2.5 Oracle ORAchkデーモンおよびOracle EXAchkデーモンの管理
この項では、Oracle ORAchkデーモンおよびOracle EXAchkデーモンを管理する手順について説明します。
- デーモンの起動および停止
デーモンを起動および停止します。また、デーモンによってコンプライアンス・チェック実行を強制的に停止します。 - デーモンの自動再起動の構成
デフォルトでは、デーモンが実行されているサーバーまたはノードを再起動した場合、デーモンを手動で再起動する必要があります。 - デーモン・オプションの設定および取得
デーモンを起動する前に、デーモン・オプションを設定します。デーモンの起動後は、いつでもデーモン・オプションをリセットできます。 - ステータスおよび次に計画されているデーモン実行の問合せ
実行中のデーモンのステータスおよび次の自動実行スケジュールを問い合せます。
親トピック: リスクの分析とベスト・プラクティスへの準拠
2.5.1 デーモンの起動および停止
デーモンを起動および停止して、デーモンによってコンプライアンス・チェック実行を強制的に停止します。
デーモンを起動および停止するには:
–d stop
オプションを使用してデーモンを停止します。
2.5.2 デーモンの自動再起動の構成
デフォルトでは、デーモンが実行されているサーバーまたはノードを再起動した場合、デーモンを手動で再起動する必要があります。
ただし、自動再起動オプションを使用すると、デーモンは、サーバーまたはノードが再起動した後に自動的に再起動します。
自動再起動を構成できるのは、root
のみです。
自動的に起動するようデーモンを構成するには:
2.5.3 デーモン・オプションの設定および取得
デーモンを起動する前に、デーモン・オプションを設定します。デーモンの起動後は、いつでもデーモン・オプションをリセットできます。
デーモン・オプションを設定するには:
- AUTORUN_SCHEDULE
AUTORUN_SCHEDULE
デーモン・オプションを使用して、定期的なコンプライアンス・チェックの実行をスケジュールします。 - AUTORUN_FLAGS
AUTORUN_FLAGS
デーモン・オプションは、コンプライアンス・チェックの実行方法を決定します。 - NOTIFICATION_EMAIL
NOTIFICATION_EMAIL
デーモン・オプションを設定して、指定した受信者に電子メール通知を送信します。 - collection_retention
collection_retention
デーモン・オプションを設定して、指定した日数より古い状態チェック収集結果を消去します。 - PASSWORD_CHECK_INTERVAL
PASSWORD_CHECK_INTERVAL
デーモン・オプションは、デーモンの初回起動時に入力されたパスワードをデーモンが検証する頻度(時間単位)を定義します。 - デーモンの複数のオプション・プロファイルの設定
サーバーごとに1つのみのデーモン・プロセスを使用してください。単一のデーモンをクラスタ内の複数のデータベースで起動したり、同じデータベースで複数のデーモンを起動しないでください。 - デーモンの既存のオプションの取得
デーモン・オプションに設定した値を問い合せます。
2.5.3.1 AUTORUN_SCHEDULE
AUTORUN_SCHEDULE
デーモン・オプションを使用して、定期的なコンプライアンス・チェックの実行をスケジュールします。
定期的なコンプライアンス・チェックの実行をスケジュールするには:
$ orachk –set "AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 0"
$ exachk –set "AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 0"
必要に応じて、プロファイルの名前を指定できます。指定しない場合は、id
=DEFAULT
になります。
$ orachk -id dba -set "AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 0"
$ exachk -id dba -set "AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 0"
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.2 AUTORUN_FLAGS
AUTORUN_FLAGS
デーモン・オプションは、コンプライアンス・チェックの実行方法を決定します。
コンプライアンス・チェックの実行方法を構成するには:
$ orachk –set "AUTORUN_FLAGS=-profile sysadmin –tag sysadmin"
$ exachk –set "AUTORUN_FLAGS=-profile sysadmin –tag sysadmin"
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.3 NOTIFICATION_EMAIL
NOTIFICATION_EMAIL
デーモン・オプションを設定し、指定した受信者に電子メール通知を送信します。
電子メール通知を構成するには:
最初の状態チェック実行の後、デーモンはレポート出力を添付して受信者に通知します。
最初の電子メール通知以降の状態チェック実行については、デーモンは、最新の実行間の差分のサマリーを、NOTIFICATION_EMAIL
リストで指定されたすべての受信者に電子メールで送信します。
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.4 collection_retention
collection_retention
デーモン・オプションを設定し、指定した日数より古い状態チェック収集結果を消去します。
収集の保存期間を構成するには:
$ orachk –set "collection_retention=60"
$ exachk –set "collection_retention=60"
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.5 PASSWORD_CHECK_INTERVAL
PASSWORD_CHECK_INTERVAL
デーモン・オプションは、デーモンの初回起動時に入力されたパスワードをデーモンが検証する頻度(時間単位)を定義します。
パスワードの変更により無効なパスワードが検出された場合は、デーモンが停止し、デーモン・ログにエントリが作成され、NOTIFICATION_EMAIL
オプションで指定した受信者に電子メール通知が送信されます。
パスワード検証の頻度を構成するには:
$ orachk –set "PASSWORD_CHECK_INTERVAL=1"
$ exachk –set "PASSWORD_CHECK_INTERVAL=1"
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.6 デーモンの複数のオプション・プロファイルの設定
各サーバーでは1つのデーモン・プロセスのみを使用します。単一のデーモンをクラスタ内の複数のデータベースで起動したり、同じデータベースで複数のデーモンを起動しないでください。
別のOracle ORAchkまたはOracle EXAchkデーモン・プロセスがローカルで実行されていることが検出されると、デーモンは起動しません。
同じデーモンを使用する複数の異なる実行プロファイルを定義します。複数の異なる実行プロファイルを定義すると、複数の異なる状態チェックを、異なるスケジュール、電子メール通知、自動実行フラグなどの異なるデーモン・オプションで実行できます。デーモンによりすべてのプロファイルが管理されます。
デーモンの複数のオプション・プロファイルを設定するには:
たとえば、データベース管理者がチェックをdba
プロファイル内で実行し、システム管理者がチェックをsysadmin
プロファイル内で実行する場合、プロファイル・オプションを使用してデーモンを構成します。
$ ./orachk –id dba –set "NOTIFICATION_EMAIL=dba@example.com;\
AUTORUN_SCHEDULE=4,8,12,16,20 * * *;AUTORUN_FLAGS=-profile dba –tag dba;\
collection_retention=30"
Created notification_email for ID[dba]
Created autorun_schedule for ID[dba]
Created autorun_flags for ID[dba]
Created collection_retention for ID[dba]
$ ./exachk –id dba –set "NOTIFICATION_EMAIL=dba@example.com;\
AUTORUN_SCHEDULE=4,8,12,16,20 * * *; AUTORUN_FLAGS=-profile dba –tag dba;\
collection_retention=30"
Created notification_email for ID[dba]
Created autorun_schedule for ID[dba]
Created autorun_flags for ID[dba]
Created collection_retention for ID[dba]
$ ./orachk –id sysadmin –set "NOTIFICATION_EMAIL=sysadmin@example.com;\
AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 1,3,5; AUTORUN_FLAGS=-profile sysadmin –tag sysadmin;\
collection_retention=60"
Created notification_email for ID[sysadmin]
Created autorun_schedule for ID[sysadmin]
Created autorun_flags for ID[sysadmin]
Created collection_retention for ID[sysadmin]
$ ./exachk –id sysadmin –set "NOTIFICATION_EMAIL=sysadmin@example.com;\
AUTORUN_SCHEDULE=3 * * 1,3,5; AUTORUN_FLAGS=-profile sysadmin –tag sysadmin;\
collection_retention=60"
Created notification_email for ID[sysadmin]
Created autorun_schedule for ID[sysadmin]
Created autorun_flags for ID[sysadmin]
Created collection_retention for ID[sysadmin]
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得
2.5.3.7 デーモンの既存のオプションの取得
デーモン・オプションに設定した値を問い合せます。
[-id ID] -get option | all
説明:
-
ID
はデーモン・オプション・プロファイルです。 -
option
は取得する特定のデーモン・オプションです。 -
all
はすべてのオプションを戻します。
デーモンの既存のオプションを取得するには:
親トピック: デーモン・オプションの設定および取得