3 Siebelエンタープライズ・ターゲットの構成
この章の内容は次のとおりです。
Siebel Enterpriseまたはターゲットを追加するための前提条件
Siebel EnterpriseまたはSiebelターゲットを追加する前に、次の前提条件が満たされていることを確認します。
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管理エージェントがゲートウェイ・ターゲット・ホストにインストールされていて、そのステータスが「稼働中」である必要があります。
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管理エージェント・ユーザーはsiebelファイル(
siebns.dat
およびsiebenv.sh
)への読取りアクセス権を持っている必要があります。 -
ゲートウェイ・インストール場所が検出中に入力として指定されない場合、管理エージェントは
vpd.properties
ファイルに対する読取りアクセス権を持っている必要があります。 -
管理エージェント・ユーザーは
srvrmgr
ユーティリティに対する実行権限を持っている必要があります(指定したsrvrmgr
資格証明が正しいことを検証するため)。 -
複雑なネットワーク(Enterprise Managerで検出されたホスト名と比較した際にSiebelホスト名が異なる)場合、ユーザーは
siebelserverconfig.xml
ファイルにマッピング・エントリを追加する必要があります。このファイルはゲートウェイ・ホストの<agentinstalldir>/siebelserverconfig
ディレクトリにあります。
Siebelエンタープライズの追加
Siebelエンタープライズを使用すると、管理者は分散するターゲットを論理的に編成して、効率的かつ効果的に管理、監視できます。
Siebel Enterpriseを監視のためにCloud Controlに追加するには、次のステップを実行します。
図3-1 「Siebel Enterpriseの追加」ページ

Enterprise ManagerでのSiebel Enterpriseの検出プロセス
この項では、Siebel EnterpriseがEnterprise Managerによってどのように検出されるかを説明します。次のステップは、検出のために実行されるプロセスを示します。
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ユーザーは「検出」画面で情報を入力します。
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OMSは、empa検出プラグインにあるperlファイル(
siebelDiscovery.pl
)を内部的に呼び出す、ゲートウェイ・ホスト上で実行されているエージェントに接続します。 -
siebelDiscovery.pl
ファイルは、ターゲットのリストを移入するJavaコマンドを実行します。 -
JavaコードがSiebelファイルを解析し、ターゲット・リストを生成します。
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ターゲットのリストはOMSに送信されます。
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OMSはターゲットのリストを解析し、一連の検証を実行します。
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ターゲットはOMSリポジトリに作成されます。
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これらのターゲットは監視のため管理エージェントに送信されます。
注意:
Siebelサーバーのホスト名およびEnterprise Manager (EM)で検出されたホスト名に不一致があると、検出は失敗します。
仮想ホストやクラスタのSiebelサーバー/ゲートウェイなど、Siebel構成に記述されているSiebelホストがEMで監視されているホストと一致しない複雑なSiebelネットワーク構成では、不一致が発生する可能性があります。このような場合、siebelserverconfig.xml
ファイルがこれらのホスト間のマッピングを提供します。
siebelserverconfig.xml
ファイルは、検出用のマッピング・ホスト・エントリを追加するために使用する必要があります。このファイルは<agent_inst>/sieblserverconfig
ディレクトリにあります。siebelserverconfig
ディレクトリは最初のプラグイン・デプロイメントでは使用できません。最初のSiebelターゲットが検出された後で作成されます。したがって、最初の検出の試行では、一致しないホストを使用するSiebelサーバーは検出されません。
Siebelエンタープライズの更新
Siebelサーバーまたはサーバー・コンポーネントをSiebel Enterpriseに対して追加または削除した後には、エンタープライズを更新してSiebel EnterpriseおよびEnterprise Managerのターゲット間の関係をチェックします。
エンタープライズを更新するには、次のステップを実行します。
図3-2 Siebel Enterpriseホームページ

Siebelのコンプライアンス標準
コンプライアンス標準を関連付けるには、次のステップに従います。
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Siebel Enterpriseホームページから、「Siebel Enterprise」、「コンプライアンス」、「標準アソシエーション」の順に選択します。
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「標準アソシエーション」ページで、「アソシエーション設定の編集」をクリックします。
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「ターゲット・コンプライアンス標準のアソシエーション」ページで、「追加」をクリックします。
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「コンプライアンス標準」ウィンドウで、関連付けるコンプライアンス標準を選択して「OK」をクリックします。
関連付けられるルールを確認するには、次のステップに従います。
- Siebel Enterpriseホームページから、「Siebel Enterprise」、「コンプライアンス」、「結果」の順に選択します。
- 「コンプライアンス結果」ページで、コンプライアンス標準で関連付けられるルールを確認します。
既存のSiebelエンタープライズ・ターゲットへのSiebel以外のターゲットの追加
SiebelターゲットをSiebel Enterpriseターゲットに追加するには、Siebel Enterpriseホームページからアクセスできる即時更新機能を使用できます。
Siebel EnterpriseターゲットにSiebel以外のターゲットを追加するには、次のようにします。
- Oracleソフトウェアのダウンロード(
https://www.oracle.com/downloads/
)に移動します。 - 適切なサード・パーティ・プラグインをダウンロードし、Enterprise Managerにそれぞれのターゲットを作成します。
- Cloud Controlコンソールの「ターゲット」メニューから「Siebel」を選択します
- 「Enterprise」タブで、非Siebelターゲットを追加するSiebel Enterpriseターゲットの名前をクリックします。
- 「拡張インフラストラクチャ・ターゲット」タブを選択し、「追加」をクリックします。
- 必要なSiebel以外のターゲットを探して選択し、「選択」をクリックします。
追加されたSiebel以外のターゲットの手動によるサービスに不可欠なターゲットとしての定義
Siebel以外のターゲットを手動でエンタープライズに追加した後、これらのターゲットをEnterprise Managerで使用できる根本原因分析機能で使用できるようにするには、これらのターゲットをキー・コンポーネントとして指定する必要があります。
次のステップを実行して、Siebel以外のターゲットをすべてのSiebelアプリケーション・サービスに不可欠なターゲットとします。
既存のエンタープライズからのサーバーまたはコンポーネントの削除
Siebel Enterpriseターゲットの作成後、そのエンタープライズから個々のサーバーまたはコンポーネントを手動で削除できます。ただし、これにより、Enterprise Managerリポジトリからそれぞれのターゲット情報が削除されます。
エントリが削除されると、Enterprise Managerはそのターゲットを監視しなくなります。そのエンタープライズに対して手動で再同期化を実行すると、Enterprise Managerは新しいシステム・トポロジにそのコンポーネントを含めます。
既存のエンタープライズからコンポーネントを手動で削除する場合、次の2つの方法が可能です。
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「すべてのターゲット」ページで、削除するサーバーまたはコンポーネントの上にマウスを移動して右クリックし、メニューから「ターゲット設定」、「ターゲットの削除」.の順に選択します
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Siebelホームページから、「エンタープライズ」タブを選択して、削除するエンタープライズを選択します。エンタープライズ名の隣にあるラジオ・ボタンを選択して、「削除」ボタンをクリックします。
これにより、Siebelサーバー、ターゲットおよびすべてのエンタープライズ・コンポーネントが削除されます。
Siebelターゲットへのパッチ適用
この項では、パッチ計画を使用してCloud ControlでSiebelターゲットにパッチを適用する方法について説明します。内容は次のとおりです。
注意:
Cloud Controlでのパッチ適用がサポートされているのは、SiebelサーバーおよびSiebelゲートウェイ・サーバーのターゲットのみです。
Siebelターゲットへのパッチ適用の前提条件
次の前提条件を満たしていることを確認します。
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パッチを適用するSiebelサーバーおよびSiebelゲートウェイ・サーバーのターゲットは、Cloud Controlで検出されます。
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13.2.1.0のEnterprise Manager for Oracle Siebelプラグインがシステムにデプロイされていることが必要です。
新しいプラグインのデプロイ方法または既存のプラグインのアップグレード方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドのプラグインの管理を参照してください。
Siebelターゲットへのパッチ適用の手順
SiebelサーバーおよびSiebelゲートウェイ・サーバーのターゲットにパッチを適用するには、次のステップに従います。
- パッチ計画を作成し、SiebelサーバーおよびSiebelゲートウェイ・サーバーのターゲットに適用するパッチを追加します。
- 作成したパッチ計画を分析およびデプロイします。
ユーザー・ロールと権限
Siebelホストに対するエージェント・ユーザーの推奨権限は:
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次のファイルの読取り権限です:
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すべてのSiebelファイル
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vpd.properties
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siebenv.sh (Windows以外のenv)
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siebns.dat
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Siebelグループの一部であることが必要です
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次の権限を実行します:
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サーバー・マネージャ・コマンド。例:
/bin/sh -c “. $siebel_location/siebenv.sh; exec $siebel_location/bin/srvrmgr -g <gateway_name> -e <enterprise_name> -s <server_name> -u <user_id> –p <password>"
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サーバー・ホストからの
odbcsql
コマンド。例:/bin/sh -c “. $siebel_location/siebenv.sh; exec $siebel_location/bin/odbcsql /s <server_name> /u <user_id> /p <password>"
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OEMユーザーのロールおよび権限の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlセキュリティ・ガイドを参照してください。
プラグインを管理するための即時利用可能なEnterprise Managerロールは次のとおりです。
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EM_PLUGIN_OMS_ADMIN: 管理サーバー・インスタンスでプラグインのライフサイクルを管理できます。
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EM_PLUGIN_AGENT_ADMIN: 管理エージェントでプラグインのライフサイクルを管理できます。
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EM_PLUGIN_USER: プラグインのライフサイクル・コンソールを表示できます。