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Web サーバ プラグインのパラメータ

 

以下の節では、Apache、Netscape、および Microsoft IIS の Web サーバ プラグインをコンフィグレーションするために使用するパラメータを説明します。

 


概要

各 Web サーバ プラグインのパラメータは、特殊なコンフィグレーション ファイルに入力します。このコンフィグレーション ファイルは各 Web サーバで別々の名前を持ち、ファイルの形式にはそれぞれの規則があります。詳細については、各プラグインの以下の節を参照してください。

Web サーバ プラグインのパラメータは、次の表で説明するとおりに入力します。

 


Web サーバ プラグインの一般的なパラメータ

注意: パラメータでは大文字/小文字を区別します。

パラメータ

デフォルト値

説明

WebLogicHost

none

HTTP リクエストの転送先となる WebLogic Server の 1 つのインスタンスを示す。

注意: 単一のサーバ インスタンスにプロキシするときにだけ使用する。WebLogic Server のクラスタに対してプロキシするには、代わりに WebLogicCluster を使用する。

WebLogicPort

none

WebLogic 接続リクエストに対して WebLogic Server ホストがリスニングを行うポート。

プラグインと WebLogic Server の間で SSL を使用する場合は、このパラメータを SSL リスン ポート( リスンポートのコンフィグレーション を参照)に設定し、 SecureProxy パラメータを ON に設定する。

注意: 単一のサーバ インスタンスにプロキシするときにだけ使用する。WebLogic Server のクラスタを使用している場合は、WebLogicPort の代わりに WebLogicCluster パラメータを使用する。

WebLogicCluster

none

HTTP リクエストの転送先となるクラスタ化された WebLogic Server インスタンスを示す。

HTTP リクエストの転送先となるクラスタ化された WebLogic Server インスタンスを示す。WebLogicCluster パラメータでは、クラスタ内の個々のサーバ インスタンスに対してホスト名とリスン ポートを指定する。パラメータの指定方法と、指定時に従うべき形式はプラグインごとに異なる。以下の参照先のサンプルを参照。

プラグインと WebLogic Server の間で SSL を使用する場合は、ポート番号を SSL リスン ポート( リスンポートのコンフィグレーション を参照)に設定し、 SecureProxy パラメータを ON に設定する。

プラグインは、使用可能な全クラスタ メンバの間で単純なラウンドロビンを行う。このプロパティで指定するクラスタ リストは、サーバおよびプラグインが保持する動的クラスタ リストの最初の状態。新しく追加されたり、障害が発生したり、障害から回復したクラスタ メンバがあると、WebLogic Server とプラグインは協力してクラスタ リストを自動的に更新する。

動的クラスタ リストを無効化するには、 DynamicServerList パラメータを OFF に設定する。

プラグインは、クッキーの含まれている HTTP リクエスト、URL エンコーディングされたセッションの含まれている HTTP リクエスト、または POST データにセッションを格納している HTTP リクエストをそのクッキーを元々作成したクラスタ内のサーバに転送する。

PathTrim

null

リクエストが WebLogic Server に転送される前に、元の URL の先頭からプラグインによって取り除かれる文字列。次に例を示す。

http://myWeb.server.com/weblogic/foo

この URL が解析用にプラグインに渡され、その URL が WebLogic Server に渡される前に PathTrim/weblogic を取り除くように設定されている場合、WebLogic Server に転送される URL は次のようになる。

http://myWeb.server.com:7001/foo

PathPrepend

null

PathTrim が取り除かれた後、リクエストが WebLogic Server に転送される前に、元の URL の先頭にプラグインによって付加される文字列。

ConnectTimeoutSecs

10

プラグインが WebLogic Server ホストへの接続を試行する最大時間(秒)。この値は ConnectRetrySecs より大きくする。接続できないまま、何回か再試行(ConnectRetrySecs の項を参照)しても成功せず、ConnectTimeoutSecs の設定時間が切れた場合は、「HTTP 503/Service Unavailable」の応答がクライアントに返される。

エラー応答は ErrorPage パラメータを使用してカスタマイズできる。

ConnectRetrySecs

2

WebLogic Server ホスト(またはクラスタ内のすべてのサーバ)への接続試行の間にプラグインがスリープする間隔(秒)。この値は ConnectTimeoutSecs より小さくする。「HTTP 503/Service Unavailable」応答がクライアントに返されるまでにプラグインが接続を試行する回数は、 ConnectTimeoutSecsConnectRetrySecs で除算することで算出される。

再試行しないようにするには、ConnectRetrySecsConnectTimeoutSecs と同じ値に設定する。ただし、プラグインは最低 2 回、接続を試みる。

エラー応答は ErrorPage パラメータを使用してカスタマイズできる。

Debug

OFF

デバッグで実行されるロギングの種類を設定する。これらのデバッグ オプションをプロダクション システムで切り替えることはお勧めできない。

デバッグ情報は、UNIX システムでは /tmp/wlproxy.log ファイル、Windows NT または 2000 システムでは c:\TEMP\wlproxy.log ファイルに書き込まれる。この位置とファイル名は、 WLLogFile パラメータを別のディレクトリおよびファイルに設定することでオーバーライドできる。デバッグが正しく動作するためには、サーバにログオンするユーザに対し、tmp ディレクトリまたは TEMP ディレクトリへの書き込みパーミッションを設定しておく必要がある。

以下のロギング オプションのいずれかを設定できる(HFC、HTW、HFW、および HTC オプションは、カンマ区切りで「HFC,HTW」というように組み合わせて設定できる)。

ON

情報メッセージとエラー メッセージのみのログが作成される。

OFF

デバッグ情報のログは作成されない。

WLLogFile

Debug
パラメータを参照。

Debug パラメータが ON に設定されている場合に生成されるログ ファイルのパスとファイル名を指定する。このディレクトリはこのパラメータの設定前に作成する必要がある。

DebugConfigInfo

OFF

特殊なクエリ パラメータ「__WebLogicBridgeConfig」を有効にする。このパラメータは、プラグインからコンフィグレーション パラメータに関する詳細を取得するのに使用する。

たとえば、DebugConfigInfo を設定して「__WebLogicBridgeConfig」を有効にし、クエリ文字列 ?__WebLogicBridgeConfig を含むリクエストを送信すると、コンフィグレーション情報と実行時統計が収集され、その情報がブラウザに返される。この場合、プラグインは WebLogic Server に接続しない。

このパラメータはデバッグにのみ使用するもので、出力メッセージの形式はリリースによって異なる。セキュリティ上の理由から、プロダクション システムではこのパラメータを OFF にしておくことが望ましい。

StatPath

(Microsoft Internet Information Server
プラグインでは利用できない)

false

true に設定した場合、プラグインでは、リクエストを WebLogic Server に転送する前に、リクエストの変換されたパス(Proxy-Path-Translated)の有無とパーミッションがチェックされる。

ファイルが存在しない場合、「HTTP 404 File Not Found」の応答がクライアントに返される。ファイルが存在するものの読み取れない場合は、「HTTP 403/Forbidden」の応答がクライアントに返される。どちらの場合も、Web サーバのデフォルトのメカニズムがこれらの応答を処理する。このオプションは、WebLogic Server Web アプリケーションのドキュメント ルートと Web サーバのドキュメント ルートが同じ場合に役立つ。

エラー応答は ErrorPage パラメータを使用してカスタマイズできる。

ErrorPage

none

Web サーバがリクエストを WebLogic Server に転送できなかった場合に表示されるユーザ独自のエラー ページを作成できる。

HungServerRecoverSecs

300

WebLogic Server のリクエストへの応答に対するプラグインの待ち時間を定義する。プラグインは、サーバが応答するまで HungServerRecoverSecs で指定した秒数だけ待ってから、サーバの応答なしを宣言して、次のサーバにフェイルオーバする。この値は、大きな値にしておく必要がある。サーブレットの処理時間より短くした場合は、予期しない結果が発生する場合がある。

最小値 : 10
最大値 : 無期限

Idempotent

ON

ON に設定されている状態で、サーバが HungServerRecoverSecs の時間内に応答しない場合、プラグインはフェイルオーバする。

OFF」に設定した場合、プラグインはフェイルオーバしない。Netscape Enterprise Server プラグインまたは Apache HTTP サーバを使用している場合は、異なる URL または MIME タイプごとにこのパラメータを別々に設定できる。

CookieName

JSESSIONID

WebLogic Server Web アプリケーションの WebLogic Server セッション クッキー名を変更する場合、プラグインの CookieName パラメータを同じ値に変更する必要がある。WebLogic セッション クッキー名は、<session-descriptor>要素のWebLogic 固有のデプロイメント記述子で設定される。

DefaultFileName

none

URI が「/」の場合、プラグインは以下の手順を実行する。

  1. PathTrim パラメータで指定されたパスを取り除く。

  2. DefaultFileName の値を付加する。

  3. PathPrepend で指定された値を先頭に追加する。

これによって、WebLogic Server からリダイレクトされなくなる。

DefaultFileName は、リクエストがプロキシされる WebLogic Server の Web アプリケーションのデフォルト ウェルカム ページに設定する。たとえば、DefaultFileNamewelcome.html に設定した場合、HTTP リクエストが「http://somehost/weblogic」であれば、「http://somehost/weblogic/welcome.html」になる。このパラメータが機能するためには、リクエストが転送される全 Web アプリケーションで同じウェルカム ファイルを指定する必要がある。詳細については、「ウェルカム ページのコンフィグレーション」を参照。

Apache を使用する場合の注意 : Stronghold バージョンまたは Raven バージョンを使用する場合は、IfModule ブロックではなく Location ブロックでこのパラメータを定義する。

MaxPostSize

-1

POST データの最大許容サイズ(バイト単位)。コンテキスト長が MaxPostSize を超えた場合、プラグインによってエラー メッセージが返される。-1 に設定した場合、POST データのサイズはチェックされない。これは、POST データを使用してサーバを過負荷状態にしようとするサービス拒否攻撃を防ぐのに役立つ。

MatchExpression

(Apache HTTP サーバのみ)

none

MIME タイプによるプロキシを行う場合、MatchExpression パラメータを使用して IfModule ブロック内にファイル名のパターンを設定する。

MIME タイプでプロキシする場合の例を次に示す。

<IfModule mod_weblogic.c>
MatchExpression *.jsp WebLogicHost=myHost|paramName=value
</IfModule>

パスでプロキシする場合の例を次に示す。

<IfModule mod_weblogic.c>
MatchExpression /weblogic WebLogicHost=myHost|paramName=value
</IfModule>

FileCaching

ON

ON に設定されている状態で、リクエストの POST データのサイズが 2048 バイトより大きい場合、POST データはディスク上の一時ファイルに格納され、8192 バイト単位で WebLogic Server に転送される。ただし、FileCachingON に設定すると、ブラウザで表示される、ダウンロードの進捗状況を示すプログレス バーで問題が生じる可能性がある。ブラウザでは、ファイルがまだ転送中であるにもかかわらずダウンロードの完了が示される。

OFF に設定されている状態で、リクエストの POST データのサイズが 2048 バイトより大きい場合、POST データはメモリに格納され、8192 バイト単位で WebLogic Server に送信される。OFF に設定すると、リクエストの処理中にサーバがダウンした場合に問題が発生する(プラグインでフェイルオーバが不可能であるため)。

WlForwardPath

(Microsoft Internet Information Server のみ)

null

WlForwardPath が「/」に設定されている場合は、すべてのリクエストがプロキシされる。特定の文字列で始まるリクエストを転送するには、WlForwardPath をその文字列に設定する。たとえば、WlForwardPath/weblogic に設定すると、/weblogic で始まるすべてのリクエストが Weblogic Server に転送される。

このパラメータは、パスでプロキシを実行する場合に必要。カンマで文字列を区切れば、複数の文字列を設定できる。たとえば WlForwardPath=/weblogic,/bea のように設定する。

KeepAliveSecs

(Apache HTTP サーバ バージョン 1.3.x には適用されない)

30

プラグインと WebLogic Server のアクティブではない接続が閉じられるまでの時間。このパラメータを有効にするには、KeepAliveEnabledtrue に設定する必要がある。

このパラメータの値は、Administration Console の [サーバ|HTTP] タブで設定される [持続時間] フィールドの値、または KeepAliveSecs 属性を使用して server Mbean で設定される値以下でなければならない。

KeepAliveEnabled

(Apache HTTP サーバ バージョン 1.3.x には適用されない)

true

プラグインと WebLogic Server の間の接続のプールを有効化する。

QueryFromRequest

(Apache HTTP サーバのみ)

OFF

ON に設定されている場合、Apache プラグインは
(request_rec *)r->the request
を使用して WebLogic Server にクエリ文字列を渡す(詳細については Apache のマニュアルを参照)。この動作は以下の状況において望ましい。

  • Netscape バージョン 4.x ブラウザがクエリ文字列にスペースのあるリクエストを行う場合

  • HP で Raven Apache 1.5.2 を使用する場合

OFF に設定されている場合、Apache プラグインは
(request_rec *)r->args を使用して WebLogic Server にクエリ文字列を渡す。

MaxSkipTime

10

DynamicServerListOFF に設定されている場合のみ有効。

WebLogicCluster パラメータまたは WebLogic Server から返される動的クラスタ リストにある WebLogic Server で障害が発生した場合、その障害の発生したサーバは「bad」とマークされ、プラグインはリスト内の次のサーバに接続しようとする。

MaxSkips は、プラグインが「bad」とマークされたサーバへの接続を再試行するまでの時間を設定する。プラグインは、ユニークなリクエスト(クッキーのないリクエスト)を受信するたびにリスト内の新しいサーバに接続しようとする。

DynamicServerList

ON

OFF に設定すると、プラグインからプロキシされるリクエストをロードバランシングするために使用される動的クラスタ リストが無視され、 WebLogicCluster パラメータで指定された静的リストのみが使用される。通常、このパラメータは ON のままにする。

このパラメータを OFF に設定する場合は、以下のことを考慮する必要がある。

  • 静的リストの 1 つまたは複数のサーバで障害が発生した場合、プラグインは応答不能のサーバへの接続に時間を費やし、その結果としてパフォーマンスが低下する可能性がある。

  • クラスタに新しいサーバを追加した場合は、このパラメータを再定義するまでプラグインはその新しいサーバにリクエストをプロキシできない。WebLogic Server は、新しいサーバがクラスタに追加されたときに動的サーバ リストに自動的にその新しいサーバを追加する。

WLProxySSL

OFF

このパラメータをON に設定すると、以下の状況において、プラグインと WebLogic Server の間の SSL 通信が維持される。

  • HTTP クライアントのリクエストが、HTTPS プロトコルを指定している。

  • リクエストが、1 つ以上のプロキシ サーバを通して渡されている (WebLogic Server のプロキシ プラグインを含む)。

  • プラグインと WebLogic Server の間の接続が、HTTP プロトコルを使用している。

WLProxySSLON に設定すると、WebLogic Server からクライアントに返されるロケーション ヘッダーで HTTPS プロトコルが指定される。

clientCertProxy

false

WL-Proxy-Client-Cert ヘッダーのクライアント証明書を信頼するように指定する。

WebLogic Server に直接アクセスできるクライアントはすべて、WL-Proxy-Client-Cert ヘッダーを使用できる。WebLogic Server は、このヘッダーから証明書情報を取得し、それが安全な送信元(プラグイン)からのものであることを信頼して、ユーザを認証するためにその情報を使用する。

WebLogic Server の以前のリリースでは、このヘッダーを常に信頼するのが、デフォルトの動作であった。現在では、WL-Proxy-Client-Cert ヘッダーの信頼を明示的に定義する必要がある。

新しいパラメータ clientCertProxy を使用すると、証明書ヘッダーの暗黙の信頼を有効にできる。セキュリティのレベルを追加する必要がある場合は、接続フィルタを使って、WebLogic Server に対するすべての接続を制限する(つまり、プラグインが動作しているマシンからの接続だけを WebLogic Server が受け付けるようにする)。

 


Web サーバ プラグインの SSL パラメータ

注意: パラメータでは大文字/小文字を区別します。

パラメータ

デフォルト値

説明

SecureProxy

OFF

このパラメータを ON に設定すると、WebLogic Server プロキシ プラグインと WebLogic Server 間のすべての接続で SSL プロトコルの使用が有効になる。このパラメータを定義する前に、対応する WebLogic Server のポートを SSL プロトコル用にコンフィグレーションしておく必要がある。

このパラメータは、メイン サーバ用のコンフィグレーションと仮想ホスト用のコンフィグレーション(仮想ホストが定義されている場合)の 2 つのレベルで設定できる。仮想ホスト用のコンフィグレーションでこの設定がオーバーライドされない場合、メイン サーバ用のコンフィグレーションから SSL のコンフィグレーションを継承する。

TrustedCAFile

none

WebLogic Server プロキシ プラグインに対する信頼された認証局によるデジタル証明書が含まれるファイルの名前。 SecureProxy パラメータが ON に設定されている場合はこのパラメータが必要。

filename にはファイルの絶対ディレクトリ パスを指定する。

RequireSSLHostMatch

true

WebLogic Server プロキシ プラグインが接続するホストの名前が、プロキシ プラグインが接続する WebLogic Server のデジタル証明書にある Subject Distinguished Name フィールドに一致する必要があるかどうかを指定する。

SSLHostMatchOID

22

ASN.1 Object ID (OID) を指定する。ホスト名の比較に使用されるピア デジタル証明書内の Subject Distinguished Name フィールドを示す。デフォルトでは、Subject Distinguished Name の CommonName フィールドに対応する。一般的な OID 値は以下のとおり。

  • Sur Name − 23

  • Common Name − 22

  • Email − 13

  • Organizational Unit − 30

  • Organization − 29

  • Locality − 26

 

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