3 Oracle Analytics Serverエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの理解
次のトピックでは、Oracle Analytics Serverエンタープライズ・デプロイメント・トポロジについて説明します。
これらのトポロジは、標準的なエンタープライズ・デプロイメントについてで説明した概念の具体的な参照用実装です。
- プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジのダイアグラム
このダイアグラムは、プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・デプロイメント・トポロジを示しています。 - プライマリOracle Analytics Serverトポロジ・ダイアグラムの理解
この項では、プライマリ・トポロジに特有の要素に関する情報を示します。 - プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジの実装のフロー・チャートとロードマップ
この項では、この章で説明するエンタープライズ・トポロジをインストールおよび構成するために実行する必要がある大まかなステップを示します。
親トピック: エンタープライズ・デプロイメントの理解
プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジのダイアグラム
このダイアグラムは、プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・デプロイメント・トポロジを示しています。
プライマリOracle Analytics Serverトポロジ・ダイアグラムの理解
この項では、プライマリ・トポロジに特有の要素について説明します。
Oracle Analytics Serverトポロジのほとんどの要素は、オラクル社が推奨するベスト・プラクティスに準拠したエンタープライズ・トポロジの標準機能に相当します。これらの要素については、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントについて」で詳しく説明しています。
ここで説明する情報は、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントについて」の情報を確認したこと、およびエンタープライズ・デプロイメント・トポロジの一般的概念を理解していることを前提としています。
この章で説明するトポロジに特有の要素については、次の各項を参照してください。
Oracle Analytics Serverロード・バランサ仮想サーバー名のサマリー
サーバー上のロードのバランシングと高可用性の提供のために、ハードウェア・ロード・バランサは一連の仮想サーバー名を認識するように構成されています。
これらの各サーバー名の用途については、「標準的なロード・バランサの仮想サーバー名のサマリー」を参照してください。
Oracle Analytics Serverトポロジでは、ハードウェア・ロード・バランサによって次の仮想サーバー名が認識されます。
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bi.example.com
: この仮想サーバー名はすべての受信トラフィックに使用されます。ランタイムOracle Analytics ServerコンポーネントへのすべてのHTTPトラフィックのアクセス・ポイントとして動作します。ロード・バランサは、この仮想サーバー名へのすべてのリクエストをSSLを介してルーティングします。その結果、クライアントは、次のセキュア・アドレスを使用してこのサービスにアクセスします。bi.example.com:443
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biinternal.example.com
: この仮想サーバー名は、アプリケーション層のコンポーネント間の内部通信専用であり、インターネットには公開されません。クライアントからこのURLへのトラフィックは、SSL対応ではありません。クライアントは次のアドレスを使用してこのサービスにアクセスします。そして、リクエストは、WEBHOST1とWEBHOST2のポート7777に転送されます。
biinternal.example.com:80
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admin.example.com
: この仮想サーバー名は、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlおよびOracle WebLogic Server管理コンソール・インタフェースにアクセスする必要がある管理者用です。
このガイドで後ほど説明する手順に従って、次のタスクを実行します。
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リクエストを認識し、仮想ホスト名にルーティングするようにハードウェア・ロード・バランサを構成する
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これらの仮想ホスト名へのリクエストを認識し、正しいホスト・コンピュータに適切にルーティングできるように、Web層のOracle HTTP Serverインスタンスを構成する。
Oracle Analytics Serverアプリケーション層の管理対象サーバーとクラスタのサマリー
アプリケーション層は、Oracle WebLogic Serverドメイン内の管理サーバーおよび管理対象サーバーをホストします。
選択したトポロジに応じて、ドメイン用のOracle WebLogic Serverドメインは、表3-1に示すクラスタで構成されています。このクラスタは、アクティブ/アクティブ高可用性構成として機能します。
表3-1 Oracle Analytics Serverエンタープライズ・デプロイメント・トポロジのクラスタのサマリー
クラスタ | 管理対象サーバー |
---|---|
Oracle Analytics Server |
WLS_BI1、WLS_BI2 |
プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジの実装のフロー・チャートとロードマップ
この項では、この章で説明するエンタープライズ・トポロジをインストールおよび構成するために実行する必要がある大まかなステップを示します。
プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジをインストールおよび構成するステップのフロー・チャート
表3-1は、この章で説明するプライマリ・エンタープライズ・デプロイメント・トポロジをインストールおよび構成するために必要なステップのフロー・チャートです。フロー・チャートに続くセクションで、フロー・チャート内の各ステップについて説明します。
このガイドは、実動するOracle Analytics Serverドメインから始めて、そのドメインをスケール・アウトすることで追加機能を加えられるように設計されています。
トポロジを構築するためのこのモジュラ・アプローチにより、ご使用のハードウェアおよびソフトウェア・リソース、さらに組織にとって最も重要なOracle Analytics Server機能に基づいて、戦略的な決定を下せます。
また、個々の製品またはコンポーネントを構成する際、検証とトラブルシューティングを行うこともできます。
これは、1つの構成ウィザード・セッションで複数の製品を構成できないという意味ではありません。このガイドで示すような様々な拡張機能を1回の構成ウィザード実行でグループ化できます。ただし、このガイドで説明する手順では、主にモジュラ・アプローチを中心にエンタープライズ・デプロイメントを構築します。
エンタープライズ・デプロイメントの計画と準備のためのロードマップ表
次の表は、エンタープライズ・トポロジ・フロー・チャートに示した計画と準備の各ステップについて説明したものです。
フロー・チャートのステップ | 追加情報 |
---|---|
標準的なエンタープライズ・デプロイメントの基礎の理解 |
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デプロイする予定の製品の特定の参照用トポロジの理解。 |
必要な仮想サーバー、クラスタのサマリー、製品に固有のデプロイメントに推奨される管理対象サーバーなど、製品に固有のトポロジおよびトポロジの説明を確認します。 |
Oracle Analytics Server EDGワークブックの確認 |
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ハードウェア、IPアドレスおよびソフトウェア・ダウンロードの入手 |
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ハードウェア・ロード・バランサとファイアウォールの準備 |
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ファイル・システムの準備 |
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システム要件の確認、共有記憶域のマウントおよび仮想IPの有効化 |
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サポートされているOracle RACデータベースの特定またはインストール |
Oracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジの構成のためのロードマップ表
表3-2は、「プライマリOracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジのダイアグラム」に示したトポロジの構成時に必要な各構成ステップについての説明です。
これらのステップは、図3-2のフロー・チャートに示されたステップに対応しています。
表3-2 Oracle Analytics Serverエンタープライズ・トポロジの構成のためのロードマップ表
フロー・チャートのステップ | 追加情報 |
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初期Oracle Analytics Serverドメインの作成 |
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Web層を追加するドメインの拡張 |
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初期Oracle Analytics Serverドメインのスケール・アウト |