックについては、「プロダクション環境でのアプリケーションの更新」および「デプロイされたアプリケーションの管理」で説明しています。

 


デプロイメントの標準

WebLogic Server では、J2EE 1.4 仕様が実装されています。J2EE 1.4 には、デプロイメント仕様 JSR-88 が含まれます。これは、アプリケーションをアプリケーション サーバに対してアプリケーションをコンフィグレーションおよびデプロイするためにデプロイメント ツールおよびアプリケーション サーバ プロバイダが使用する、標準 API について記述したものです。

WebLogic Server は、J2EE 1.4 デプロイメント仕様に準拠するように、JSR-88 サービス プロバイダ インタフェース (SPI) プラグインとモデル プラグインの双方を実装しています。WebLogic Server に対して J2EE アプリケーションおよびモジュールをコンフィグレーション、デプロイ、および再デプロイするには、(API の WebLogic Server 拡張を使用せずに) WebLogic Server プラグインと共に基本的な J2EE 1.4 デプロイメント API デプロイメント ツールを使用できます。J2EE 1.4 デプロイメント API コンフィグレーション プロセスで生成された WebLogic Server コンフィグレーションは、図 2-1 に示すように、デプロイメント プランおよび 1 つまたは複数の生成された WebLogic Server デプロイメント記述子ファイル内に格納されます。WebLogic Server デプロイメント記述子は、WebLogic Server コンフィグレーション データを格納するために、必要に応じて生成されます。

図 2-1 J2EE 1.4 デプロイメント API によるアプリケーションのコンフィグレーション

J2EE 1.4 デプロイメント API によるアプリケーションのコンフィグレーション


 

純粋な J2EE 1.4 デプロイメント API のデプロイメント ツールで生成された WebLogic Server デプロイメント プランにより、コンフィグレーション セッション中にアプリケーションのために生成された WebLogic Server デプロイメント記述子が識別されます。

J2EE 1.4 デプロイメント API は、J2EE 1.4 準拠のアプリケーション サーバで使用するためのアプリケーションおよびモジュールをコンフィグレーションする、簡単かつ標準化された方法を提供しますが、この仕様では WebLogic Server 8.1 で利用できた、または WebLogic Server 9.0 で導入された多くのデプロイメント機能に対応していません。そのため、WebLogic Server では、J2EE 1.4 デプロイメント API 仕様に、重要な拡張を行い、「WebLogic Server のデプロイメント機能」に記載の機能をサポートしています。

 


デプロイメントの用語

このマニュアルでは、一貫して次の WebLogic Server デプロイメント用語が使用されます。

アプリケーション モジュール - JMS または JDBC リソースをコンフィグレーションする XML ドキュメント。アプリケーション モジュールは、スタンドアロン モジュールとしてデプロイできます。その場合、モジュールのリソースはグローバル JNDI ツリーにバインドされます。また、アプリケーション モジュールは、エンタープライズ アプリケーションの一部としてバンドルして、アプリケーション自体の中をスコープ指定できます。この場合、モジュールはアプリケーション スコープのモジュールとして言及されます。

アプリケーション インストール ディレクトリ - アプリケーションまたはモジュール用の、デプロイメント ファイルおよび生成されたデプロイメント コンフィグレーション アーティファクトの整理を支援するために設計された、WebLogic Server ディレクトリ構造。アプリケーション ルート ディレクトリとも言います。

アプリケーション バージョン - デプロイされたアプリケーションのバージョンを識別する文字列値。バージョン文字列を使用する互換性のあるアプリケーションでは、WebLogic Server プロダクション再デプロイメント方式を使用できます。

デプロイメント コンフィグレーション - 特定の WebLogic Server ドメインにアプリケーションをデプロイするために必要となるデプロイメント記述子の値を定義するプロセス。アプリケーションまたはモジュールに関するデプロイメント コンフィグレーションは、J2EE デプロイメント記述子、WebLogic Server 記述子、および WebLogic Server デプロイメント プランという、3 種類の XML ドキュメントに格納されます。

デプロイメント記述子 - デプロイメント時にアプリケーションまたはモジュールの J2EE 動作または WebLogic Server コンフィグレーションを定義するのに使用される、XML ドキュメント。

デプロイメント プラン - 特定の WebLogic Server 環境のためのアプリケーションの WebLogic Server デプロイメント コンフィグレーションを定義する、XML ドキュメント。デプロイメント プランは、アプリケーションのアーカイブ ファイルの外部にあり、アプリケーションの既存の WebLogic Server デプロイメント記述子に格納されているデプロイメント プロパティに対して変更を適用することができます。デプロイメント プランを使用すると、既存のデプロイメント記述子を修正することなく、特定の環境についてのアプリケーションの WebLogic Server コンフィグレーションを簡単に変更できます。複数のデプロイメント プランを使用すると、単一のアプリケーションを、複数のさまざまな WebLogic Server 環境にデプロイされるように再コンフィグレーションできます。

分散 - WebLogic Server が、デプロイメント ソース ファイルをデプロイのための対象サーバにコピーするプロセス。

プロダクション再デプロイメント - 新しいバージョンのプロダクション アプリケーションを、それより前のバージョンと一緒にデプロイする一方で、HTTP 接続を自動的に管理して、クライアント アクセスが中断しないようにする、WebLogic Server 再デプロイメント方式。

ステージング モード - デプロイメント ファイルを、ドメイン内の対象サーバで使用できるようにするために、WebLogic Server で使用される方法。ステージング モードにより、ファイルをデプロイ前に対象サーバに分散 (コピー) するかどうかが判断されます。

 


デプロイメントに必要なセキュリティ ロール

「Admin」および「Deployer」ユーザの組み込みセキュリティ ロールにより、WebLogic Server Administration Console を使用してデプロイメント タスクを実行できます。加えて、このバージョンの WebLogic Server では、管理モードにデプロイされたアプリケーションのバージョンをテストできる、新しいセキュリティ ロール「AppTester」があります。

 


WebLogic Server のデプロイメント機能

BEA Weblogic Server は、アプリケーションをプロダクション環境に確実にデプロイして管理するのに役立つ以下の高度なデプロイメント機能をサポートしています。

多彩なデプロイメント コンフィグレーション

J2EE 1.4 デプロイメント API デプロイメント仕様を使うと、アプリケーションをデプロイするために必要なベンダ固有の記述子の値を生成でき、一方、WebLogic Server における J2EE 1.4 デプロイメント API の拡張機能では、次のような多くの追加デプロイメント プロパティをコンフィグレーションできます。

上記のデプロイメント プロパティに対する変更は、WebLogic Server デプロイメント プランに格納できます。

複数のさまざまな環境への簡単なデプロイメント

J2EE 1.4 デプロイメント API に対する WebLogic Server の拡張機能により、デプロイメント ソース ファイルを復元したり修正したりすることなく、複数のさまざまな WebLogic Server 環境へのデプロイメントのために、必要に応じてアプリケーションを簡単に再コンフィグレーションできます。アプリケーションの移行は、開発中にアプリケーションのデプロイメント コンフィグレーションをデプロイメント プランにエクスポートすることによって成し遂げられます。

アプリケーションのコンフィグレーションをエクスポートするには、開発者は新しい weblogic.PlanGenerator ツールを使用して、アプリケーションが別の環境にデプロイされるときに変更される必要のある WebLogic Server デプロイメント記述子プロパティを選択します。たとえば、グローバル リソース名とチューニング パラメータは通常、環境ごとに異なっています。なぜなら、ドメインが違うと、デプロイされたアプリケーションに提供されるリソースの種類と数量も違ってくるからです。weblogic.PlanGenerator によって、選択された記述子のプロパティのプレースホルダとして機能するデプロイメント プラン内に、変数定義が作成されます。Administration Console などのデプロイメント ツールが、デプロイメントの前のカスタマイズ用に、デプロイヤに対してデプロイメント プラン変数を自動的に提示します。

変数定義により、管理者またはその他のデプロイヤは、アプリケーション自体の中の実際のデプロイメント記述子ファイルを変更することなく、さまざまなサーバ ドメインのために記述子プロパティの値を必要に応じて簡単に変えることができます。必要な記述子プロパティに空 (null) の変数定義を設定することで、開発者はアプリケーションがデプロイできるようになる前に、有効なエントリの入力を要求できます。

デプロイメント前の Administration Console によるアプリケーションのコンフィグレーションについては、「プロダクション デプロイメントのためのアプリケーションのコンフィグレーション」を参照してください。weblogic.PlanGenerator ツールの使用については、「weblogic.PlanGenerator コマンドライン リファレンス」を参照してください。WebLogic Server デプロイメント プランの詳細については、「デプロイメント プランのリファレンスおよびスキーマ」を参照してください。

プロダクション アプリケーションを分離するための管理モード

アプリケーションの分散により、デプロイメント ファイルが対象サーバにコピーされ、アプリケーションが準備状態に置かれます。その後は、アプリケーションを管理モードで起動できます。それにより、アプリケーションにアクセスできるのがコンフィグレーションされた管理チャネルのみになるため、アプリケーションを外部クライアント接続に対して開いたリ、接続されたクライアントを中断させたりすることなく、最終テストを実行できます。アプリケーションを管理モードで起動するには、「分散されたアプリケーションの管理モードでの起動」で説明するように -adminmode オプションを使用します。「プロダクション環境へのアプリケーションの分散」および「プロダクション アプリケーションの新しいバージョンの分散」を参照してください。

最終テスト実行後は、アプリケーションをアンデプロイしてさらに変更を加えるか、アプリケーションをプロダクション モードで起動して、全般的にクライアントで使用可能にできます。

アプリケーションの分散」を参照してください。

デプロイ可能な JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュール

JDBC、JMS、および WLDF リソースは、アプリケーション モジュールとして格納できるようになりました。これらのモジュールは複数サーバまたはクラスタにスタンドアロン状態でデプロイすることも、アプリケーション スコープのリソースとしてエンタープライズ アプリケーション内に含めることも可能です。スタンドアロンの JDBC、JMS および WLDF アプリケーション モジュールを使用すると、複数の WebLogic Server ドメイン内でリソースを簡単にレプリケートできるようになります。アプリケーション スコープのリソース モジュールを使用すると、複数の環境への移植性を最大限に高めるために、アプリケーション モジュール自体の中にアプリケーションが必要とするリソースをすべて含めることができるようになります。アプリケーション スコープのリソースの使用の詳細については、『WebLogic Server アプリケーションの開発』を参照してください。WebLogic Server へのスタンドアロン リソースまたはアプリケーション スコープのリソースのデプロイについては、「JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュールのデプロイ」を参照してください。

エンタープライズ アプリケーションのモジュール レベルでのデプロイメントと再デプロイメント

WebLogic Server では、エンタープライズ アプリケーションの個々のモジュールをさまざまなサーバ対象に割り当てることも、エンタープライズ アプリケーションで利用可能なモジュールのサブセットのみをデプロイすることもできます。これにより柔軟性の高いパッケージング オプションが得られ、関連するモジュールのグループをまとめてエンタープライズ アプリケーション内でバンドルしつつ、ドメイン内の個々のサーバには選択されたモジュールのみをデプロイできます。

プロダクション アプリケーションの安全な再デプロイメント

WebLogic Server により、アプリケーションに対する現在の HTTP クライアントに影響を与えることなく、プロダクション アプリケーションの新しいバージョンを、安全に更新および再デプロイできます。プロダクション再デプロイメントは、アプリケーションのダウンタイムなしに、また変更を加えるするために冗長なサーバを作成することなく、バグ フィックスや、新しい機能を実現するのに役立ちます。「プロダクション環境でのアプリケーションの更新」を参照してください。

 


サポートされるデプロイメント ユニット

デプロイメント ユニットとは、J2EE 仕様に従って構成されており、WebLogic Server にデプロイ可能な J2EE アプリケーション (エンタープライズ アプリケーションまたは Web アプリケーション) あるいはスタンドアロン J2EE モジュール (EJB、リソース アダプタなど) のことです。

デプロイメント ユニットのタイプごとに、必要なファイル、およびアプリケーションまたはモジュールのディレクトリ構造内での各ファイルの位置が J2EE 仕様で定義されています。デプロイメント ユニットは、EJB とサーブレットの Java クラス、リソース アダプタ、Web ページとサポート ファイル、XML 形式のデプロイメント記述子、およびその他のモジュールで構成されています。

J2EE では、どのようにデプロイメント ユニットを対象サーバにデプロイするかは指定されておらず、標準のアプリケーションおよびモジュールの構造だけが指定されています。WebLogic Server は、以下のタイプのデプロイメント ユニットをサポートします。

エンタープライズ アプリケーション

エンタープライズ アプリケーションは、次に示す 1 つまたは複数の J2EE アプリケーションまたはモジュールで構成されます。

エンタープライズ アプリケーションは、拡張子 .ear を持つアーカイブ ファイルとしてパッケージ化されますが、通常は展開 EAR ディレクトリとしてデプロイします。展開 EAR ディレクトリには、アプリケーションで使用する JAR、WAR、および RAR モジュールのすべてが (同じく展開形式で) 格納されるほか、エンタープライズ アプリケーション用の XML 記述子ファイル、およびバンドルされたアプリケーションとモジュールが格納されます。詳細については、『WebLogic Server アプリケーションの開発』を参照してください。

Web アプリケーション

Web アプリケーションは常に以下のファイルを含みます。

Web アプリケーションは、JSP タグ ライブラリ、静的 .html ファイルと画像ファイル、サポート クラスと .jar ファイル、および weblogic.xml デプロイメント記述子 (Web アプリケーションの WebLogic サーバ固有要素をコンフィグレーションする) を含むこともできます。詳細については、『WebLogic Server Web アプリケーション、サーブレット、JSP の開発』を参照してください。

エンタープライズ JavaBean

エンタープライズ JavaBean (EJB) は、ビジネス ロジックを実装する再利用可能な Java コンポーネントで、コンポーネントベースの分散ビジネス アプリケーションの開発を可能にします。EJB モジュールは .jar という拡張子を持つアーカイブ ファイルとしてパッケージ化されますが、通常は展開されたアーカイブ ディレクトリとしてデプロイします。EJB のアーカイブ ファイルまたは展開されたアーカイブ ディレクトリには、コンパイル済みの EJB クラス、省略可能な生成済みクラス、および EJB の XML デプロイメント記述子が格納されます。各種の EJB の詳細については、『WebLogic エンタープライズ JavaBeans (EJB) プログラマーズ ガイド』を参照してください。

リソース アダプタ

リソース アダプタ (コネクタとも呼ばれる) は、エンタープライズ情報システム (EIS) と J2EE プラットフォームの統合を可能にします。コネクタは、WebLogic Server と EIS の接続に使用できるシステムレベルのソフトウェア ドライバとして機能します。コネクタには、Java クラス、および必要に応じて EIS との対話に必要なネイティブ コンポーネントが含まれます。詳細については、『WebLogic リソース アダプタ プログラマーズ ガイド』を参照してください。

Web サービス

Web サービスとは、ネットワーク上の他のシステムからも利用でき、分散型 Web ベース アプリケーションのコンポーネントとして共有および使用可能な、1 つのエンティティにまとめられた一連の関数です。これらのサービスは一般的に、CRM (カスタマ リレーションシップ マネージメント)、注文処理システムなどの既存のバックエンド アプリケーションとインタフェースします。

Java クラス、または Web サービスを実装する EJB のいずれかを含む場合もあります。Web サービスは、実装に応じて、Web アプリケーション アーカイブ (WAR) または EJB モジュール (JAR) のどちらかとしてパッケージ化されます。詳細については、『WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド』を参照してください。

J2EE ライブラリ

J2EE ライブラリとは、デプロイメント時に共有ライブラリとして J2EE アプリケーション コンテナに登録される、スタンドアロンの J2EE モジュール、またはエンタープライズ アプリケーション (EAR) にパッケージ化された複数の J2EE モジュールです。J2EE ライブラリの登録後は、weblogic-application.xml デプロイメント記述子内のライブラリを参照するエンタープライズ アプリケーションをデプロイできるようになります。参照側の各アプリケーションは、デプロイメントの際に共有 J2EE ライブラリ モジュールのコピーを受け取り、アプリケーションそのものの一部としてパッケージ化されているかのように、これらのモジュールを使用できます。J2EE ライブラリのサポートにより、依存関係にある各アプリケーションに共有モジュールを物理的に追加することなく、複数のエンタープライズ アプリケーション間で 1 つまたは複数の J2EE モジュールを簡単に共有できます。

共有ライブラリのデプロイメント ファイルは、標準のエンタープライズ アプリケーションか、この節で説明している J2EE モジュールの、どちらかに類似しています。共有ライブラリと、標準 EAR およびモジュールとの相違点は、MANIFEST.MF ファイルの内容だけです。『WebLogic Server アプリケーションの開発』の「共有 J2EE ライブラリおよびオプション パッケージの作成」で、J2EE ライブラリを組み立ててコンフィグレーションする方法と、J2EE ライブラリを利用するエンタープライズ アプリケーションのコンフィグレーション方法を説明しています。

JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュールのデプロイ」では、J2EE ライブラリ、および J2EE ライブラリを参照するエンタープライズ アプリケーションのデプロイ方法について説明します。

オプション パッケージ

オプション パッケージは、J2EE ライブラリと似た機能を提供しており、これを使用すると複数のアプリケーション間で単一の JAR ファイルを簡単に共有できます。ただしオプション パッケージは、エンタープライズ アプリケーションのレベルではなく、個々の J2EE モジュール (スタンドアロンまたはエンタープライズ アプリケーション内) のレベルで機能します。たとえば、複数の Web アプリケーションで必要とされるサード パーティの Web アプリケーション フレームワーク クラスを、単一の JAR ファイル内にパッケージ化およびデプロイし、ドメイン内の複数の Web アプリケーション モジュールから参照することが可能です。

オプション パッケージは、デプロイメント記述子のない基本の JAR ファイルとして配信されます。デプロイメントの際に、JAR をオプション パッケージとして指定するだけで、WebLogic Server はそのファイルを、選択した対象サーバに登録します。オプション パッケージの登録後は、MANIFEST.MF ファイル内においてオプション パッケージを参照する J2EE モジュールおよびアプリケーションをデプロイできるようになります。『WebLogic Server アプリケーションの開発』の「共有 J2EE ライブラリおよびオプション パッケージの作成」で、オプション パッケージを組み立ててコンフィグレーションする方法と、オプション パッケージを利用する J2EE モジュールのコンフィグレーション方法を説明しています。

共有 J2EE ライブラリおよびそれに依存するアプリケーションのデプロイ」では、オプション パッケージ、およびオプション パッケージを参照する J2EE モジュールのデプロイ方法を説明します。

JDBC、JMS、および WLDF モジュール

このリリースの WebLogic Server での JMS および JDBC コンフィグレーションは、リソースの適切な WebLogic Server スキーマ weblogic-jmsmd.xsd または weblogic-jdbc.xsd に準拠する XML ドキュメントに格納されるようになりました。JMS および JDBC リソースは、WebLogic Server のバージョン 9.0 より前に管理されていたのと同様の方法でシステム モジュールとして、または標準 J2EE モジュールと同様にアプリケーション モジュールとして、作成および管理します。

JMS、JDBC、または WLDF アプリケーション モジュールは、スタンドアロンのリソースとしてデプロイ可能です。その場合リソースは、デプロイメント中に対象指定されたドメインで、またはエンタープライズ アプリケーションの一部として、使用可能です。エンタープライズ アプリケーションの一部としてデプロイされたアプリケーション モジュールは、同梱されたアプリケーション (アプリケーション スコープのリソース) でのみ利用可能です。アプリケーション スコープのリソースを使用することにより、アプリケーションは常に、必要なリソースへ確実にアクセスでき、アプリケーションを新しい環境にデプロイする処理が簡素化されます。

システム モジュールと対照的に、アプリケーション モジュールの所有者は、モジュールをデプロイする管理者ではなく、モジュールを作成およびパッケージ化した開発者となります。つまり、JDBC、JMS、および WLDF アプリケーション モジュールに対しては、管理者の制御が及ぶ範囲のほうが、より制限されています。アプリケーション モジュールをデプロイする際、管理者はモジュールで指定されていたリソース プロパティを変更できますが、リソースの追加や削除は行えません。

システム モジュールは、WebLogic Administration Console を介して管理者によって作成され、必要に応じて、管理者により変更または削除可能です。同様に、管理者によって作成されたスタンドアロンのアプリケーション モジュールは、モジュールを新しいドメインにデプロイするだけで、複数の WebLogic Server 環境におけるグローバル リソースの再作成に使用できます。

JDBC、JMS、および WLDF モジュールの作成および使用の詳細については、以下を参照してください。

JMS および JDBC スタンドアロン モジュールのデプロイについては、「アプリケーションおよびモジュールのデプロイ」を参照してください。

クライアント アプリケーション アーカイブ

J2EE 仕様では、クライアント アプリケーションのアーカイブ ファイルをエンタープライズ アプリケーション内に組み込むことができます。J2EE クライアント アプリケーション モジュールには、クライアント JVM (Java 仮想マシン) で実行される Java クラスと、EJB (エンタープライズ JavaBean)、およびクライアントによって使用されるその他の WebLogic Server リソースに関するデプロイメント記述子が収められます。これによって、サーバサイドとクライアントサイドのコンポーネントを 1 つのユニットとして配布できます。EAR 内で、クライアント モジュールを J2EE 標準 application-client.xml デプロイメント記述子および WebLogic Server weblogic-appclient.xml 記述子を使用して定義します。

 


デプロイメント ツールの概要

Weblogic Server では、アプリケーションのコンフィグレーションとデプロイに役立つ次のツールが用意されています。

weblogic.Deployer

weblogic.Deployer では、コマンドライン ベースのインタフェースを使用して、デプロイメントの基本的なタスクおよび高度なタスクの両方を実行できます。weblogic.Deployer は、WebLogic Server のデプロイメント機能にコマンドラインからアクセスする必要がある場合、またはサポートされていないデプロイメント タスクを Administration Console を使用して実行する必要がある場合に使用します。

Administration Console

Administration Console では、一連の Web ベースのデプロイメント アシスタントを使用して、デプロイ手順を実行できます。Administration Console では、デプロイメント ステータスを変更およびモニタしたり、デプロイメント ユニットが起動され実行されている間に、選択したデプロイメント記述子の値を変更したりできます。

Administration Console は、基本的なデプロイメントの機能をインタラクティブに実行する必要があり、サポートされているブラウザにアクセスできる場合に使用します。

WLST

WebLogic Scripting Tool (WLST) は、アプリケーション デプロイメント コンフィグレーション、デプロイメント操作などドメイン コンフィグレーション タスクの自動化に使用できる、新しいコマンドライン インタフェースです。詳細については、『WebLogic Scripting Tool ガイド』を参照してください。

開発者用のデプロイメント ツール

WebLogic Server にはアプリケーションとスタンドアロン モジュールのデプロイに使用するいくつかのツールがあります。

 

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