構成履歴

構成履歴は、1年間に記録された管理対象エンティティ(ターゲット)に行われた変更のログです。構成の変更と関係の変更の両方が履歴に記録されます。関係とは、管理対象エンティティ間に存在するアソシエーションです。

構成履歴は、エンタープライズ全体の変更アクティビティをモニタリングする強力なツールです。次のような使用方法があります。

  • 前月のOracle RACシステムのパフォーマンスが低下していることに気付きました。管理者として、その期間に発生した変更を把握する場合に便利です。メンバーが追加または削除されたか。システム自体の構成変更が発生したか。

  • 日勤の管理者が、検出された変更内容が適用されたパッチの結果であることに気付き、その結果に関する注釈を追加します。夜勤の管理者が変更についてのアラートを受信し、フォローアップに関する注釈を見られます。

  • 本番ホストへのハードウェア・メモリーの変更が検出されました。管理者は、この領域での今後すべての変更に関し、継続してITグループを転送することにします。管理者は、本番ホストのハードウェア・メモリーへの変更履歴のみを確認し、そのような変更内容のITグループを通知する再帰ジョブをスケジュールできます。

構成履歴を表示して、次のことを実行できます。

  • 検索条件を指定して絞り込むことで、一定期間のターゲットへの変更を追跡できます。

  • 変更履歴を表示し、情報の表示方法を操作できます。

  • 変更履歴の一部となる変更レコードにコメント付きで注釈を付けることができます。注釈にはタイムスタンプと所有者が含まれます。

  • 履歴検索をスケジュールし、同じ条件に基づいて今後の変更を取得できます。

  • スケジュール済履歴ジョブのステータスを表示できます。

  • 今後変更が検出されたら他のユーザーに通知できます。

  • 変更履歴の詳細をファイルに保存できます。

この項の内容は次のとおりです。

構成履歴へのアクセス

次の方法のいずれかを使用して、構成履歴にアクセスします。

  • 「エンタープライズ」メニューから「構成」を選択し、「履歴」を選択します。構成履歴の検索に進みます。

  • すべてのターゲットの検索を実行します。戻されるターゲットの行を右クリックして、「構成」を選択して、ポップアップ・メニューの「履歴」を選択します。選択されたターゲットの結果を表示して、それぞれの検索基準フィールドのタイプおよび名前で識別します。異なる結果を表示するには、フィルタ基準を変更します。特定の構成アイテムなどを選択するか、日付範囲を変更します。

  • ターゲット・ホームページで、「構成」を選択して、ターゲット・タイプ固有のメニュー(左上隅)の「履歴」を選択します。ターゲットの結果を表示して、それぞれの検索基準フィールドのタイプおよび名前で識別します。異なる結果を表示するには、フィルタ基準を変更します。特定の構成アイテムなどを選択するか、日付範囲を変更します。

構成履歴の処理

構成履歴は、構成履歴内で次のタスクを実行します。

  • 構成の変更履歴内でのドリルダウン

  • 注釈やコメントの入力

  • 繰返し行われる履歴検索のスケジュールと結果の送信

  • 変更履歴のファイルへの保存

  • 構成履歴の保存

  • SQLを使用した検索の作成

履歴の検索

構成履歴を検索するには、次のステップに従います。

  1. 「エンタープライズ」メニューから、「構成」を選択し、次に「履歴」を選択します。
  2. 「新規検索」セクションで、ターゲット・タイプを選択します。コンポジット・ターゲット・タイプ(システムまたはグループ)を選択した場合のみ、「メンバー・ターゲットの変更を含む」チェック・ボックスがアクティブになります。
  3. ターゲット名の検索基準を選択および指定します。
  4. 「リンクの追加」をクリックして、検索に構成アイテムを追加します。

    「構成アイテムの適用」ダイアログ・ボックスの、左のパネルで構成アイテムを検索でき、右のパネルを使用して構成アイテムを微調整できます。構成検索に適用する構成アイテムを選択したら、「適用」をクリックします。または、「リセット」をクリックして以前の構成アイテムを取得するか、「取消」をクリックします。

  5. 検索のスコープを、特定のタイプの変更(たとえば変更、削除されたアイテム、新規アイテム)に制限します。すべてのタイプの変更が、デフォルトで選択されています。
  6. 変更を検出する日数を指定します。デフォルトの期間は直前の7日間です。
  7. より高度な検索を行うには、「拡張」をクリックして、次の操作を行います。
    • 「リンクの追加」をクリックして関係アイテムを追加します。ダイアログ・ボックスで関係タイプを選択して、「OK」をクリックします。このリンクは、特定のターゲット・タイプが選択された場合と、「メンバー・ターゲットの変更を含む」チェック・ボックスが選択されていない場合にのみ有効です。

    • 基準ベースのすべての履歴レコードを表示するか、タイムスタンプおよびターゲットごとにグループ化するかを選択します。デフォルトはGroupedです。

    • 時間の範囲「前」と「後」を指定して、検出される変更の日付と時刻の範囲を微調整できます。

    • 「注釈」、「ホスト上」および「メンバー所属先」オプションの検索基準を指定します。

  8. 「SQLを使用した検索」をクリックして、「構成の変更」または「関係の変更」を選択します。
  9. 「構成履歴モデラー」ページで、「検索」をクリックして操作をトリガーします。進行インジケータが実行中の検索アクティビティを検証します。最下部の表に結果が表示されます。

ノート:

考慮すべき検索方法として、全体レベルの検索を実行して、変更のボリュームを確認します。元に戻り、フィルタを追加して、検索を絞り込みます。

履歴検索結果の処理
各行は、変更が検出され、変更が追加、削除または変更されたものから構成される場合の、検索基準を満たすターゲットを表しています。タブのカッコ内の数は、検出された対応する構成および関係の変更数に反映されます。関係のターゲット名で検索すると、すべてのソース・ターゲット、宛先ターゲットおよびターゲット名を含むターゲットでの一致を返します。
  • 「リアルタイム監視の参照」をクリックして、コンプライアンス・ルールによりモニターされるアクションを検索します。監視は、ユーザーがホストで実行したアクションまたはリアルタイム・モニタリング・ルールでモニター対象として構成されたターゲットです。

  • 「エクスポート」をクリックして、検索結果をスプレッドシートなどのCSVファイルに保存します。各列の値はカンマ区切り値を表しています。

  • 「履歴レコード」列の番号をクリックし、選択したターゲットで検出された変更を表示します。

変更された詳細表で、表の行を選択し、次のいずれかを実行します。

  • 「詳細」をクリックし、ポップアップ・ウィンドウに変更詳細を表示します。これには古い値と新しい値、および注釈の詳細が含まれます。「変更のタイプ」列のChangeリンクが同じウィンドウにポップアップ表示されます。

  • 「リアルタイム監視の参照」をクリックして、コンプライアンス・ルールによりモニターされるアクションを検索します。監視は、ユーザーがホストで実行したアクションまたはリアルタイム・モニタリング・ルールでモニター対象として構成されたターゲットです。

  • 「注釈の追加」をクリックして、変更に関するコメントを入力します。

  • 「エクスポート」をクリックして、検索結果をスプレッドシートなどのCSVファイルに保存します。各列の値はカンマ区切り値を表しています。

構成変更への注釈の追加

注釈の履歴を表示するには:

  1. 変更の詳細表で行を選択し、「詳細」をクリックします。
  2. ポップアップしたウィンドウで、「注釈詳細」をクリックします。

構成変更に注釈を追加するには:

  1. 変更された行を選択します。複数の行に同じ注釈を追加するには、複数選択機能([Ctrl] +クリックまたは[Shift] +クリック)を使用します。
  2. 「注釈の追加」をクリックします。
  3. ポップアップするウィンドウで、コメントを入力し、「OK」をクリックします。指定した列にコメントが表示されます。ログイン名およびタイムスタンプは、コメントに関連付けられ、変更詳細を表示するときに開くポップアップ・ウィンドウで使用できます。

コメントを入力した本人である(またはスーパー管理者権限がある)場合、注釈を削除することもできます。注釈が含まれる行を選択し、「注釈の削除」ボタンをクリックします。表示されたポップアップ・メッセージで削除を確認します。

履歴検索のスケジュールおよび通知リストの作成

変更履歴検索を、バックグラウンド・ジョブで実行するようにスケジュールできます(「スケジュールと通知」ボタンをクリックします)。検索は、一度のみまたは繰り返し実行するよう選択できます。即時または後日のいずれかで検索を実行します。検索結果へのリンクを送信する電子メール・アドレスを指定することもできます。

スケジュールされた履歴検索を、変更の発生時にアラートを生成する追跡メカニズムとして使用します。

  1. ジョブのスケジュールを指定します。
    • すぐに実行しない場合は、いつ実行するかを指定します。「後で」をクリックして、日時の選択が可能なカレンダ・ウィジェットをアクティブ化します。

    • 頻度を指定します。ドロップダウン・リストでレポート頻度を選択します。デフォルトは一度のみです。

    • 待機期間を指定します。ジョブがスケジュールどおりに実行されない場合は、指定された時間枠内で取り消されます。

    • スケジュールを維持する期間を指定します。指定された期間の間ジョブ・スケジュールが維持されます。

  2. 変更履歴の検索結果を知らせる相手の電子メール・アドレスを入力します。アドレスはカンマで区切ります。
  3. 「OK」をクリックして、ジョブをスケジュールします。

履歴のファイルへの保存

選択した変更履歴のスナップショットを取得し、さらに確認するために、変更の詳細をCSVファイルに保存して、幅広いユーザーと共有できます。「エクスポート」をクリックし、エクスポート・ダイアログの指示に従います。

構成履歴の保存

構成履歴ページの「別名保存」ボタンをクリックすることで、構成履歴検索を保存できます。表示される「構成履歴」 - 「Oracle Enterprise Manager」ダイアログ・ボックスで、保存済構成履歴の名前を入力します。

「OK」 をクリックします。

構成履歴検索は「構成検索ライブラリ」に格納されます。構成検索ライブラリに移動するには、「エンタープライズ」メニューから「構成」を選択し、「検索」をクリックします。

保存済構成履歴を選択して、「編集」、「削除」、「実行」などのタスクを実行できます。

SQLを使用した検索の作成

すべてのフィルタ基準を指定しても、検索結果が不十分な場合があります。さらに検索を改良するために、構成履歴ページで「SQLを使用した検索」をクリックしてから、「構成の変更」または「関係の変更」を選択します。

SQLを使用した検索ページで、SQL問合せ文を編集して検索の式を拡張し、検索を再実行することができます。この場合、ビューを使用することに注意してください。基になっている表にはアクセスできません。

「検索」をクリックします。

「別名保存」をクリックすることで、SQL検索を保存することもできます。表示される「構成検索の作成」ダイアログ・ボックスでSQL検索の名前を入力し、「OK」をクリックします。

SQL検索は「構成検索ライブラリ」に格納されます。構成検索ライブラリに移動するには、「エンタープライズ」メニューから「構成」を選択し、「検索」をクリックします。

保存済構成履歴を選択して、「編集」、「削除」、「実行」などのタスクを実行できます。

履歴ジョブ・アクティビティの表示

現在および過去のすべての履歴検索のリストを表示します。検索基準を使用して履歴ジョブのリストをフィルタします(「履歴ジョブ・アクティビティ」ボタンをクリックします)。たとえば、過去24時間以内に開始されたすべてのスケジュール済履歴検索を表示したり、過去31日以内に開始されて成功したホストを含むすべての履歴検索を表示します。31日より古い履歴ジョブはパージされます。

自分の権限を超えて表示できる履歴ジョブは、付与されているロールおよびアクセス・レベルによって異なります。

表の行を選択して「結果の表示」をクリックし、履歴検索が報告されたジョブ・ページに移動します。ここから、履歴検索によって検出された変更にドリルダウンできます。ジョブ名は、同じ場所まで移動するためのハイパーリンクです。ジョブ・ページ上のブレッドクラムを使用して、リストに戻ります。

ジョブ所有者であるか、適切なアクセス・レベルを有する場合、関係なくなった履歴ジョブを削除することによってリストのメンテナンスを実行できます。