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WebLogic SNMP エージェントをコンフィグレーションして、管理対象リソース内で特定のしきい値または条件を検出し、1 つまたは複数の SNMP マネージャにレポート (トラップ通知) を送信するようにできます。WebLogic SNMP エージェントでは、SNMPv1 および SNMPv2 プロトコルに準拠するトラップを生成できます。
以下の節では、WebLogic SNMP エージェントが生成できるトラップ通知について説明します。
WebLogic Server トラップ通知をコンフィグレーションまたは削除するには、Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP を使用した WebLogic Server のモニタ」を参照してください。
WebLogic SNMP エージェントは、各トラップ通知を、図 3-1 に示すフィールドを備えたプロトコル データ ユニット (protocol data unit: PDU) の形式で SNMP マネージャに送信します。
PDU type
- パケットをトラップ通知として識別します。 enterprise
- .1.3.6.1.4.140.625
となっており、トラップが WebLogic SNMP エージェントによって生成されることを示します。agent address
- 管理サーバの IP アドレスです。イベントが管理対象サーバで発生した場合でも、すべてのトラップは管理サーバで生成されて送信されます。 generic trap type
- 0 から 6 までの整数です。表 3-1 に、各種の WebLogic SNMP トラップが generic trap type
フィールドに指定する値を示します。
generic trap
値が 6 のトラップは enterpriseSpecific トラップと呼ばれ、この後に specific trap type
フィールドの値が続きます。
specific trap type
- enterpriseSpecific
トラップをさらに限定する番号です。表 3-2 に、各種の WebLogic SNMP トラップが specific trap type
フィールドに指定する値を示します。timestamp
- WebLogic SNMP エージェントが最後に再初期化した時点から、トラップが発行された時点までの時間です。 variable bindings
- トラップ通知をより詳細に記述するための名前と値のペアです。トラップ通知の各タイプの名前と値のペアについては、以降の節で説明します。
ドメインの SNMP サービスを有効にすると、WebLogic SNMP エージェントは、表 3-3 に示すトラップ通知を自動的に生成します。これらのトラップ通知には、イベントをより詳細に記述するための名前と値のペアが PDU に含まれているものもあります。
WebLogic Server インスタンス上のサブシステムおよびデプロイ可能なモジュール (アプリケーションなど) は、ログ メッセージを生成してステータスや他の操作データを通知します。
各サーバ インスタンスは、これらのメッセージをローカル ログ ファイルに格納してから、JMX 通知としてブロードキャストします。メッセージをすべてリスンするように WebLogic SNMP エージェントを設定したり、以下のような条件に基づいてフィルタを設定したりできます。
たとえば、セキュリティ サービスのメッセージのうち、重大度レベルが ERROR
以上のものだけが SNMP エージェントに送信されるように指定できます。SNMP エージェントを設定してメッセージをリスンする方法については、Administration Console オンライン ヘルプの「SNMP ログ フィルタの作成」を参照してください。
メッセージを受信したエージェントは、SNMP ログ通知トラップを生成します。図 3-2 を参照してください。
この節では、ログ メッセージ トラップによって SNMP マネージャに渡される、variable bindings フィールドの名前と値のペアについて説明します。
trapTime
- トラップが生成された時刻。trapServerName
- ログ メッセージを生成したサーバ インスタンスの名前。trapMachineName
- サーバ インスタンスが稼動するマシンの名前。trapLogThreadId
- ログ メッセージのスレッド ID。trapLogTransactionId
- ログ メッセージのトランザクション ID (存在する場合)。トランザクション ID は、トランザクションのコンテキスト内で記録されたメッセージだけに生成されます。trapLogUserId
- ログ メッセージのユーザ ID。ユーザ ID は、ログ メッセージが生成されたセキュリティ上のコンテキストを示します。trapLogSubsystem
- ログ メッセージを生成したサブシステム。trapLogMsgId
- ログ メッセージのログ メッセージ ID。trapLogSeverity
- ログ メッセージのメッセージ重大度。trapLogMessage
- ログ メッセージのテキスト。
ログ メッセージと WebLogic Server ロギング サブシステムの詳細については、『ログ ファイルのコンフィグレーションとログ メッセージのフィルタ処理』の「WebLogic ロギング サービスについて」を参照してください。
WebLogic リソースの値が変更されたかどうかを定期的にチェックするには、JMX モニタを設定し、これらのモニタからの通知を SNMP エージェントがリスンするようにコンフィグレーションします。
JMX は、管理データをエクスポーズするための J2EE 仕様であり、WebLogic Server 管理システムの基礎です。JMX 仕様では、管理データおよび管理処理は、管理対象 Bean (MBean) を通じて公開されます。WebLogic Server MIB の管理対象オブジェクトは、MBean と MBean 属性に対応します。「MIB と WebLogic Server MBean データ モデルの関係」を参照してください。
JMX モニタは、MIB で表現された WebLogic Server MBean を指定された間隔でポーリングし、指定のイベント (しきい値への到達など) が発生した場合は WebLogic SNMP エージェントに通知を送ります。SNMP エージェントはトラップ通知を生成して、SNMP マネージャに送信します。図 3-3 を参照してください。
監視する属性のデータ型に応じて、以下の 3 種類の JMX モニタをコンフィグレーションできます (属性が返すデータ型については『WebLogic Server MBean リファレンス』を参照)。
JMX モニタは、指定したしきい値または条件に対してポーリングを行います。値が指定のしきい値に到達したか、または指定の条件が発生した場合に、エージェントはモニタ トラップを生成します。WebLogic SNMP エージェントには、各モニタ トラップの変数バインドに、次のような名前と値のペアがあります。
trapTime
- トラップが生成された時刻。trapServerName
- トラップを生成した属性値を持つローカル サーバ。trapMonitorType
- CounterMonitor
、StringMonitor
、または GaugeMonitor
のいずれか。trapMonitorThreshold
- トラップをトリガしたしきい値の ASCII 表記。trapMonitorValue
- トラップをトリガした値の ASCII 表記。trapMBeanName
- モニタされる属性を含む MBean の名前。trapMBeanType
- モニタされる属性を含む MBean のタイプ。trapAttributeName
- トラップをトリガした値を持つ属性の名前。
JMX モニタを使用して WebLogic Server リソースを定期的にポーリングし、特定のしきい値の範囲を超える変化が属性にないか調べることができますが、属性に何らかの変更があったらすぐにトラップを送信するように SNMP エージェントをコンフィグレーションすることもできます。たとえば、JMX モニタを使用して、現在アクティブな JDBC 接続の数に変化がないかどうかをポーリングします。アクティブな接続数がしきい値を超えた場合、SNMP エージェントはトラップを送信できます。属性変更トラップを使用して、JDBC データ ソース名やサーバのリスン ポートなどの属性が変更されたかどうかを検出できます。
属性変更トラップを送信するように SNMP エージェントをコンフィグレーションする方法については、Administration Console オンライン ヘルプの「属性変更の作成」を参照してください。
注意 : | 実行時 MBean の属性変更の作成はサポートされていません。サポートされているのは、コンフィグレーション MBean 属性の属性変更トラップのみです。 |
属性変更トラップの変数バインドには、次のような名前と値のペアが含まれます。
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