ORACLE JAPAN Server Release 6.1

 

  |  

  WebLogic Server ホーム   |     管理者ガイド   |   前へ   |   次へ   |   目次   |   索引   |   PDF 版

Netscape Enterprise Server プラグイン(NSAPI)のインストールとコンフィグレーション

 

以降の節では、Netscape Enterprise Server プラグイン(NES)プロキシ プラグインをインストールおよびコンフィグレーションする方法について説明します。

 


Netscape Enterprise Server プラグインの概要

Netscape Enterprise Server プラグインを使用すると、Netscape Enterprise Server(NES、または iPlanet とも呼ばれる)から WebLogic Server にリクエストをプロキシできます。このプラグインは、WebLogic Server の動的な機能を必要とするリクエストを WebLogic Server が処理できるようにすることによって NES を拡張します。

Netscape Enterprise Server プラグインは、Netscape Enterprise Server が静的ページを提供しており、別のプロセス(おそらく別のホスト)で動作している Weblogic Server が動的ページ(JSP や HTTP サーブレットで生成されたページ)を提供している環境で使用するためのものです。WebLogic Server と Netscape Enterprise Server プラグインは、クリア テキストまたはセキュア ソケット レイヤ(SSL)を使用して接続されています。エンド ユーザ、つまりブラウザには、WebLogic に委託された HTTP リクエストが静的ページと同じ場所から送られてきたように見えます。また、WebLogic Server の HTTP トンネリング機能も Netscape Enterprise Server プラグインを介して動作するため、動的ページだけでなく、すべての WebLogic Server サービスへのアクセスを提供できます。

Netscape Enterprise Server プラグインは、Netscape Enterprise Server の中で NSAPI モジュールとして機能します。NSAPI モジュールは起動時に NES によってロードされ、特定の HTTP リクエストがそこに委託されます。NSAPI モジュールは、HTTP(Java)サーブレットと似ていますが、プラットフォームにネイティブなコードで記述されています。

Netscape Enterprise Server および iPlanet サーバのサポート対象のバージョンについては、「BEA WebLogic Server プラットフォーム サポート ページ」を参照してください。

 


接続プールとキープアライブ

WebLogic Server NSAPI プラグインでは、プラグインから WebLogic Server への接続に再利用できる接続プールを使用するため、効率的なパフォーマンスを実現します。NSAPI プラグインと WebLogic Server の間で「キープアライブ」接続が自動的に実装されます。接続が 30 秒(またはユーザ定義の時間)を超えて非アクティブな場合、その接続は閉じます。この機能は、必要に応じて無効にできます。詳細については、 KeepAliveEnabledを参照してください。

 


リクエストのプロキシ

このプラグインは、指定されたコンフィグレーションに基づいてリクエストを WebLogic Server にプロキシします。リクエストは、リクエストの URL(または URL の一部)に基づいてプロキシできます。この方法は、パスによるプロキシ、と呼びます。リクエストのプロキシは、要求されたファイルの MIME タイプに基づいて行うこともできます。さらに、前述の方法を組み合わせて利用することもできます。リクエストが両方の基準に一致する場合、そのリクエストはパスを基準にプロキシされます。リクエストの種類ごとに、プラグインの補足的な動作を定義する追加パラメータを指定することもできます。詳細については、次の節を参照してください。

 


Netscape Enterprise Server プラグインのインストールとコンフィグレーション

Netscape Enterprise Server プラグインをインストールしてコンフィグレーションするには、次の操作を行います。

  1. ライブラリをコピーします。

    WebLogic NSAPI プラグイン モジュールは、UNIX では共有オブジェクト(.so)、Windows ではダイナミック リンク ライブラリ(.dll)として提供されます。各ファイルはそれぞれ、WebLogic Server 配布キットの /lib または \bin ディレクトリにあります。

    プラットフォーム サポート」表から環境に合った適切なライブラリ ファイルを選択し、そのファイルを NES が配置されているファイル システムにコピーします。

  2. obj.conf ファイルを修正します。obj.conf ファイルでは、どのリクエストが WebLogic Server にプロキシされるのかといったコンフィグレーション情報を定義します。 詳細については、 obj.conf ファイルの修正を参照してください。

  3. MIME タイプを基準にしてリクエストをプロキシする場合は、以下の操作を行います。

    1. 適切な行を obj.conf ファイルに追加します。詳細については、 obj.conf ファイルの修正を参照してください。

    2. obj.conf ファイルで参照される新しい MIME タイプを MIME.types ファイルに追加します。MIME タイプは、Netscape サーバ コンソールを使用するか、MIME.types ファイルを直に編集することで追加できます。

      MIME.types ファイルを直接編集するには、編集するファイルを開いて次のように入力します。

      type=text/jsp exts=jsp

      注意 : NES 4.0(iPlanet)の場合、JSP の MIME タイプを追加するのではなく、既存の MIME タイプを次のように変更する必要があります。

      magnus-internal/jsp

      この行を次のように変更します。

      text/jsp

      Netscape コンソールを使用するには、[Manage Preferences|Mime タイプ] を選択して追加または編集します。

  4. Netscape Enterprise Server プラグインをデプロイおよびテストします。

    1. WebLogic Server を起動します。

    2. Netscape Enterprise Server を起動します。NES が既に動作している場合、再起動するか、コンソールから新しい設定を適用して、新しい設定を有効にします。

    3. Netscape Enterprise Server プラグインをテストするには、ブラウザを開き、Enterprise Server の URL + /weblogic/ を設定します。この設定では、WebLogic Server でデフォルト Web アプリケーションとして定義されている、デフォルトの WebLogic Server HTML ページ、ウェルカム ファイル、またはデフォルト サーブレットが開くはずです。次に例を示します。

      http://myenterprise.server.com/weblogic/

 


obj.conf ファイルの修正

Netscape Enterprise Server プラグインを使用するには、NES obj.conf ファイルを修正する必要があります。その修正では、リクエストがどのように WebLogic Server にプロキシされるのかを指定します。リクエストは、URL または MIME タイプに基づいてプロキシできます。それぞれの手順はこの節で説明します。

Netscape の obj.conf ファイルは、テキストの配置に関して非常に厳密です。問題が起こらないようにするために、obj.conf ファイルに関する以下の点に注意してください。

obj.conf ファイルをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. obj.conf を探して開きます。

    NES インスタンス用の obj.conf ファイルは、次の場所にあります。

    NETSCAPE_HOME\https-INSTANCE_NAME\config\obj.conf

    NETSCAPE_HOME は NES がインストールされているルート ディレクトリで、INSTANCE_NAME は特定のインスタンス、つまりユーザがサーバとしてコンフィグレーションしているマシンです。たとえば、myunixmachine という UNIX マシンでは、次の場所に obj.conf ファイルがあります。

    /usr/local/netscape/enterprise-351/
    https-myunixmachine/config/obj.conf

  2. ネイティブ ライブラリを NSAPI モジュールとしてロードするように NES に指示します。

    magnus.conf ファイルの先頭に次の行を追加します。これらの行は、ネイティブ ライブラリ(.so または .dll ファイル)を NSAPI モジュールとしてロードするように NES に指示します。

    Init fn="load-modules" funcs="wl_proxy,wl_init"\
    shlib=/usr/local/netscape/plugins/SHARED_LIBRARY
    Init fn="wl_init"

    SHARED_LIBRARY は、 Netscape Enterprise Server プラグインのインストールとコンフィグレーション 手順 1. でインストールした共有オブジェクトまたは dlllibproxy.so など)です。関数「load-modules」は、NES 起動時に共有ライブラリにロード用のタグをつけます。値「wl_proxy」と「wl_init」は、Netscape Enterprise Server プラグインが実行する関数を識別します。

  3. URL でリクエストをプロキシするには(パスによるプロキシとも言う)、プロキシする URL ごとに別々の <Object> タグを作成し、 PathTrim パラメータを定義します(MIME タイプでリクエストをプロキシする場合は、 手順 4.を参照)。パスを基準としたプロキシは、MIME タイプを基準としたプロキシに優先します。次に、文字列 */weblogic/* の含まれているリクエストをプロキシする <Object> タグの例を示します。

    <Object name="weblogic" ppath="*/weblogic/*">
    Service fn=wl_proxy WebLogicHost=myserver.com
    \
    WebLogicPort=7001 PathTrim="/weblogic"
    </Object>

    URL でリクエストをプロキシするために <Object> タグを作成するには、次の操作を行います。

    1. name 属性を使用して開始 <Object> タグの内側でこのオブジェクトの名前を指定します(省略可能)。name 属性は参照用であり、Netscape Enterprise Server プラグインでは使用されません。次に例を示します。

      <Object name=myObject ...>

    2. <Object> タグの内側で ppath 属性を使用して、プロキシする URL を指定します。次に例を示します。

      <Object name=myObject ppath="*/weblogic/*>

      ppath 属性の値は、Weblogic Server 用のリクエストを示す任意の文字列です。ppath を使用すると、そのパスを含むリクエストはすべてリダイレクトされます。たとえば、「*/weblogic/*」という ppath では、「http://enterprise.com/weblogic」で始まるすべてのリクエストが Netscape Enterprise Server プラグイン(リクエストを指定された WebLogic ホストまたはクラスタに送信する)にリダイレクトされます。

    3. <Object> タグと </Object> タグの内側で Service ディレクティブを追加します。Service ディレクティブでは、名前と値の組み合わせとして有効なパラメータを指定できます。名前と値の組み合わせが複数の場合は、1 つのスペースで区切ります。次に例を示します。

      Service fn=wl_proxy WebLogicHost=myserver.com\
      WebLogicPort=7001 PathTrim="/weblogic"

      パラメータのリストについては、 Web サーバ プラグインの一般的なパラメータを参照してください。以下のパラメータを指定する必要があります。

      クラスタ化されていない WebLogic Server の場合
      WebLogicHost パラメータと WebLogicPort パラメータ

      WebLogic Server のクラスタの場合
      WebLogicCluster パラメータ

      Service ディレクティブは、必ず、Service fn=wl_proxy の後にパラメータの名前と値の組み合わせが続くかたちでなければなりません。

      次に示すのは、2 つの独立した ppath のオブジェクト定義の例です。各 ppath は、WebLogic Server の別々のインスタンスに送信されるリクエストを示します。

      <Object name="weblogic" ppath="*/weblogic/*">
      Service fn=wl_proxy WebLogicHost=myserver.com
      \
      WebLogicPort=7001 PathTrim="/weblogic"
      </Object>

      <Object name="si" ppath="*/servletimages/*">
      Service fn=wl_proxy WebLogicHost=otherserver.com
      \
      WebLogicPort=7008
      </Object>

      注意: オプションのパラメータ( PathTrim など)を使用すると、Netscape Enterprise Server プラグインを通じて ppath がどのように渡されるのかをさらに細かくコンフィグレーションできます。プラグイン パラメータのリストについては、 Web サーバ プラグインの一般的なパラメータを参照してください。

  4. MIME タイプでプロキシする場合は、MIME.types ファイルで MIME タイプを指定しなければなりません。このファイルの修正方法については、 Netscape Enterprise Server プラグインのインストールとコンフィグレーション 手順 3. を参照してください。

    指定した MIME タイプの拡張子(.jsp など)を持つリクエストはすべて、URL に関係なく WebLogic Server にプロキシできます。

    特定のファイル タイプのすべてのリクエストを WebLogic Server にプロキシするには、次の操作を行います。

    1. Service ディレクティブを既存の default Object 定義(<Object name=default ...>)に追加します。

      たとえば、すべての JSP を WebLogic Server にプロキシするには、次に示す Service ディレクティブを次の文字列で始まる最後の行の後、

      NameTrans fn=....

      次の文字列で始まる行の前に追加する必要があります。

      PathCheck.

      Service method="(GET|HEAD|POST|PUT)" type=text/jsp fn=wl_proxy\
      WebLogicHost=192.1.1.4 WebLogicPort=7001 PathPrepend=/jspfiles

      この Service ディレクティブでは、.jsp 拡張子を持つすべてのファイルを指定した WebLogic Server にプロキシします。その際の URL は次のとおりです。

      http://WebLogic:7001/jspfiles/myfile.jsp

      PathPrepend パラメータの値は、リクエストがプロキシされる WebLogic Server またはクラスタでデプロイされる Web アプリケーションのコンテキスト ルートと一致していなければなりません。

      Netscape Enterprise Server プラグインのエントリを追加した後、デフォルト Object 定義は次の例のようになります。追加部分は太字で示されています。

      <Object name=default>
      NameTrans fn=pfx2dir from=/ns-icons
      \
      dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
      NameTrans fn=pfx2dir from=/mc-icons
      \
      dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
      NameTrans fn="pfx2dir" from="/help" dir=
      \
      "c:/Netscape/SuiteSpot/manual/https/ug"
      NameTrans fn=document-root root="c:
      /Netscape/SuiteSpot/docs"
      Service method="(GET|HEAD|POST|PUT)" type=text/jsp\
      fn=wl_proxy WebLogicHost=localhost WebLogicPort=7001\
      PathPrepend=/jspfiles
      PathCheck fn=nt-uri-clean
      PathCheck fn="check-acl" acl="default"
      PathCheck fn=find-pathinfo
      PathCheck fn=find-index index-names="index.html,home.html"
      ObjectType fn=type-by-extension
      ObjectType fn=force-type type=text/plain
      Service method=(GET|HEAD) type=magnus-internal/imagemap
      \
      fn=imagemap
      Service method=(GET|HEAD)
      \
      type=magnus-internal/directory fn=index-common
      Service method=(GET|HEAD)
      \
      type=*magnus-internal\* fn=send-file
      AddLog fn=flex-log name="access"
      </Object>

    2. WebLogic Server にプロキシする他のすべての MIME タイプについて、デフォルトのオブジェクト定義に同様の Service 文を追加します。

  5. HTTP トンネリング(オプション)を有効にするには、次の操作を行います。

    次のオブジェクト定義を obj.conf ファイルに追加します。HTTP トンネリング リクエストを処理する実際の WebLogic Server ホスト名と WebLogic Server ポート番号、または WebLogic クラスタの名前を当てはめてください。

    <Object name="tunnel" ppath="*/HTTPClnt*">
    Service fn=wl_proxy WebLogicHost=192.192.1.4
    \
    WebLogicPort=7001
    </Object>

 


NSAPI プラグインでの SSL の使用

セキュア ソケット レイヤ(SSL)プロトコルを使用すると、Netscape Enterprise Server プラグインと WebLogic Server の間の接続を保護できます。SSL プロトコルは、Netscape Enterprise Server プラグインと WebLogic Server の間でやり取りされるデータに機密性と整合性を提供します。また、SSL プロトコルを使用すると、WebLogic Server プロキシ プラグインでは、信頼性のあるプリンシパルに情報が渡されることを確認するために、Netscape Enterprise Server に対して自身を認証することができます。

WebLogic Server プロキシ プラグインでは、Netscape Enterprise Server プラグインと WebLogic Server の接続を保護するために SSL プロトコルが使用されるのかどうかを、(通常はブラウザからの)HTTP リクエストで指定された転送プロトコル(http または https)では判断しません。

注意: Netscape Enterprise Server と WebLogic Server の間には相互 SSL をコンフィグレーションできません。SSL プロトコルは、ポイント ツー ポイントの接続であり、暗号化されたエンド ツー エンドのプロトコルです。したがって、どのようなタイプのプロキシまたはファイアウォールも、SSL ソケットの内容を見ることはできません。Netscape Enterprise Server は、SSL 接続におけるサーバ エンドポイントとして機能します。コンフィグレーションは次のようになります。

クライアント --> 相互 SSL --> NSAPI <-- 一方向 SSL <-- WebLogic Server

Netscape Enterprise Server は、クライアントのプライベート キーを使用できないので、1 番目の SSL 接続からのデジタル証明書を 2 番目の SSL 接続で使用することはできません。

Netscape Enterprise Server プラグインと WebLogic Server の間で SSL プロトコルを使用するには、次の操作を行います。

  1. SSL 向けに WebLogic Server をコンフィグレーションします。詳細については、 SSL プロトコルのコンフィグレーションを参照してください。

  2. WebLogic Server の SSL リスン ポートをコンフィグレーションします。詳細については、 リスンポートのコンフィグレーションを参照してください。

  3. obj.conf ファイルの Service ディレクティブの WebLogicPort パラメータを 手順 2. でコンフィグレーションしたリスン ポートに設定します。

  4. obj.conf ファイルの Service ディレクティブの SecureProxy パラメータを ON に設定します。

  5. obj.conf ファイルの Service ディレクティブで SSL 接続に関する情報を定義する追加パラメータを設定します。パラメータのリストについては、 Web サーバ プラグインの SSL パラメータを参照してください。

 


接続エラーとクラスタのフェイルオーバ

WebLogic Server に接続するときに、Netscape Enterprise Server プラグインは複数のコンフィグレーション パラメータを使用して WebLogic Server ホストへの接続の待ち時間と、接続確立後の応答の待ち時間を判断します。接続できないか、応答がない場合、このプラグインはクラスタ内の別の WebLogic Server に接続してリクエストを送信しようとします。接続が失敗するか、クラスタ内のどの WebLogic Server からも応答がない場合は、エラー メッセージが送信されます。

図 13-1は、プラグインがどのようにフェイルオーバを処理するのかを示しています。

接続の失敗

接続要求にホストが応答できない場合は、ホスト マシンの問題やネットワークの問題など、サーバに障害があることが考えられます。

WebLogic Server が応答できない場合は、WebLogic Server が動作していないことや、サーバのハング、データベースの問題など、アプリケーションに障害があることが考えられます。

クラスタ化されていない単一 WebLogic Server でのフェイルオーバ

WebLogic Server が 1 つしか動作していない場合でも、ここで説明する同じ理論が適用されますが、プラグインは WebLogicHost パラメータで定義されたサーバにのみ接続しようとします。その試みが失敗すると、HTTP 503 エラー メッセージが返されます。プラグインは、 ConnectTimeoutSecs に達するまで WebLogic Server への接続を繰り返し試みます。

動的サーバ リスト

WebLogicCluster パラメータで WebLogic Server のリストを指定すると、プラグインではクラスタ メンバー間でのロード バランシングの起点としてそのリストが使用されます。最初のリクエストがそれらのサーバの 1 つに転送された後に、クラスタ内のサーバの更新されたリストを格納する動的サーバ リストが返されます。更新されたリストはクラスタ内の新しいサーバを追加し、すでにクラスタから外れているか、リクエストに応答できなかったサーバを削除します。このリストは、クラスタで変更が行われたときに HTTP 応答によって自動的に更新されます。

テストの必要な新しいサーバに対してトラフィックが発生しないようにするには、新しく追加するサーバのテストが完全に終わるまで待ってから、サーバをクラスタの対象にします。この時点で、サーバはクラスタのノードになります。このノードは、自動的に、プロキシからのトラフィックの受信を開始します。

フェイルオーバ、クッキー、および HTTP セッション

リクエストがクッキー、POST データ、または URL エンコーディングを通じてセッション情報を格納している場合、そのセッション ID にはセッションが最初に確立された特定のサーバ(プライマリ サーバ)への参照と元のセッションがレプリケートされる追加サーバ(セカンダリ サーバ)への参照が含まれています。クッキーが含まれているリクエストは、プライマリ サーバに接続しようとします。その試行が失敗すると、リクエストはセカンダリ サーバに転送されます。プライマリ サーバとセカンダリ サーバが両方とも失敗すると、セッションが失われて、プラグインは動的クラスタ リストの別のサーバにあらためて接続しようとします。詳細については、 図 13-1 接続のフェイルオーバ)を参照してください。

注意: POST データが 64K を超える場合、プラグインは、セッション ID を取得するための POST データの解析を行いません。したがって、セッション ID を POST データに格納した場合、プラグインはリクエストを正しいプライマリまたはセカンダリ サーバにルーティングできないので、セッション データが失われる可能性があります。

図13-1 接続のフェイルオーバ


 

*赤いループで許可される再試行の限度は、次の式で計算されます。
ConnectTimeoutSecs ÷ ConnectRetrySecs.

 


ファイアウォールとロード ディレクタを使用する場合のフェイルオーバの動作

ほとんどのコンフィグレーションでは、Netscape Enterprise Server プラグインはリクエストをクラスタのプライマリ インスタンスに送信します。そのインスタンスが利用できない場合、リクエストはセカンダリ インスタンスにフェイルオーバされます。ただし、ファイアウォールとロードディレクタを組み合わせて使う一部のコンフィグレーションでは、WebLogic Server のプライマリ インスタンスが利用できない場合でもどれか 1 つのサーバ(ファイアウォールまたはロードディレクタ)がリクエストを受け付けて、正常な接続を返すことができます。利用できない WebLogic Server のプライマリ インスタンスに送信しようとしたリクエストは、プラグインに「connection reset」として返されます。

ファイアウォールの組合せで実行するリクエストは、ロードディレクタの有無に関係なく、WebLogic Server が処理します。つまり、connection reset という応答は、WebLogic Server のセカンダリ インスタンスにフェイルオーバします。connection reset という応答がこれらのコンフィグレーションではフェイルオーバするため、サーブレットは多重呼び出し不変でなければなりません。それ以外の場合、トランザクションの重複処理になる可能性があります。

 


obj.conf ファイルのサンプル(WebLogic クラスタを使用しない場合)

次に示すのは、クラスタを使用しない場合に obj.conf ファイルに追加する行の例です。この例をテンプレートとして使用して、ユーザの環境およびサーバに合うように変更できます。# で始まる行はコメントです。

注意: obj.conf ファイルでは、意味のないスペースを挿入しないようにしてください。このサンプルをコピーして貼り付けると、余分なスペースが挿入されて、ファイルを読み取るときに問題が生じることがあります。

Enterprise Server のコンフィグレーション ファイルに関するマニュアルはすべて、Netscape Enterprise Server プラグインのマニュアルで参照できます。

## ------- ここから OBJ.CONF コンフィグレーションのサンプル -------
#(クラスタなし)

# 以下の行は、起動時にロードする NSAPI ライブラリを
# 指定し、ライブラリ内のどの関数が NSAPI 関数かを
# 示す。ライブラリへのパス(shlib=<...> パラメータの
# 値を検証し、ファイルが読み取り可能であることを確認する
# 読みとり可能でない場合、サーバは起動に失敗する

Init fn="load-modules" funcs="wl_proxy,wl_init"\
shlib=/usr/local/netscape/plugins/libproxy.so
Init fn="wl_init"

# NSAPI モジュール(さらに WebLogic)で処理する
# HTTP リクエストの種類をコンフィグレーションする。これは
# 以下の例に示すように、1 つまたは複数の「<Object>」タグを使用して指定する

# ここでは、NSAPI モジュールをコンフィグレーションして
# 「/weblogic」のリクエストを、ホスト myweblogic.server.com の
# ポート 7001 でリスニングする WebLogic Server に渡す

<Object name="weblogic" ppath="*/weblogic/*">
Service fn=wl_proxy WebLogicHost=myweblogic.server.com
\
WebLogicPort=7001 PathTrim="/weblogic"
</Object>

# ここでは、プラグインをコンフィグレーションして
# 「/servletimages/」に一致するリクエストが
# plug-in/WebLogic で処理されるようにする

<Object name="si" ppath="*/servletimages/*">
Service fn=wl_proxy WebLogicHost=192.192.1.4 WebLogicPort=7001
</Object>

# この Object ディレクティブは、リクエストのパスではなく
# ファイル拡張子で機能する。このコンフィグレーションを使用するには、
# 次の mime.types ファイルにも行を追加する必要がある
#
# type=text/jsp exts=jsp
#
# このコンフィグレーションでは、「.jsp」の拡張子が付いたファイルが
# WebLogic にプロキシ送信される。次に、
# この拡張子の Service 行を Object 定義「default」に追加する
# この定義は obj.conf ファイルに既に存在している必要がある

<Object name=default>
NameTrans fn=pfx2dir from=/ns-icons
\
dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
NameTrans fn=pfx2dir from=/mc-icons
\
dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
NameTrans fn="pfx2dir" from="/help" dir=
\
"c:/Netscape/SuiteSpot/manual/https/ug"
NameTrans fn=document-root root="c:/Netscape/SuiteSpot/docs"
Service method="(GET|HEAD|POST|PUT)" type=text/jsp fn=wl_proxy
\
WebLogicHost=localhost WebLogicPort=7001 PathPrepend=/jspfiles
PathCheck fn=nt-uri-clean
PathCheck fn="check-acl" acl="default"
PathCheck fn=find-pathinfo
PathCheck fn=find-index index-names="index.html,home.html"
ObjectType fn=type-by-extension
ObjectType fn=force-type type=text/plain
Service method=(GET|HEAD) type=magnus-internal/imagemap
\
fn=imagemap
Service method=(GET|HEAD)
\
type=magnus-internal/directory fn=index-common
Service method=(GET|HEAD) type=*magnus-internal/* fn=send-file
AddLog fn=flex-log name="access"
</Object>

# 次のディレクティブは、NSAPI プラグインを介して
# WebLogic プロコトルの HTTP トンネリングを有効にする

<Object name="tunnel" ppath="*/HTTPClnt*">
Service fn=wl_proxy WebLogicHost=192.192.1.4 WebLogicPort=7001
</Object>

#
## ------- ここまで OBJ.CONF コンフィグレーションのサンプル -------

 


obj.conf ファイルのサンプル(WebLogic クラスタを使用する場合)

次に示すのは、WebLogic Server のクラスタを使用する場合に obj.conf ファイルに追加する行の例です。この例をテンプレートとして使用して、ユーザの環境およびサーバに合うように変更できます。# で始まる行はコメントです。

注意: obj.conf ファイルでは、意味のないスペースを挿入しないようにしてください。このサンプルをコピーして貼り付けると、余分なスペースが挿入されて、ファイルを読み取るときに問題が生じることがあります。

詳細については、Netscape から提供される Enterprise Server のコンフィグレーション ファイルに関するマニュアルを参照してください。

## ------- ここから OBJ.CONF コンフィグレーションのサンプル -------
#(WebLogic クラスタを使用)
#
# 以下の行は、起動時にロードする NSAPI ライブラリを
# 指定し、ライブラリ内のどの関数が NSAPI 関数かを
# 示す。ライブラリへのパス(shlib=<...> パラメータの
# 値を検証し、ファイルが読み取り可能であることを確認する。
# 読み取り可能でない場合、サーバは起動に失敗する

Init fn="load-modules" funcs="wl_proxy,wl_init"\
shlib=/usr/local/netscape/plugins/libproxy.so
Init fn="wl_init"

# NSAPI モジュール(さらに WebLogic)で処理する
# HTTP リクエストの種類をコンフィグレーションする。これは
# 以下の例に示すように、1 つまたは複数の「<Object>」タグを使用して指定する

# ここでは、NSAPI モジュールをコンフィグレーションして
# 「/weblogic」のリクエストを WebLogic Server のクラスタに渡す

<Object name="weblogic" ppath="*/weblogic/*">
Service fn=wl_proxy
\
WebLogicCluster="myweblogic.com:7001,yourweblogic.com:7001,\
theirweblogic.com:7001" PathTrim="/weblogic"
</Object>

# ここでは、プラグインをコンフィグレーションして
# 「/servletimages/」に一致するリクエストが
# plug-in/WebLogic で処理されるようにする

<Object name="si" ppath="*/servletimages/*">
Service fn=wl_proxy
\
WebLogicCluster="myweblogic.com:7001,yourweblogic.com:7001,\
theirweblogic.com:7001"
</Object>

# この Object ディレクティブは、リクエストのパスではなく
# ファイル拡張子で機能する。このコンフィグレーションを使用するには、
# 次の mime.types ファイルにも行を追加する必要がある
#
# type=text/jsp exts=jsp
#
# このコンフィグレーションでは、「.jsp」の拡張子が付いたファイルが
# WebLogic にプロキシ送信される。次に、
# この拡張子の Service 行を Object 定義「default」に追加する
# この定義は obj.conf ファイルに既に存在している必要がある

<Object name=default>
NameTrans fn=pfx2dir from=/ns-icons
\
dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
NameTrans fn=pfx2dir from=/mc-icons
\
dir="c:/Netscape/SuiteSpot/ns-icons"
NameTrans fn="pfx2dir" from="/help" dir=
\
"c:/Netscape/SuiteSpot/manual/https/ug"
NameTrans fn=document-root root="c:/Netscape/SuiteSpot/docs"
Service method="(GET|HEAD|POST|PUT)" type=text/jsp fn=wl_proxy
\
WebLogicCluster="myweblogic.com:7001,yourweblogic.com:7001,\
theirweblogic.com:7001",PathPrepend=/jspfiles
PathCheck fn=nt-uri-clean
PathCheck fn="check-acl" acl="default"
PathCheck fn=find-pathinfo
PathCheck fn=find-index index-names="index.html,home.html"
ObjectType fn=type-by-extension
ObjectType fn=force-type type=text/plain
Service method=(GET|HEAD) type=magnus-internal/imagemap
\
fn=imagemap
Service method=(GET|HEAD)
\
type=magnus-internal/directory fn=index-common
Service method=(GET|HEAD) type=*magnus-internal/* fn=send-file
AddLog fn=flex-log name="access"
</Object>

# 次のディレクティブは、NSAPI プラグインを介して
# WebLogic プロコトルの HTTP トンネリングを有効にする

<Object name="tunnel" ppath="*/HTTPClnt*">
Service fn=wl_proxy WebLogicCluster="myweblogic.com:7001,
\
yourweblogic.com:7001,theirweblogic.com:7001"
</Object>

#
## ------- ここまで OBJ.CONF コンフィグレーションのサンプル -------

 

back to top previous page next page