C Oracle Management Agentのデプロイまたはアップグレード中のパッチの適用

Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース3以降では、管理エージェント・バイナリを管理エージェント・パッチおよびプラグイン・パッチと組み合せることができるため、管理エージェントをデプロイまたはアップグレードするたびにこれらのパッチを適用する必要がありません。管理エージェント・ソフトウェアの特定のバージョンに適用する管理エージェント個別パッチは、同じバージョンの新しい管理エージェントがデプロイされるとき、または古い管理エージェントがそのバージョンにアップグレードされるときに常にこれらのパッチが自動的にソフトウェアに割り当てられるように保存できます。これは一度の操作のため、管理エージェントをデプロイまたはアップグレードするたびにこの処理を行う必要はありません。

管理エージェント個別パッチをこの付録で説明したようにOMSホストに保存した場合、管理エージェントのデプロイまたはアップグレード処理は、管理エージェントのそれぞれのバージョンおよびプラットフォームに対してこれらのパッチを自動的に選択します。そのため、この機能を利用することにより時間と労力を大幅に節約できます。

プラグインにパッチを適用する方法、ならびに新規にデプロイするすべての管理エージェントおよびアップグレードするすべての旧管理エージェントにパッチ適用済プラグインがデプロイされることを確認する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの管理ガイドを参照してください。

管理エージェントに適用するパッチおよびプラグインが管理エージェントのデプロイまたはアップグレード後に自動的に適用されるようにするには、管理エージェントのデプロイまたはセッションのアップグレードを計画する前に、必ずこの付録および前の段落で参照された項に記載のステップに従ってください。

この付録の内容は次のとおりです。

管理エージェント・パッチのOMSホストへの保存

管理エージェント個別パッチを、新規の管理エージェントがデプロイされたときまたは管理エージェントがアップグレードされたときに常に適用されるように、OMSホストに保存するには、次のステップを実行します。

  1. 次のURLで利用できるMy Oracle Supportから必要な管理エージェント個別パッチをダウンロードします。

    https://support.oracle.com/

    ダウンロードしたパッチzipファイルのサイズがMy Oracle Supportページに表示されているサイズと同じであることを確認します。

    My Oracle Supportからパッチをダウンロードする方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerライフサイクル管理者ガイド』を参照してください。

  2. OMSホストに次のディレクトリを作成し、そこにすべての汎用管理エージェント個別パッチを転送します。

    $<ORACLE_HOME>/install/oneoffs/<agent_version>/Generic/

    ここで、<agent_version>はパッチが適用される管理エージェントのバージョンです。このディレクトリの作成中、必ず5桁の管理エージェントのバージョンを使用してください。

    たとえば、13cリリース3管理エージェントをデプロイするとき、または旧管理エージェントを13cリリース3にアップグレードするときには常に、13cリリース3管理エージェント用の汎用管理エージェント個別パッチであるパッチ11180406を適用する場合、My Oracle Supportからこのパッチをダウンロードし、次のディレクトリを作成し、そこにパッチを転送します。

    /u01/software/em13c/oraclehome/install/oneoffs/13.3.0.0.0/Generic/

  3. OMSホストに次のディレクトリを作成し、それらにすべてのプラットフォーム固有の管理エージェント個別パッチを転送します。

    $<ORACLE_HOME>/install/oneoffs/<agent_version>/<platform>/

    ここで、<agent_version>はパッチが適用される管理エージェントのバージョンです。これらのディレクトリの作成中、必ず5桁の管理エージェントのバージョンを使用してください。

    <platform>はプラットフォームのディレクトリ名で、パッチ・プラットフォームにより異なります。表C-1は、様々なパッチ・プラットフォーム用に作成する必要のあるプラットフォーム・ディレクトリの一覧を示しています。

    表C-1 プラットフォーム固有の管理エージェント・パッチ転送用のプラットフォーム・ディレクトリ名

    パッチ・プラットフォーム プラットフォーム・ディレクトリ名

    Linux x86

    linux

    Linux x86-64

    linux_x64

    Oracle Solaris on SPARC (64ビット)

    solaris

    Oracle Solaris on x86-64 (64ビット)

    solaris_x64

    HP-UX PA-RISC (64ビット)

    hpunix

    HP-UX Itanium

    hpi

    IBM S/390ベースLinux (31ビット)

    linux_zseries64

    POWER Systems (64ビット)上のIBM AIX

    aix

    IBM: POWER Systems上のLinux

    linux_ppc64

    Microsoft Windows x64 (64ビット)

    windows_x64

    Microsoft Windows (32ビット)

    win32

    ノート:

    複数OMS環境の場合、必ずすべてのOMSホストに対してこれらのステップを実行します。すべてのOMSホストの同じディレクトリに同じパッチをダウンロードおよび転送してください。そうしないと、不整合や予期しないエラーが発生する場合があります。

    たとえば、パッチ11878907 (13cリリース3 Linux x86-64管理エージェント用)およびパッチ11993577 (13cリリース3 Microsoft Windows x64管理エージェント用)を、これらの管理エージェントをデプロイするとき、またはこれらの管理エージェントを13cリリース3にアップグレードするときに常に適用する場合には、My Oracle Supportからこれらのパッチをダウンロードし、次のディレクトリを作成し、それらにパッチを転送します。

    パッチ11878907

    /u01/software/em13c/oraclehome/install/oneoffs/13.3.0.0.0/linux_x64/

    パッチ11993577

    /u01/software/em13c/oraclehome/install/oneoffs/13.3.0.0.0/windows_x64/

管理エージェントのデプロイまたはアップグレード後のパッチ適用の検証

OMSホストに保存した管理エージェント個別パッチ(「管理エージェント・パッチのOMSホストへの保存」で説明)がデプロイまたはアップグレードした管理エージェントに適用されたかどうかを検証するには、次の方法を使用できます。

  • 管理エージェント・ホームから次のコマンドを実行します。

    $<AGENT_HOME>/OPatch/opatch lsinventory -oh <AGENT_HOME> -invPtrLoc <AGENT_HOME>/oraInst.loc

    このコマンドにより、管理エージェントに適用されたすべてのパッチが表示されます。

  • Cloud Controlコンソールで、「設定」メニューから「Cloud Controlの管理」を選択し、「エージェント」を選択します。目的の管理エージェント名をクリックしてそのホームページに移動します。「構成」セクションで「Oracleホームとパッチの詳細」をクリックします。管理エージェントに適用されたパッチが「パッチ適用」セクションに表示されます。