1 リカバリ・アプライアンスの概要
この章では、オラクル社のZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の機能とハードウェア・コンポーネントについて説明します。
この章の内容は次のとおりです。
リカバリ・アプライアンスについて
リカバリ・アプライアンスは、バックアップとリカバリのソリューションで、Oracleデータベースのデータ保護に特化して設計されています。提供されるリポジトリは非常に拡張性が高く、数百から数千に及ぶデータベースのデルタ変更(つまり差異)をすべて記録できます。
データベース・デルタ・プッシュ・テクノロジを使用すれば、Oracle DBAは、完全なRecovery Manager (RMAN)バックアップを一度だけ実行し、その後は、それぞれのデータベースからリカバリ・アプライアンスへ増分バックアップのみを実行するだけですみます。完全バックアップやテープ・バックアップを繰り返したり、RMANバックアップの削除、検証、メンテナンスのコマンドを何度も実行する必要はありません。
障害が発生した場合、DBAは、すべてのデータベースをリカバリ・ウィンドウの任意の時点、または現在時刻まであと1秒未満の時点までリカバリできます。データベース・デルタ・ストアの仮想完全バックアップ・テクノロジは、RMANのデータベース・リストア・リクエストに対応して、常駐増分ブロックから物理バックアップを作成します。
ローカルのリカバリ・アプライアンスにあるバックアップを、安全なネットワークを使用して、簡単かつ迅速にリモートのリカバリ・アプライアンスにレプリケートし、サーバーやサイトの停止から保護できます。変更されたブロックのみがレプリケートされます。データベースのリストア操作には、リモートのリカバリ・アプライアンスの仮想完全バックアップを使用できます。
自律型テープ・アーカイブにより、サイト災害からの保護がさらに強化されます。リカバリ・アプライアンスでは、長期に渡る保存とアーカイブを目的として、仮想の完全バックアップと増分バックアップが自動的にテープにコピーされます。テープ・ハードウェアに直接接続できるよう、リカバリ・アプライアンスには、テープ・バックアップのソフトウェアが事前にインストールされており、オプションで、計算サーバーごとに16GBのファイバ・チャネル・カードもサポートされます。
データ保護のステータスをエンドツーエンドで把握しながら、このインフラストラクチャ全体を管理し、いつでも正常にデータをリカバリできます。主要な管理ツールは、Oracle Enterprise Manager Cloud ControlとRMANコマンド・インタフェースです。
リカバリ・アプライアンス・ラック・コンポーネント
リカバリ・アプライアンスは、計算サーバー、ストレージ・サーバーおよびネットワークに接続するためのネットワーク・コンポーネントで構成されています。リカバリ・アプライアンスは柔軟な構成が可能なため、必要なだけリソースを用意し、さらに必要になった場合には、追加して拡張できます。単一クラスタに最大18のフル・ラックを構成できます。
表1-1に、Recovery Appliance X8Mラックのコンポーネントを示します。
表1-2に、Recovery Appliance X8-2ラックのコンポーネントをリストします。
表-00に、Recovery Appliance X7ラックのコンポーネントをリストします。
表1-4に、Recovery Appliance X6ラックのコンポーネントをリストします。
表1-4 Recovery Appliance X6ラックのコンポーネント
数量 | コンポーネント |
---|---|
2 |
|
3から18 |
|
2 |
|
2 |
冗長15kVA PDU(単相または3相、高電圧または低電圧) |
1 |
|
2 |
表1-5に、Recovery Appliance X5ラックのコンポーネントを示します。
表1-5 Recovery Appliance X5ラックのコンポーネント
数量 | コンポーネント |
---|---|
2 |
|
3から18 |
|
2 |
|
2 |
冗長15kVA PDU(単相または3相、高電圧または低電圧) |
1 |
|
2 |
表1-6に、Recovery Appliance X4ラックのコンポーネントをリストします。
計算サーバーのコンポーネント
表1-7に、個々のOracle X8M-2計算サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-7 X8M-2計算サーバーのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
24コアXeon 8160プロセッサ(2.4GHz) |
8 |
384 GB RAM |
2 |
100Gb/s RDMAネットワーク・ファブリック・カード |
1 |
10/100/1000BASE-Tのイーサネット・ポート(Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
1 |
1GB銅線イーサネット・ポート(管理) |
2 |
オンボード10ギガビット銅線Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
オンボード10/25ギガビット光イーサネット・ポート |
2 |
オプションのPCIeカード10/25ギガビット光イーサネット・ポート Sun Dual 10/25 GbイーサネットSFP+/28 PCIe 2.0ロープロファイル・アダプタにはインテル82599 10/25 Gbイーサネット・コントローラが組み込まれており、プラガブルSFP+トランシーバがサポートされます。ROHS-5 |
2 |
32 Gbファイバ・チャネル・ポート Sun Storageデュアル32 Gbファイバ・チャネルPCIeユニバーサルHBA、テープ接続用QLogic (オプション) |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能な電源 |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能なファン |
1 |
ディスク・コントローラHBA (2GBのキャッシュを搭載) |
表1-8に、個々のOracle X8-2計算サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-8 Oracle X8-2計算サーバーのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
24コアXeon 8160プロセッサ(2.4GHz) |
8 |
384 GB RAM |
2 |
QDR InfiniBand (40 Gb/s)ポート |
1 |
10/100/1000BASE-Tのイーサネット・ポート(Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
1 |
1GB銅線イーサネット・ポート(管理) |
2 |
オンボード10ギガビット銅線Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
オンボード10/25ギガビット光イーサネット・ポート |
2 |
オプションのPCIeカード10/25ギガビット光イーサネット・ポート Sun Dual 10/25 GbイーサネットSFP+/28 PCIe 2.0ロープロファイル・アダプタにはインテル82599 10/25 Gbイーサネット・コントローラが組み込まれており、プラガブルSFP+トランシーバがサポートされます。ROHS-5 |
2 |
32 Gbファイバ・チャネル・ポート Sun Storageデュアル32 Gbファイバ・チャネルPCIeユニバーサルHBA、テープ接続用QLogic (オプション) |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能な電源 |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能なファン |
1 |
ディスク・コントローラHBA (2GBのキャッシュを搭載) |
表1-9に、個々のOracle X7-2計算サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-9 Oracle X7-2計算サーバーのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
24コアXeon 8160プロセッサ(2.1GHz) |
8 |
384 GB RAM |
2 |
QDR InfiniBand (40 Gb/s)ポート |
1 |
Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用。イーサネット・ポート |
1 |
1GB銅線イーサネット・ポート(管理) |
2 |
オンボード10ギガビット銅線Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
オンボード10/25ギガビット光イーサネット・ポート |
2 |
オプションのPCIeカード10/25ギガビット光イーサネット・ポート Sun Dual 10/25 GbイーサネットSFP+/28 PCIe 2.0ロープロファイル・アダプタにはインテル82599 10/25 Gbイーサネット・コントローラが組み込まれており、プラガブルSFP+トランシーバがサポートされます。ROHS-5 |
2 |
32 Gbファイバ・チャネル・ポート Sun Storageデュアル32 Gbファイバ・チャネルPCIeユニバーサルHBA、テープ接続用QLogic (オプション) |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能な電源 |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能なファン |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
表1-10に、Oracle X6-2計算サーバーのコンポーネントを示します。
表1-10 Oracle Server X6-2のコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
22コア・インテルXeon E5-2699 v4プロセッサ(2.2GHz) |
8 |
32GB RAM (合計256GB) |
4 |
600GB 10K RPM SASディスク |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s)ポート(1個のデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)) |
4 |
1GbE/10GbE Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
10GbEイーサネットSFP+ポート(Intel 82599 10GbEコントローラ・テクノロジに基づいた1個のデュアル・ポート10GbE PCIe 2.0ネットワーク・カード) |
1 |
イーサネット・ポート(Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
1 |
16GBデュアル・ポートQLogic PCIe 3.0 HBAカード(オプション) |
表1-11に、Oracle X5-2計算サーバーのコンポーネントを示します。
表1-11 Oracle Server X5-2のコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
18コア・インテルXeon E5-2699 v3プロセッサ(2.3GHz) |
8 |
32GB RAM (合計256GB) |
4 |
600GB 10K RPM SASディスク |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s)ポート(1個のデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)) |
4 |
1GbE/10GbE Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
10GbEイーサネットSFP+ポート(Intel 82599 10GbEコントローラ・テクノロジに基づいた1個のデュアル・ポート10GbE PCIe 2.0ネットワーク・カード) |
1 |
イーサネット・ポート(Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
1 |
16GBデュアル・ポートQLogic PCIe 3.0 HBAカード(オプション) |
表1-12に、Sun X4-2計算サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-12 Sun Server X4-2のコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
12コア・インテルXeon E5-2697 v2プロセッサ(2.7GHz) |
16 |
16GB RAM (合計256) |
4 |
600GB 10K RPM SASディスク |
1 |
ディスク・コントローラHBA(512MBのバッテリバックアップ式ライト・キャッシュを搭載)およびスワップ可能なバッテリ・バックアップ・ユニット(BBU) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s)ポート(1個のデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)) |
4 |
1GbE/10GbE Base-Tイーサネット・ポート |
2 |
10GbEイーサネットSFP+ポート(Intel 82599 10GbEコントローラ・テクノロジに基づいた1個のデュアル・ポート10GbE PCIe 2.0ネットワーク・カード) |
1 |
イーサネット・ポート(Oracle Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
1 |
16GBデュアル・ポートQLogic PCIe 3.0 HBAカード(オプション) |
ストレージ・サーバーのコンポーネント
表1-13に、Oracle X8-2およびX8M-2ストレージ・サーバーのコンポーネントを示します。
表1-13 Oracle X8-2およびX8M-2ストレージ・サーバーのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
16コア・インテルXeon 5218プロセッサ(2.3GHz) |
8 |
192 GB RAM |
12 |
14TB大容量SASディスク |
4 |
6.4TBフラッシュ・アクセラレータPCIeカード |
1 |
ディスク・コントローラHBA (2GBのキャッシュを搭載) |
2 |
X8M-2のみ: 100Gb/s RDMAネットワーク・ファブリック・カード、1つのデュアル・ポート(PCIe 3.0)、両方のポートがアクティブ |
2 |
X8-2のみ: InfiniBand 4X QDR (40Gb/s) InfiniBandポート、1つのデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)、すべてのポートがアクティブ |
2 |
内蔵ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
10/100/1000BASE-Tのイーサネット・ポート(Integrated Lights Out Manager (ILOM)のリモート管理用) |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能な電源 |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能なファン |
表1-14に、Oracle X7-2Lストレージ・サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-14 Oracle Server X7–2Lストレージのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
10コアXeon 4114プロセッサ(2.0 GHz) |
8 |
192 GB RAM |
12 |
10TB 7.2 K RPM大容量SASディスク |
2 |
3.2TB NVMe (Non-Volatile Memory Express) PCIe 3.0フラッシュ・アクセラレータ・カード |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
2 |
36ポートQDR InfiniBand (40 Gb/s)ポート |
2 |
内蔵ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
イーサネット・ポート(ILOMのリモート管理用) |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能な電源 |
2 |
冗長構成のホットスワップ可能なファン |
表1-15に、Oracle X6-2Lストレージ・サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-15 Oracle X6-2Lストレージ・サーバーのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
10コア・インテルXeon CPU E5-2630 v4 (2.2GHz) |
8 |
16GB RAM (合計128GB RAM) |
12 |
8TB 7.2 K RPM大容量SASディスク |
4 |
3.2TB NVMe (Non-Volatile Memory Express) PCIe 3.0フラッシュ・アクセラレータ・カード |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s)ポート(PCIe 3.0)、両方ともアクティブ・ポート |
4 |
内蔵ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
イーサネット・ポート(ILOMのリモート管理用) |
表1-16に、Oracle Server X5-2Lストレージ・サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-16 Oracle Server X5-2Lのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
8コア・インテルXeon CPU E5-2630 v3 (2.4GHz) |
4 4 |
8GB RAM 16GB RAM (合計96GB RAM) |
12 |
4TB 7.2 K RPM大容量SASディスク |
4 |
1.6TB NVMe (Non-Volatile Memory Express) PCIe 3.0フラッシュ・アクセラレータ・カード |
1 |
ディスク・コントローラHBA (1GBのスーパーキャップバックアップ式ライト・キャッシュを搭載) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s)ポート(1個のデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)) |
4 |
内蔵ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
イーサネット・ポート(ILOMのリモート管理用) |
表1-17に、Sun Server X4-2Lストレージ・サーバーのコンポーネントをリストします。
表1-17 Sun Server X4-2Lのコンポーネント
数量 | 説明 |
---|---|
2 |
シックスコア・インテルXeon E5-2630 v2プロセッサ(2.6GHz) |
4 4 |
8GB RAM 16GB RAM (合計96GB RAM) |
12 |
4TB 7.2K RPM大容量SASディスク |
4 |
800GBのSun Flash Accelerator F80 PCIeカード |
1 |
ディスク・コントローラHBA(512MBのバッテリバックアップ式ライト・キャッシュおよびスワップ可能なBBU搭載) |
2 |
InfiniBand 4X QDR (40Gb/s) InfiniBandポート(1個のデュアル・ポートPCIe 3.0ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)) |
4 |
内蔵ギガビット・イーサネット・ポート |
1 |
イーサネット・ポート(ILOMのリモート管理用) |
リカバリ・アプライアンスの予備のキット・コンポーネント
Recovery Appliance X7の予備のキットには、次のコンポーネントがあります。
-
1台の10TB 7.2K RPM大容量SASディスク
-
1枚のフラッシュ・アクセラレータF320 PCIeカード
-
ラック用の工具
-
Ciscoアクセサリ・アダプタおよびマニュアルの出荷キット
-
サーバーのマニュアル
Recovery Appliance X6の予備のキットには、次のコンポーネントがあります。
-
1台の8TB 7.2K RPM大容量SASディスク
-
大容量ストレージ・サーバー専用の1枚のフラッシュ・アクセラレータF320 PCIeカード
-
ラック用の工具
-
Ciscoアクセサリ・アダプタおよびマニュアルの出荷キット
-
サーバーのマニュアル
Recovery Appliance X5の予備のキットには、次のコンポーネントがあります。
-
1台の4TB 7.2K RPM大容量SASディスク
-
大容量ストレージ・サーバー専用の1枚のフラッシュ・アクセラレータF160 PCIeカード
-
ラック用の工具
-
Ciscoアクセサリ・アダプタおよびマニュアルの出荷キット
-
サーバーのマニュアル
Recovery Appliance X4の予備のキットには、次のコンポーネントがあります。
-
1台の4TB 7.2K RPM大容量SASディスク
-
1枚の800GBのExadata Smart Flash Cacheカード
-
ラック用の工具
-
Ciscoアクセサリ・アダプタおよびマニュアルの出荷キット
-
サーバーのマニュアル
次の予備のケーブルは、リカバリ・アプライアンス・ラック内で結束されます。
-
3mのInfiniBandケーブル1または2本(ラックのサイズにより異なります)
-
青のイーサネット・ケーブル1本
-
赤のイーサネット・ケーブル1本
-
黒のイーサネット・ケーブル1本
ラックのドアとサイド・パネルを閉めるためのキーが、2本ずつ(2組)用意されています。
テープ・バックアップ・インフラストラクチャについて
テープ・バックアップはオプションの機能です。オラクル社のテープ・システムと、サードパーティのテープ・システムを選択できます。
Oracleのリカバリ・アプライアンスは、Oracleテープ・システムのインストールと構成をサポートします。Oracleテープ・システムへのバックアップ目的で、データ・センター内でリカバリ・アプライアンスをストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)に接続できます。
オラクル社の推奨スタック
リカバリ・アプライアンスは、表1-18に記載されているものを含め、業界最高レベルのテープ・インフラストラクチャ・コンポーネントと連携するよう設計されています。
表1-18 オラクル社のテープ・システム・コンポーネント
コンポーネント | モデル | ノート |
---|---|---|
オラクル社のテープ・ライブラリ |
SL150、SL3000、SL8500 |
ACSLS、ACSLS論理ライブラリ、FC-SCSI |
オラクル社のテープ・ドライブ |
T10000D、T10000C、LTO |
オラクル社の推奨ライブラリでは、すべてのインタフェースがサポートされています |
Automated Cartridge System Library Software (ACSLS) |
Automated Cartridge System Library Software (ACSLS) 8.x |
API、論理ライブラリ |
テープ暗号化 |
Oracle Key Manager (OKM) 2.3 |
エンタープライズ・キー管理の推奨キー管理。リカバリ・アプライアンスとシームレスに運用できます |
リカバリ・アプライアンスでは、Oracle Secure Backupのテープ管理ソフトウェアが、すぐに使用可能な状態でサポートされています。これには、次の利点があります。
-
Oracle Secure Backupは、リカバリ・アプライアンスのソフトウェア・インストールの一環としてデプロイおよび構成されます。
-
アップグレードは、リカバリ・アプライアンスのソフトウェア・アップグレードに含まれています。
-
テープ・バックアップにより、リカバリ・アプライアンスのメタデータが自動的に保護されます。
-
Oracle Secure Backupで、テープからの障害回復を自動化できます。
-
Oracle Secure Backupにより、ストレージの場所からテープにデータが直接コピーされます。
-
Oracle Secure Backupでは、InfiniBandとファイバ・チャネルのネットワークのみを使用することで、ローカルのテープ・パフォーマンスを高めています。テープ・バックアップが、IPネットワークに影響を与えることはありません。
サードパーティのテープ・システム
リカバリ・アプライアンスでは、リカバリ・アプライアンスと互換性がある任意のサードパーティ(Oracle以外)のメディア管理ソフトウェアが、すぐに使用可能な状態でサポートされています。
Symantec NetBackupやHP Data Protectorなど、サードパーティ製メディア管理製品のクライアント・ソフトウェア・コンポーネントを計算サーバーにインストールできます。その後、10GbEネットワーク経由で、リカバリ・アプライアンスをクライアントとして構成できます。
リカバリ・アプライアンスのライセンス条件下では、計算ノードのファイバ・チャネル・インタフェースに接続してテープ・デバイスに直接(またはSAN経由で) リカバリ・アプライアンスをバックアップできるのはOracle Secure Backupのみであるため、メディア・マネージャ・サーバー・コンポーネントをインストールできません。Oracle以外のメディア・マネージャ・ソフトウェアは、ネットワーク・クライアントとしてのみ構成されている必要があります。
次の点に注意してください。
-
リカバリ・アプライアンスのソフトウェア・アップグレードでは、クライアント・ソフトウェアやその構成が保存されません。
-
サードパーティのメディア・マネージャでは、リカバリ・アプライアンスのメタデータ保護がサポートされません。
-
リカバリ・アプライアンスにサードパーティ製のメディア・マネージャを構成する場合は、バックアップとリストアが想定どおりに機能し、リカバリ・アプライアンスRACクラスタのすべてのノードが使用されるように、構成を慎重に検証してください。
リカバリ・アプライアンスの変更に関する制限事項
次の制限事項は、リカバリ・アプライアンスのソフトウェアおよびハードウェアの変更に適用されます。これらの制限事項に違反すると、保証およびサポートを受けられなくなる場合があります。
-
お客様は、My Oracle Supportノートに記載されている場合やOracleサポート・アナリストから明確に指示された場合を除き、リカバリ・アプライアンス計算サーバーの内部ソフトウェア・コンポーネントまたは内部構成を変更できません。これには、リスナーの変更または内部データベースへの追加、オペレーティング・システムまたはネットワーク構成ファイルの変更、カスタム・スクリプトのインストール、バックアップ場所のポーリングを除いたあらゆる目的のためのNFSマウントの作成、データベース・インスタンスの追加作成などのアクションが含まれます。
-
サードパーティ・ソフトウェア製品をアプライアンスにインストールすることはお薦めしませんが、My Oracle Supportノート2014361.1に記述されている条件のもとであればインストールは可能です。
-
お客様は、計算サーバー上で「LANバックアップ・エージェント」モードでサードパーティのメディア管理製品のクライアント・ソフトウェア・コンポーネントをインストールできます。Oracle Secure Backupのみがファイバ・チャネル接続を介したテープへのリカバリ・アプライアンス・バックアップをサポートするため、お客様は、メディア・マネージャ・サーバー・ソフトウェア・コンポーネントをインストールできません。
-
追加のソフトウェアをロードすることや、ストレージ・サーバーにインストールされているソフトウェアを変更することはできません。
-
Oracle Enterprise Manager Ops Centerのエージェントはインストールできません。ただし、リカバリ・アプライアンスのソフトウェア・インストール・プロセスの一環として、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理エージェントを計算サーバーにインストールして、システムをモニターすることは可能です。
-
リカバリ・アプライアンスのハードウェアは変更またはカスタマイズできません。これには、2つの例外があります。リカバリ・アプライアンスは次の点に関して、ハードウェアの変更が許可されています。
-
リカバリ・アプライアンスに含まれている管理用の48ポートCiscoギガビット・イーサネット・スイッチに対する変更。お客様は、次の作業を選択できます。
-
ギガビット・イーサネット・スイッチを、内部データ・センターのネットワーク標準に準拠した同等の1U 48ポートのギガビット・イーサネット・スイッチと自費で交換します。リカバリ・アプライアンスの到着後に、お客様が自費で交換する必要があります。お客様がこの変更を選択する場合、多くのシナリオが考えられるため、Oracleでは変更および変更のサポートを行うことができません。また、これは標準インストールに含まれていません。お客様が交換するハードウェアを調達し、他の手段でこの変更を行う必要があります。
-
Ciscoイーサネット・スイッチに接続されているCAT5ケーブルを取り外して、外部スイッチまたはパッチ・パネルでお客様のネットワークに接続します。お客様の作業および負担で、これらの変更を行う必要があります。この場合、ラックのCiscoイーサネット・スイッチの電源を切断して、データ・センター・ネットワークからの接続を解除します。
-
-
リカバリ・アプライアンスへのクライアント・アクセス・ネットワーク・スイッチの追加。ネットワーク・スイッチに次の制限が適用されます。
-
最大2台のクライアント・アクセス・ネットワーク・スイッチをラックに設置できます。
-
スイッチの高さは、1ラック・ユニット(RU)である必要があります。
-
空気は、ラックの前面からラックの背面に流れるようにする必要があります。
-
スイッチは、ラック・スロットU41またはU42に設置する必要があります。
-
消費電力は、各スイッチで400ワット未満である必要があります。
-
パワー・オーバー・イーサネット(PoE)機能(該当する場合)はこれらのスイッチで使用しないでください。
-
-
-
-
Ciscoギガビット・イーサネット・スイッチ上でIOSおよびファームウェアのバージョンを更新し、データ・センターの要件を満たすことができます。
-
計算サーバーのコンポーネントのファームウェアを更新するには、オラクル社が提供するパッチ・バンドルを適用する必要があります。
-
My Oracle Supportノート1927416.1とその関連ノートに記載された検証済バージョンに準拠している場合、InfiniBandスイッチのファームウェアを更新できます。
-