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BEA WebLogic jCOM の概要
以下の節では、WebLogic jCOM を使用して WebLogic Server が COM クライアントにアクセスできるようにする方法について説明します。
BEA WebLogic jCOM とは
BEA WebLogic jCOM は、双方向型の COM-Java ブリッジ ツールです。WebLogic jCOM を使用すると、あたかも Java オブジェクトであるかのように Component Object Model（COM）コンポーネントにアクセスし、あたかも COM コンポーネントであるかのように pure Java オブジェクトにアクセスできます。
Java と COM の衝突
Java のサポート
多くの企業が Java を採用している理由の 1 つは、Java プログラムが標準 Java 仮想マシン（JVM）をサポートする任意のプラットフォームで実行できるため、ソフトウェアの開発コストとデプロイメント コストを大幅に削減できることです。
「純粋な」Java ソフトウェアを開発するという原則は非常に重要です。多くのソフトウェア開発者は、特定のプラットフォームにしばられるソフトウェアを使用することを極端に嫌います。
COM のサポート
ソフトウェア コンポーネントはオブジェクト指向ソフトウェア開発の自然な進歩の結果であり、アプリケーションのパーツを独立したコンポーネントに分離することを可能にします。このようなコンポーネントは、複数のアプリケーション間で共有できます。また、コンポーネントには厳密に定義されたインタフェースを介してのみアクセスできるので、それらのコンポーネントの実装を変更しても、それらを使用するアプリケーションに影響を与えることがありません。
Microsoft の広く使用されている Component Object Model（COM）は、コンポーネント統合のためのバイナリ標準を定義したものです。COM を使用すると、Visual C++ で作成されたアプリケーションから Visual BASIC などで作成された COM コンポーネントにアクセスできます。
これまでに非常に多くの COM コンポーネントが作成されており、それらを購入することができます。実際、Microsoft Windows で開発された最近のソフトウェアのほとんどは、コンポーネントを使用して作成されています。
Microsoft Windows 上で行う現在のソフトウェア設計では、事実上、アプリケーションを COM コンポーネント ベースのアプローチで設計することが求められます。そのメリットの 1 つは、Distributed COM（DCOM）を使用することによって、同じホスト上のみならずリモート ホストからもアプリケーションの機能の一部にアクセスできることです。
Java と COM の衝突
どこでも動作する Java ソフトウェアを作成したいという要望と COM ソフトウェア コンポーネントを再利用しなければならないという要件の間で衝突が発生する場合があります。
こうした衝突は、対立する 2 つの陣営が存在する企業において表面化します。一方の陣営は、pure Java ソフトウェアを特定のプラットフォームに限定することを極端に嫌う Java 開発者であり、他方の陣営は、COM コンポーネントの利用および再利用を主張する Windows 開発者です。
しかしながら、標準 JVM で動作する、pure Java で開発された新しいアプリケーションから既存のアプリケーションにアクセスしなければならないケースも多々あります。こうした既存のアプリケーションの多くは、Microsoft Windows 環境で開発されています。また、これらのアプリケーションは厳密に設計されているので、それらは COM コンポーネントを公開することによって自身の機能を他のアプリケーションに公開します。
衝突に対する WebLogic jCOM のソリューション
BEA WebLogic jCOM は、「一度書けばどこでも動作する」という Java のメリットと COM コンポーネントの再利用によるメリットをつなぐブリッジを提供することで、このような衝突を解決します。
内部的には、WebLogic jCOM は、Microsoft が COM コンポーネントのアクセス用に定義した標準のプラットフォーム独立メカニズムを使用します。
WebLogic jCOM の動作
WebLogic jCOM の Java-COM ブリッジ機能を使用すると、任意のオペレーティング システム環境で動作する Java オブジェクトから COM に、またはその反対にアクセスできます。
COM 開発者は、Java オブジェクトにコールバックを行うことができます。WebLogic jCOM は、Java オブジェクトをリモート対応にします。これにより、そのすべてのパブリック メソッドとメンバー変数に COM からアクセスできます。
Java プログラマには、WebLogic jCOM によって COM コンポーネントが Java オブジェクトのように見えるので、COM プロパティ、メソッド、およびイベントが Java プロパティ、メソッド、およびイベントとして示されます。
図1-1 WebLogic jCOM は任意のプラットフォーム上の任意の Java 仮想マシンで動作し、ネイティブ コードを必要としない
WebLogic jCOM の pure Java ランタイムは、Distributed COM layered over Remote Procedure Calls（RPC）を使用して COM と対話します。これ自身は、TCP/IP 上にレイヤされます。このため、最低レベルでは WebLogic jCOM は完全に標準の Java ネットワーキング クラスを使用します。
WebLogic jCOM の機能
WebLogic jCOM の主要な機能は以下のとおりです。
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