ORACLE JAPAN Server Release 7.0

 

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WebLogic Server EJB のユーティリティ

 

以下の節は、WebLogic Server EJB に付属のユーティリティおよびサポート ファイルの詳細なリファレンスです。

 


ejbc

EJB 2.0 および 1.1 のコンテナ クラスを生成およびコンパイルするには、weblogic.ejbc コマンドライン ユーティリティを使用します。EJB コンテナにデプロイするために JAR ファイルをコンパイルする場合は、weblogic.ejbc を使用して、コンテナ クラスを生成する必要があります。

WebLogic Server のコマンドライン ユーティリティである weblogic.ejbc では次の処理を実行します。

出力 JAR ファイルを指定すると、ejbc は、生成するファイルをすべて JAR ファイルに入れます。

ejbc は、デフォルトで javac をコンパイラとして使用します。パフォーマンスを向上させるには、-compiler フラグを使用して別のコンパイラ(Symantec の sjなど)を指定します。

注意: weblogic.ejbc のバージョン不一致の問題があると、EJB のデプロイメントに関して問題が発生することがあります。WebLogic Server を起動すると、コンテナ クラスのコンパイルにどのバージョンの weblogic.ejbc が使用されたかのチェックが行われます。クラスのコンパイルに使用された weblogic.ejbc のバージョンが現在実行中のバージョンと異なる場合、EJB はデプロイされません。この問題を避けるためには、不必要なクラスをクラスパスに含めないようにします。

ejbc の構文

 $ java weblogic.ejbc [options] <source jar file>
	<target directory or jar file>

注意: 出力先が JAR ファイルの場合、出力 JAR には入力 JAR と異なる名前を付けなければなりません。

ejbc の引数

引数

説明

<source jar file>

コンパイル済み EJB クラス、インタフェース、および XML デプロイメント ファイルを格納する JAR ファイルを指定する。

<target directory or jar file>

ejbc が出力 JAR を格納する送り先 JAR ファイルまたはデプロイメント ディレクトリを指定する。出力 JAR ファイルを指定した場合、ejbc は元の EJB クラス、インタフェース、および XML デプロイメント ファイルだけでなく、ejbc が生成する新規コンテナ クラスも JAR に格納する。

次の表は、weblogic.ejbc の引数の一覧です。

ejbc のオプション

オプション

説明

-help

コンパイラで使用可能なすべてのオプションのリストを出力する。

-version

ejbc のバージョン情報を出力する。

-dispatchPolicy <queueName>

WebLogic Server で実行スレッドを取得するために EJB が使用するコンフィグレーション済み実行キューを指定する。詳細については、「実行キューによるスレッド使用の制御」を参照。

-idl

リモート インタフェース用に CORBA インタフェース定義言語(IDL)を生成する。

-J

weblogic.ejbc のヒープ サイズを指定する。次のように指定する。
java weblogic.ejbc -J-mx256m input.jar output.jar

-idlOverwrite

既存の IDL ファイルを上書きする。

-idlVerbose

IDL の生成中に verbose 情報を表示する。

-idlDirectory <dir>

ejbc が IDL ファイルを生成するディレクトリを指定する。デフォルトでは、ejbc はカレント ディレクトリを使用する。

-keepgenerated

コンパイル中に生成される中間 Java ファイルを保存する。

-compiler <compiler name>

使用する ejbc のコンパイラを設定する。

-normi

RMI スタブの生成を中止する場合に Symantec の Java コンパイラ sj に渡される。それ以外の場合、sj は EJB には不必要な独自の RMI スタブを作成する。

-classpath <path>

コンパイル時に使用する CLASSPATH を設定する。これにより、システムまたはシェル CLASSPATH はオーバーライドされる。

次の表は、weblogic.ejbc のコマンドライン オプションの一覧です。

ejbc の例

次の例では、c:\wlserver\samples\examples\ejb\basic\containerManaged\build 内の入力 JAR ファイルに対して javac コンパイラを使用します。出力 JAR ファイルは、c:\wlserver\config\examples\applications 内に置かれます。

$ java weblogic.ejbc -compiler javac c:\wlserver\samples\examples\ejb\basic\containerManaged\build\std_ejb_basic_containerManaged.jar c:\wlserver\config\examples\ejb_basic_containerManaged.jar

次の例では、JAR ファイルが EJB 1.1 仕様に準拠しているかどうかをチェックして、WebLogic Server コンテナ クラスを生成しますが、RMI スタブは生成しません。

$ java weblogic.ejbc -normi c:\wlserver\samples\examples\ejb\basic\containerManaged\build\std_ejb_basic_containerManaged.jar

 


DDConverter

DDConverter は、以前のバージョンの EJB デプロイメント記述子を WebLogic Server 6.x バージョンに準拠した EJB デプロイメント記述子に変換するコマンド ライン ユーティリティです。WebLogic Server EJB コンテナは、EJB 1.1 および EJB 2.0 文書型定義(DTD)を含む EJB 1.1 および EJB 2.0 仕様をサポートしています。各 WebLogic Server EJB デプロイメントには、以下のファイルの標準デプロイメント記述子が含まれています。

DDConverter の変換オプション

DDConverter コマンドライン ユーティリティでは、オプションの指定によって次の変換を行うことができます。

次の表は、DDConverter で使用できる各種の変換オプションの一覧です。

DDConverter ユーティリティの変換オプション

WLS

EJB 非 CMP

EJB CMP

変換前 変換後

変換前 変換後

変換前 変換後

WLS 4.5 - WLS 6.x

注 1 を参照

EJB CMP 1.0 - EJB CMP 1.1

注 2 を参照

WLS 4.5 - WLS 6.x

EJB 1.1 - EJB 2.0

EJB CMP 1.0 - EJB CMP 2.0

WLS 5.x - WLS 6.x

EJB 1.1 - EJB 2.0

注 3 を参照

注意 1: EJB 1.1 の非 CMP デプロイメント記述子は EJB 2.0 の非 CMP デプロイメント記述子と同じであるため、非 CMP EJB 1.0 Bean から非 CMP EJB 1.1 Bean への変換は不要です。

注意 2: EJB CMP 1.0 から EJB CMP 1.1 への変換を行うには、DDConverter のコマンドライン オプションである -EJBVer を使用します。このオプションについての説明は、DDConverter のオプションを参照してください。

注意 3: WLS 5.x の CMP 1.1 Bean と WLS 6.x の CMP 1.1 Bean は異なっていますが、WLS 5.1 の CMP 1.1 Bean は、ソース コードを変更することなく WebLogic Server 6.x で実行できます。

DDConverter を使用した後は、常に Bean を再コンパイルするようにします。weblogic.ejbc を使用してから、新しく生成された JAR ファイルをデプロイすることをお勧めします。Bean を再コンパイルすることにより、コードが EJB 仕様に準拠していることが保証され、また、サーバ起動時の再コンパイル プロセスを省略できることにより時間の節約にもなります。

DDConverter による EJB の変換

WebLogic Server で使用するために以前のバージョンの EJB を変換するには、次の手順に従います。

  1. DDConverter の構文で示されているコマンドライン形式を使用して、 DDConverter への入力となる EJB デプロイメント記述子ファイルを指定します。

    出力は JAR ファイルです。

  2. JAR ファイルから XML デプロイメント記述子を抽出します。

  3. JavaSoft EJB 仕様に従ってソース コードを修正します。

  4. 抽出した XML デプロイメント記述子を使用して、修正済みの java ファイルをコンパイルし、weblogic.ejbc を使用して JAR ファイルを作成します。

  5. JAR ファイルをデプロイします。

DDConverter の構文

$ java weblogic.ejb20.utils.DDConverter [options] file1 [file2...]

DDConverter の引数

DDConverter は、file1 [file2...] のような形式の引数を取ります。この引数に指定するファイルは次のどちらかです。

DDConverter は、テキスト デプロイメント記述子の EJB の beanHomeName プロパティを使用して、新規の ejb-name 要素を出力される ejb-jar.xml ファイルで定義します。

DDConverter のオプション

オプション

説明

-d destDir

JAR ファイルが出力される送り先ディレクトリを指定する。

このオプションは必須。

-c jar name

ソース ファイルのすべての Bean を組み合わせる JAR ファイルを指定する。

-EJBVer output EJB version

2.0 または 1.1 などの出力 EJB バージョン番号を指定する。

-log log file

ddconverter.log の代わりにログ情報の格納先となるファイルを指定する。

-verboseLog

変換に関して ddconverter.log に格納する補足情報を指定する。

-help

DDConverter ユーティリティで使用可能なすべてのオプションのリストを出力する。

次の表は、DDConverter のコマンドライン オプションの一覧です。

DDConverter の例

次の例では、WLS 5.x の EJB 1.1 Bean を、WLS 6.x の EJB 2.0 Bean に変換します。

JAR ファイルは destDir サブディレクトリに作成されます。

$ java weblogic.ejb20.utils.DDConverter -d destDir Employee.jar

Employee.jar は、WLS 5.x の EJB 1.1 Bean の JAR ファイル です。

 


deploy

weblogic.deploy コマンドライン ユーティリティを使用して、EJB 準拠の JAR ファイル(JAR の EJB)を、実行中の WebLogic Server のインスタンスにデプロイします。

deploy の構文

$ java weblogic.deploy [options] [list|deploy|undeploy|update] password {name} {source}

deploy の引数

引数

説明

list

指定した WebLogic Server のすべての EJB デプロイメント ユニットをリストする。

deploy

EJB JAR を指定したサーバにデプロイする。

delete

EJB デプロイメント ユニットを削除する。

undeploy

既存の EJB デプロイメント ユニットを指定したサーバから削除する。

update

EJB デプロイメント ユニットを再デプロイする。

注意: アプリケーションまたはコンポーネントの対象になっているサーバ インスタンスの 1 つでそのアプリケーションまたはコンポーネントを更新すると、対象になっているすべてのサーバ上で同じ更新が行われる。たとえば、アプリケーションの対象がクラスタの場合、クラスタ化されたサーバ インスタンスの 1 つでアプリケーションを更新すると、アプリケーションはクラスタの全メンバで更新される。同様に、クラスタとスタンドアロン サーバ インスタンスがアプリケーションの対象になっている場合は、スタンドアロン サーバのインスタンスでアプリケーションを更新すると、クラスタでもアプリケーションが更新される。また、逆の場合も同様の処理が行われる。

password

WebLogic Server のシステム パスワードを指定する。

{name}

EJB デプロイメント ユニットの名前を識別する。この名前は、deploy または console ユーティリティを使用して、デプロイメント時に指定する。

{source}

EJB JAR ファイルの絶対パス、または EJB デプロイメント ディレクトリの最上位までのパスを指定する。

次の表は、weblogic.deploy のコマンドライン引数の一覧です。

deploy のオプション

オプション

説明

-help

deploy ユーティリティで使用可能なすべてのオプションのリストを出力する。

-version

ユーティリティのバージョンを出力する。

-port <port>

JAR ファイルをデプロイするために使用する WebLogic Server のポート番号を指定する。このオプションを指定しなかった場合、deploy ユーティリティはポート番号 7001 を使用して接続を試みる。

-host <host>

JAR ファイルをデプロイするために使用する WebLogic Server のホスト名を指定する。このオプションを指定しなかった場合、deploy ユーティリティはホスト名 localhost を使用して接続を試みる。

-user

JAR ファイルをデプロイするために使用する WebLogic Server のシステム ユーザ名を指定する。このオプションを指定しなかった場合、deploy は、システム ユーザ名 system を使用して接続を試みる。システム ユーザ名を定義するには、weblogic.system.user プロパティを使用する。

-debug

デプロイメント プロセス中に詳細なデバッグ情報を出力する。

次の表は、weblogic.deploy のコマンドライン オプションの一覧です。

 

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