WebLogic Server コマンド リファレンス

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WebLogic SNMP エージェント コマンドライン リファレンス

WebLogic Server では Simple Network Management Protocol (SNMP) を使用して、企業全体の管理システムとの通信を実現できます。WebLogic 管理データ (管理対象オブジェクト) を収集し、このデータを SNMP 通信モジュール (トラップ通知) に変換し、このトラップ通知をサード パーティの SNMP 管理システムに転送する WebLogic Server サブシステムを、WebLogic SNMP エージェントと呼びます。WebLogic SNMP エージェントは管理サーバ上で動作し、ドメイン内のすべての管理対象サーバから管理対象オブジェクトを収集します。

WebLogic SNMP エージェントには、次のことを実行できるコマンドライン インタフェースが用意されています。

以下の節では、コマンドライン インタフェースから WebLogic SNMP エージェントを操作する方法について説明します。

WebLogic Server で SNMP を使用する方法については、以下のマニュアルを参照してください。

 


SNMP コマンドライン インタフェースの環境要件

WebLogic SNMP エージェントのコマンドライン インタフェース用に環境を設定するには、次の手順に従います。

  1. インストール ガイド』の説明に従って、WebLogic Server ソフトウェアをインストールおよびコンフィグレーションします。
  2. WebLogic Server 管理対象オブジェクトを検索する場合、Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP を使用した WebLogic Server のモニタ」の説明に従って WebLogic SNMP エージェントを有効にします。
  3. コマンド プロンプト (シェル) を開いて、次のスクリプトを呼び出します。
  4. WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (Windows では setWLSEnv.cmd)

    WL_HOME は、WebLogic Server のインストール先ディレクトリです。

    スクリプトでは、サポートされる JDK をシェルの PATH 環境変数に追加し、WebLogic Server クラスを CLASSPATH 変数に追加します。

 


SNMP コマンドライン インタフェースの構文と共通の引数

すべての WebLogic SNMP エージェント コマンドは次の形式を取ります。

java command-name arguments

表 5-1 では、ほとんどの WebLogic SNMP エージェント コマンドに共通する引数について説明します。

表 5-1 共通のコマンドライン引数
引数
定義
-d
コマンド出力にデバッグ情報とパケット ダンプを含める。
-v {v1 | v2}
SNMP エージェントとの通信に SNMPv1 と SNMPv2 のどちらを使用するのかを指定する。
SNMP エージェントをコンフィグレーションするときに [トラップ バージョン] フィールドで設定したものと同じ SNMP バージョンを指定しなければならない (Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP エージェントのコンフィグレーション」を参照)。
値を指定しない場合、コマンドは -v v1 であると仮定する。
-c snmpCommunity
[@server_name | @domain_name
WebLogic SNMP エージェント用に設定するコミュニティ名、および必要であれば対話するオブジェクトをホストするサーバ インスタンスを指定する。
管理サーバ上の管理対象オブジェクトを要求するには、次のように指定する。
snmpCommunity
snmpCommunity は、SNMP エージェントをコンフィグレーションするときに [コミュニティ プレフィックス] フィールドで設定した SNMP コミュニティ名 (Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP エージェントのコンフィグレーション」を参照)。
1 つの管理サーバ上の管理対象オブジェクトを要求するには、次のように指定する。
snmpCommunity@server_name
server_name は、管理対象サーバの名前。
ドメイン内のすべてのサーバ インスタンスの管理対象オブジェクトを要求するには、次の形式でコミュニティ文字列を指定する。
snmpCommunity@domain_name
domain_name は、WebLogic Server ドメインの名前。
この引数の値を指定しない場合、値は
-c public (デフォルトのコミュニティ名を使用) と見なされ、指定された管理対象オブジェクトが管理サーバに存在すると見なされる。
-p snmpPort
WebLogic SNMP エージェントがリクエストをリスンするポート番号。
値を指定しない場合、コマンドは -p 161 であると仮定する。
-t timeout
コマンドが SNMP エージェントに正常に接続するのを待機するミリ秒数。
値を指定しない場合、コマンドは -t 5000 であると仮定する。
-r retries
SNMP エージェントへの接続の試行が失敗した場合に、コマンドが再試行する回数。
値を指定しない場合、コマンドは最初に試行が失敗した時点で終了する。
host
WebLogic SNMP エージェントが動作している WebLogic Server の管理サーバをホストするコンピュータの DNS 名または IP アドレス。

 


WebLogic Server 管理対象オブジェクトを取得するためのコマンド

表 5-2 に、WebLogic Server 管理対象オブジェクトとオブジェクト インスタンスを検索するコマンドの概要を示します。

表 5-2 WebLogic Server 管理対象オブジェクトからデータを取得するためのコマンドの概要
コマンド
説明
snmpwalk
MIB 内の指定されたノード以下にあるすべての管理対象オブジェクトとインスタンスを返す。
snmpwalk」を参照。
snmpgetnext
指定する OID の直後にある管理対象オブジェクトまたはインスタンスを返す。
snmpgetnext」を参照。
snmpget
1 つまたは複数の OID に対応する管理対象オブジェクトを返す。
snmpget」を参照。

 


snmpwalk

MIB 内の指定されたノード以下にあるすべての管理対象オブジェクトまたはインスタンスを返します。

テーブル形式のオブジェクト OID を指定すると、コマンドはそのすべてのオブジェクト インスタンスと、関連するすべての子オブジェクトおよびインスタンスを返します。

構文

java snmpwalk [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
             [-t timeout] [-r retries] host OID

表 5-3 snmpwalk の引数
引数
定義
OID
子オブジェクトおよびインスタンスのセットを取得するノードのオブジェクト ID。
値は「.」で始める。そうしない場合、参照は WebLogic Server MIB ではなく標準 MIB (.1.3.6.1.2.1) に対して相対的であると見なされる。

以下の例では、管理サーバにデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeName です。これは applicationRuntimeTable オブジェクトの子です (『WebLogic Server SNMP MIB リファレンス』を参照)。

java snmpwalk localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15

サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下の抜粋のような出力を返します。出力には、applicationRuntimeName オブジェクトのインスタンスごとに完全な OID が含まれています。

Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.56.48.97.53.50.52.99.101.53.54.57.54
.52.52.99.54.48.55.54.100.102.49.54.97.98.52.48.53.98.100.100.49
STRING: MedRecServer_wl_management_internal2
...

以下の例では、medrec ドメインのすべてのサーバにデプロイされている、すべてのアプリケーションの名前を取得します。

java snmpwalk -c public@medrec localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15

以下の例では、管理対象サーバ MS1 にデプロイされているすべてのアプリケーションの名前を取得します。

java snmpwalk -c public@MS1 localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15

 


snmpgetnext

指定する 1 つまたは複数の OID の直後にある管理対象オブジェクトまたはオブジェクト インスタンスの説明を返します。テーブル形式のオブジェクトを指定した場合、最初の子管理対象オブジェクトが返されます。スカラー オブジェクトを指定した場合、オブジェクトの最初のインスタンスが返されます。

snmpwalk コマンドが提供する再帰的なリストとは異なり、このコマンドでは、OID の順序が次となる管理対象オブジェクトまたはインスタンス 1 つのみに関する説明を返します。一連の snmpgetnext コマンドを並べて指定すると、snmpwalk コマンドと同じ結果が得られます。

構文

java snmpgetnext [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
             [-t timeout] [-r retries] host OID [OID]...

表 5-4 snmpgetnext の引数
引数
定義
OID [OID]...
1 つまたは複数のオブジェクト ID。複数の OID を区切るには、スペースを使用する。オブジェクトまたはインスタンスの OID を指定できる。
値は「.」で始める。そうしない場合、参照は WebLogic Server MIB ではなく標準 MIB (.1.3.6.1.2.1) に対して相対的であると見なされる。

以下の例では、管理サーバにデプロイされているアプリケーションの名前を取得します。アプリケーション名の管理対象オブジェクトは、applicationRuntimeName です。これは applicationRuntimeTable オブジェクトのスカラー オブジェクトおよび子です (『WebLogic Server SNMP MIB リファレンス』を参照)。

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15

サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer

管理サーバにデプロイされている他のアプリケーションがあるかどうかを調べるには、snmpgetnext コマンドの出力を追加の snmpgetnext コマンドの入力として使用できます。

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.102.
48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97

コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.54.98.49.101.57.56.54.98.98.50.57.10
0.54.55.48.100.56.98.101.101.97.55.48.53.57.99.49.51.56.98.97.99
STRING: MedRecServer_StartupEAR

以下の例では、2 つの OID を指定して、管理サーバにデプロイされているアプリケーションの名前、および JDBC 接続プールの名前を取得します。コマンド例の OID は、アプリケーション名の applicationRuntimeName オブジェクトと JDBC 接続プール名の jdbcConnectionPoolRuntimeName です。

java snmpgetnext localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15 .1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15

サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.105.1.15.32.49.102.98.97.100.97.102.99.57.48.50.
102.48.98.53.54.100.100.49.54.50.54.99.54.99.49.97.97.98.53.100.97
STRING: MedRecServer_uddiexplorer
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.190.1.15.32.53.53.49.48.50.55.52.57.57.49.99.102
.55.48.98.53.50.54.100.48.100.53.53.52.56.49.57.49.49.99.99.99
STRING: MedRecPool-PointBase

 


snmpget

1 つまたは複数のオブジェクト インスタンスの値を取得します。このコマンドでは、管理対象オブジェクトの OID は使用できません。

構文

java snmpget [-d] [-v (v1,v2)] [-c snmpCommunity] [-p snmpPort] 
             [-t timeout] [-r retries] host object-instance-OID
             [object-instance-OID]...

表 5-5 snmpget の引数
引数
定義
object-instance-OID [object-instance-OID]...
オブジェクト インスタンスのオブジェクト ID。このコマンドでは、管理対象オブジェクトの OID は使用できない。
値は「.」で始める。そうしない場合、参照は WebLogic Server MIB ではなく標準 MIB に対して相対的であると見なされる。

以下の例では、管理サーバの serverRuntimeState および serverRuntimeListenPort 管理対象オブジェクト インスタンスを取得します。これらのオブジェクトは、どちらも serverRuntimeTable オブジェクトの子です (『WebLogic Server SNMP MIB リファレンス』を参照)。

java snmpget localhost .1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.98.
97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99

サンプルの MedRecServer を実行するコンピュータからこのコマンドを呼び出す場合、コマンドは以下のような出力を返します。

Response PDU received from /127.0.0.1, community: public
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.60.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
STRING: RUNNING
Object ID:
.1.3.6.1.4.1.140.625.360.1.35.32.102.100.48.98.101.102.100.99.102.52.
98.97.48.48.49.102.57.53.51.50.100.102.53.55.97.101.52.56.99.99.97.99
INTEGER: 7001

 


トラップをテストするためのコマンド

表 5-6 は、テスト目的でトラップを生成および受信するコマンドの概要です。

表 5-6 WebLogic Server に関する情報を取得するためのコマンドの概要
コマンド
説明
snmptrapd
トラップを受信してトラップについての情報を出力するデーモンを起動する。
snmptrapd」を参照。
snmpv1trap
SNMPv1 トラップを作成して、指定したホスト上で動作し、指定したポート番号でリスンする SNMP マネージャまたはトラップ デーモンに、そのトラップを配信する。
snmpv1trap」を参照。

 


snmptrapd

トラップを受信してトラップについての情報を出力するデーモンを起動します。

構文

java snmptrapd [-d] [-c snmpCommunity] [-p TrapDestinationPort]

表 5-7 snmptrapd の引数
引数
定義
-c snmpCommunity
SNMP エージェント (または snmpv1trap コマンド) がトラップを生成するために使用したコミュニティ名。
値を指定しない場合、コマンドは -c public であると仮定する。
-p TrapDestinationPort
トラップ デーモンがトラップを受信するポート番号。
値を指定しない場合、コマンドは -p 162 であると仮定する。

以下のコマンドでは、トラップ デーモンを起動して、リクエストをポート 165 でリスンするように指示します。デーモンは、プロセスを強制終了するかシェルを終了するまで、そのシェルで実行されます。

java snmptrapd -p 165

コマンドが成功すると、トラップ デーモンはカーソルのある空白行を返します。トラップ デーモンは、トラップを出力する位置で、トラップを受信するまでこの状態で待機します。

 


snmpv1trap

SNMPv1 トラップを作成して、指定したホスト上で動作し、指定したポート番号でリスンする SNMP マネージャまたはトラップ デーモンに、そのトラップを配信します。

このコマンドの呼び出しの一部として、送信するトラップ パケット内のフィールドに対する値を指定できます。指定する値は、WebLogic Server MIB で定義されているトラップに解決されなければなりません。WebLogic Server トラップとトラップ パケットに必要なフィールドの詳細については、『WebLogic SNMP 管理ガイド』の「WebLogic トラップ通知のフォーマット」を参照してください。

構文

java snmpv1trap [-d] [-c snmpCommunity] [-p TrapDestinationPort]
          TrapDestinationHost .1.3.6.1.4.140.625
          agent-addr generic-trap specific-trap timestamp
          [OID {INTEGER | STRING | GAUGE | TIMETICKS | OPAQUE |
          IPADDRESS | COUNTER} value] ...

表 5-8 snmpv1trap の引数
引数
定義
-c snmpCommunity
トラップのコミュニティ名。SNMP マネージャ (またはトラップ デーモン) は、このコミュニティ名を使用するようにコンフィグレーションされている場合にのみトラップにアクセスできる。
値を指定しない場合、コマンドは -c public であると仮定する。
-p TrapDestinationPort
SNMP マネージャまたはトラップ デーモンがリスンするポート番号。
値を指定しない場合、コマンドは -p 162 であると仮定する。
TrapDestinationHost
SNMP マネージャまたはトラップ デーモンをホストするコンピュータの DNS 名または IP アドレス。
.1.3.6.1.4.140.625
トラップの enterprise フィールドの値。このフィールドには、すべての WebLogic Server トラップの OID の最初の部分が含まれる。
agent-addr
トラップの agent address フィールドの値。
このフィールドは、トラップが生成されたコンピュータを示す。
snmpv1trap コマンドを使用してトラップを生成する場合、有効な DNS 名または IP アドレスを指定できる。
generic-trap
トラップの generic trap type フィールドの値。
有効な値のリストについては、『WebLogic SNMP 管理ガイド』の「WebLogic トラップ通知のフォーマット」を参照。
specific-trap
トラップの specific trap type フィールドの値。
有効な値のリストについては、『WebLogic SNMP 管理ガイド』の「WebLogic トラップ通知のフォーマット」を参照。
timestamp
トラップの timestamp フィールドの値。
このフィールドは、SNMP エージェントが最後に再初期化した時からトラップが発行された時までの時間を示す。
snmpv1trap コマンドを使用してトラップを生成する場合、任意の秒数を指定できる。
OID {INTEGER | STRING | GAUGE | TIMETICKS | OPAQUE | IPADDRESS | COUNTER} value
(省略可能) トラップの variable bindings フィールドの値。このフィールドは、トラップ通知をより詳細に記述するための名前と値の組み合わせで構成される。
名前と値の組み合わせごとに、OID、値のタイプ、値を指定する。
たとえば、ログ メッセージ トラップには、トラップが生成される時刻を示すために trapTime バインドが含まれる。生成するテスト トラップにこの変数バインドを含めるには、trapTime 変数バインドの OID、STRING キーワード、および時刻を表す文字列を指定する。
.1.3.6.1.4.1.140.625.100.5 STRING "2:00 pm"

以下の例では、trapTime および trapServerName 変数バインドを含むログ メッセージ トラップを生成します。ポート 165 からトラップをブロードキャストします。例では以下の値が使用されます。

ポート番号 165 でリスンする SNMP マネージャ (またはトラップ デーモン) がトラップを受信します。トラップ デーモンが 165 でリスンしている場合は、次のように返します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS:
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.5
STRING: 2:00 pm
Object ID: .1.3.6.1.4.1.140.625.100.10
STRING: localhost

例 : snmpv1trap によるトラップ デーモンへのトラップの送信

snmpv1trap コマンドを使用して WebLogic Server トラップを生成し、トラップ デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。

  1. コマンド プロンプト (シェル) を開いて、次のスクリプトを呼び出します。
  2. WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (Windows では setWLSEnv.cmd)
    WL_HOME は WebLogic Server のインストール ディレクトリです。

  3. トラップ デーモンを起動するには、次のコマンドを入力します。
  4. java snmptrapd

  5. 別のシェルを開いて、次のスクリプトを呼び出します。
  6. WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (Windows では setWLSEnv.cmd)

  7. トラップを生成するには、次のコマンドを入力します。
  8. java snmpv1trap localhost .1.3.6.1.4.140.625 localhost 6 60 1000

snmpv1trap コマンドは serverStart トラップを生成して、ポート 162 からブロードキャストします。

トラップ デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 60
Time: 1000
VARBINDS:

例 : WebLogic SNMP エージェントによるトラップ デーモンへのトラップの送信

WebLogic SNMP エージェントを使用して WebLogic Server トラップを生成し、トラップ デーモンを介してそれらを受信するには、次の手順に従います。

  1. ドメインの管理サーバを起動し、SNMP エージェントを有効にします。
  2. Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP エージェントのコンフィグレーション」を参照してください。

  3. トラップ デーモンを表すトラップ送り先を作成します。トラップ送り先がポート 165 を使用するようにコンフィグレーションします。Administration Console のその他のデフォルト値はそのままにしておきます。
  4. Administration Console オンライン ヘルプの「トラップ送り先の作成」を参照してください。

  5. コマンド プロンプト (シェル) を開いて、次のスクリプトを呼び出します。
  6. WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.sh (Windows では setWLSEnv.cmd)
    WL_HOME は WebLogic Server のインストール ディレクトリです。

  7. トラップ デーモンを起動するには、次のコマンドを入力します。
  8. java snmptrapd -p 165

  9. 管理サーバを再起動します。

管理サーバが起動すると、SNMP エージェントは serverStart トラップを生成して、ポート 165 からそれをブロードキャストします。

トラップ デーモンが動作するシェルでは、デーモンが次のように出力します。

Trap received from: /127.0.0.1, community: public
Enterprise: .1.3.6.1.4.140.625
Agent: /127.0.0.1
TRAP_TYPE: 6
SPECIFIC NUMBER: 65
Time: 1000
VARBINDS:


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