Avitek Medical Record 開発チュートリアル

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チュートリアル 19 : デプロイメント プランの作成と MedRec パッケージの再デプロイ

このチュートリアルでは、Administration Console を使用してデプロイメント プランを作成し、medrecEar アプリケーションのデプロイメント プロパティに対する変更を格納します。

WebLogic Server デプロイメント プランとは、アプリケーション アーカイブの外部に存在する任意の XML ドキュメントで、特定の WebLogic Server 環境へのデプロイメントのためにアプリケーションをコンフィグレーションするものです。デプロイメント プランでは、アプリケーションの WebLogic Server デプロイメント記述子で通常定義するようなデプロイメント プロパティ値を設定したり、WebLogic Server デプロイメント記述子ですでに定義されているプロパティ値をオーバーライドしたりします。

デプロイメント プランは、特定の環境の管理者またはデプロイヤによって作成および所有され、アプリケーション アーカイブまたは展開されたアーカイブ ディレクトリの外部に格納されます。ベスト プラクティスとしては、単一のアプリケーションの各デプロイメント プランを、そのアプリケーションのルート ディレクトリの plan サブディレクトリに格納することをお勧めします。

デプロイメント プランを使用すると、管理者はアプリケーション アーカイブに含まれているデプロイメント記述子ファイルを変更することなく、アプリケーションを複数のさまざまな WebLogic Server 環境にデプロイするための WebLogic Server コンフィグレーションを簡単に変更できます。たとえば、デプロイメント プランにより、アプリケーションをさまざまなコンフィグレーションを備える複数のドメイン、または同じドメイン内の複数の対象サーバおよびクラスタにデプロイできます。アプリケーションを新しい環境にデプロイするには、管理者は単に必要に応じて、新しいデプロイメント プランを作成または使用します。

このチュートリアルでは、プロダクション環境で、MedRec アプリケーションを MedRecServer に再デプロイする方法も示します。MedRec アプリケーションは dist ディレクトリにあり、推奨される展開形式で 4 つのディレクトリにパッケージ化されています。クラス ファイルや生成済みデプロイメント記述子ファイルを更新した場合は、アプリケーションを再デプロイしてください。

チュートリアルの内容は以下のとおりです。

 


前提条件

このチュートリアルを始める前に、以下のことを行ってください。

 


手順

デプロイメント プランを作成および更新してアプリケーションに再デプロイするには、次の手順に従います。

手順 1 : デプロイメント プロパティを更新して、新しいコンフィグレーションをデプロイメント プランに保存する

Administration Console を使用して、展開されたアーカイブ ファイルとしてデプロイされたアプリケーションのデプロイメント プロパティを変更します。デプロイメント プロパティの新しい値を保存するときに、Administration Console はアプリケーションに関連付けられたデプロイメント プランを自動的に更新するか、デプロイメント プランが存在しない場合は新しいデプロイメント プランを作成します。

この手順では、medrecEarpatient Web アプリケーションがタイムアウトになるまでにアイドル状態を維持する秒数を変更します。

  1. ブラウザで以下を指定して Administration Console を開きます。
  2. http://host:7101/console

    host は MedRecServer が実行されているコンピュータを指します。ブラウザが MedRecServer と同じコンピュータにある場合は、http://localhost:7101/console という URL を使用できます。

  3. ユーザ名とパスワードの両方に weblogic を指定して、[ログイン] をクリックします。
  4. Administration Console の左上の [チェンジ センタ] ウィンドウにある [ロックして編集] をクリックします。
  5. 左の [ドメイン構造] ペインで、[MedRecDomainArrow symbolデプロイメント] をクリックします。
  6. 右ペインの [デプロイメント] テーブルで、[medrecEar] を展開します。
  7. [モジュール] セクションの下で、[patient] Web アプリケーション モジュールをクリックします。
  8. [コンフィグレーションArrow symbol全般] タブを選択します。
  9. [セッション タイムアウト (秒)] フィールドに、3600 と入力します。
  10. [保存] をクリックします。
  11. [デプロイメント プランの保存] ページで、デプロイメント プランを格納するディレクトリに移動して選択します。
  12. たとえば、デプロイメント プランをプロダクション用の medrecEar アプリケーションが格納されているのと同じルート ディレクトリに格納する場合は、c:\medrec_tutorial\dist ディレクトリに移動して medrecEar を選択します。

  13. [完了] をクリックします。
  14. Administration Console によって、指定したディレクトリに Plan.xml というファイルが作成されます。この XML ファイルには、medrecEar アプリケーションに関連付けられたデプロイメント プランが含まれています。

  15. [チェンジ センタ] で、[変更のアクティブ化] をクリックして medrecEar コンフィグレーションを更新します。
  16. 新しいデプロイメント プランを表示するには、次の手順に従います。
    1. 左の [ドメイン構造] ペインで、[MedRecDomainArrow symbolデプロイメント] をクリックします。
    2. 右ペインの [デプロイメント] テーブルで、[medrecEar] をクリックします。
    3. [デプロイメント プランArrow symbolチューニング パラメータ] を選択します。
    4. まだ展開されていない場合は、[モジュール] を展開します。
    5. [patient] をクリックします。
    6. [チューニング可能なデプロイメント プラン変数] テーブルには、更新したプロパティ timeoutSecs が表示されます。

手順 2 : アプリケーション全体を再デプロイする

この手順では、MedRecServer の実行中のインスタンスに MedRec がデプロイされていて、再デプロイするアプリケーションに変更を加えたことを前提としています。次の手順に従って、クラス ファイルまたは生成されたデプロイメント記述子ファイルが変更されているデプロイ済みアプリケーションを更新します。

  1. Administration Console で、左上の [チェンジ センタ] ウィンドウにある [ロックして編集] をクリックします。
  2. 左の [ドメイン構造] ペインで、[MedRecDomainArrow symbolデプロイメント] をクリックします。
  3. 右ペインの [デプロイメント] テーブルに、デプロイされているすべてのアプリケーション (「チュートリアル 15 : WLST と Administration Console を使用して MedRec パッケージをプロダクションにデプロイする」でデプロイした medrecEarphysicianEarinitEar、および startBrowserEar) が表示されます。

  4. [デプロイメント] テーブルで、名前の左にあるボックスをチェックして、medrecEar アプリケーションを選択します。
  5. [更新] をクリックします。
  6. [新しいデプロイメント ファイルの選択] で、何も変更しないで [次へ] をクリックします。
  7. [新しいデプロイメント ファイルの選択] ページでは、新しいバージョンのアプリケーションを再デプロイする場合に、まったく新しいソースまたはデプロイメント プラン ディレクトリを指定できます。ただし、このチュートリアルでは、現在のファイルを使用してアプリケーションを再デプロイします。

  8. 選択内容を確認して、[完了] をクリックします。
  9. 最後にデプロイされてからアプリケーションが変更されている場合は、[デプロイメント] テーブルで medrecEar の [状態] カラムが [アクティブ] から [redeploy initializing] に変わっている可能性があります。

  10. [チェンジ センタ] で [変更のアクティブ化] をクリックします。アプリケーションの状態は [アクティブ] に変わります。
  11. 必要に応じて、残りのアプリケーション physicianEarinitEar、および startBrowserEar のそれぞれに、手順 2 ~ 7 を繰り返します。

 


ベスト プラクティス

プロダクション環境のアプリケーションの再デプロイは、パフォーマンスに影響を及ぼす可能性のある重大な作業であるため、アプリケーションの更新は慎重に計画する必要があります。アプリケーションを再デプロイすると、その Web アプリケーションが割り当てられているすべてのサーバに、アプリケーション全体がネットワークを介して再送信されます。管理対象サーバにアプリケーションが再送信されるとき、ネットワーク トラフィックが増加してネットワーク パフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。現在プロダクション環境で使用中のアプリケーションを再デプロイすると、WebLogic Server ではすべてのアクティブな HTTP セッションが失われます。

Administration Console を使用してアプリケーションのデプロイメント プロパティを更新すると、コンソールは自動的にデプロイメント プランを作成してアプリケーションに関連付けます (または、既存のデプロイメント プランを更新します)。デプロイメント プランは、特定の WebLogic Server 環境のためのアプリケーションの WebLogic Server デプロイメント コンフィグレーションを定義する XML ドキュメントです。デプロイメント プランは、アプリケーションのアーカイブ ファイルの外部にあり、アプリケーションの既存の WebLogic Server デプロイメント記述子に格納されているデプロイメント プロパティに対して変更を適用することができます。デプロイメント プランを使用すると、既存のデプロイメント記述子を修正することなく、特定の環境についてのアプリケーションの WebLogic Server コンフィグレーションを簡単に変更できます。複数のデプロイメント プランを使用すると、単一のアプリケーションを、複数のさまざまな WebLogic Server 環境にデプロイされるように再コンフィグレーションできます。

静的ファイルしか変更していない場合、アプリケーション全体を再デプロイすることなくそのファイルを更新できることがあります。その場合は、Administration Console ではなく weblogic.Deployer ユーティリティを使用します。『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイされたアプリケーションにおける静的ファイルの更新」を参照してください。

 


全体像

このチュートリアルでは、Administration Console を使用してプロダクション環境のアプリケーションを再デプロイする方法を説明しています。コマンドラインの weblogic.Deploy ツールを使用して、アプリケーションを再デプロイしたり、デプロイ済みアプリケーションの静的ファイルを更新することもできます。

アプリケーションにモジュールを追加した場合、アプリケーションを再デプロイすることによって追加したモジュールがデプロイされます。アプリケーションからモジュールを削除した場合、アプリケーション ドメインからそのモジュールを明示的に削除して、デプロイメントから削除します。『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』の「デプロイされたアプリケーションの管理」を参照してください。

 


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