2 WebLogic JDBCリソースの構成
- JDBCシステム・モジュール
WebLogic Server管理コンソールまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してJDBCリソース(データ・ソース)を作成すると、WebLogic Serverはドメイン・ディレクトリの下位ディレクトリconfig/jdbc
にJDBCモジュールを作成し、ドメインのconfig.xml
ファイルにモジュールへの参照を追加します。 - JDBCアプリケーション・モジュール
システム・リソース・モジュールとは対照的に、開発者がJDBCモジュールの作成、パック、所有を行い、管理者はモジュールのデプロイのみを行います。 - JDBCモジュール・ファイルのネーミング要件
WebLogic JDBCモジュール・ファイルはすべて、examples-demo-jdbc.xml
のように、末尾に接尾辞-jdbc.xml
を付ける必要があります。 - バージョニングされたアプリケーションのJDBCモジュール
WebLogic Serverは、JDBCモジュールに定義されたデータ・ソースを特定の名前で識別します。 - JDBCスキーマ
WebLogic ServerでJDBCリソースのモジュール式デプロイメント・モデルをサポートするために、WebLogic JDBCオブジェクト用のスキーマweblogic-jdbc.xsd
が用意されています。JDBCリソース・モジュール(記述子)を作成する場合は、モジュールをこのスキーマに準拠させる必要があります。IDEなどのツールは、このスキーマを基にJDBCリソース・モジュールを検証できます。 - JDBCデータ・ソース・タイプ
データ・ソースは、記述子にdatasource-type
セットが含まれる必要があります。この機能は、WebLogic Server 12.2.1で追加されたもので、下位互換性を確保するためのオプションです。 - JDBCリソースのJMXおよびWLSTアクセス
この項では、JMXクライアントまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してWebLogic Server MBeanにアクセスする方法について説明します。 - 高可用性JDBCリソースの作成
JDBCリソースの可用性やリソース間通信のロード・バランシングの改善のため、WebLogic Server管理コンソールを使用して、JDBCデータ・ソースをクラスタ・メンバーにターゲット指定したりデプロイしたりすることができます。
JDBCシステム・モジュール
WebLogic Server管理コンソールまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してJDBCリソース(データ・ソース)を作成すると、WebLogic Serverはドメイン・ディレクトリの下位ディレクトリconfig/jdbc
にJDBCモジュールを作成し、ドメインのconfig.xml
ファイルにモジュールへの参照を追加します。
JDBCモジュールは、jdbc-data-source.xsd
スキーマ(http://www.oracle.com/webfolder/technetwork/weblogic/jdbc-data-source/index.html
で入手可能)に準拠します。
このようにして構成されるJDBCデータ・ソースは、システム・モジュールと見なされます。管理者がシステム・モジュールを所有します。また、同様のリソースをいつでも削除、変更または追加できます。システム・モジュールは、ドメインに構成されたサーバーおよびクラスタのターゲット指定で全面的に利用できます。つまり、同じターゲットにデプロイされているすべてのアプリケーションおよびクライアント・アプリケーションで利用できます。システム・モジュールはまた、JDBCSystemResourceMBeans
としてJMXからアクセスすることもできます。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
汎用データ・ソース・モジュール
汎用データ・ソース・システム・モジュールは、JDBCSystemResource
要素として、ドメインのconfig.xml
ファイルに含まれています。これには、JDBCモジュール・ファイルの名前と、モジュールのデプロイ先であるターゲット・サーバーおよびクラスタのリストが含まれます。図2-1に、config.xml
ファイル内のデータ・ソース・リストと、そのマップ先となるモジュールの例を示します。
ノート:
汎用は単純なデータ・ソースを、マルチ・データ・ソースやActive GridLinkデータ・ソースと区別するために使用する用語です。
この図では、config.xml
ファイルにexamples-demo
データ・ソースがjdbc-system-resource
要素としてリストされています。これはdomain
\config\jdbc
フォルダ内のexamples-demo-jdbc.xml
モジュールにマップされます。
親トピック: JDBCシステム・モジュール
Active GridLinkデータ・ソース・システム・モジュール
Active GridLinkデータ・ソース・システム・モジュールは汎用データ・ソース・システム・モジュールと同様に、JDBCSystemResource
要素として、ドメインのconfig.xml
ファイルに含まれています。Active GridLinkデータ・ソースには、ONS
およびFAN
を含むjdbc-oracle-params
セクションが含まれます。
Active GridLinkデータ・ソースの詳細は、Active GridLinkデータ・ソースの使用方法を参照してください。
親トピック: JDBCシステム・モジュール
マルチ・データ・ソース・システム・モジュール
同様に、マルチ・データ・ソース (MDS)システム・モジュールは、jdbc-system-resource
要素として、ドメインのconfig.xml
ファイルに含まれています。MDSモジュールには、MDSによって使用されるデータ・ソース・モジュールにマップされるdata-source-list
パラメータが含まれます。config.xml
には、個々のデータ・ソース・モジュールも含まれています。図2-2に、config.xml
ファイル内の要素と、config/jdbc
ディレクトリ内のシステム・モジュールの関係を示します。
図2-2 config.xmlからマルチ・データ・ソースおよびデータ・ソース・システム・モジュールへの参照
「図2-2 config.xmlからマルチ・データ・ソースおよびデータ・ソース・システム・モジュールへの参照」の説明
この図では、config.xml
ファイル内に、3つのJDBCモジュールがリストされています。1つのMDSと、そのMDSによって使用される2つの汎用データ・ソースです。この2つのデータ・ソースも、MDSモジュール内にリストされています。アプリケーションは、これらのモジュールのうち任意のものをJNDIツリー上でルックアップして、データベース接続をリクエストできます。MDSをルックアップした場合、そのMDSは、data-source-list
パラメータ内のデータ・ソース、データ・ソースのリスト順、およびalgorithm-type
パラメータで指定されているアルゴリズムに応じて、データベース接続の供給に使用する汎用データ・ソースをどれにするかを決定します。
ノート:
MDSのメンバーは、汎用データ・ソースでなければなりません。MDSやActive GridLinkデータ・ソースはメンバーにできません。
MDSの詳細は、JDBCマルチ・データ・ソースの構成を参照してください
親トピック: JDBCシステム・モジュール
JDBCアプリケーション・モジュール
システム・リソース・モジュールとは対照的に、開発者がJDBCモジュールの作成、パック、所有を行い、管理者はモジュールのデプロイのみを行います。
つまり、パッケージ化されたモジュールの場合、管理者の制御が及ぶ範囲が制限されることになります。リソース・モジュールをデプロイするときに、管理者はモジュールに指定されていたリソース・プロパティを変更できますが、モジュールの追加や削除はできません。(他のJava EEモジュールのように、リソース・モジュールのデプロイメント構成の変更はモジュールのデプロイメント・プランに格納され、元のモジュール自体は変更されません。)
標準のJava EEアプリケーション・モジュール
Java EE 7では、データベース接続の柔軟性と移植性を向上するために、DataSource
リソースをアプリケーション・モジュールとしてプログラミングで定義するオプションが提供されます。Oracle WebLogic Server JDBCアプリケーションの開発のデータソース・リソース定義の使用を参照してください。
親トピック: JDBCアプリケーション・モジュール
独自のJDBCアプリケーション・モジュール
JDBCリソースは、標準のJava EEモジュールと同様に、アプリケーション・モジュールとしても管理できます。独自のJDBCアプリケーション・モジュールとは、単なるjdbc-data-source.xsd
スキーマ(http://www.oracle.com/webfolder/technetwork/weblogic/jdbc-data-source/index.html
で入手可能)に準拠するXMLファイルであり、データ・ソースを表します。
JDBCモジュールは、パッケージ化されたモジュールとして、エンタープライズ・アプリケーションの一部として含めることができます。パッケージ化されたモジュールは、EARまたは展開されたEARディレクトリにバンドルされ、すべての適切なデプロイメント記述子(weblogic-application.xml
やejb-jar.xml
デプロイメント記述子など)内で参照されます。JDBCモジュールはエンタープライズ・アプリケーションと一緒にデプロイされ、同梱されたアプリケーションのみ、またはすべてのアプリケーションで利用できるように構成できます。パッケージ化したモジュールを使用することにより、アプリケーションは必要なリソースに常にアクセスでき、アプリケーションを新しい環境に移動する処理が簡素化されます。パッケージ化されたJDBCモジュールを使用すると、EARファイルを開いたり、データ・ソースの手動による膨大な再構成を行ったりすることなく、アプリケーションと必要なJDBC構成を、ある環境から別の環境に(たとえば、テスト環境から本番環境に)移行できます。
定義により、パッケージ化されたJDBCモジュールは、エンタープライズ・アプリケーションに含まれているため、エンタープライズ・アプリケーションのデプロイ時にデプロイされます。パッケージ化したJDBCモジュールを使用したアプリケーションのデプロイの詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』を参照してください。
独自のJDBCアプリケーション・モジュールは、weblogic.Deployer
ユーティリティまたはWebLogic Server管理コンソールを使用してスタンドアロンのリソースとしてもデプロイできます。その場合、リソースは通常、デプロイメント・プロセスにおいてターゲット指定されたサーバーまたはクラスタで使用できます。このようにしてデプロイされたJDBCリソースはスタンドアロン・モジュールと呼ばれ、WebLogic Server管理コンソールまたはJSR-88対応のツールを使用して再構成できますが、JMXやWLSTを介しては使用できません。
スタンドアロンJDBCモジュールを使用すると、JDBCリソースの共有と移植が容易になります。データ・ソース構成を作成し、他の開発者に配布できます。スタンドアロンJDBCモジュールを使用して、開発ドメインとステージング・ドメインの間など、ドメイン間でデータ・ソース構成の移動もできます。
ノート:
独自のJDBCモジュールをスタンドアロン・モジュールとしてデプロイする場合、マルチ・データ・ソースのデプロイ順序は、そのメンバーの汎用データ・ソースのデプロイ順序より大きい数値である必要があります。
JDBCアプリケーション・モジュールの構成の詳細は、JDBCアプリケーション・モジュールのデプロイメントの構成を参照してください
スタンドアロンJMSモジュールのデプロイについては、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のJDBC、JMS、およびWLDFアプリケーション・モジュールのデプロイを参照してください。
EAR/WARファイルへのドライバの追加
WebLogic Server 10.3.6以上のリリースでは、パッケージ化されたデータ・ソースを含むEAR/WARファイルのAPP-INF/lib
ディレクトリにデータベース・ドライバを追加できます。これにより、アプリケーションに必要なデータ・ソースとドライバの両方を含む自己包含型EAR/WARファイルをデプロイできます。
ノート:
ドライバの場所を含めるためにマニフェスト・ファイルのclasspath
を更新する必要はありません。
EARには独自のクラスローダーがあり、ネストされた全アプリケーション間で使用できるように共有されます。ドライバ・バージョンが異なる、複数のEAR/WARファイルをデプロイできます。ただし、システム・クラスパスに古いバージョンのドライバがある場合は、weblogic.xml
ファイル内でprefer-web-inf-classes
=true
を設定して、アプリケーションがともにパッケージ化されたドライバ・クラスを使用できるようにします。
EARまたはWARに埋め込まれているOracleドライバをojdbc6.jar
またはojdbc7.jar
で使用する場合、関連するクラス・ローダーのクリーンアップに関して既知の問題が存在します。この問題を解決するには、ServletContextListener
のcontextDestroyed()
メソッドからoracle.jdbc.OracleDriver.deregisterHack()
をコールします。
WEB-INF/lib
ディレクトリを使用して、ドライバJARファイルを保持することもできます。次の例は、WARおよびEARファイルの様々なディレクトリの場所を示しています。
Application (ear)
Web module (war)
WEB-INF/lib
EJB module
META-INF
APP-INF/lib
ただし、prefer-web-inf-classes
またはprefer-application-packages
が設定された状態で、DOMAIN_HOME/lib
(DOMAIN_HOME/libのサード・パーティJARファイルの使用を参照)またはシステム・クラスパスと、WEB-INF/lib
またはAPP-INF/lib
の両方に、同じJARの2つのバージョンを保持することはできません。つまり、次のいずれかのみを行う必要があります。
-
DOMAIN_HOME/lib
またはシステムのclasspath
を使用して、ドメイン内のすべてのアプリケーションにドライバを取得します。 -
アプリケーションに埋め込まれたドライバを使用します。
ノート:
この制限に従わない場合、(JAR、バージョン変更、およびJARの参照順序によっては)アプリケーションでClassCastException
が発生する可能性があります。
JARファイルが複数の場所に存在する場合、次のルールが適用されます。
-
weblogic.xml
のprefer-web-inf-classes
がfalseの場合、優先順位は、system classpath
>DOMAIN_HOME/libAPP-INF/libWEB-INF/lib
になります。 -
weblogic.xml
のprefer-web-inf-classes
がtrueの場合、WEB-INF/lib
のクラスが他のすべての場所に優先します。
親トピック: 独自のJDBCアプリケーション・モジュール
JDBCモジュール・ファイルのネーミング要件
WebLogic JDBCモジュール・ファイルはすべて、examples-demo-jdbc.xml
のように、末尾に接尾辞-jdbc.xml
を付ける必要があります。
WebLogic Serverは、モジュールのデプロイ時にファイル名をチェックします。ファイル名の末尾が-jdbc.xml
でないとデプロイメントは失敗し、サーバーは起動しません。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
バージョニングされたアプリケーションのJDBCモジュール
WebLogic Serverは、JDBCモジュールに定義されたデータ・ソースを特定の名前で識別します。
本番再デプロイメント(バージョニング)を使用して、パッケージ化されたJDBCモジュールを含むアプリケーションの、あるバージョンをデプロイする場合、WebLogic Serverは次の形式で、JDBCモジュールにおいて定義されたデータ・ソースを識別します。
application_id#version_id@module_name@data_source_name
この名前はデータ・ソース・ランタイムMBeanに使用されます。また、WebLogic Serverトランザクション・マネージャにデータ・ソース・インスタンスを登録するためにも使用されます。
リタイア中のバージョンのアプリケーションにおいてトランザクションがタイムアウトし、その後そのバージョンのアプリケーションがアンデプロイされると、リタイアされたバージョンのアプリケーションにおけるデータ・ソース上の保留中または未完了のトランザクションを手動で解決することが必要になる場合があります。データ・ソースが(この場合には、リタイアされたバージョンのアプリケーションとともに)アンデプロイされると、WebLogic Serverトランザクション・マネージャは、保留中または未完了のトランザクションをリカバリできなくなります。
本番再デプロイメントの詳細は、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の本番再デプロイメント用アプリケーションの開発および本番再デプロイメントを使用したアプリケーションの更新を参照してください。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
JDBCスキーマ
WebLogic ServerでJDBCリソースのモジュール式デプロイメント・モデルをサポートするために、WebLogic JDBCオブジェクト用のスキーマweblogic-jdbc.xsd
が用意されています。JDBCリソース・モジュール(記述子)を作成する場合は、モジュールをこのスキーマに準拠させる必要があります。IDEなどのツールは、このスキーマを基にJDBCリソース・モジュールを検証できます。
このスキーマは、http://www.oracle.com/webfolder/technetwork/weblogic/jdbc-data-source/index.html
で入手できます。
ノート:
パッケージ化されたデータ・ソースの場合、スキーマの jdbc-data-source-params
要素内のスコープはApplication
にのみ設定する必要があります。値Application
は、次のものに対して無効になります。
-
config/jdbc
内のシステム・リソース(汎用、マルチ・データ・ソースおよびActive GridLinkデータ・ソースを含む)。 -
config.xml
ファイル内の<app-deployment>
要素を使用して、動的または静的にデプロイされたスタンドアロンのデータ・ソース。
これらのデータ・ソース・タイプには、データ・ソースのスコープを指定するアプリケーションや、関連付けられたモジュールはありません。WebLogic Serverでは、Application
のスコープは生成されません。WebLogic Server 10.3.6.0より前のリリースでは、これが行われないことに対してエラーのフラグが付かないため、コンソールにds0@null@ds0
のような無効な名前が表示されます。WebLogic Server 10.3.6.0以上では、この構成エラーに対してError
メッセージが記録されます。また、システムによりスコープがGlobal
に設定され、データ・ソース名がds0
として表示されます。将来のリリースでは、このエラーは致命的なエラーとして扱われる可能性があります。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
JDBCデータ・ソース・タイプ
データ・ソースは、記述子にdatasource-type
セットが含まれる必要があります。この機能は、WebLogic Server 12.2.1で追加されたもので、下位互換性を確保するためのオプションです。
有効な値は、次のとおりです。
-
Generic
—汎用データ・ソース -
MDS
—マルチ・データ・ソース -
AGL
—Active GridLinkデータ・ソース -
UCP
—ユニバーサル接続プール・データ・ソース
datasource-type
がUCP
に設定されていない場合、次の検証が実行されます:
-
datasource-type
がAGL
に設定されている場合、FAN
の有効化がfalse
で、ONS
リストが構成されておらず、Active GridLinkフラグがfalse
であっても、それはActive GridLinkデータ・ソースとして扱われます。 -
datasource-type
がAGL
に設定されていない場合、FAN
の有効化がtrueであるか、ONS
リストが構成されているか、またはActive GridLinkフラグがtrue
であっても、それはエラーになります。 -
データ・ソース・リストが存在せず(マルチ・データ・ソースのメンバーが含まれない状態)、
datasource-type
がGENERIC
またはAGL
以外に設定されている場合、それはエラーになります。 -
データ・ソース・リストが存在し(マルチ・データ・ソースのメンバーが含まれる状態)、
datasource-type
がMDS
以外に設定されている場合、それはエラーになります。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
この項では、JMXクライアントまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用してWebLogic Server MBeanにアクセスする方法について説明します。
- システム・リソース用のJDBC MBeans
- Java EE管理モデルにおけるJDBC管理オブジェクト(JSR-77のサポート)
- WLSTを使用したJDBCシステム・リソースの作成
- JDBCリソースの変更およびモニタリングの方法
- WLSTを使用してJDBCリソースを構成する場合のベスト・プラクティス
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成
システム・リソース用のJDBC MBeans
図2-3は、WebLogicドメイン内のJDBCオブジェクトに対するMBeanの階層を示しています。
JDBCSystemResourceMBean
は、データ・ソース・モジュールから作成されたJavaBeansのコンテナです。ただし、JMXのJDBCデータ・ソースへのアクセスは、すべてJDBCSystemResourceMBean
を使用して行われます。データ・ソース・モジュールから作成された個々のJavaBeansに直接アクセスすることはできません。
親トピック: JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
Java EE管理モデルにおけるJDBC管理オブジェクト(JSR-77のサポート)
WebLogic Server JDBCはJava EE管理モデルを定義するJSR-77をサポートしています。Java EE管理モデルは、Java EE Webアプリケーション・サーバーとそのリソースの実行時状態をモニタリングするために使用されます。Java EE管理モデルにアクセスして、WebLogic JDBCシステム全体、メモリーにロードされたJDBCドライバ、JDBCデータ・ソースなどのリソースをモニターできます。
仕様に準拠するために、WebLogic JDBCサブシステムには次の実行時MBeanタイプが追加されています。
-
JDBCServiceRuntimeMBean
- JDBCサブシステムを表し、現在システムで使用可能なJDBCDriverRuntimeMBeans
、JDBCMultiDataSourceRuntimeMBean
およびJDBCDataSourceRuntimeMBeans
のリストにアクセスするためのメソッドを提供します。 -
JDBCMultiDataSourceRuntimeMBean
- サーバーまたはクラスタにデプロイされたJDBCマルチ・データ・ソースを表します。 -
JDBCDriverRuntimeMBean
- サーバーがメモリーにロードしたJDBCドライバを表します。 -
JDBCDataSourceRuntimeMBeans
- サーバーまたはクラスタにデプロイされたJDBC汎用またはActive GridLinkデータ・ソースを表します。ノート:
WebLogic JDBCランタイムMBeanは、JSR-77で指定されている任意の統計プロバイダを実装していません。
WebLogic ServerでのJava EE管理モデルの使用については、『Oracle WebLogic Server Java EE管理アプリケーションの開発』を参照してください。
親トピック: JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
WLSTを使用したJDBCシステム・リソースの作成
WLSTを使用してJDBCリソースを作成するには、次の基本タスクを実行する必要があります。
-
編集セッションを開始します。
-
JDBCシステム・リソース(プール、データ・ソース、マルチ・データ・ソース、JDBCドライバなど)を含むJDBCシステム・モジュールを作成します。
-
JDBCシステム・モジュールをターゲット指定します。
例2-1 JDBCリソースを作成するWLSTスクリプト
#---------------------------------------------------------------------- # Create JDBC Resources #---------------------------------------------------------------------- import sys from java.lang import System print "@@@ Starting the script ..." global props url = sys.argv[1] usr = sys.argv[2] password = sys.argv[3] connect(usr,password, url) edit() startEdit() servermb=getMBean("Servers/examplesServer") if servermb is None: print '@@@ No server MBean found' else: def addJDBC(prefix): print("") print("*** Creating JDBC resources with property prefix " + prefix) # Create the Connection Pool. The system resource will have # generated name of <PoolName>+"-jdbc" myResourceName = props.getProperty(prefix+"PoolName") print("Here is the Resource Name: " + myResourceName) jdbcSystemResource = wl.create(myResourceName,"JDBCSystemResource") myFile = jdbcSystemResource.getDescriptorFileName() print ("HERE IS THE JDBC FILE NAME: " + myFile) jdbcResource = jdbcSystemResource.getJDBCResource() jdbcResource.setName(props.getProperty(prefix+"PoolName")) # Create the DataSource Params dpBean = jdbcResource.getJDBCDataSourceParams() myName=props.getProperty(prefix+"JNDIName") dpBean.setJNDINames([myName]) # Create the Driver Params drBean = jdbcResource.getJDBCDriverParams() drBean.setPassword(props.getProperty(prefix+"Password")) drBean.setUrl(props.getProperty(prefix+"URLName")) drBean.setDriverName(props.getProperty(prefix+"DriverName")) propBean = drBean.getProperties() driverProps = Properties() driverProps.setProperty("user",props.getProperty(prefix+"UserName")) e = driverProps.propertyNames() while e.hasMoreElements() : propName = e.nextElement() myBean = propBean.createProperty(propName) myBean.setValue(driverProps.getProperty(propName)) # Create the ConnectionPool Params ppBean = jdbcResource.getJDBCConnectionPoolParams() ppBean.setInitialCapacity(int(props.getProperty(prefix+"InitialCapacity"))) ppBean.setMaxCapacity(int(props.getProperty(prefix+"MaxCapacity"))) if not props.getProperty(prefix+"ShrinkPeriodMinutes") == None: ppBean.setShrinkFrequencySeconds(int(props.getProperty(prefix+"ShrinkPeriodMinutes"))) if not props.getProperty(prefix+"TestTableName") == None: ppBean.setTestTableName(props.getProperty(prefix+"TestTableName")) if not props.getProperty(prefix+"LoginDelaySeconds") == None: ppBean.setLoginDelaySeconds(int(props.getProperty(prefix+"LoginDelaySeconds"))) # Adding KeepXaConnTillTxComplete to help with in-doubt transactions. xaParams = jdbcResource.getJDBCXAParams() xaParams.setKeepXaConnTillTxComplete(1) # Add Target jdbcSystemResource.addTarget(wl.getMBean("/Servers/examplesServer")) . . .
親トピック: JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
JDBCリソースの変更およびモニタリングの方法
MBeanから使用できる適切なメソッドを使用すると、JDBCオブジェクトや属性を変更およびモニターできます。
-
JDBCオブジェクトや属性を変更する場合は、set、target、untargetおよびdeleteメソッドを使用します。
-
JDBCランタイム・オブジェクトをモニターするには、getメソッドを使用します。
『WebLogic Scripting Toolの理解』のMBeanのナビゲート(WLSTオンライン)に関する項を参照してください。
親トピック: JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
WLSTを使用してJDBCリソースを構成する場合のベスト・プラクティス
-
MBeanオブジェクトを操作する前に、Null MBeanオブジェクト(プール、データ・ソース、ドライバなど)をトラップします。
-
WLSTをオフラインで使用する場合、管理オブジェクト名で次の文字は無効です: ピリオド(.)、スラッシュ(/)またはバックスラッシュ(\)。詳細は、WebLogic Scripting Toolの理解のWLSTコマンドの構文を参照してください。
親トピック: JMXおよびWLSTのJDBCリソースへのアクセス
可用性の高いJDBCリソースの作成
JDBCリソースの可用性やリソース間通信のロード・バランシングの改善のため、WebLogic Server管理コンソールを使用して、JDBCデータ・ソースをクラスタ・メンバーにターゲット指定したりデプロイしたりすることができます。
ただし、なんらかの理由でクラスタ・メンバーが使用できなくなると、接続はフェイルオーバーしません。新しい接続は、使用可能なクラスタ・メンバーで必要になった場合に作成されます。「サーバーおよびクラスタへのデータ・ソースのデプロイ」を参照してください
ノート:
マルチ・データ・ソースで使用できるのは、同じクラスタ・メンバー(同じJVMの)にデプロイされている汎用データ・ソースのみです。
親トピック: WebLogic JDBCリソースの構成