D RepManagerユーティリティの使用

この付録では、RepManagerユーティリティについて説明します。この付録の具体的な内容は次のとおりです。

RepManagerユーティリティの概要

RepManagerは、Oracle Management Repository (管理リポジトリ)のアップグレードおよび削除、プラグインの選択的なパージ、ならびにdlfメッセージのOracle Management Repositoryへのロードを行うユーティリティです。このユーティリティは、Oracle Management Service (OMS)ホストのOracleホーム内にあります。

UNIXオペレーティング・システムの場合:

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager

Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合:

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager.bat

このユーティリティは、完全なEnterprise Managerシステムのインストール中にリポジトリ・コンフィギュレーション・アシスタントによって、またEnterprise Manager Cloud Controlのアップグレード中にリポジトリ・アップグレード・コンフィギュレーション・アシスタントによって起動されます。

ノート:

Enterprise Managerスキーマを完全に削除する場合は、OMSホストのOracleホームにあるRepManagerを使用します。データベース・ホーム内のものは、Enterprise Managerスキーマを完全には削除できないため、使用しないでください。

RepManagerユーティリティでサポートされる操作およびコマンド

表D-1に、RepManagerユーティリティでサポートされる操作およびそれに関連付けられたコマンドを一覧表示します。

警告:

削除モードのRepManagerは、"ALTER SYSTEM QUIESCE RESTRICTED;"コマンドによりデータベースを静止モードにします。

表D-1 RepManagerでサポートされる操作およびコマンド

アクション コマンド 説明

preupgrade

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action preupgrade <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>] -pluginDepList "<pluginid1>=<pluginid1 home>,<pluginid2>=<pluginid2 home>" -runAsReposUser <TRUE/FALSE> -dlfSources "<oms home>,<plugin1 home>,<plugin2home>"

この操作では、次のパラメータを指定して、管理リポジトリをアップグレードするための前処理ステップを実行します。

  • 管理リポジトリをアップグレードする必要があるデータベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定します。

  • データベース・ユーザー(SYS)とパスワード、データベース・ロール(SYSDBA)、リポジトリ名(SYSMAN)とパスワード、および管理リポジトリをアップグレードするミドルウェア・ホームを指定します。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです。

  • 依存性に準じて、デプロイするプラグインのリストをカンマで区切って指定します。このオプションでファイルを渡すことができます。内容は、カンマで区切られたプラグインIDのリストです。-pluginDepListパラメータが設定されない場合、またはリストが空白(たとえば、"{}")のままの場合、プラグイン依存リストを取得するためデフォルトで次のものが読み取られます。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/plugininfo/pluginDepList

  • プラグインをデプロイできる方法に応じて、SYSとしてデプロイするか、SYSMAN(リポジトリ・ユーザー)としてデプロイするかを指定します。SYSMANとしてデプロイするには、-runAsReposUserパラメータをTRUEに設定します。このパラメータを渡さない場合には、プラグインはデフォルトでSYSユーザーとしてデプロイされます。

  • プラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所をカンマで区切って指定します。このオプションでファイルを渡すことができます。内容は、カンマで区切られたプラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所です。-dlfSourcesパラメータが設定されない場合、またはリストが空白(たとえば、"{}")のままの場合、dlfリソースの場所を取得するためデフォルトで次のものが読み取られます。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/plugininfo/dlfSources

    このオプションが欠落しているかデフォルトのdlfSourcesファイルが存在しない場合、プラットフォームのdlfファイルのみが取得されます。デフォルトのdlfSourcesファイルが存在する場合、これらのソースの下のDLFのみが取得されます。

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action preupgrade example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -mwHome /scratch/weblogic/middleware -pluginDepList <pluginid1>=<pluginid1 home>,<pluginid2>=<pluginid2 home>

upgrade

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action upgrade <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>]-pluginDepList "<pluginid1>=<pluginid1 home>,<pluginid2>=<pluginid2 home>" -runAsReposUser <TRUE/FALSE> -dlfSources "<oms home>,<plugin1 home>,<plugin2home>"

ノート: アップグレード操作を実行する前にアップグレード前の操作を実行してください。

この操作では、次のパラメータを指定して、管理リポジトリをアップグレードします。

  • 管理リポジトリをアップグレードする必要があるデータベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定します。

  • データベース・ユーザー(SYS)とパスワード、データベース・ロール(SYSDBA)、リポジトリ名(SYSMAN)とパスワード、および管理リポジトリをアップグレードするミドルウェア・ホームを指定します。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです。

  • 依存性に準じて、デプロイするプラグインのリストをカンマで区切って指定します。このオプションでファイルを渡すことができます。内容は、カンマで区切られたプラグインIDのリストです。-pluginDepListパラメータが設定されない場合、またはリストが空白(たとえば、"{}")のままの場合、プラグイン依存リストを取得するためデフォルトで次のものが読み取られます。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/plugininfo/pluginDepList

  • プラグインをデプロイできる方法に応じて、SYSとしてデプロイするか、SYSMAN(リポジトリ・ユーザー)としてデプロイするかを指定します。SYSMANとしてデプロイするには、-runAsReposUserパラメータをTRUEに設定します。このパラメータを渡さない場合、プラグインはデフォルトでSYSユーザーとしてデプロイされます。

  • プラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所をカンマで区切って指定します。このオプションでファイルを渡すことができます。内容は、カンマで区切られたプラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所です。-dlfSourcesパラメータが設定されない場合、またはリストが空白(たとえば、"{}")のままの場合、dlfリソースの場所を取得するためデフォルトで次のものが読み取られます。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/plugininfo/dlfSources

    このオプションが欠落しているかデフォルトのdlfSourcesファイルが存在しない場合、プラットフォームのdlfファイルのみが取得されます。デフォルトのdlfSourcesファイルが存在する場合、これらのソースの下のDLFのみが取得されます。

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action upgrade example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -mwHome /scratch/weblogic/middleware -pluginDepList <pluginid1>=<pluginid1 home>,<pluginid2>=<pluginid2 home>

transX

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action transx <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>] -dlfSources "<oms home>,<plugin1 home>,<plugin2home>"

ノート: -doTransXも実行できます。デフォルトでは、trueに設定されています。falseに設定すると、変換のバンドルがロードされません。これは、preupgradeおよびupgrade操作の-dlfSourcesに適用されます。

この操作では、次のパラメータを指定して管理リポジトリに変換リソースをロードします。

  • データベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定し、管理リポジトリに変換リソースをロードします。

  • リポジトリ名(SYSMAN)とパスワードおよびミドルウェア・ホームを指定して、Oracle Management Repositoryに変換リソースをロードします。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです。

  • プラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所をカンマで区切って指定します。このオプションでファイルを渡すことができます。内容は、カンマで区切られたプラットフォーム/プラグインのDLFファイルの場所です。-dlfSourcesパラメータが設定されない場合、またはリストが空白(たとえば、"{}")のままの場合、dlfリソースの場所を取得するためデフォルトで次のものが読み取られます。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/plugininfo/dlfSources

    このオプションが欠落しているかデフォルトのdlfSourcesファイルが存在しない場合、プラットフォームのdlfファイルのみが取得されます。デフォルトのdlfSourcesファイルが存在する場合、これらのソースの下のDLFのみが取得されます。

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action transx example.com 1521 db3 -reposName sysman -mwHome /scratch/WLS/middleware

resume

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -resume retry <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>] -checkpointLocation <directory where schemamanager stores checkpoints>

この操作では、次のパラメータを指定して、最後に失敗した操作(たとえばアップグレード操作)を再開します。

  • 操作を再開する必要があるデータベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定します。

  • データベース・ユーザー(SYS)とパスワード、データベース・ロール(SYSDBA)、リポジトリ名(SYSMAN)とSYSMANユーザーのパスワード、および操作を再開する必要があるミドルウェア・ホームを指定します。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです。

  • ステップを再開する場所を指定します。チェックポイントの場所は、$<ORACLE_HOME>/sysman/log/schemamanagerです。

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -resume retry -checkpointLocation /scratch/weblogic/middleware/oms/sysman/log/schemamanager -mwHome /scratch/weblogic/middleware

drop

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action drop <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>] [-mwOraHome <Oracle Home>]

または

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action drop <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman [-mwHome <Middleware home>] [-mwOraHome <Oracle Home>]

SYSMAN、SYSMAN_MDS、SYSMAN122130_OPSSおよびSYSMAN_APMに実行中のアクティブなセッション、スケジューラ・ジョブおよびdbms_jobがないことを確認します。これらのユーザーがログインしていないことを確認します。これを確認するには、すべてのOMSインスタンスでコマンドemctl stop oms -allを使用して、OMSを停止します。

ノート: BI Publisher (BIP)がインストールされ構成済の場合、このコマンドを実行する前に管理サーバーを使用してBIPを停止する必要があります。

この操作では、次のパラメータを指定して、すべてのEnterprise Managerリポジトリ・スキーマを削除します。

  • すべてのスキーマを削除する必要があるデータベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定します。

  • データベース・ユーザー(SYS)とパスワード、データベース・ロール(SYSDBA)、リポジトリ名(SYSMAN)とパスワードおよびミドルウェア・ホームを指定します。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです。

最後に、この操作のステータスを確認する確認メッセージが表示されます。すべてのスキーマが正常に削除されると、同様の確認メッセージが表示されます。そうでない場合は、各スキーマの詳細を示すメッセージが表示されます。

次に例を示します。

SYSMAN_OPSS schema is not cleaned. 
EM_X synonyms are not dropped.

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -action drop -mwHome /scratch/weblogic/middleware

または

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -action drop -mwHome /scratch/weblogic/middleware -mwOraHome /scratch/weblogic/middleware

pluginpurge

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager -action pluginpurge <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -dbUser sys -dbPassword <sys password> -dbRole sysdba -reposName sysman -pluginPurgeList "<plugin_name>=<plugin_location>" [-mwHome <Middleware home>] -mwOraHome <Oracle Home>

ノート: 複数のプラグインをパージするには、-pluginPurgeList引数で、プラグインをカンマで区切って入力します。たとえば、<pluginid1>=<pluginid1 home>, <pluginid2>=<pluginid2 home>となります。

この操作では、次のパラメータを指定して、管理リポジトリからプラグインを削除します。

  • プラグインを削除する必要があるデータベースに接続するためのホスト、ポートおよびSIDを指定します。

  • データベース・ユーザー(SYS)とパスワード、データベース・ロール(SYSDBA)、リポジトリ名(SYSMAN)とパスワードおよびミドルウェア・ホームを指定します。ここで、ミドルウェア・ホームはWebLogic Server、OMSおよび他のコンポーネントが構成されているOracleホームです

  • EM-EXTモデルを持つEnterprise Managerリポジトリからパージされるプラグイン・リストをカンマで区切って指定します。

$<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager example.com 1521 db3 -dbUser sys -dbRole sysdba -reposName sysman -action pluginpurge -pluginPurgeList "oracle.sysman.myyempwpax.oms.plugin_13.4.0.0.0=/scratch/weblogic/middleware/plugins/oracle.sysman.myyempwpax.oms.plugin_13.4.0.0.0" -mwHome /scratch/weblogic/middleware

ノート:

-action dropおよび-action dropallコマンドのサポートの詳細は、表2-5を参照してください。

ノート:

RepManager操作でパスワードを指定しない場合、パスワードの指定を求めるプロンプトが表示されます。