14.6 診断データの収集および単一コマンドの使用によるサービス・リクエスト・データ収集
単一コマンドによるサービス・リクエスト・データ収集(SRDC)では、適切な診断データを迅速に収集できます。
オンデマンドの診断収集を実行するには、次のようにします。
$ tfactl diagcollect
コマンドを実行すると、クラスタ全体にわたって、過去12時間以内に更新されたすべての重要なログ・ファイルの切捨ておよび収集が実行されます。Oracle Trace File Analyzerはリポジトリ・ディレクトリに収集を格納します。–last n h|d
オプションを使用して、diagcollect
期間を変更できます。
Oracleサポートでは、サービス・リクエスト・データ収集(SRDC)を実行するようにユーザーに依頼することがよくあります。SRDCは、発生した問題のタイプによって異なります。SRDCは、問題を診断することを目的とした指示の集合である一連の大量データです。多くの様々なステップが必要になるため、SRDCを手動で収集するのは困難です。
Oracle Trace File Analyzerでは、次の単一コマンドを使用してSRDC収集を実行できます。
$ tfactl diagcollect -srdc srdc_type –sr sr_number
SRDCを実行するには、次のOracle権限ユーザー・アカウントのいずれかを使用します。
-
ORACLE_HOME
所有者 -
GRID_HOME
所有者
表14-3 単一コマンドによるサービス・リクエスト・データ収集
使用可能なSRDC | 問題のタイプ | 収集の範囲 | ||
---|---|---|---|---|
|
Oracle ORAchkおよびOracle EXAchkの問題( |
ローカルのみ |
||
|
アクセス制御リスト(ACL)の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Advanced Queuing環境内の問題 |
ローカルのみ |
||
|
キュー・モニター(QMON)の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Advanced Queuing環境内の通知の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Advanced Queuing環境内のパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseのストレージの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseの監査の標準情報 |
ローカルのみ |
||
|
自動ワークロード・リポジトリ(AWR)でSYSAUX領域が過剰に使用されている |
ローカルのみ |
||
|
Corrupt block relative dbaのアラート・ログ・メッセージの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Data Guardの問題 |
ローカルのみ |
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|
データパッチの問題 |
ローカルのみ |
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|
元のOracle Databaseのエクスポート(exp) |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM) /データベース・ファイル・システム(DBFS) / Direct NFS / Oracle自動ストレージ管理クラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS) の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle GoldenGate |
ローカルのみ |
||
|
元のOracle Databaseのインポート(imp) |
ローカルのみ |
||
|
データ・ポンプ・インポートのパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseのインストール/アップグレードの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseの単一インスタンスの停止の問題 |
ローカルのみ |
||
|
パーティション表、サブパーティション表および索引の問題の作成または保持 |
ローカルのみ |
||
|
パーティション化された表または索引に対して、 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseのパッチ適用の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseのパフォーマンスの問題 |
クラスタ全体 |
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|
Oracle ClusterwareおよびOracle ASMのOracle RAC関連データの収集の問題 |
ローカルのみ |
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|
Oracle DatabaseのOracle RAC関連データの収集の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Recovery Manager (RMAN)の問題 |
ローカルのみ |
||
|
システム変更番号 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseの起動または停止の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Spatialのエクスポートまたはインポートの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Spatialのインストールの問題 |
ローカルのみ |
||
|
SQLのパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Database Configuration Assistantの問題 |
ローカルのみ |
||
|
透過的データ暗号化(TDE)の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Textバージョン12.1.0.1以降のアップグレードの問題 |
ローカルのみ |
||
|
UNDOの破損の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Databaseのリソースの問題 |
ローカルのみ |
||
|
XDBのインストールまたは無効なオブジェクトの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Manager 13cエージェントのパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Manager 13cエージェントの起動の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Manager 13cエージェントのパッチ適用の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Manager 13cエージェントのアップグレードまたはローカルのインストールまたはパッチ適用の問題。 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Managerのターゲットの検出または追加の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Managerデバッグ・ログ収集
|
ローカルのみ(Enterprise Managerエージェント・ターゲットおよびOracle Management Service上) |
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|
Enterprise Managerフリート・メンテナンス・パッチ適用の問題 |
ローカルのみ |
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Enterprise Managerの一般メトリック・ページおよびしきい値の問題 |
ローカルのみ(Enterprise Managerエージェント・ターゲットおよびリポジトリ・データベース上) |
||
|
Enterprise ManagerでのOMSのクラッシュの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise ManagerでのJavaヒープの使用状況またはパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise ManagerでのOMSのクラッシュ、再起動またはパフォーマンスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Managerのパッチ作成の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise ManagerでのOMSの再起動の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Enterprise Manager表領域の使用状況メトリックの問題 |
ローカルのみ(Enterprise Managerエージェント・ターゲット上) |
||
|
Oracle Exalogicの完全なExalogsのデータ収集情報 |
ローカルのみ |
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|
Oracle Exadata: ストレージ・ソフトウェア・サービスまたはオフロード・サーバー・サービスの問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle Exadata: スマートスキャンが機能しない問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle ClusterwareのOracle RAC関連データの収集の問題 |
ローカルのみ |
||
|
Oracle RACのアップグレードおよびパッチ適用の問題 |
ローカルのみ |
||
|
その他の内部Oracle Databaseエラー |
ローカルのみ |
||
|
リスナー・エラー: |
ローカルのみ |
||
|
ネーミング・サービスのエラー: |
ローカルのみ |
||
|
|
ORAエラー |
ローカルのみ |
|
|
オープン・カーソルの問題 |
ローカルのみ |
||
|
|
ローカルのみ |
||
|
Oracle Advanced Queuing環境内の |
ローカルのみ |
||
|
Zero Data Loss Recovery Appliance (ZDLRA)の問題 |
ローカルのみ |
SRDCの詳細は、tfactl diagcollect –srdc -help
を実行してください。
SRDCが収集する情報の種類は、タイプごとに異なります。たとえば、次の表に、SRDCがそれぞれのタイプごとに収集する内容を示します。
表14-4 SRDC収集
コマンド | 収集される情報 |
---|---|
|
|
|
|
Oracle Trace File Analyzerにより、SRDCタイプに基づいて必要な情報を入力するよう求められます。
たとえば、ORA-4031
SRDCを実行するとします。
$ tfactl diagcollect –srdc ORA-04031
Oracle Trace File Analyzer:
-
イベントの日付、時刻およびデータベース名の入力を求めるプロンプトが表示されます。
-
システム(最大10)の最新イベントを識別するためにシステムをスキャンします。
-
関連するイベントを選択した後、診断収集を続行します。
-
必要なファイルをすべて指定します。
-
該当する場合は、すべてのファイルを切り捨てます。
-
サポートに提供できるようにすべてのデータをzipファイル内にパッケージ化します。
非対話型(サイレント)モードでSRDC収集を実行することもできます。次のように、すべての必須パラメータを前もって指定します。
$ tfactl diagcollect –srdc srdc_type -database db -from "date time" -to "date time"
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