1 概要
XML開発者向けのサンプル
このマニュアルの他にも、様々なサンプル・コードがXML開発者向けに用意されています。サンプルとチュートリアルではWebLogic Server XMLの動作が例示され、主要なXML開発タスクを実行する実際的な手順が示されています。
XMLを処理する独自のアプリケーションをプログラミングする前に、まずXMLサンプルの一部またはすべてを実行することをお薦めします。
WebLogic Server配布キットのXMLサンプル
WebLogic Serverでは、オプションで、APIコード・サンプルがORACLE_HOME
\wlserver\samples\server
ディレクトリにインストールされます(ここで、ORACLE_HOME
は、WebLogic Serverをインストールしたディレクトリ)。WebLogic Serverサンプル・コードの詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションおよびサンプル・コードに関する項 を参照してください。
WebLogic ServerのXML機能の概要
WebLogic Serverでは、WebLogic Serverに適用可能なXMLテクノロジと、WebLogic Serverに基づくXMLアプリケーションが統合されています。WebLogic Server XMLサブシステムを使用すると、顧客は、標準パーサー、WebLogic FastParser、XSLTトランスフォーマ、DTD、およびXMLスキーマを使用してXMLファイルを処理および変換できます。
この節では、WebLogic Server XMLサブシステムにある以下の機能が表示されています。
XMLドキュメント・パーサー
WebLogic Serverは、JDKに付属のXMLパーサーをデフォルトで使用します。
WebLogic Server管理コンソールによるXMLレジストリの構成では、他のあらゆるXMLパーサーを使用できます。単一のWebLogic Serverのインスタンスを構成することによって、あるパーサーを特定のアプリケーション用に使用し、別のパーサーを異なるアプリケーション用に使用できます。
XMLドキュメントの解析については、「XMLドキュメントの解析」を参照してください
WebLogic Serverバージョン8.1と9.1のデフォルト・パーサーの違い
バージョン8.1およびそれ以前のWebLogic Serverにおけるデフォルトのパーサーは、ApacheのXercesをベースにしたもので、パッケージ名の先頭にはweblogic.apache.xerces.*
が付いていました。バージョン9.1のWebLogic Serverでは、このパーサーは非推奨となりました。かわりに、デフォルトのパーサーはJDKに同梱されているものと同じです。
下位互換性のためweblogic.apache.xerces.*
パーサーはバージョン9.1のWebLogic Serverでも使用できますが、これは現在は非推奨になっており今後のバージョンでは使用できなくなるので、使用しないことを強くお薦めします。ただし、一時的にこのパーサーを使用する必要がある場合は、WebLogic Server管理コンソールを使用して、XMLレジストリを更新または新規作成し、表1-1で示すSAXおよびDOMパーサー・ファクトリ・インタフェースのデフォルト実装クラスを設定することにより、使用中のWebLogic Serverインスタンス用のデフォルトでないパーサーを構成しなければなりません。
表1-1 SAXおよびDOMパーサー・ファクトリ・インタフェースのデフォルト実装クラス
パーサー・ファクトリ・インタフェース | 実装クラス |
---|---|
DOM (DocumentBuilderFactory) |
weblogic.apache.xerces.jaxp.DocumentBuilderFactoryImpl |
SAX (SAXParserFactory) |
weblogic.apache.xerces.jaxp.SAXParserFactoryImpl |
XMLレジストリの作成については、「WebLogic Server XMLの管理」を参照してください。
XMLドキュメント・トランスフォーマ
WebLogic Serverは、JDKに付属のXMLトランスフォーマをデフォルトで使用します。
WebLogic Server管理コンソールによるXMLレジストリの構成では、他のあらゆるXMLトランスフォーマを使用できます。単一のWebLogic Serverのインスタンスを構成することによって、あるトランスフォーマを特定のアプリケーション用に使用し、別のトランスフォーマを異なるアプリケーション用に使用できます。
XMLドキュメントの変換については、「XMLドキュメントの変換」を参照してください
Streaming API for XML (StAX)の実装
WebLogic Serverには、Streaming API for XML (StAX)の実装が含まれています。
「Streaming API for XML (StAX)の使い方」を参照してください。
WebLogic XPath API
WebLogic XPath APIには、DOM
、XMLInputStream
、またはXMLOutputStream
として表現されるドキュメントに対してXPathのマッチングを実行するために必要となる、すべてのクラスが入っています。
「WebLogic XPath APIの使い方」を参照してください。
JAXPプラガブル・レイヤーの実装
Java API for XML Processing (JAXP) 1.2は、Java標準で、パーサーに依存しないXML用APIです。JAXPの詳細は、「JAXPとは」を参照してください。
ノート:
WebLogic Serverは、WebLogic Server管理コンソールからアクセスされるXMLレジストリを使用して、パーサーとトランスフォーマをプラグインします。この点が、システム・プロパティを使用してパーサーとトランスフォーマをプラグインするように指定されたJAXP 1.2仕様との違いです。
WebLogicサーブレット属性
WebLogic Serverは、以下の特殊なサーブレット属性をサポートします。
-
org.xml.sax.HandlerBase
-
org.xml.sax.helpers.DefaultHandler
-
org.w3c.dom.Document
ServletRequest
オブジェクトで、前述の属性を付けてsetAttribute
メソッド(SAX解析の場合)およびgetAttribute
メソッド(DOM解析の場合)を呼び出すと、任意のXMLドキュメントが解析されます。
「サーブレットでのXMLドキュメントの解析」を参照してください。
パーサーおよびトランスフォーマの構成用XMLレジストリ
XMLレジストリは、管理タスクと構成タスクをXMLアプリケーションから切り離すことによって、これらのタスクを簡素化します。WebLogic Server管理コンソールを使用して、WebLogic Serverのインスタンスのパーサーとトランスフォーマを構成します。
「XMLパーサーおよびトランスフォーマの構成タスク」を参照してください。
推奨規格オーバーライド機構によるDOM/SAXの切替え:サポート対象外
WebLogic Serverでは、サーバーのDOMインタフェースとSAXインタフェースの推奨規格オーバーライド機構(Endorsed Standards Override Mechanism)を使用した切替えをサポートしていません。
推奨規格とは、Java Community Process (JCP)以外の標準プロセスを介して定義されたJava APIのことです。http://docs.oracle.com/javase/8/docs/technotes/guides/standards/
にある推奨規格オーバーライド機構に関する項を参照してください。
XMLの詳細情報へのリンク
XMLについてさらに学習するには、以下のオンライン・コースおよびチュートリアルを参照してください。「XMLリファレンス」には追加情報へのリンクがあります。
-
Java 2プラットフォームおよびXMLテクノロジを使用するためのチュートリアル:
http://developerlife.com/
で入手可能 -
XML、Java、そしてWebの未来:
http://www.xml.com/pub/a/w3j/s3.bosak.html
で入手可能 -
XMLバイブルの第17章「XSL変換」:
http://metalab.unc.edu/xml/books/bible/updates/14.html
で入手可能 -
『XSL Tutorial』(Nic Miloslav著):
http://zvon.org/xxl/XSLTutorial/Output/index.html
で入手可能 -
SAX 2.0: XMLのための簡易API:
http://www.saxproject.org/
で入手可能 -
ドキュメント・オブジェクト・モデル(DOM):
http://www.w3.org/DOM/
で入手可能