構成拡張および収集
構成拡張は、Cloud Controlがまだ収集していないファイルおよびその他の構成データを識別する方法を提供します。よく知られたターゲット・タイプまたは構成拡張定義の一部として導入されたターゲット・タイプで、カスタマイズされた構成を収集できます。ブループリントと呼ばれる構成拡張のセットをOracleからダウンロードできます。ブループリントと呼ばれるのは、特定のプラットフォーム(Apache Tomcatなど)について収集するファイルとデータを詳細に規定しているためです。
構成拡張の一般的なライフサイクルは次のとおりです。
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構成拡張を作成し、いくつかのターゲットにデプロイします。
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一定期間の有効性を評価します。
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指定を変更および微調整し、より広範に再デプロイします。
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適切でなくなったら、指定をアンデプロイし、削除します。
この項の内容は次のとおりです。
構成拡張の処理
この項では、構成拡張の作成、編集およびその他の管理を行う方法を説明します。カスタム・ターゲット・タイプを使用する構成拡張を作成する場合、最初にカスタム・ターゲット・タイプを作成するワークフローが推奨されます。それと同時に、サンプル・ターゲット・インスタンスとして機能する補完的な新しいターゲットも追加できます。
カスタム・ターゲット・タイプの作成
構成拡張の要件を満たす既存のターゲット・タイプがない場合、カスタム・ターゲット・タイプを作成できます。
新規ターゲット・タイプを作成する前に、管理者がソフトウェア・ライブラリをインストールしてあることを確認します(「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」を選択します)。これは、Cloud Controlのインストール後に一度行う必要があります。
カスタム・ターゲット・タイプの作成の間に、新しいターゲット・インスタンスを追加することは必須ではありません。「アクション」メニューから「新しいカスタム・ターゲットの追加」を選択し、前述のプロセスのステップ4および5に従うことで、後からこれを行うことができます。その際、ドロップダウン・リストからカスタム・ターゲット・タイプを選択します。
構成拡張の作成または編集
構成拡張を作成、類似作成または編集するには、次の手順に従います。
適切な権限が与えられている場合、構成拡張を編集してその編集済バージョンを保存できます。この場合、バージョン番号が増加します。また、ドラフトとして編集および保存することや、ドラフトを公開のために編集することができます。構成拡張を編集する際、ターゲット・タイプは変更できません。変更すると、基盤となるメタデータで、構成拡張の既存のデプロイとの互換性がなくなる可能性があるためです。構成拡張および権限についてを参照してください。
ノート:
デプロイ済の構成拡張を編集する場合、保存時に自動的に再デプロイされます。これは、ドラフトとしての保存には適用されません。
終了したら、構成拡張をターゲット・インスタンスにデプロイすることで、構成データの収集を開始できます。構成拡張およびデプロイについてを参照してください。
構成拡張の作成時の資格証明の設定
- 「設定」メニュー(「ヘルプ」メニューの横にあるページの最上部右側)から、「セキュリティ」を選択し、「モニタリング資格証明」を選択します。
- 表内で適切なターゲット・タイプを選択して、「モニタリング資格証明の管理」をクリックします。
- 指定したターゲット・タイプに対して、構成拡張定義中に作成した資格証明セット名のある行を選択して、「資格証明の設定」をクリックします。
- 資格証明セットのユーザー名およびパスワードを入力して、「保存」(またはデータベース資格証明の場合は「テストと保存」)をクリックします。
- 「ファイルとコマンド」タブ(「「ファイルとコマンド」タブの使用」)または「SQL」タブ(「「SQL」タブの使用」)の説明に戻ります。
ルールの設定
ルールを使用して、解析対象の表現で同じ名前を持つノードを区別します。これは、解析対象のツリーのノードに一致させようとする場合や、コンプライアンスを検証するためのSQL問合せを表現する場合の比較および変更履歴で特に重要です。ルールは、ノードを一意に識別する方法としてツリー内のノード・テキストに大括弧で追加された識別子に解決します。これにより、比較などの操作では、ノード・テキストとカッコで囲まれた識別子の組合せが評価用として使用されます。
ルールは、条件および式で構成され、どちらも有効なXPath式である必要があります。条件は、識別子を必要とするノードに解決します。式は、識別子の文字列計算に解決します。条件で指定されたノードをバイパスするには、特殊なケースのSKIP
式を使用できます。これはノイズを排除するのに有益な方法です。つまり、比較が目的の場合は、条件で解決されるノードは無視してください。
一部のルールには、すでに定義済のデフォルト・パーサー・ルールがあります。このルールは、解析対象の表現で自動的に実行されます。デフォルト・ルールのサブセットを使用する、デフォルト・ルールを編集する、または定義したカスタム・ルールで上書きするなどできます。
「ルール」列の数値は意味があります。最初は、この数値はゼロ(0)です。ゼロよりも大きいすべての数値は、定義されているカスタム・ルールの数を示します。ゼロは、デフォルトのパーサー・ルールを持つパーサーにも表示されます。したがって、この列に整数が表示されている場合、その数値によって表されるカスタム・ルールにより、デフォルト・パーサー・ルールがあったとしても上書きされることを意味します。
次の手順に従い、ルールを設定します。
ルールの例は、「解析されたファイルおよびルールの使用」を参照してください。
「ファイルとコマンド」タブ(「「ファイルとコマンド」タブの使用」)または「SQL」タブ(「「SQL」タブの使用」)の説明に戻ります。
構成拡張の管理
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選択した指定内容を表示します(読取り専用)。
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リアルタイムでファセットをモニタリングするため、選択した仕様をコンプライアンス・ライブラリ内のファセットと同期します。
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XMLファイル・フォーマットへのエクスポート、ローカル・ファイル・システムからインポートによって、構成拡張を共有します。
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選択された指定を削除します(適切な権限が必要です)。
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構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して「詳細の表示」をクリックします。
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様々なタブで設定およびルールを詳細に確認します。
ファセットの同期の有効化
構成拡張仕様をリアルタイム・モニタリング・ファセットと同期することで、構成ファイルと、構成拡張の要素である問合せに対するリアルタイムの変更をモニタリングできます。リアルタイム・モニタリングでは、ファイルおよびデータベース設定が変更された日時、変更したユーザー、監視が自動的に調整されたかどうか、監視されたアクションが認可されたかどうか、などを知ることができます。
構成拡張をリアルタイム・モニタリング・ファセットと同期する場合、構成拡張への今後の変更は対応するファセットに自動的に伝播します。つまり、構成の収集、比較、追跡などが行われるのみでなく、認可済のリアルタイム変更のモニタリングも行われます。構成拡張をファセットと関連付けて、ファセットと同期した構成拡張を続いて編集するためには、EM_COMPLIANCE_DESIGNERの追加的なロールが必要です。
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構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して、「アクション」メニューから「ファセットの同期の有効化」を選択します。
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「ファセットの同期」列には、構成拡張表の行の「ファセットの使用」リンクが表示されます。リンクをクリックすると、コンプライアンス・ライブラリの「リアルタイム・モニタリング・ファセット」タブに移動します。ここではファセットと構成拡張の同期を管理できます。
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構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して、「アクション」メニューから「エクスポート」を選択します。
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XMLファイルとして仕様を保存するファイル・システムの場所を参照します。保存されたファイルは、デフォルトで構成拡張の名前を取得します。
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構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して、「アクション」メニューから「インポート」を選択します。
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ファイルの場所を参照します。ファイルを選択し、ダイアログで「インポート」ボタンをクリックします。
インポートされた仕様は構成拡張ライブラリに表示されます。
構成拡張の削除
構成拡張を削除するには、所有者であるか、十分な権限を持っている必要があります。依存性があるため、削除によりデプロイメント、ジョブ・スケジュール、既存の収集などに影響を与える可能性があることに注意してください。
- 構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して「削除」をクリックします。
- 構成拡張を含むジョブの発行まで、一部の依存性は検証できませんが、システムによって、権限が検証され、削除を回避する依存性がチェックされます。
構成拡張およびバージョニングについて
構成拡張を作成する場合、保存またはドラフトで保存を選択できます。通常の保存アクションでは、一般ユーザーのコミュニティに公開して使用できる仕様を作成します。ドラフトで保存アクションでは、仕様はプライベートのままです。仕様の作成および編集時にこれらのアクションをどのように使用するかによって、バージョニングの方法が異なります。次の例を考えてみます。
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構成拡張を作成して保存すると、これはパブリック・バージョン1です。その後で、パブリック1を編集してドラフトで保存すると、これはドラフト1になります。パブリック1は通常、まだ使用できます。ドラフト1を編集して公開すると、これはパブリック2になります。適切な権限を持つ別のユーザーも同時にパブリック1を編集してドラフトで保存でき、ドラフト2のバージョン1が作成されることに注意してください。
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構成拡張を作成してドラフトとして保存すると、これはドラフト1のバージョン1です。このドラフトを編集して再度保存すると、これはドラフト1のバージョン2になります。編集と保存の操作を繰り返すと、これはドラフト1のバージョン3になります。ドラフト1のバージョン3を編集して公開すると、これはパブリック・バージョン1になります。
構成拡張および権限について
構成拡張の処理には、実行する特定の操作に特有の権限が必要です。
操作 | 必要な権限(ロール) |
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新規ターゲット・タイプの作成 |
新規ターゲット・タイプを作成するには、管理者がソフトウェア・ライブラリをインストールしてあることを確認します(「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」を選択します)。これは、Cloud Controlのインストール後に一度行う必要があります。 |
新規ターゲット・インスタンスの作成 |
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構成拡張の作成またはインポート |
「ユーザーが所有する構成拡張の管理」(「すべてのユーザーが所有する構成拡張の管理」の方がより強力です) |
構成拡張と自動的に同期されたリアルタイム・モニタリング・ファセットの関連付け |
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構成拡張の編集または削除 |
編集のレルム内の特定のアクティビティに応じて異なります。
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ターゲットへの構成拡張のデプロイまたはアンデプロイ |
ターゲット・インスタンスに対する「ターゲット・メトリックの管理」権限。「ジョブ・システム」リソース・タイプに対する「作成」権限(デプロイメント/アンデプロイメントをスケジュールする場合)。EM_PLUGIN_AGENT_ADMIN(プラグインを管理エージェントにデプロイする場合) |
新規資格証明セットの作成 |
スーパーユーザー |
構成拡張定義の表示 |
なし |
構成拡張収集データの表示 |
通常の「ターゲット・インスタンス・ビュー」権限 |
インポートされた構成拡張を編集すると、エクスポート中に設定されたオプションによっては、バージョンを変更しない編集に制限されることがあることに注意してください。このような許容可能な編集は資格証明セット情報に対して存在します。
構成拡張およびデプロイについて
構成拡張をデプロイすることは、モニタリングする管理エージェントが指定内容の定義に基づいて構成データを収集するターゲットに、指定内容を指示することです。構成拡張は複数のターゲットにデプロイできます。構成拡張をデプロイおよびアンデプロイするには、十分な権限を持っている必要があります。
デプロイは、次のアクションを実行して管理します。
構成拡張のデプロイおよびアンデプロイ
構成拡張をデプロイすることは、モニタリングする管理エージェントが指定内容の定義に基づいて構成データを収集するターゲットに、指定内容を指示することです。構成拡張は複数のターゲットにデプロイできます。構成拡張をデプロイおよびアンデプロイするには、十分な権限を持っている必要があります。
構成拡張をデプロイするには:
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構成拡張ライブラリで、仕様表の行を選択して「デプロイメントの管理」をクリックします。
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デプロイ・ページで、「追加」をクリックします。開いたダイアログで、構成拡張をデプロイする指定したターゲット・タイプのターゲットを検索および選択します。
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ダイアログを閉じると(「選択」をクリック)、デプロイ処理が保留中であることを示す新しい列が表示され、ステータスが「デプロイ用に選択されました」となります。
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次の手順を実行します。
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デプロイ・ページで、「適用」をクリックして、アクションを確定します。アクション列が表示されなくなり、ステータスが「デプロイメント・ジョブが進行中」となります。
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デプロイをスケジュールし、ライブラリに戻るには、「OK」をクリックします。
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リクエストを無効にし、ライブラリに戻るには、「取消」をクリックします。
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デプロイ・ページで「ステータスのリフレッシュ」をクリックし、結果が正常であることを確認します。
通常、デプロイされている構成拡張(CE)を更新する場合は、再デプロイが自動的に行われます。ただし、サンプル・ターゲットなどの特定のCE属性が変更されている場合、再デプロイは開始しません。
構成拡張をアンデプロイするには:
ライブラリ内の構成拡張の表示では、現在デプロイされている構成拡張が、デプロイ列の緑色のチェック・マークで示されます。列の中の数値は、構成拡張がデプロイされているターゲットの数を示しています。関連するデプロイ・ページに移動するには、数値をクリックします。
構成データ収集の拡張
既存のターゲット収集の拡張
次の手順は、Cloud Controlによる既存ターゲット・タイプの構成データ収集を拡張する方法を示します。たとえば、リスナー・ターゲット・タイプは、Oracleによって提供されているsqlnet.ora
ファイルを収集しません。このアイテムを含むようリスナーのデータ収集を拡張するには、次のステップをとります:
既存の構成データ収集を拡張するテンプレートとしてこの説明を使用してください。