WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理

概要とロードマップ

この章では、『WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の内容と構成について説明します。

マニュアルの内容と対象読者

このマニュアルは、Java Database Connectivity (JDBC) API を使用するアプリケーションの開発とサポートを行うソフトウェア開発者およびシステム管理者向けに書かれています。また、WebLogic Server を評価するビジネスアナリストやシステム設計者にとって有用な情報も掲載しています。このマニュアルのトピックは、ソフトウェアプロジェクトの評価、設計、開発、プロダクション前、およびプロダクション段階に関連しています。

このマニュアルは、特定の JDBC プログラミングトピックを対象としたものではありません。これらのトピックに関する WebLogic Server のドキュメントとリソースへのリンクについては、「関連マニュアル」を参照してください。

このマニュアルは、J2EE および JDBC の概念に精通している読者を対象としています。また、WebLogic Server JDBC で提供される付加価値の高い機能を重点的に扱います。

このマニュアルの手引き

この「概要とロードマップ」は、このガイドの構成を紹介し、本リリースでの新機能を示します。
「WebLogic JDBC リソースのコンフィグレーション」。WebLogic JDBC のコンフィグレーションについて説明します。
「JDBC データソースのコンフィグレーション」。WebLogic JDBC データソースのコンフィグレーションについて説明します。
「JDBC マルチデータソースのコンフィグレーション」。WebLogic JDBC マルチデータソースのコンフィグレーションについて説明します。
「WebLogic Server でのサードパーティ JDBC ドライバの使い方」。WebLogic JDBC のコンフィグレーションで、他のソースからの JDBC ドライバを使用する方法について説明します。
「WebLogic JDBC リソースのモニタ」。JDBC リソースをモニタし、データベース接続の使用状況に関するプロファイル情報を収集し、JDBC のデバッグを有効化する方法について説明します。
「WebLogic JDBC リソースの管理」。データソースを管理する方法について説明します。
「JDBC アプリケーションモジュールのデプロイメントのコンフィグレーション」。エンタープライズアプリケーションで WebLogic JDBC モジュールをパッケージ化する方法について説明します。
「WebLogic Server での Oracle RAC の使い方」。Oracle Real Application Clusters と共に使用するよう WebLogic Server をコンフィグレーションする方法について説明します。

JDBC サンプルとチュートリアル

このマニュアルの他にも、さまざまな JDBC コードサンプルとチュートリアルが用意されています。これらのサンプルとチュートリアルでは、JDBC のコンフィグレーションと API の使い方、および主要な JDBC 開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。

Avitek Medical Records アプリケーション (MedRec) とチュートリアル

MedRec は WebLogic Server に付属したエンドツーエンドのサンプル J2EE アプリケーションであり、一元的で独立した医療記録管理システムをシミュレートします。MedRec アプリケーションでは、患者、医師、および管理者に対して、さまざまなクライアントを使用して患者のデータを管理するフレームワークが提供されます。

MedRec では WebLogic Server と J2EE の機能が例示され、BEA 推奨のベストプラクティスが重点的に示されます。MedRec は WebLogic Server 配布キットに含まれており、Windows マシンの [スタート] メニューからアクセスできます。Linux などのプラットフォームでは、WL_HOME\samples\domains\medrec ディレクトリから MedRec を起動します。WL_HOME は、WebLogic Platform の最上位インストールディレクトリです。

WebLogic Server 配布キットの JDBC サンプル

WebLogic Server 9.1 では、任意で API コードサンプルを WL_HOME\samples\server\examples\src\examples にインストールできます。WL_HOME は、WebLogic Server の最上位インストールディレクトリです。WebLogic Server 9.1 の起動メニューから examplesServer を起動すると、サンプルおよびその実行手順に関する情報を確認できます。

ダウンロード可能な他の JDBC サンプル

他の API サンプルを http://codesamples.projects.dev2dev.bea.com からダウンロードできます。これらのサンプルは .zip ファイルとして配布されており、既存の WebLogic Server サンプルディレクトリ構造に解凍することができます。

ダウンロードしたサンプルは、インストール済みの WebLogic Server サンプルと同じ方法でビルドして実行します。詳細については、各サンプルのダウンロードページを参照してください (https://codesample.projects.dev2dev.bea.com)。

このリリースでの JDBC の新機能と変更点

以下の節では、WebLogic Server 9.1 の JDBC に関する新機能と変更点について説明します。

リリース 9.1 で追加された新しい WebLogic JDBC 機能の一覧については、『リリースノート』の「WebLogic Server 9.1 の新機能」を参照してください。

注意 : WebLogic Server バージョン 9.0 で新しく追加された機能の詳細については、『リリースノート』の「WebLogic Server 9.0 の新機能」を参照してください。

WebLogic Type 4 JDBC ドライバ

WebLogic Server 9.1 では、WebLogic Type 4 JDBC ドライバが更新されました。更新後のドライバには以下の機能拡張と新機能が備わっています。詳細については、『WebLogic Type 4 JDBC ドライバガイド』を参照してください。

すべてのドライバ

すべてのドライバが、J2SE 5.0 で認定済み。
ResultSet メタデータのサポートを強化。
単一サーバによる環境でも、複数サーバ (主要サーバと代替サーバ) による環境でも有効になるよう、接続の再試行機能を強化。
新しい JavaDoubleToString 接続オプションにより、double または float 値を文字列値に変換する際に、最適な変換アルゴリズムを選択可能。
新しい ResultSetMetaDataOptions 接続オプションにより、ドライバは Select 文の ResultSet メタデータでテーブル名情報を返すことが可能。

DB2

以下を含む、Linux/UNIX/Windows 用の新しい DB2 v8.2 機能をサポート。

SQL 文の最大長を 2MB に増大
Unicode 以外のデフォルト文字セットによるデータベース内に、Unicode 文字セットによるテーブルを作成可能
SavePoint のネスト

以下を含む、z/OS 用の新しい DB2 v8.1 機能をサポート。

キャンセルおよびクエリのタイムアウトのサポート
識別子の長さの拡張

新たに UTF-8 および UTF-16 エンコーディングをサポートするなど、新しい iSeries 用 DB2 v5R3 機能のサポート。
サポートされているすべての DB2 プラットフォームおよびバージョンについて、本リリースよりドライバでパラメータメタデータをサポート。
キャンセル要求をタイムアウトする機能を提供する、新しい EnableCancelTimeout 接続オプション。
パフォーマンスの向上。

Informix

パラメータメタデータのサポート。
新しい DBDate 接続オプションで、Informix DBDate サーバ環境変数を設定。

Oracle

新しい Windows 固有の Type 2 OS 認証メソッドにより、NTLM 認証をサポート。
パラメータメタデータのサポート。
新しい EnableCancelTimeout 接続オプションにより、キャンセル要求をタイムアウトする機能を提供。
新しい SendFloatParametersAsString 接続オプションにより、ドライバで float および double パラメータを文字列または浮動小数点数としてサーバに送信可能。
新しい WireProtocolMode 接続オプションにより、ドライバで Oracle サーバへのネットワークトラフィックを結果セットに対して最適化可能。
文字セットのサポートの向上。
LOB のパフォーマンスの向上。

SQL Server

新しい Type 2 OS 認証メソッドにより、Kerberos 認証および NTLM 認証の双方をサポート。
新しい PacketSize 接続オプションにより、ドライバがデータベースサーバとの通信に使用するパケットのサイズをきめ細かくチューニング可能。
キャンセル要求をタイムアウトする機能を提供する、新しい EnableCancelTimeout 接続オプション。
パラメータメタデータのサポート。
パフォーマンスの向上。

Sybase

Sybase 12.5.3 のサポート。
キャンセル要求をタイムアウトする機能を提供する、新しい EnableCancelTimeout 接続オプション。
新しい UseAlternateProductInfo 接続オプションにより、DatabaseMetaData.getDatabaseProductName() および DatabaseMetaData.getDatabaseProductVersion() メソッドについて、より正確な情報を返すために、ドライバで追加処理を実行するかどうかを指定可能。
新しい ErrorBehavior 接続オプションにより、ストアドプロシージャから返されるエラーの処理方法をきめ細かくチューニング可能。

ID ベースの接続プール

この機能により、データソースの ID ベースの接続プールが実現します。アプリケーションがデータベース接続を要求すると、WebLogic Server インスタンスは WebLogic ユーザ ID およびデータベース ID のマップに基づき、要求された DBMS の ID を備える物理的接続を選択または作成します。

詳細については、「ID ベースの接続プール」を参照してください。

JDBC データソースのコンフィグレーションの改良点

Administration Console は、JDBC データソースのコンフィグレーションを簡略化するために改良されています。

新しいトランザクション、診断、およびセキュリティタブ。
属性の再編成による、より有用なグループ化。

Sybase JConnect 6.0 のサポート

この機能は、Sybase JConnect 6.0 (JDBC 2.0) ドライバのサポートを提供します。このサードパーティの JDBC ドライバは、WebLogic Server と共にインストールされます。『WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server でのサードパーティ JDBC ドライバの使い方」を参照してください。

dbping コマンドラインユーティリティに対する MySQL のサポート

この機能を使用すると、MySQL DBMS とクライアントマシンの間の JDBC ドライバを介する接続を、テストすることが可能です。構文は、次の通りです。

java utils.dbping MYSQL user password DB

DB は、Host:Port/DBName です。

HOST のデフォルトは 127.0.0.1。
PORT のデフォルトは 3306。
DBNAME のデフォルトでは、データベースマネージャへは接続するが、特定のデータベースへは接続しない。